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岡山市障害者保健福祉計画

平成10年~平成14年

平成10年3月

岡山市

2部 障害者等の現状

第1 人口等の状況

1.人口構成
 平成9年3月31日現在の本市の総人口は、614,808人です。また、O歳から14歳までの「年少人口」は、100,654人、65歳以上の「老年人口」は、91,087人です。


住民基本台帳及び外国人登録人口のグラフ

2.年齢3区分人口の推移
 年齢3区分人口の推移をみると、年少人口が減少し、老年人口が増加していることがわかります。65歳以上の人口の比率を示す高齢化率は、昭和61年には9.6%でしたが、平成9年3月末には、14.9%となっています。これは全国平均15.4%(平成9年4月1日現在)よりは0.5ポイント低いのですが、本市においても人口の高齢化が進んでいることがわかります。

岡山市の年齢別人口推移統計のグラフ

2 障害者(児)等の状況

1 身体障害者(児)の状況

1.年齢区分別、身体障害者(児)数
 身体障害者(児)について、身体障害者手帳の所持者から把握していきます。
 本市における身体障害者(児)数は、平成9年3月31日現在16,494人で、人口の2.71%を占めています。年齢階級別にみると、65歳以上が9,053人で、身体障害者全体の54.9%に当たり、高齢者が過半数を占めていることがわかります。
 また、18歳未満の身体障害児は465人で2.8%となっています。

年齢別身体障害者手帳所持者のグラフ


2.身体障害者手帳所持者数の推移

 身体障害者(児)数の推移をみると、平成2年以降、年々増加する傾向にあります。平成9年は中核市移行に伴い、住民基本台帳との照合の結果、手帳所持者数が減少していますが、人口に占める割合は、平成2年の2.3%から平成9年には2.7%へと上昇しています。

身体障害者(児)数の推移のグラフ


3.障害等級別の身体障害者(児)数

 障害の等級別人数とその推移をみると、平成2年以降、特に1級の人数が増加しており、等級別の割合では、平成2年には24.0%でしたが、平成9年では30.7%と6.7ポイント上昇しています。このことから障害の重度化が進んでいることがわかります。
 また、平成9年のみでみると、1級は全体の30.7%、2級は18.1%で、1級及び2級を合わせた「重度」障害者の割合(重度化率)は、全体の48.8%と半数近くになっています。

障害等級別の身体障害者(児)数のグラフ


4.障害種別・身体障害者(児)数

 身体障害者(児)を障害の種別にみると、平成9年では「肢体不自由」が9,463人で、全体の57.4%と過半数を占め、「内部障害」が3,712人(22.5%)、「聴覚・平衡機能障害」が1,542人(9.3%)、「視覚障害」が1,580人(9.6%)、「音声・言語障害」が197人(1.2%)となっています。
 障害種別の推移では、「肢体不自由」が平成2年の7,960人と比較して18.9ポイントの増加、「内部障害」は2,083人から78.2ポイントと大幅に増加していることがわかります。

障害種別・身体障害者(児)数のグラフ


5.障害の原因

 身体障害の原因をみると、後天性疾病が54.8%、先天性障害が10.3%、交通事故7.7%、労働災害5.7%、その他の事故4.8%、出生時の損傷3.1%、戦傷、戦病、戦災2.4%となっています。このことから、後天的な疾病による障害が最も多いことがわかります。

障害の原因のグラフ


6.障害の原因となった疾病の種類

 身体障害の原因となった後天的な疾病の内訳をみると、脳血管障害が25.2%、心臓疾患が21.4%で、この二つが原因の半数近くを占めていることがわかります。

障害の原因となった疾病の種類のグラフ


7.身体障害者数の将来推計(年齢階級別)

 目標年次の平成14年度における身体障害者数は、18,760人と推計されます。これは平成8年度末に比べて13.7%の増加であり、65歳以上の老齢人口の増加が予想されるため、身体障害者数も増加すると考えられます。

身体障害者数の年齢階級別将来推移のグラフ

 知的障害者(児)の状況

1.年齢区分別、知的障害者(児)数の推移

 知的障害者(児)について、療育手帳の所持者から把握していきます。
 本市における知的障害者(児)数は、平成9年3月31目現在2,446人です。そのうち18歳未満の知的障害児は603人(24.7%)、18歳以上の知的障害者が1,843人(75.3%)です。
 推移をみると、18歳未満の知的障害児は、平成2年以降、500~600人台であまり変化がありませんが、18歳以上の知的障害者は平成2年には1,255人でしたが、平成9年は1,843人で、約47%も増加しています。このことから知的障害者の高齢化が進んでいることがわかります。全体としては平成2年の1,843人から32.7%増加しています。

年齢区分別、知的障害者(児)数の推移のグラフ


2.障害者程度別の知的障害者(児)数

 知的障害者(児)の障害の程度別人数を療育手帳の種別でみると、平成9年3月31日現在、療育手帳Aの所持者は1,038人(42.4%)、療育手帳Bの所持者は1,403人(57.6%)です。
 平成2年と比較するとAは23.3%、Bは40.7%、それぞれ増加しています。

知的障害者(児)の障害の程度別人数のグラフ

 精神障害者の状況

1.通院医療費公費負担認定者(精神疾患別)

 精神障害者の通院医療費については、公費負担制度があります。平成9年3月31日現在で、この制度を利用した精神障害者数は2,210人で、平成6年以降、増加しています。疾患別にみると、「精神分裂病」が1,226人(55.5%)、「てんかん」が263人(11.9%)、「そううつ病」が211人(9.5%)、「アルコール中毒」が51人(2.3%)、「老年精神障害」が20人(0.9%)、「その他」が439人(19.9%)となっています。

精神疾患別通院医療費公費負担認定者数のグラフ

2.精神障害者保健福祉手帳所持者の状況
 精神障害者保健福祉手帳は、平成7年5月の「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」の制定において創設された制度です。手帳所持者には、税制の優遇措置、生活保護の障害者加算等の措置が講じられます。本市におけ局精神障害者保健福祉手帳の所持者数は、平成9年3月31日現在で295人です。
 年齢階級別にみると40~49歳が93人(31.5%)で最も多く、次が50~59歳の77人(26.1%)で、この2つで57.6%と過半数を占めています。

年齢階級別精神障害者保健福祉手帳所持者数のグラフ

3.精神疾患入院患者の状況(岡山県)

 岡山県内での精神疾患入院患者の状況は、以下のとおりです。

精神疾患入院患者の状況についてのグラフ

 難病患者の状況

原因が不明で、治療法の確立していない、いわゆる「難病」患者のうち、38種類の「特定疾患治療研究事業」と10種類の「小児慢性特定疾患治療研究事業」(平成9年3月末現在)の対象者については、医療費の公費負担制度があります。
 また、国の障害者プランにおいては、「難病を有する者に対して」「ホームヘルプサービス等適切な介護サービスの提供を推進する」としており、平成8年6月には厚生省が難病患者を対象としたホームヘルプサービス事業、短期入所(ショートステイ)事業、日常生活用具給付事業を「難病患者等居宅生活支援事業」として位置づけました。

1.特定疾患及び小児慢性特定疾患患者の推移

本市における難病患者の実数を把握することは困難ですが、特定疾患治療研究事業認定患者数は、平成9年3月31目現在、2,169人、小児慢性特定疾患治療研究事業認定患者数は、683人です。

特定疾患及び小児慢性特定疾患患者の推移についてのグラフ

3 障害者の生活状況

1.現在の生活場所

 身体障害者及び知的障害者の現在の生活場所をみると、身体障害者では、在宅で家族と同居している人が78.0%、一人暮らしの人が10.7%、病院3.1%、福祉施設5.7%となっています。これに対して知的障害者では、在宅(家族と同居)が74.0%、次に多いのが福祉施設で18.9%、一人暮らしの人が2.4%、病院0.9%となっています。

身体障害者及び知的障害者の生活場所についてのグラフ

2.同居の家族

 現在同居している家族では、身体障害者では配偶者(57.4%)や子ども(39.0%)、知的障害者では、父(54.2%)や母(67.7%)、兄弟姉妹(46.6%)が多くなっています。これに対して精神障害者は、全体的に同居している割合が少なく、一人暮らしの人が20.1%となっています。

同居する家族についてのグラフ

3.経済生活の状況

 障害者は、障害のために就労していないなどの理由から、収入を年金や手当に依存し、経済的に苦しい生活をしている場合が少なくありません。
 アンケート調査の結果によると、18歳以上65歳未満の生産年齢の主な収入源としては、身体障害者では「本人の年金・手当・恩給」が33.8%、「本人の給料・賃金」は29.7%でした。知的障害者では「親の収入」が47.6%、「本人の年金・手当・恩給」が46.0%、精神障害者では「生活保護費」が45.5%、「本人の年金・手当・恩給」が41.0%となっています。
 また、障害者の1か月当たりの平均収入を18歳以上65歳未満の生産年齢についてみると、5~10万円未満が最も多く、身体障害者で22.1%、知的障害者で56.5%、精神障害者で48.7%を占めています。このことから障害者の収入は平均的に大変少ない状況となっています。

経済生活の状況についてのグラフ

4.日常生活動作(ADL)の状況

 障害者は、障害のために食事や入浴などの日常生活の動作、洗濯、掃除などの家事について、介助を必要とする場合があります。
 この日常生活動作(ADL)の自立度は、障害の種別、程度によって異なりますが、アンケート調査では、身体障害者、知的障害者、精神障害者について、それぞれ以下のような結果となりました。
 身体障害者では、「外出」「買い物」「洗濯・炊事」について介助を必要とする人の割合が多く、また「食事」「トイレ」についても、1割前後の人が、常に介助を必要としています。
 知的障害者についても、身体障害者とほぼ同じような傾向がみられますが、全体的に常に介助を必要とする人の割合が高くなっています。
 精神障害者では、常に介助を必要とする人の割合は、全体的に少ないのですが、「炊事」「近所づきあい」「接客」「掃除・片づけ」については「ときに介助が必要」と答えた人が、3割程度いることがわかります。

身体障害者、知的障害者、精神障害者の日常生活動作(ADL)の自立度についてのグラフ

5.雇用の状況
 障害者の雇用状況をみると、下記のようになっています。(平成9年6月1日現在)

(1)民間企業の障害者雇用状況

公共職業
安定所
企業数 算定基礎
労働者数
障害者数 雇用率
(%)
雇用率未達成
企業の割合(%)
重度 中軽度
岡 山 398 85,539 388 678 1,066 1.70 41.5
西大寺 39 5,704 26 76 102 2.24 20.5


(2)市職員の障害者雇用状況

分  類 算定基礎労働者数
( )内は総職員数
障害者数 雇用率
(%)
重度 中軽度
非 現 業 的 機 関 3,664(5,185)
17 40 57 2.02
現業的機関(水道局) 352(436) 1 5 6 1.98

※法定雇用率
「障害者の雇用の促進等に関する法律」に定められた雇用率
 民間企業・・・・・・一般民間企業1.6%、特殊法人1.9%
 国・地方公共団体…非現業機関2.0%、現業機関1.9%
*平成10年7月からの法定雇用率…民間企業1.8%、国・地方公共団体2.1%
 雇用率の算定方法(重度障害者数×2+中軽度障害者数)÷算定基礎労働者数×100

民間企業における障害者雇用率の比較についてのグラフ

  民間企業における障害者雇用率(平成9年6月1日現在)をみると、岡山公共職業安定所管内は1.70%で、全国の1.47%よりは高いのですが、県の1.84%よりは低くなっています。

4 障害者の二ーズ

1.希望する在宅福祉サービス

 アンケート調査で、障害者に対して今後利用したい在宅福祉サービスを尋ねたところ、右のような結果となりました。

身体障害者が希望する在宅福祉サービスのついてのグラフ

 まず身体障害者では、「心身障害者医療費の助成」が最も多く、次が「住宅改造費の助成」、「ホームヘルパーの派遣」となっています。

知的障害者が希望する在宅福祉サービスのついてのグラフ

 これに対して知的障害者は、「心身障害者医療費の助成」が最も多いのは同じですが、2番目が「ショートステイ」で、この2つが他に比べて特に多くなっています。

精神障害者が希望する在宅福祉サービスのついてのグラフ

 また、精神障害者では、「精神保健相談」や「家庭訪問」の割合が高くなっています。

 以上の結果から、身体障害者は医療費の助成や住宅改造、ホームヘルパーへの要望が強く、知的障害者は医療費助成とショートステイ、精神障害者は、相談事業や訪問事業への要望度が高いことがわかります。

2.充実してほしい福祉施策

 障害者に「もっと充実してほしい福祉施策」を尋ねたところ、以下のような結果になりました。

 身体障害者では多い順に「年金などの所得保障」、「医療費の軽減」、「行政サービスなどの情報提供」となっており、経済的援助と行政サービスの情報提供への要望が高いことがわかります。知的障害者では「年金などの所得保障」の次に「啓発や福祉教育」が挙がっており、これは知的障害者に対する偏見や差別の改善を求めているためと考えられます。精神障害者では、「啓発・広報活動や福祉教育」が最も多く、次が「年金などの所得保障」、「就労の場の確保」「医療費の軽減」で、経済的支援への要望が高くなっています。

身体障害者が希望する充実してほしい福祉施策についてのグラフ

知的障害者が希望する充実してほしい福祉施策についてのグラフ

精神障害者が希望する充実してほしい福祉施策についてのグラフ


主題:
岡山市障害者保健福祉計画(平成10年度~14年度)