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堺市 第2次障害者長期計画

ひとりひとりが”生き活き”と輝いている暮らしをめざして

平成8年3月

堺市

第5章 まちづくり

<すべての人が自由に外出し活動できるまち>

(1) 物理的バリアフリー

1.民間建築物の整備改善の促進

[基本的方針]
 民間事業者が特定の建築物を設置する際に、法令等に基づく協議・指導・助言を行い、障害者や高齢者等が安全かつ容易に利用できる良質な建築物の整備を促進するとともに、その機会を通じて「福祉のまちづくり」についての理解と協力を求めていきます。

(具体的取組)

(すべての人にやさしい建築物の整備促進)
 「高齢者・身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(ハートビル法)」、「大阪府福祉のまちづくり条例」、本市「福祉まちづくり環境整備要綱」に基づき、特定施設の建築事業者等に対して指導等を行い、すべての人にやさしい建築物の整傭の促進を図ります。
実施
実施
実施
(指導体制の確立)
 民間事業者の特定建築物の設置について、法令等に基づく協議手続きの簡素化を図るとともに、指導等が確実に行えるよう関係部局間で協議し、連絡体制の確立を図ります。
協議・実施
実施
実施
(優遇措置等の周知・拡充)
 ハートビル法に基づく、特定建築物に関する建築基準法上の特例措置、税制上の特例措置、低利融資制度について建築主、建築士等への周知に努めるとともに、大阪府に対して大阪府福祉のまちづくり条例に基づく民間建築物の福祉的整備(既存施設の改善を含む。)に対する助成制度の拡充を要望していきます。
要望・実施
実施
実施
(福祉のまちづくりの啓発)
 民間事業者等に対して福祉まちづくり環境整備要綱のパンフレットを配布し、福祉のまちづくりについて理解と協力を求めていきます。
実施


2.本市公共施設の整備

[基本的方針]
 本市公共施設の整備に当たっては、民間建築物等の模範となるよう障害者、高齢者等の利用に配慮した施設整備に努めるとともに、その施設の目的用途に応じて提供されるべきサービス利用についてのユーザビリティ(利用可能性)の確保に配慮した福祉整備に努めます。

(具体的取組)

(公共施設の福祉整備)
 本市公共施設の設計に当たり、建築物、道路、公園等の用途、規模、敷地の形状、付近の状況、利用形態、利用者等を把握し、障害者、高齢者等が使いやすく、実態に即した福祉整備の内容を検討し、計画します。
実施
(利用しやすい設備整備)
 本市公共施設の新設・改善に当たり、大阪府福祉のまちづくり条例、本市福祉まちづくり環境整備要綱の整備基準に基づいて、整備を進めるとともに、障害者、高齢者等の「利用しやすさ」に配慮した設備の整備に努めます。
実施


3.本市既存施設の改善

[基本的方針]
 大阪府福祉のまちづくり条例、本市福祉まちづくり環境整備要綱の整備基準に適合しない市有建築物等について、計画的かつ効果的な改善に努めるとともに、障害者、高齢者等が安心して通行できるゆとりのある歩道を傭えた道路整備を進めます。

(具体的取組)

(福祉整備改善計画の策定)
 大阪府福祉のまちづくり条例、本市福祉まちづくり環境整備要綱の整備基準に適合しない市有建築物について、実態調査を行い、この調査結果に基づき福祉整傭改善計画を策定し、順次改善を進めます。
実態調査・計画策定実施
実施
完了
(福祉まちづくり改善計画連絡会(仮称)の設置)
 既存施設の改善にあたって、隣接公共施設の整備状況あるいは改善計画を把握し、効果的な整備を図るため、関係部局間の連絡体制を検討します。
設置検討
開催
開催
開催
(既存施設の改善)
 市既存公共施設の一般改修工事の設計にあたり、改修部分について必要な福祉整備を計画に盛り込むとともに、改修部分以外についても、可能な限り福祉整備の改善を計画に盛り込むように努めます。
実施
(学校施設の改善)
 改築事業及び大規模改造事業において学校施設の改善を行い、大阪府福祉のまちづくり条例・整傭基準に適合した施設整備を図ります。
 <スロープ、車いす用便房等の設置、誘導用ブロックの設置、横断溝蓋の改良、垂直移動設備等の設置> (再掲)
調査・改善
計画・実施
実施
実施
(ゆとりのある歩道整備)
 主要駅より障害者施設及び公共施設へのアクセス道路にゆとりのある歩道を整備していきます。
整備目標 30KM
整備9KM
整備12KM
整備9KM


4.整備された施設や設備の活用

[基本的方針]
 障害者、高齢者等に配慮して整備された設備が効果的に利用されるよう整備情報等の提供に努めるとともに、その機能を阻害する行為の防止に努めます。

(具体的取組)

(ガイドマップの作成)
 障害者等が利用できる設備の整備状況についての情報を提供するため、当事者の協力を得て、ガイドマップの作成に努めます。
調査
作成
(共用思想の普及)
 車いす用トイレ等福祉設備は、障害者だけが利用するものでなく、高齢者や松葉杖使用者等はもちろん健常者であっても利用できるものであり、かつすべての人にとって利用しやすいという「共用の思想」を普及させることにより、障害者用トイレ等の整備促進を図るとともに、設備の有効利用を図ります。
啓発
(歩道不法占拠物の撤去)
 視覚障害者、車いす使用者、高齢者等歩行者の安全確保を図るため、歩道上の看板等不法占拠物の速やかな撤去に努めます。
実施
(迷惑駐車の追放)
 迷惑駐車を追放し、歩行者やバス利用者等の円滑な通行を確保するとともに、視覚障害者、車いす利用者等の安全確保を図るため、迷惑駐車禁止条例の設置を検討します。
検討・条例化・条例施行
条例施行
条例施行
(放置自転車対策)
 歩行者の通行を阻害する放置自転車対策に取り組みます。鉄道駅周辺に駐輪場を整備し、自転車等放置禁止区域を設けることにより、駅周辺での歩行者の安全確保を図ります。
目標 市内全駅(27駅)に整備する。
平成7年末現在 市内19駅整備済
未整備駅
(南海高野線) 浅香山、三国ヶ丘、百舌鳥八幡
(南海本線)  諏訪の森、浜寺公園
(JR阪和線)  百舌鳥、津久野
(泉北高速線) 深井
整備実施・整備完了
維持管理
維持管理


5.「みんなにやさしいまちづくり」の理念に基づく面的整備

[基本的方針]
 障害者、高齢者をはじめ全ての人々が自由に安心して外出できる、安全かつ快適な都市環境を創出するため、面的な整備を促進します。

(具体的取組)

(市街地再開発事業)
 市街地再開発事業における複合施設整備(住宅・商業等)にあたっては、不特定多数の市民が安全かつ容易に利用できる動線の確保を図るとともに障害者や高齢者等の利用のしやすさに配慮した整備に努めます。
堺市駅前地区整備
北野田駅前A地区整備
(人にやさしいまちづくり事業)
 泉ケ丘地区において「国連・障害者の十年」記念施設及び大阪こどもの城(仮称)の整備の促進を図るとともに、これらの施設を中心に周辺地域(約45ha)をモデル地区に指定して障害者、高齢者をはじめ全ての人々にとって利用しやすい都市環境を創出するため、人にやさしいまちづくり事業を推進します。
平成11年度 完了予定
本市事業
泉ケ丘市民センターの整備、泉ケ丘駅前南側歩道整備、大蓮公園の整備(いきいきふれあい公園事業)
事業実施
事業完了予定


6.福祉まちづくり環境整備要綱の適切な運用の確保

[基本的方針]
 本市要綱が真にその役割を果たしていくために、今後の急速な科学技術の発達や社会経済情勢の変化に即応させるとともに、当事者のニーズにも配慮しながら、適時適切な基準の見直しを行い、みんなにやさしいまちづくりの整備を進めていきます。

(具体的取組)

(要綱適用範囲の拡大)
 社会参加機会の拡大を図り、日常生活圏におけるバリアフリー化を進めるため、小規模レジャー施設や日常生活上頻繁に利用する飲食店、物品販売店等への要綱適用について面積基準、整傭基準等の研究・検討を進め、その推進を図ります。
研究・検討・要綱改正
要綱適用
要綱適用
(福祉機器の導入促進)
 障害者、高齢者等の利便性の向上に寄与するために開発された福祉機器等についての情報収集に努めるとともに、施設の種類等に応じて、必要な設備については、要綱基準に盛り込むことにより導入を促進します。
調査
検討
要綱改正
(当事者意見の反映)
 市有建築物、道路、公園等の福祉整備を行うに当たっては、当事者の意見を反映させるよう努めるとともに、本市福祉まちづくり環境整備要綱基準の新設、大幅な改正に当たっては、障害者施策推進協議会に諮るよう努めます。
随時実施


7.利用施設等におけるユーザビリティの確保

[基本的方針]
 障害者の社会参加を促進するうえで、目的施設へのアクセスを保障していくことも大切ですが、例えば、図書館に車いす利用者も利用できる閲覧机を設置したり、レストランに点字メニューを置くことなど、その施設が本来目的とするサービス機能が障害者にも同等に提供されるよう利用施設におけるユーザビリティ(利用可能性)の確保に努めます。

(具体的取組)

(利用施設のユーザビリティの確保)
 各利用施設等におけるユーザビリティの確保を図るため、各種福祉機器等ハード的設備やソフト的取組等についての情報収集に努めながら、各利用施設ごとのユーザビリティの研究を進めます。
研究
整備指針
指針の活用

(2) 心のバリアフリー

1.市民の理解と協カによる福祉のまちづくりの推進

[基本的方針]
 福祉のまちづくりを進めるためには、障害者や高齢者等に配慮されたやさしいまちづくりは、単に、障害者等にとって利用しやすいだけでなく障害をもたない人々にとっても利用しやすいものであるということについて市民の理解を深めることが必要です。また、福祉のまちづくりはハード的な整備だけでなく、暖かい心を持った手助けも大切な要素であり、市民全員の参加と協力のもとに障害者、高齢者等が自由に安心して出かけられるようハード、ソフト両面の推進を図っていきます。

(具体的取組)

(福祉のまちづくりの啓発)
 福祉まちづくり環境整備要綱のパンフレットを作成し、市民や民間建築物の建築主に配布し、「福祉まちづくり」の啓発に努め、市民の理解と協力を求めます。(再掲)
実施
(優良建築物表彰制度)
 ハートビル法、府条例、市要綱の整備基準に基づき、整備された民間建築物のうち特に模範となるような優良建築物を表彰することにより、福祉のまちづくりを啓発・促進していきます。
検討・実施
実施
実施
(行動に結ぴ付く思いやりの溢れたまちづくり)
 障害者、高齢者等をテーマとする啓発冊子に手助けの仕方などを掲載し、キャプハンディの実践を通して市民がいつでも、どこでも、気軽に手助けできる気運を醸成していきます。
検討・実施

(3) 移動対策の充実

1.駅舎における垂直移動対策の促進

[基本的方針]
 障害者、高齢者等が市内全駅ヘアクセスできるよう鉄道事業者に対して垂直移動対策等駅舎環境の改善を要請するとともに、必要な支援に努め、社会参加の促進と福祉のまちづくりの推進を図ります。

(具体的取組)

(駅舎のエレベーター設置助成)
 既存駅舎のエレベーター施設の整備を促進するため、鉄道事業者に対して工事費の一部助成を行います。また、補助対象駅舎の範囲の拡大を図ります。
実施
拡大・検討
実施
実施


2.低床バス等の導入の促進

[基本的方針]
 高齢社会の到来が間近に迫っている今日、市民にとって一番身近な公共交通機関であるバスが障害者や高齢者等にとってやさしい乗り物となるためには、高いステップを無くし、車いす使用者や乳母車利用者が容易に利用できるような設備を備えることが必要となってきます。本市内を運行するバスにっいて低床バス、リフト付きバス等の導入を促進します。

(具体的取組)

(低床バス等の導入)
 南海バスと協議を進めながら、低床バス等の導入を促進します。
平成7年末
 低床バス、リフト付きバス運行実績0台
堺市内現在運行台数約300台(大部分南海バス)
協議・検討・導入促進
導入促進
導入促進


3.鉄軌道整備の障害者、高齢者等対策の検討

[基本的方針]
 堺市鉄軌道(東西線及び地下鉄3号線延伸線)の整備にあたり、障害者、高齢者に配慮した施設とするための積極的な取組を行います。

(具体的取組)

(堺市鉄軌道の整備)
 障害者、高齢者等が利用しやすい鉄道となるよう施設整備を行います。
[駅施設の整備]
  • 車いす対応のエスカレータ、エレベータの設置(ホーム階~地上)
  • 車いすに配慮した通路幅の確保
  • 点字ブロック、手すり、スロープ、転落防止柵等の設置
  • 利用しやすい改札口、券売機等の整備
[車両の整備]
  • 優先座席の設置及び車いす固定スペースの確保
  • 文字での行き先、駅名案内板の設置
  • 車両とホームとの隙間、段差に対する配慮
計画策定・国、府と調整
事業実施
事業実施


4.障害者等の外出支援の充実

[基本的方針]
 ー人で外出が困難な重度障害者等の外出を支援し、社会参加の促進とQOL(生活の質)の向上を図ります。

(具体的取組)

(ガイドヘルパー)
 視覚障害者ガイドヘルパー、車いすガイドヘルパー、知的障害者ガイドヘルパーの充実を図ります。(一部再掲)
平成17年度必要予測派遣時間数 174,000時間
平成6年度派遣時間数
 視覚・車いす・知的ガイド 53,783時間
充実
充実
充実
(ホームヘルパーによる外出支援)
 堺市福祉サービス公社において、多様な外出二一ズに対応できるホームヘルパーの養成を促進し、高齢者、障害者の外出支援を充実します。(再掲)
設立・養成
養成
養成
(タクシー利用料金助成制度)
 重度心身障害者が移動手段としてタクシーを利用する場合の料金一部助成制度の充実に努めます。
平成6年度 交付者数 3,807人
実施
(音声誘導案内システムの導入)
 視覚障害者の移動を容易にするため、市有建築物等への盲導鈴の設置を推進するとともに、音声による誘導案内システム等の調査・研究に努め、必要な市施設への導入を図ります。
設置促進・調査・研究
設置促進・調査・研究
設置促進・導入
(盲導犬)
 盲導犬について市民の理解のための啓発を行うとともに、本市視覚障害者の二一ズを調査し、外出支援としての盲導犬の活用について研究・検討を行います。
啓発
調査
研究・検討

(4) 通信手段の確保

1.聴覚障害者等の通信手段の確保

[基本的方針]
 障害者の公衆通信手段の確保を図るとともに、利用しやすい設備の設置を促進します。

(具体的取組)

(市有施設の公衆ファックス設置)
 本市中核的施設に公衆ファックスの順次設置を図ります。<本庁、各支所、堺病院他>
平成7年末現在 設置箇所 1か所(福祉会館)
設置
(聴覚障害者の市有ファックス利用への配慮)
 聴覚障害者等のコミュニケーション手段の確保を支援するため、申出があった場合は、市有施設内にあるファックス利用の便宜供与に努めます。
周知・実施
(鉄道駅の公衆ファックス設置)
 主要鉄道駅に公衆ファックスを設置するようNTT及び鉄道事業者に要望します。
要望
(車いす用電話ボックスの設置)
 公衆電話ボックスを設置する場合、設置場所、周辺施設の状況等必要に応じて車椅子用電話ボックスを設置するようNTTに要望します。
要望

主題: 第2次障害者長期計画

発行者: 堺市民生総務部

発行年月: 平成8年3月

この文献に関する問い合わせ先: 〒590 堺市南瓦町3-1

電話: 0722-33-1101