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高山市障害者福祉計画

いきがいと思いやりのある福祉のまちづくり

~人にやさしい福祉の生活空間づくり~

平成10年 3月

障害者プランの概要

~ノーマライゼーション7か年戦略~

平成7年12月18日
障害者対策推進本部決定

《プランの特色》

*「障害者対策に関する新長期計画-全員参加の社会づくりをめざして-」(計画期間は平成5年度~14年度)の重点施策実施計画
*新長期計画の最終年次に合わせ、平成8年度~14年度の7か年計画」
*数値目標を設定するなど具体的な施策目標を明記
*障害者対策推進本部で策定し、関係省庁の施策を横断的に盛り込み

(注1)

障害者対策推進本部は、平成8年1月19日の閣議決定により、障害者施策推進本部に改称した。
(注2)

「障害者対策に関する新長期計画」は、平成5年~14年を計画期間として、障害者対策推進本部で決定している。また、新長期計画は障害者基本法第7条の2の規定により策定された障害者基本計画とみなされている。

【プランの視点及び具体的な施策目標】

国においては、ライフステージの全ての段階において全人間的復権を目指すリハビリテーションの理念と、障害者が障害のない者と同等に生活し、活動する社会を目指すノーマライゼーションの理念の下、「障害者対策に関する新長期計画」を策定しその推進に努めています。
障害者プランではこの理念を踏まえつつ、次の7つの視点から施策の重点的な推進を図ることとしています。

1 地域で共に生活するために

ノーマライゼーションの理念の実現に向けて、障害のある人々が社会の構成員として地域のなかで共に生活が送れるように、ライフステージの各段階で、住まいや働く場ないし活動の場や必要な保健福祉サービスが的確に提供される体制を確立する。

1住まい(公共賃貸住宅、グループホーム等)や働く場(授産施設等)の確保
2障害児の地域療育体制の構築
3精神障害者の社会復帰・福祉施策の充実等
4介護サービス(ホームヘルパー、入所施設等)の充実
5移動やコミュニケーション支援など社会参加の促進
6難病を有する者への介護サービスの提供等

【具体的施策目標】

住まいや働く場ないし活動の場の確保〈厚生省〉

(現状) (目標)
○グループホーム・福祉ホーム 5千人分 2万人分
○授産施設・福祉工場 4万人分 6.8万人分
○新たに整備する全ての公共賃貸住宅は、身体機能の低下に配慮した仕様とする。〈建設省〉
○小規模作業所について、助成措置の充実を図る。

地域における自立の支援〈厚生省〉

○障害児の地域療育体制の整備
・重症心身障害児(者)等の通園事業 300か所 1.3千か所
・全都道府県において、障害児療育の拠点となる施設の機能を充実する。
○精神障害者の社会復帰の促進
・精神障害者生活訓練施設(援護寮) 1.5千人分 6千人分
・精神障害者社会適応訓練事業 3.5千人分 5千人分
・精神科デイケア施設 370か所 1千か所
○障害児の療育等支援、精神障害者の社会復帰、障害者の総合的な相談・生活支援を地域で支える事業を、概ね人口30万人当たり、それぞれ2か所ずつ実施する。
○障害者の社会参加を促進する事業を概ね5万人規模を単位として実施する。

介護サービスの充実〈厚生省〉

○在宅サービス
・ホームヘルパー 4.5万人上乗せ
・ショートステイ 1千人分 4.5千人分
・デイサービス 500か所 1千か所
○施設サービス
・身体障害者療護施設 1.7万人分 2.5万人分
・精神薄弱者更生施設 8.5万人分 9.5万人分
○難病を有する者に対して、関連施策としてホームヘルプサービス等適切な介護サービスの提供を推進する。

2 社会的自立を促進するために

障害者の社会的な自立に向けた基盤づくりとして、障害の特性に応じたきめ細かい教育体制を確保するとともに、教育・福祉・雇用等各分野との連携により障害者がその適性と能力に応じて、可能な限り雇用の場に就き、職業を通じて社会参加することができるような施策を展開する。

【具体的施策目標】

○各段階ごとの適切な教育の充実〈文部省〉
○法定雇用率達成のための障害種類別雇用対策の推進〈労働省〉
○第3セクターによる重度障害者雇用企業等の、全都道府県域への設置を促進する。〈労働省〉

3バリアフリー化を促進するために

障害者の活動の場を拡げ、自由な社会参加が可能となる社会にしていくため、様々な政策手段を組み合わせ、道路、駅、建物等生活環境面での物理的な障壁の除去に積極的に取り組む。

【具体的施策目標】

○21世紀初頭までに幅の広い歩道(幅員3m以上)が約13万kmとなるよう整備する。〈建設省〉
○新設・大改良駅及び段差5m以上、1日の乗降客5千人以上の既設駅について、エレべー夕等の設置を計画的に整備するよう指導する。〈運輸省〉
○新たに設置する窓口業務を持つ官庁施設等は全てバリアフリーのものとする。〈建設省〉
○高速道路等のサービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)や主要な幹線道路の「道の駅」には、全て障害者用トイレや障害者用駐車スペースを整備する。〈建設省〉

4 生活の質(QOL)の向上を目指して

障害者のコミュニケーション、文化、スポーツ、レクリエーション活動等自己表現や社会参加に通じた生活の質の向上を図るため、先端技術を活用しつつ、実用的な福祉用具や情報処理機器の開発普及を進めるとともに、余暇活動を楽しむことのできるようなソフト・ハード面の条件整備等を推進する。

【具体的施策目標】

○福祉用具等の研究開発体制の整備・普及促進、民間事業者等による研究開発、産業界の取り組みの促進〈厚生省、通産省〉
○情報通信機器等の研究開発・普及〈厚生省、通産省、郵政省〉
○情報提供、放送サービスの充実〈厚生省、通産省、郵政省〉
○障害者スポーツ、芸術・文化活動の振興〈厚生省、文部省〉
○公園、水辺空間等オープンスペースの整備〈建設省〉

5 安全な暮らしを確保するために

災害弱者といわれる障害者を、地震、火災、水害、土砂災害等の災害や犯罪から守るため、地域の防犯・防災ネットワークや緊急通報システムの構築を急ぐとともに、災害を防ぐための基盤づくりを推進する。

【具体的施策目標】

○緊急通報を受理するファックス110番を全都道府県警察に整備する。〈警察庁〉
○手話交番の設置、手話バッジの装着の推進〈警察庁〉
○災害時の障害者援護マニュアルの作成・周知〈厚生省〉

6 心のバリアを取り除くために

子供の頃から障害者との交流の機会を拡げ、ボランティア活動等を通じた障害者との交流を進めるとともに、様々な行事・メディアを通じて啓発・広報を積極的に展開することにより、障害及び障害者についての国民の理解を深める。また、障害者に対する差別や偏見を助長させるような用語、資格制度における欠格条項の扱いの見直しを行う。

【具体的施策目標】

○交流教育の推進〈文部省〉
○ボランティア活動を支援する事業の充実を図る。〈厚生省〉
○障害者週間における啓発・広報活動の重点的展開〈総理府等〉
○精神障害者についての社会的な誤解や偏見の是正〈厚生省等〉

7 我が国にふさわしい国際協力・国際交流を

「アジア太平洋障害者の十年」の期間中でもあり、我が国の障害者施策で集積されたノウハウの移転や障害者施策推進のための経済的支援を行うとともに、各国の障害者や障害者福祉従事者との交流を深める。

【具体的施策目標】

○ODAにおける障害者への配慮〈外務省〉
○国際機関を通じた協力及び国際協調・交流の推進〈外務省〉


障害者施策に関する主な指針

区分 指針
教育 教育 学校施設等における高齢者、障害者等が円滑に利用できる建築物の促進について(平成6年12月)
社会参加 厚生省 国民の社会福祉に関する活動への参加の促進を図るための措置に関する基本的な指針(平成5年4月)
人材 厚生省 社会福祉に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針(平成5年4月)
生活支援 厚生省
通産省
福祉用具の研究開発及び普及を促進するための措置に関する基本的な指針(平成5年10月)
交通 運輸省 公共バスターミナルにおける高齢者・障害者のための施設整備ガイドライン(平成6年3月)
鉄道駅におけるエレベーターの整備指針(平成5年8月)
鉄道駅におけるエスカレーターの整備指針(平成5年8月)
心身障害者・高齢者のための公共交通機関の車両構造に関するモデルデザイン(平成2年3月)
人にやさしいバス技術
労働 労働省 障害者雇用対策基本方針(平成5年~9年)
都市建設 建設省 生活福祉空間づくり大綱(平成6年6月)
市町村の都市計画に関する基本的な方針(平成5年6月)
都市公園技術基準(ガイドライン)
身体障害者の利用を配慮した建築設計基準(昭和57年)
高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる階段等に関する基準

関係用語の説明

アジア太平洋障害者の十年
国連・障害者の十年(1983年~1992年)を継承し、障害者施策の推進を図るため、1993年から2002年を期間としている。日本を始め、アジア太平洋諸国は10年間の国内行動計画を定めた。日本の定めた「障害者対策に関する新長期計画」は、障害者基本法に基づく障害者基本計画とみなされている。

医学的リハビリテーション
リハビリテーションの中の医学的側面をいう。狭義にはリハビリテーション医学の裏付けによりその専門性が認められる部分、即ち理学療法、作業療法、言語療法、義肢装具製作、心理指導等により治療・訓練を施す分野を指すこともあるが、広義には、障害者のリハビリテーション過程における保健、治療等の医学的側面全般を含む。

育成
児童を対象とした社会福祉の援助活動のことをいう。児童福祉法等で用いられている育成は、児童が十分な生活能力をもった社会人として成長、発達するのを援助することを主眼としている。

育成医療
児童福祉法に基づく福祉の措置として身体に障害のある児童に対して行われる公費負担医療のこと。身体障害者福祉法に規定する身体上の障害又は現存する疾患を放置すれば将来同法に規定する障害と同程度の障害を残すと認められる疾患で、確実な治療効果が期待できるものを対象とする。当該児童の属する世帯の負担能力に応じて一定の額の費用負担がある。

NP0〔non pfofit organization)
民間非営利団体、民間公益組織等と訳されている。非営利と同時に非政府であること、自主的、自発的な活動を行うことなども意味されている。市民団体、ボランティア活動の推進団体、公益法人の一部等が該当すると考えられる。

音声機能、言語機能又はそしゃく機能障害
身体障害の一種。身体障害者福祉法では、音声機能、言語機能又はそしゃく機能の喪失又は著しい障害で永続するものを同法の対象となる身体障害としている。なお、年金各法や労働災害補償各法にも障害認定に関し類似の規定がある。

介護福祉士
社会福祉士及び介護福祉士法によって規定された国家資格。介護福祉士の登録を受け、介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者に入浴、排泄、食事その他の介護を行い、また、介護サービス利用者及び介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者をいう。資格取得のためには介護福祉土養成施設(高卒プラス2年)を卒業すること又は介護福祉士国家試験等の合格が必要となる。ホームヘルパー、老人ホームの寮母等に介護福祉士が増加しつつある。

ガイドヘルパー
重度の視覚障害者及び脳性まひ者等全身性障害者の外出時に付き添い、移動時の介護等を行うヘルパーをいう。

完全参加と平等
ノーマライゼーションの理念を踏まえた「国際障害者年」(1981年)のテーマである。障害者がそれぞれの住んでいる地域で社会生活と社会の発展に完全に参加できるようにすると同時に、社会の他の市民と同じ生活条件の獲得と社会的、経済的発展によって生み出された成果の平等な配分を実現するという意味である。

機能訓練
損なわれた身体機能の回復を図るための訓練。麻痺等により失われた機能の回復を図る運動療法、機能的作業療法と、機能障害が永続的になった場合、残された健全な機能の開発を図る日常生活動作訓練等をいう。

機能障害〔impairment〕
WHOの国際障害分類では、これを「心理的、生理的又は解剖的な構造又は機能のなんらかの喪失又は異常である」としており、形態異常を含む概念である。国際障害分類では、障害の三つのレベル(機能障害→能力低下→社会的不利)という考え方を示しており、日常生活や社会生活上の困難をもたらす心身そのものの障害状況であると理解される。

基本的人権
人間としてもっている当然の基本的な権利のこと。わが国では、憲法のもとで基本的人権を尊重することが根本的な原理とされており、「公共の福祉」に反しない限り、法律によっても制限されない。具体的には思想・信教・集会・結社・言論の自由、健康で文化的な最低生活の保障、教育を受ける権利の保障、勤労の権利についての保障等がこれに当たる。

給食サービス
在宅福祉サービスの一形態であるデイサービス事業の一環として実施する。在宅の虚弱老人や障害者に対して、適所又は訪問により食事を提供し、対象者の生活の助長、社会的孤立感の解消、心身機能の維持向上等を図るとともに、その家族の精神的・身体的な負担を軽減することを目的としている。実施主体は市町村。

教育的リハビリテーション
心身障害児の教育面のリハビリテーションであり、特殊教育とほぼ同じ意味で用いられることもある。障害者のリハビリテーションにおける教育的側面は、本質的には学校教育だけでなく、教育的な指導や援助を包括する概念である。

強度行動障害児(者)
知的障害児(者)であって、多動、自傷、異食等、生活環境への著しい不適応行動を頻回に示すため、適切な指導・訓練を行わなければ日常生活を営む上で著しい困難があると認められる者をいう。

クオリティ・オブ・ライフ〔QOL;qua1ity of life〕
終末期医療の分野では「生命の質」「人生の質」としてQOLが使用されるが、障害者問題では「生活の質」として日常生活動作の向上にとどまらず、文化活動、家庭等非物質的側面も含め、障害者の社会生活の質的向上が必要であるという意味で用いられている。

グループホーム
地域社会の住宅において数人の知的障害者や精神障害者が一定の経済的負担を負って共同で生活する形態であって、同居あるいは近隣に居住している世話人により日常生活援助が行われるものである。知的障害者や精神障害者ばかりでなく、身体障害者や高齢者のグループホーム的なものに対して補助制度を実施している地方自治体もある。

ケアマネージメント
障害のある人が在宅で暮らしていけるよう各種在宅サービスを調整してケアプランを作成し、実行していくこと。ケアマネージメントを実施するには、ケアプランを作成するケアマネージャーの養成と在宅サービスメニューの充実が必要となる。

言語障害 ⇒ 音声機能、言語機能又はそしゃく機能障害

権利擁護
自己の意思表示の困難な知的障害者等に代わって、援助者等が代理としてその権利やニーズの獲得を行うことをいう。

更生
一般的には、いきかえること、よみがえることを意味するが、身体障害者福祉法においては「更生」を身体障害者の職業的経済的自立はもちろん、広く日常生活の安全を含み、身体障害者が人間としての尊厳を保つことを可能とすることと解釈し、リハビリテーションと同義語として用いている。なお、この語は、精神薄弱者福祉法、生活保護法等の法文の用語にも使われている。

更生医療
身体障害者福祉法に基づく福祉の措置として、身体障害者の更生(社会復帰)のために行われる医療をいう。身体障害者手帳を所持している者で、更生医療が必要と認められた者を対象に指定(更生)医療機関で行われる。その給付内容は、①診察、②薬剤又は治療材料の支給、③医学的処置、手術及びその他の治療並びに施術、④居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護、⑤病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護、⑥移送、である。本人又はその扶養義務者の負担能力に応じ、費用の一部自己負担がある。

交流教育
障害児の経験を広め、社会性を養い、好ましい人間関係を育てるため、小・中学校、高等学校の児童・生徒等と活動をともにする機会を積極的に設けるという特殊教育諸学校における障害児教育の一つ。一般には、運動会やクラブ活動等を通じて行われる例が多いが、障害児のためだけでなく、一般の子供たちにとっても、やさしさとか思いやりを育てるなどの教育効果を期待している。

高齢化率
高齢者人口(65歳以上人口)が総人口に占める割合をいう。わが国の平成7年10月時点での高齢化率は14.5%であり、平成30年には25%を超えると推計されている。

高齢社会
総人口に対して高齢者(65歳以上の者)の割合が高くなっている社会をいう。国際連合の分類では65歳以上人口の比率が7%を超えた社会を「高齢化した(aged)社会」としている。

高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律
身体の弱った高齢者や身体障害者が円滑に利用できる建築物の建築の促進のための措置を講ずることにより、建築物の質の向上を図り、公共の福祉の増進に資することを目的とする法律。対象となる建築物は、デパート、ホテル、病院等不特定多数の者の利用に供する建築物で、これらの建築主は、出入口、廊下、階段、便所等を高齢者や障害者等が円滑に利用できるようにするための努力規定を定めている。平成6年に制定され、一般的にハートビル法といわれている。

コーディネーター〔coordinator〕
仕事の流れを円滑にする調整者のことである。社会福祉の援助においては、他の職種とのチームワークが不可欠であり、その際に関係する施設、機関、団体の人たちとの調整が必要となる。

国際障害者年〔international year of disabledpersons;IYDP〕
1976年の国際連合総会は、世界的規模で啓蒙活動を行う国際障害者年を1981年とすることを決議した。そのテーマは「完全参加と平等」であり、具体的な目的は、①障害者の身体的、精神的な社会適合の援助、②就労の機会保障、③日常生活への参加の促進、④社会参加権の周知徹底のための社会教育と情報の提供、⑤国際障害者年の目的の実施のための措置と方法の確立、であった。これらの目的は1年で達成されるものではないので、国際連合はさらに「障害者の十年」(1983~1992年)を設定し、各国が計画的に課題解決に取り組んできた。

国際シンボルマーク
障害者のリハビリテーション事業を実施する世界80数か国の各国団体及び国際団体から構成される国際障害者リハビリテーション協会によって、障害者が容易に利用できる建物・施設であることを明確に示すシンボルマークとして決定されたものである。シンボルマークが適切に広く利用されるとともに、普及されることによって、障害者が直面している建築上、その他の障壁の除去・軽減について一般地域住民に対し理解を高めることを目的としている。

国連・障害者の十年
国際障害者年の目的を計画的に達成していくために、1982年に国連が決議採択したもので、1983年から1992年までの10年間を設定した。各国が、障害者の福祉、自立援助、教育等の諸施策を計画的に充実していくよう要請したものである。

ことばの教室 ⇒ 通級

雇用率 ⇒ 身体障害者雇用率

在宅介護支援センター
在宅の寝たきり老人等の介護者の相談に応じ、各種の保健・福祉サービスが総合的に受けられるよう各種機関との連絡調整を行い、地域の要介護老人及びその家族の福祉の向上を図ることを目的とする。実施施設は原則として、特別養護老人ホーム、老人保健施設、病院等に併設した在宅介護支援センターとされ、利用料は無料である。

作業療法士〔occupationa1 therapist:OT〕
作業療法を専門技術とすることを認められた医学的リハビリテーション技術者に付与される名称。理学療法士及び作業療法士法により資格、業務等が定められている。
作業療法とは、身体又は精神に障害のある人に主としてその応用的動作能力又は社会的応用力の回復を図るため、手芸、工作、その他の作業を訓練として行わせる医学的リハビリテーションのことをいう。

視覚障害
眼の機能の障害を指し、身体障害者福祉法では、身体障害の一種として、視力障害と視野障害に分けて規定している。最も軽度な6級の視力障害は、障害が永続するもので、一眼の視力が0.02以下、他眼の視力が0.6以下のもので、両眼の視力の和が0.2を超えるものをいう。最も軽度な5級の視野障害は、障害が永続するもので、両眼による視野の2分の1以上が欠けているものである。

肢体不自由
上肢・下肢及び体幹の機能の障害を指す。身体障害者福祉法では、①1上肢、1下肢又は体幹の機能の著しい障害で、永続するもの、②1上肢のおや指を指骨問関節以上で欠くもの又はひとさし指を含めて1上肢の2指以上をそれぞれ第1指骨間関節以上で欠くもの、③1下肢をリスフラン関節以上で欠くもの、④両下肢のすべての指を欠くもの、⑤1上肢のおや指の機能の著しい障害又はひとさし指を含めて1上肢の3指以上の機能の著しい障害で、永続するもの、⑥①から⑤までに掲げるもののほか、その程度が①から⑤までに掲げる障害の程度以上であると認められる障害、に該当する者を身体障害者としている。現在わが国には約160万人の肢体不自由者がいると推計されている。なお、知能の障害が原因で運動機能に障害をもつ場合はこれに含まれていない。

肢体不自由児施設
児童福祉法に定める児童福祉施設の一種で、上肢、下肢又は体幹の機能に障害のある児童を治療するとともに、独立自活に必要な知識・技能を与えることを目的とする施設、医療法に規定する病院として必要な設備のほか、ギプス室、訓練室、作業指導をするのに必要な設備や義肢装具を製作する設備等を備え、病院として必要な職員のほか、児童指導員、保母等を置くこととされている。岐阜県には、岐阜市に「県立希望が丘学園」が設置されている。

市町村障害者生活支援事業
在宅の身体障害者等に対し、在宅福祉サービスの利用援助、社会資源の活用や社会生活力を高めるための支援、ピアカウンセリング、介護相談及び情報の提供等を総合的に行うことにより、障害者やその家族の地域における生活を支援し、在宅の障害者の自立と社会参加の促進を図ることを目的とする。実施主体は市町村であるが、身体障害者療護施設等を運営している社会福祉法人等に委託することができる。本計画においては、この事業の実施施設を身体障害者生活支援センターとしている。平成8年10月から高山市で実施している。

児童福祉法
昭和22年に制定された児童の福祉に関する基本法。児童の福祉を保障するための原理として、「すべて国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、かつ、育成されるよう努めなければならない」ことと、「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともにその責任を負う」ことを明示している。また、18歳未満の児童に対する福祉施策のため、児童福祉の機関としての児童福祉審議会、児童福祉司、児童委員、児童相談所、福祉事務所、保健所を規定し、福祉の措置及び保障、児童福祉施設、費用等について定めている。

社会資源〔social resources〕
福祉ニーズを充足するために活用される施設・機関、個人・集団、資金、法律、知識、技能等々の総称である。

社会的不利〔handicap〕
身体や精神の障害のために、大多数の人々に保障されている生活水準、社会活動への参加、社会的評価等が不利となっている状態を示す。WHOの国際障害分類では、障害の三つのレベル(機能障害→能力低下→社会的不利)の概念を提起したが、これによれば、「社会的不利とは、機能障害や能力低下の結果として、その個人に生じた不利益であって、その個人にとって(年齢、性別、社会文化的因子からみて)正常な役割を果たすことが制限されたり妨げられたりすることである」としている。

社会的リハビリテーション
国際リハビリテーション協会は、「(障害者に対する)社会的リハビリテーションは、社会的機能力を身につけることを目的とした過程」であって、「社会的機能力とは、各種様々な社会的状況の中で、自分のニーズを満たすことができ、社会に参加して最大限の豊かさを実現する権利を行使できる能力のことである」と定義している。社会的リハビリテーションが働きかけねばならない対象は、障害者個人の社会的機能力の発展を援助するのはもちろんのこと、障害者の社会参加を妨げる社会そのもののシステムの改善も含まれている。

社会福祉〔social welfare〕
広義には、社会全体の幸福・繁栄の意味であり、歴史的には、慈善事業、社会事業がその先行概念といえよう。時代、立場、人によって様々な定義づけがあるが、代表的なものとして、社会保障制度審議会の昭和25年の勧告(社会保障の一部として社会福祉をとらえる)、憲法第25条(生存権保障の一環として社会保障、公衆衛生と区別する)等が挙げられる。

社会福祉士
社会福祉士及び介護福祉士法によって規定された国家資格。社会福祉士の登録を受け、社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって身体的、精神的な障害や環境上の理由で日常生活に支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業とする者をいう。資格取得のためには、受験資格を持つ者が社会福祉士国家試験を受け合格する必要がある。

重症心身障害児
重度の知的障害と重度の肢体不自由が重複している児童をいう。

重度障害者多数雇用事業所
5人以上の重度障害者(重度身体障害者又は知的障害者)を雇入れ、適当な雇用を継続することができる事業所で、現に雇用している重度障害者の労働者の数との合計数が10人以上である事業所、又は現に雇用している重度障害者である労働者の数が10人以上であり、雇用している労働者の数のうちに占める割合が10分の3以上で適当な雇用を継続することができると認められる事業所のことをいう。障害者の雇用の促進等に関する法律に規定されている。

重度身体障害者
身体障害者のうち、特に障害の程度が重い者をいう。各制度における重度の概念は一定していないが、概ね身体障害者福祉法による障害等級の1級及び2級に該当する身体障害を準用する場合が多い。重度身体障害者(児)に対しては、ホームヘルパーの派遣、デイサービス、日常生活用具の給付・貸与、ショートステイ、特別障害者手当等の支給、税制上の特別障害者控除等各種の施策が講じられている。

住民参加型在宅福祉サービス
住民参加、住民主体という性格を持ち、サービスは有償で提供するという点で従来のボランティア活動とは異る。その対価は営利的サービスの水準よりはるかに低廉であり、個人や組織の金銭的利益を目的としていない。ホームヘルプ型のサービスを中心に全国的に広まりつつある。サービス利用者は金銭を支払うことで利用しやすくなり、サービス提供者は金銭を受け取ることにより活動が継続しやすくなるとともに責任感も強くなるというメリットがある。

授産施設
身体上若しくは精神上の理由又は世帯の事情により就業能力の限られている者に対して、就労又は技能の修得のために必要な機会及び便宜を与えてその自立を助長することを目的とする福祉施設。法定化されているものとして、生活保護授産施設、社会事業授産施設、身体障害者授産施設、重度身体障害者授産施設、身体障害者通所授産施設、精神薄弱者授産施設、精神薄弱者通所授産施設及び精神障害者授産施設がある。

手話通訳者
身体障害者の福祉に理解と熱意のある手話技術を有する者で、都道府県知事、市長から委嘱され、聴覚障害者、音声・言語機能障害者と関係機関相互の更生援護についての相談、指導等の伝達の仲介機能としての任にあたる者のことをいう。委嘱された者には、手話通訳者であることを証明する証票が交付され、月6回以上勤務するものとされている。

手話奉仕員
手話法を習得した者であって、社会奉仕の精神をもって、聴覚障害者、音声・言語機能障害者のコミュニケーションの媒介の役割を果たす者、所定の講習等を受けて、手話法を習得した者のうち、本人の承諾のあった者について、都道府県又は市に登録され、手話奉仕員であることを証明する証票が交付される。手話の要請があった場合には、巡回相談、広報活動、身体障害者の文化活動に協力するほか、聴覚障害者、音声・言語機能障害者の申し出により派遣される。

障害者
障害者基本法では、身体障害者、精神薄弱者(知的障害者)及び精神障害者をいう。場合によっては個別の障害を指すこともあり、厚生省の「障害者や高齢者にやさしいまちづくり推進事業」における「障害者」という用語は、主として身体障害者を想定しているものと思われる。

障害者基本法
昭和45年に制定された「心身障害者対策基本法」を、平成5年に抜本改正して制定した法律。基本的理念として、①すべて障害者は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する、②すべて障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会を与えられる、と定め、障害者の基本的人権とノーマライゼーションを唱っている。具体的な施策としては障害者基本計画等の策定のほか、医療・教育・雇用・年金等、あらゆる分野について、国及び地方公共団体等の義務を定めている。

障害者計画
障害者基本法により、都道府県及び市町村に策定するよう努力規定が設けられている障害児(者)のための施策に関する総合的な計画。障害者基本法による「障害者」とは、身体障害児(者)、精神薄弱(知的障害)児(者)及び精神障害児(者)をいう。また、計画の範囲は、障害児(者)についての雇用・教育・福祉・建設・交通等多岐にわたり、障害児(者)の年齢、障害の種別・程度に応じたきめ細かい総合的な施策推進が図れるようにするとしている。なお、国が定めるものを障害者基本計画といい、平成5年に策定された「障害者対策に関する新長期計画」を障害者基本計画とみなすとしている。政府は、平成7年に障害者計画の重点施策実施計画である「障害者プラン~ノーマライゼーション7か年戦略~」を公表し、計画の範囲に難病患者等が加えられた。

障害者雇用支援センター
職業生活の自立を図るために継続的援助の必要な障害者に対して支援業務を適正かつ確実に行う機関であり、都道府県知事が市町村の区域に一を限り、指定する公益法人である。障害者雇用支援センターの業務は、①福祉開係施設等と連携をとりながら一般雇用を希望している障害者を把握すること、②一般雇用の可能性のある障害者にセンター内の作業室で簡単な軽作業をさせたり、事業所の見学を行いながら、基本的な労働習慣を身につけさせること、③実際の事業所を活用して職場実習等を行い徐々に働くことについての意識を高め、公共職業安定所と密接な連携を図りながら、就職に結びつけていくこと、④就職に結びつけた後には、継続的に職場適応指導を行って障害者の職場定着を図っていくこと、等の支援を系統的に行うことである。

障害者職業センター
障害者の雇用の促進等に関する法律に定められているもので、障害者職業総合センター、広域障害者職業センター及び地域障害者職業センターの3種類がある。障害者職業総合センターは、職業リハビリテーションの研究、高度な職業リハビリテーションサービスの提供等を行う障害者職業センターの中核的な施設で、全国に1か所置かれるものである。広域障害者職業センターは、障害者職業能力開発校、医療施設と連携して職業リハビリテーションサービスを提供する施設で、全国に3か所置かれている。地域障害者職業センターは、地域に密着して職業リハビリテーションサービスを提供する施設で、各都道府県に1か所ずつ設置されている。

障害者対策に関する新長期計画
昭和57年に策定した「障害者対策に関する長期計画(昭和58年~平成4年)」を継承する計画で、平成5年から平成14年を計画期間としている。「全員参加の社会づくりをめざして」という副題のつけられたこの計画は、「リハビリテーション」と「ノーマライゼーション」の理念のもと、「完全参加と平等」を目標に、①啓発広報、②教育・育成、③雇用・就業、④保健・医療、⑤福祉、⑥生活環境、⑦スポーツ、レクリエーション及び文化、⑧国際協力の8分野について、「啓発から行動へ」という方向性を提示した。国のこの計画は「障害者基本計画」とみなされている。

障害者に関する世界行動計画
1982年の第37回国連総会で採択されたもので、1981年の国際障害者年の成果をもとに検討されたガイドラインである。この行動計画は、世界の障害問題を分析し、そのうえで各国がなすべきこと及び今後果たさなければならない国際的課題について、理念や、障害者観及び哲学を組み入れた具体性を持つ提案を201項目にわたって提起したものである。

障害者の権利宣言
1975年の国連総会において採択された。前文において、障害者の権利の保護、福祉及びリハビリテーションを確保する必要性を強調し、身体的・精神的障害を防止し、障害者が最大限に多様な活動分野でその能力を発揮し得るよう援助し、可能な限り通常の生活への統合を促進する必要性を示している。本文では、障害者の定義を始め、人間としての尊厳が尊重される権利、市民権及び政治的権利の保障、可能な限り自立させるよう構成された施策及び諸サービスを受ける権利、経済的社会的保障を受け、相当の生活水準を保つ権利等について掲げ、障害者はこれらすべての権利を享受し、これらの権利はいかなる例外もなく、区別又は差別もなく、すべての障害者に認められることを宣言した。これらの権利の保護のための共通の基礎及び指針として使用されることを確実にするための国内及び国際的行動が要請されている。

障害者の雇用の促進等に関する法律
身体障害者の雇用義務等に基づく雇用の促進等のための措置、職業リハビリテーションの措置、その他障害者がその能力に適合する職業に就くこと等を通じて職業生活の自立を促進するための措置を総合的に講じ、障害者の職業の安定を図ることを目的とする法律。総則において、事業主、国及び地方公共団体の責務、障害者の職業人としての自立努力義務を規定し、その雇用を促進するため、職業リハビリテーションの推進、身体障害者の雇用義務(法定雇用率)、身体障害者雇用調整金の支給等及び身体障害者雇用納付金の徴収を定め、こうした納付金関係業務を行う法人として日本障害者雇用促進協会の設立を定めている。

障害者の日
1981(昭和56)年の国際障害者年を記念して定められ、平成5年には障害者基本法により法定化された。国民の障害者問題についての理解と認識を深め、福祉の増進を図ることを目的として、毎年12月9日(国際連合で「障害者の権利宣言」を採択した日)を障害者の日としている。毎年、総理府による記念の集いが開催されるほか、全国各地で障害者問題に関する啓発広報のための各種行事・事業が行われている。

障害者や高齢者にやさしいまちづくり推進事業
障害者や高齢者等の社会参加の基盤となる生活環境の整備を進めるため、地域社会全体としての合意づくりを推進し、まちづくりに関する総合計画を策定するとともに、これに基づく必要な環境整備事業を実施するものである。厚生省の補助事業で、「身体障害者福祉モデル都市(昭和48~50年)」「障害者福祉都市(昭和54~60年)」「障害者の住みよいまち(昭和61~平成元年度)」「住みよい福祉のまちづくり(平成2~5年度)」と続き、平成6年度から現事業になった。

障害児(者)療育等支援施設事業
障害児(者)地域療育等支援事業の一つで、在宅の重症心身障害児(者)、知的障害児(者)及び身体障害児のライフステージに応じた地域での生活を支援するため、障害児(者)施設の機能を活用し、療育、相談体制の充実を図るとともに、各種福祉サービスの提供の援助、調整等を行う事業。具体的な事業として、巡回相談、訪問による健康診査、外来による相談・指導、訪問による相談・援助・サービス調整、保育所等の職員に対する療育技術の指導等がある。本計画においては、この事業の実施施設を知的障害児(者)療育支援センター(仮称)としている。

障害の概念
WHOの国際障害分類では、障害の概念は、①四肢、器官、臓器、精神機能等の医学的な変調である「機能障害」(impairment)、②その結果生じる身体動作や精神能力の低下である「能力低下」(disability)、③その結果生じる社会生活上の不利である「社会的不利」(handicap)の3つのレベルに区分される。

小規模作業所
一般の企業等では働くことが困難な障害者の働く場を確保するため、障害者、親、職員を始めとする関係者の共同の事業として地域の中で生まれ、運営されている比較的少人数の作業所。法的に認められている身体障害者授産施設等と違って、無認可施設のため、公的援助は少なく、財政基盤を始め、施設整備、施設運営等十分な内容とはいえないところがあるが、地域に密着しているところが利点としてあげられる。
共同作業所、小規模授産所、福祉作業所等の名称でも呼ばれており、地方自治体から補助金も出されている。

情緒障害
本来は年齢を問わずに用いる言葉だが、わが国では通例として児童について用い、情緒・感情の障害に基づく行動異常を示す場合を「情緒障害児」と呼ぶ。家庭、学校等での人間関係の感情的・情緒的なもつれ、あつれきにより、行動異常が現れ、社会適応が困難になった児童をいう。身体疾患や脳障害等一次的な原因に基づく行動障害はこの範疇から除かれる。具体的な症状として、拒食、夜尿、夜驚、吃音、かん黙、各種の神経性習癖、心気性の頭痛、強迫症、登校拒否、神経症、多動、募動、破壊行動、孤立、拒絶症等がある。

ショートステイ
短期入所のこと。「短期」とは、わが国の制度では、原則として7日以内とされている。介護者が、疾病、出産、冠婚葬祭、事故等その他の社会的理由又は私的理由により家庭において介護できない場合に、要介護者を福祉施設等に短期間入所させることができる。制度化されているものとして、身体障害者(児)、知的障害者(児)、精神障害者、難病患者等及び老人に対するショートステイがある。身体障害者のショートステイを老人ホームで行うなど、老人と身体障害者のショートステイ相互利用も実施されている。

職業的リハビリテーション
障害者等のリハビリテーションの過程において、職業生活への適応を相談・訓練・指導し、その人にふさわしい職に就けるよう援助する専門技術の領域をいう。具体的には、障害者職業センター、障害者職業訓練校、身体障害者更生援護施設、精神薄弱者援護施設等において行われる。

身体障害者
身体障害者福祉法では、①視覚障害、②聴覚又は平衡機能の障害、③音声機能、言語機能又はそしゃく機能の障害、④肢体不自由、⑤心臓、じん臓、呼吸器、ぼうこう、直腸又は小腸の機能障害、がある18歳以上の者であって、都道府県知事又は指定都市・中核市の市長から身体障害者手帳の交付を受けた者をいう。障害の程度により1級から6級に認定される。身体障害者福祉法による援護は18歳以上の身体障害者に適用され、18歳未満の身体障害児については身体障害者手帳の交付はなされるが、児童福祉法による援護を受けることになっている。

身体障害者更生援護施設
身体障害者福祉法に基づき設置され、身体障害者の更生を援助し、必要な保護を行う施設の総称。身体障害者更生施設、身体障害者療護施設、身体障害者福祉ホーム、身体障害者授産施設、身体障害者福祉センター、補装具製作施設及び視聴覚障害者情報提供施設の7種の施設がある。設置主体は、国、都道府県、市町村、社会福祉法人であることを原則とする。

身体障害者更生施設
身体障害者福祉法に基づき設置される身体障害者更生援護施設の一種。身体障害者を入所させて、その更生に必要な治療又は指導を行い、及びその更生に必要な訓練を行う施設。障害の種別により肢体不自由者更生施設、重度身体障害者更生援護施設、視覚障害者更生施設、聴覚、言語障害者更生施設及び内部障害者更生施設の5種がある。これらの施設は入所型の施設であるが、地理的条件、障害の状況等により通所によっても十分その更生効果が得られる場合には、通所事業も行われている。

身体障害者更生相談所
身体障害者福祉法に基づき、身体障害者の更生援護の利便のため、都道府県が設置する相談・判定機関。医師、心理判定員、機能判定員、ケース・ワーカー、看護婦等が配置されており、①身体障害者に関する相談及び指導のうち、専門的な知識及び技術を必要とするもの、②身体障害者の医学的、心理学的及び職能的判定、必要に応じて補装具の処方及び適合判定、等の業務を行う。

身体障害者雇用率
障害者の雇用の促進等に関する法律に定められているもので、国及び地方公共団体の非現業部門にあっては2.0%、現業部門にあっては1.9%、特殊法人にあっては1.9%、民間の事業所にあっては1.6%(平成10年7月1日から1.8%)とされ、これを超えて身体障害者(知的障害者を含む)を雇用する義務を負う。この場合、重度障害者1人は障害者2人として算入される。この雇用率を達成していない事業主には、毎年度、未達成数に応じて身体障害者雇用納付金の納付を義務づけ、達成している事業主に対しては、身体障害者雇用調整金又は報奨金が支給される。

身体障害者生活支援センター ⇒ 市町村障害者生活支援事業

身体障害者相談員
身体障害者福祉法に基づく身体障害者の福祉の増進を図るための民間協力者。原則として身体障害者で人格識見が高く、社会的信望があり、身体障害者の福祉増進に熱意を有し、奉仕的に活動ができ、かつ、地域の事情に精通している者のなかから、都道府県又は指定都市もしくは中核市が委嘱する。委嘱期間は2年。①身体障害者地域活動の中核体となり、その活動の推進を図ること、②身体障害者の更生援護に関する相談に応じ必要な指導を行うこと、③身体障害者の更生援護につき、関係機関の業務に協力すること、④身体障害者に対する国民の認識と理解を深めるため、関連団体等との連携を図り援護思想の普及に努めること、⑤その他附帯する業務を行うこと、等の業務を行う。

身体障害者手帳
身体障害者福祉法に基づき交付され、同法に規定する更生援護を受けることができる者であることを確認する証票。対象となる障害は、①視覚障害、②聴覚又は平衡機能の障害、③音声機能、言語機能又はそしゃく機能の障害、④肢体不自由、⑤内部機能障害(心臓、じん臓、呼吸器、ぼうこう、直腸又は小腸の機能障害)で、障害の程度により1級から6級の等級が記載される。手帳交付の手続きは、医師(都道府県知事又は指定都市・中核市の市長の指定する医師)の診断書を添付して交付申請書を都道府県知事又は指定都市・中核市の市長に提出する。身体障害者手帳は18歳未満の身体障害児に対しても交付され、本人が15歳未満の場合は、本人に代わって保護者が申請し、手帳の交付も保護者に行われる。

身体障害者福祉センター
身体障害者更生援護施設の一つ。身体障害者の各種の相談に応じ、機能訓練、教養の向上、社会との交流の促進及びレクリエーションのための便宜を総合的に行う施設。設置運営は原則として地方公共団体であり、人口規模等を基に都道府県、指定都市単位で置かれるA型、人口10万人程度の地域を単位にするB型、人口5万人程度の地域に置かれるB型の変形である在宅障害者デイサービス施設、または広域利用施設として障害者更生センターがある。利用料金は無料又は低額となっている。

身体障害者福祉法
身体障害者の自立と社会経済活動への参加を促進するため、身体障害者を援助し、及び必要に応じて保護し、身体障害者の福祉の増進を図ることを目的とする法律。身体障害者自らの自立への努力と社会参加への機会の確保が基本理念である。国及び地方公共団体には身体障害者の自立と社会経済活動への参加を促進するための援助と必要な保護の総合的実施を義務づけ、国民には身体障害者の社会参加への努力に対する協力を規定している。具体的な福祉の措置として、身体障害者手帳の交付、在宅サービス、施設への入所、診査・更生相談、更生訓練費の支給、更生医療の給付、補装具の交付又は修理等が規定されている。昭和24年に公布され、36回の改正を経ている。

身体障害者療護施設
身体障害者福祉法に基づき設置される身体障害者更生援護施設の一種。身体障害者手帳の交付を受けた身体障害者であって、常時の介護を必要とする人たちが入所し、治療及び養護を受ける施設。医師、生活指導員、理学療法士、看護婦、寮母が配置されており、重度の身体障害者に対して健康管理、衛生管理、生活指導、医療、介護等が行われている。

生活の質 ⇒ クオリティ・オブ・ライフ

精神科デイ・ケア施設
回復途上にある精神障害者に通所による利用を通じて適正な医学的管理のもとに生活指導及び作業指導等を行い、円滑な社会復帰を図ることを目的とする施設。施設長は医師とされ、看護婦、作業療法士、精神科ソーシャルワーカー、臨床心理技術者等が配置されている。

精神障害者
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第5条では、「精神障害者とは、精神分裂病、中毒性精神病、精神薄弱、精神病質その他の精神疾患を有する者をいう」と定義し、医療や保護等の対象としている。知的障害者については、福祉的援助は精神薄弱者福祉法により、医療保健面では精神保健及び精神障害者福祉に関する法律が適用される。

精神障害者援護寮
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に定められている精神障害者社会復帰施設の一つで、精神障害者生活訓練施設として位置づけられている。入院医療の必要はないが精神に障害があるため独立して日常生活を営むことが困難と見込まれる者(知的障害者を除く)に生活の場を提供し、社会参加に必要な生活指導を行う施設である。利用者は実費程度の利用料を負担し、入所期間は原期として2年以内である。

精神障害者地域生活支援事業
地域で生活する精神障害者が、日常生活支援、相談、地域交流事業等を通じてその自立と社会参加の促進を図ることを目的とする事業である。本計画においては、この事業の実施施設を精神障害者地域生活支援センター(仮称)としている。

精神障害者福祉工場
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に定められている精神障害者社会復帰施設の一つで、作業能力はあるものの、対人関係、健康管理等の事由により、一般企業に就労が困難な人を雇用し、生活指導、健康管理等に配慮した環境のもとで社会的自立の促進を図ることを目的とする。授産施設とは異り、労働基準法が適用され、社会保険にも加入することになっている。

精神障害者福祉ホーム
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に定められている精神障害者社会復帰施設。一定程度の自活能力のある精神障害者が家庭環境・住宅事情等の理由により住宅の確保が困難な場合に、生活の場を与えるとともに必要な指導等を行う施設である。利用者は実費程度の利用料を負担し、入所期間は原則として2年以内である。

精神障害者保健福祉手帳
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に基づき、都道府県知事が精神障害の状態にあると認めた者に交付する手帳。精神障害の等級は、1級から3級に区分され、手帳所持者は、各種の保健・福祉のサービス等を受けることができる。

精神薄弱
知的機能の障害が発達期(概ね18歳まで)に現れ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態にあるものをいう。本計画においては、「精神薄弱」という用語は不適切な表現であるとの認識のもとに、法律や国の制度との整合性を図らなければならない場合を除いて、「精神薄弱」に代わる用語として「知的障害」という用語を使用している。

精神薄弱児通園施設
児童福祉法に定める児童福祉施設の一種で、知的障害児を保護者のもとから通わせて、保護するとともに、独立自活に必要な知識・技能を与えることを目的とする施設。生活指導、職業指導等に必要な設備を備え、精神科の診療に相当の経験を育する嘱託医、児童相談員、保母等が置かれ、生活指導、職業指導が行われる。高山市には「あゆみ学園」と重障児の「ゆりのこ」が設置されている。

精神薄弱者援護施設
精神薄弱者福祉法に基づき設置され、知的障害者の更生を援助し必要な保護を行う施設の総称。精神薄弱者更生施設、精神薄弱者授産施設、精神薄弱者通勤寮及び精神薄弱者福祉ホームの4種類がある。

精神薄弱者更生施設
精神薄弱者福祉法に基づき設置される精神薄弱者援護施設の一種。18歳以上の知的障害者を入所させて、保護するとともに、その更生に必要な指導及び訓練を行う施設。通所施設もある。医師、保健婦又は看護婦、生活指導員、作業指導員等が配置され、入所者が日常生活における健全な習慣を確立し、社会生活への適応性を高めるための生活指導、入所者が自立して社会生活を営むことができるようにするための作業指導等が行われる。

精神薄弱者相談員
精神薄弱者福祉法により、知的障害者の福祉の増進を図ることを目的に置かれる民間協力者。原則として、知的障害者の保護者であって、人格識見が高く、社会的信望があり、知的障害者の福祉増進に熱意を有し、奉仕的に活動でき、かつ、その地域の実情に精通している者のうちから福祉事務所長が推薦し、都道府県知事又は指定都市・中核市の市長が委嘱する。委嘱期間は2年。その業務は、定められた地域内において、①知的障害者の家庭における養育、生活等に関する相談に応じ、必要な指導、助言を行うこと、②知的障害者の施設入所、就学、就職等に関し、関係機関へ連絡すること、③知的障害者に対する援護思想の普及に努めること、④その他附帯する業務を行うこと、である。

精神薄弱者通勤寮
精神薄弱者福祉法に基づき設置される精神薄弱者援護施設の一種。就労している15歳以上の知的障害者が、居室その他の設備を利用するとともに、独立自活に必要な助言及び指導を受けることを目的とする施設。寮長、嘱託医、2名以上の生活指導員が置かれ、対人関係、金銭の管理、余暇の活用その他独立自活を行うために必要な生活指導及び健康管理の指導に努めるものとされる。利用定員は20人以上、利用期間は原則として2年以内である。

精神薄弱者の権利宣言
1971年の国連総会において採択された国際的宣言。前文において、知的障害者が多くの活動分野においてその能力を発揮し得るよう援助し、可能な限り通常の生活に近づけることを促進する必要性を示している。本文では7項目にわたり、実際上可能な限りにおいて他の人間と同等の権利を有すること、教育、訓練、リハビリテーション及び指導を受ける権利を有すること、経済的保障及び相当な生活水準を享有する権利を有すること、適切な後見を受ける権利を有することなどを示した。これらの権利の保護のための共通の基礎及び指針として使用されることを確保するための国内的及び国際的行動を要請している。

精神薄弱者福祉法
知的障害者の更生を援助するとともに必要な保護を行い、福祉増進を図ることを目的とする法律。総則において、知的障害者の福祉についての国及び地方公共団体の責務を定めるとともに、知的障害者に対する福祉の措置が児童から成人まで関連性をもって行われるように関係職員の協力を義務づけている。具体的な福祉の措置として、①精神薄弱者福祉司又は社会福祉主事による指導、②在宅サービス、③精神薄弱者援護施設への入所又は入所委託、④職親への委託、がある。

精神保健(メンタルヘルス)
人々の健康のうち主として精神面の健康を対象とし、精神障害を予防・治療し、また精神的健康を保持・向上させるための諸活動をいう。精神衛生より広い意味と解釈される。

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
昭和25年に「精神衛生法」として公布され、昭和62年に「精神保健法」と改称され、平成7年の改正により現在の法律名になった。精神障害者等の医療及び保護を行い、社会復帰・自立と社会経済活動への参加促進、発生予防その他国民の精神的健康の保持及び増進に努め、精神障害者等の福祉の増進及び国民の精神保健の向上を図ることを目的としている。具体的には、精神保健福祉センター、精神保健指定医、精神病院、医療及び保護、精神障害者保健福祉手帳、相談指導等、施設及び事業、精神障害者社会復帰促進センター等について規定している。

精神保健福祉相談員
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の規定に基づき精神保健福祉センター及び保健所に置かれ、医師を主体とするチームの一員として、医師の医学的指導のもとに保健婦その他の協力を得て、面接相談及び家庭訪問を行い、患者及び患者家庭の個別指導を行う職員。都道府県知事又は保健所を設置する市の市長が任命する。

第二次国民健康づくり対策
厚生省が昭和63年度を初年度として策定したもので、アクティブ80ヘルスプランともいう。国民の健康ニーズに応え、高齢化社会においても活力を維持向上させ、また医療費抑制のためにも健康増進は必要であり、栄養、通勤、休養のバランスのとれた生活スタイルの確立を目指す。そのための施策として、健康運動土資格認定制度の創設や健康増進モデルセンターの整備促進等がある。

地域保健法
地域保健対策の推進に関する基本指針、保健所の設置その他地域保健対策の推進に関し基本となる事項を定めた法律。母子保健法その他の地域保健対策に関する法律による対策が地域において総合的に推進されることを確保し、もって地域住民の健康の保持及び増進に寄与することを目的とする。平成6年「地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律」により、「保健所法」を「地域保健法」と名称変更し、従来保健所で行っていた各種保健事業を市町村に移譲するなどの改正がなされた。

知的障害 ⇒ 精神薄弱

知的障害児(者)療育支援センター ⇒ 障害児(者)療育等支援施設事業。

聴覚障害者情報提供施設
身体障害者福祉法に基づき設置される身体障害者更生援護施設の視聴覚障害者情報提供施設の一つ。聴覚障害者用字幕(手話)入ビデオカセットの製作及び貸出事業を主たる業務とし、あわせて手話通訳者の派遣、情報機器の貸出等コミュニケーション支援事業及び聴覚障害者に対する相談事業を行う。また、関係行政機関及び障害者団体等と協力し、聴覚障害者の文化、学習、レクリエーション活動等を援助するとともに、その推進に努めることとされている。利用科は無料又は低額な料金。

聴覚・平衡機能障害
身体障害の一種。身体障害者福祉法では、障害が永続するもので、①両耳の聴力レベルがそれぞれ70dB以上のもの、②1耳の聴力レベルが90dB以上、他耳の聴力レベルが50dB以上のもの、③両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50%以下のもの、④平衡機能の著しい障害、に該当する者を同法の対象となる身体障害者としている。

通級
教科の指導は通常の学級で受け、特殊学級に特定の時間だけ通って言語や弱視、難聴等の指導を受けることをいう。

デイサービス
要援護者等をデイサービスセンター等の福祉施設に通わせ、入浴、食事の提供、機能訓練等のサービスを行う事業。制度化されているものとして、老人デイサービス、身体障害者デイサービス、知的障害者デイサービス及び身体障害児又は知的障害児に対する児童デイサービスがある。また、老人デイサービスセンターを身体障害者が利用するという相互利用も行われている。

特殊教育
学校教育法に基づき、学校教育の一形態として行われる障害児の教育。盲児(強度弱視児を含む)、ろう児(強度難聴児を含む)又は知的障害児、肢体不自由児若しくは病弱児(身体虚弱児を含む)に対し、。幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施し、あわせてその欠陥を補うために、必要な知識技能を授けることを目的とする。盲学校、聾学校、養護学校及び小学校・中学校又は高等学校における特殊学級が特殊教育の機関であり、疾病により療養中の児童及び生徒に対して特殊学級を設け、又は教員を派遣して訪問教育が行われることもある。特殊教育における学級編成は、障害児の状態等に応じて個別的な指導を行うことができるよう少人数編成がとられている。

内部(機能)障害
身体障害者福祉法で規定する身体障害の一種。心臓、じん臓、呼吸器、ぼうこう若しくは直腸又は小腸の機能障害で、永続し、日常生活が著しい制限を受ける程度であると認められる者を同法の対象となる身体障害者としている。一般的に、内部障害が問題になる場合には外見的に異常のないことが多い。手足の欠損等外見的に異常が認められる外部障害に比較し、周囲の認識の低さから、病気にもかかわらず職場を休めなかったり、障害の等級が過小評価されたり等の問題がある。

難聴幼児通園施設
児童福祉法に基づき設置される児童福祉施設の中の盲ろうあ児施設の一種。強度の難聴の幼児を保護者のもとから通わせて、残存能力の開発及び言語障害の除去に必要な指導訓練を行う施設。難聴幼児通園施設には、耳鼻咽喉科の診療に相当の経験を有する嘱託医、児童相談員、保母等のほか、機能訓練担当職員及び言語機能訓練担当職員を置くこととされ、児童の聴力・言語能力の発達の程度、年齢等に応じた機能訓練、補聴器装用訓練、言語機能訓練を行う。

難病患者等
難病とは特定の疾患群を指す医学用語ではないが、昭和47年に厚生省の定めた「難病対策要綱」によれば、①原因不明、治療方法未確立、後遺症を残すおそれの少なくない疾病、②経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するため、家庭の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病、としている。平成8年に通知された難病患者等居宅生活支援事業では、その対象者を、①特定疾患調査研究事業の対象疾患(118疾患)患者及び慢性関節リウマチ患者、②在宅で療養が可能な程度に病状が安定していると医師によって判断される者、③老人福祉法、身体障害者福祉法等の施策の対象とはならない者、としている。

日常生活動作〔activity of daily living:ADL〕
人間が毎日の生活を送るための基本動作群のことであり、具体的には、①身の回り動作(食事、更衣、整容、トイレ、入浴の各動作)、②移動動作、③その他の生活関連動作(家事動作、交通機関の利用等)がある。通常、ADLという場合は①及び②を指す。ADLの自立はリハビリテーション医学の治療目標の一つとして重要視されている。

日常生活用具給付等事業
在宅の要援護者に対し、浴槽、特殊寝台等の日常生活用具を給付又は貸与することにより、日常生活の便宜を図り、福祉を推進することを目的とする。給付等の対象は、重度障害者(児)、難病患者等及び寝たきりやひとり暮らし老人である。給付を受けた者又はその扶養義務者は、その負担能力に応じて、費用の一部を負担する。

入浴サービス
デイサービスの一つとして、在宅の要援護者に施設の入浴設備を活用して入浴のサービスを提供するものと、移動入浴車により各家庭で行うものとがある。家族の介護負担の軽減を図り、長期にわたる在宅介護を可能とすることを目的としており、公的施策として行われているものと、民間が独自に行っているものとがある。

能力低下〔disability〕
WHOの国際障害分類では、「能力低下とは、人間として正常とみなされる方法や範囲で活動していく能力の、(機能障害に起因する)なんらかの制限や欠如である」と定義している。機能障害の結果、食事、排せつ、衣服の着脱等の身辺動作や、歩行、コミュニケーション活動等がうまくできないことを意味する。

ノーマライゼーション〔normalization〕
デンマークのバンク・ミケルセンが知的障害者の処遇に関して唱え、北欧から世界へ広まった障害者福祉の最も重要な理念。障害者等社会的に不利を負う人々を当然に包含するのが通常の社会であり、そのあるがままの姿で他の人々と同等の権利を享受できるようにするという考え方であり、方法である。障害のある人々に対する取組みが、保護主義や隔離主義等必ずしもその人間性を十分に尊重したものではない状態に陥りがちであったことを反省、払拭しようとするもので、このノーマライゼーションの思想は、「障害者の権利宣言」の底流をなし、「完全参加と平等」をテーマとした「国際障害者年行動計画」にも反映されている。

ノーマライゼーション7か年戦略 ⇒ 障害者計画

ハートビル法 ⇒ 高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律

バリアフリー〔barrier free〕
住宅建築用語として障害がある人が社会生活していく上で障壁(バリア)となるものを除去するという意味で、段差等の物理的障壁の除去をいう。より広くは、障害者の社会参加を困難にしている社会的、制度的、心理的な全ての障壁の除去という意味でも用いられる。

ピアカウンセリング
障害者や老人が、自らの体験に基づいて、同じ仲間である他の者の相談に応じ、問題の解決を図ること。同士カウンセリングともいう。アメリカの自立生活センターでとられている方式がわが国にも伝えられ、新しい専門職として関心がもたれている。

福祉のまちづくり
障害者のまちづくり運動から、次第に地域住民全体の生活課題に対応する包括的概念として定着してきている。福祉のまちづくりの思想は、①障害者の人間としての権利を総合的に保障すること、②すべての人の住みよいまちづくり、③民主的な地域社会づくり、として定式化されている。具体的には、社会福祉協議会の諸活動は「福祉のまちづくり」をスローガンに掲げているし、国においては、障害者や高齢者にやさしいまちづくり推進事業(厚生省)、高齢者・障害者等のためのモデル交通計画策定調査事業(運輸省)、人にやさしいまちづくり事業(建設省)、地域福祉推進特別対策事業(自治省)等があり、地方公共団体においても「福祉のまちづくり条例」が制定ないしは制定されつつある。

福祉のまちづくり条例
公共施設や不特定多数が利用する民間施設、交通機関等を障害者や高齢者等が利用しやすくすることを目的とした条例。建築物については、段差をなくす、エレベーターの設置、身体障害者用便所の設置等を定めており、鉄道やバスについては、障害者や高齢者の安全・快適性を求めている。該当する建築物等の新築や大規模な修繕等の場合には届け出をする必要があり、それが基準を満たしていない場合は必要な措置をとることを勧告することなどを規定している。

福祉マップ
障害者分野でこの用語を使用する場合は、車いす使用者のためのトイレ、駐車場、段差の有無、視覚障害者の点字ブロック、点字案内等についての整備状況を地図に記入したものをいう。

ふれあいホーム事業
知的障害者の自立を目的として、民家等を借りて、宿泊を伴う共同生活を送りながら必要な訓練等を行うものである。通所施設、小規模作業所等に通っている知的障害者を対象とする岐阜県単独事業。

ホームヘルパー
老人ホームヘルプサービス事業、身体障害者ホームヘルプサービス事業、心身障害者(児)ホームヘルプサービス事業及び難病患者等ホームヘルプサービス事業を行うための中核となる職種。老人、障害者(児)、難病患者等の家庭を訪問し、入浴・排泄・食事等の介護、衣類の洗濯、住居等の掃除、生活必需品の買い物、関係機関等との連絡、生活・身上・介護に関する相談・助言等を業務とする。平成2年の法改正以前は、家庭奉仕員と呼称されていた。なお、国の障害者プランではホームヘルパーを4万5000人上乗せするとしている。

補装具
身体障害者(児)の身体の一部の欠損又は機能の障害を補い、日常生活や職業生活を容易にするため用いられる器具の総称。身体障害者福祉法では、義肢、装具、座位保持装置、盲人安全つえ、義眼、眼鏡、点字器、補聴器、人工喉頭、車いす、電動車いす、歩行器、頭部保護帽、収尿器、ストマ用装具及び歩行補助つえの16種類が補装具として指定され(児童福祉法では、上記の他、座位保持いす、起立保持具、頭部保持具、排便補助具の4種が指定されている)、身体障害者の申請でこれを交付又は修理する。

ボランティア〔volunteer〕
本来は、有志者、志願兵の意味。社会福祉において、無償性、善意性、自発性に基づいて技術援助、労力提供等を行う民間奉仕者をいうが、近年になって「有償ボランティア」という言葉も使われている。個人又はグループで、①手話・点訳、学習指導、理美容、電気、大工、茶・華道、演芸(劇)指導等の技術援助、②障害者・児童・老人等の介護や話し相手、おむつたたみ、施設の清掃等の自己の労力・時間の提供、③一日里親、留学生招待、施設提供、献血・献体、旅行・観劇招待等、の奉仕を行う。

民生委員
民生委員法に基づき、各市町村に置かれる民間奉仕者。都道府県知事又は指定都市・中核市の市長の推薦により厚生大臣が委嘱する。民生委員は名誉職とされ、任期は3年である。市の区域内において、担当の区域又は事項を定めて、①常に調査を行い、その生活状態を把握しておくこと、②保護を要する者を適切に保護指導すること、③社会福祉事業施設と密接に連絡し、その機能を助けること、④福祉事務所その他の関係行政機関の業務に協力すること、等を職務とする。民生委員は、児童福祉法による児童委員を兼務する。

養育医療
母子保健法に基づく未熟児対策の一つ。疾病にかかりやすく、死亡率が高く、障害を残すことが多い未熟児の健全な発育を促すため、入院養育を必要とする場合に行う医療の給付をいう。指定養育医療機関において、①診察、②薬剤又は治療材料の支給、③医学的処置、手術及びその他の治療、④病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護、⑤移送、を内容とする給付が行われる。養育医療の給付に要した費用について、当該児童の属する世帯の負担能力に応じて定められた額を本人又はその扶養義務者から徴収することになっている。

養護学校
学校教育法に基づき、知的障害児、肢体不自由児若しくは病弱児(身体虚弱児を含む)に対して、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を行い、あわせてその欠陥を補うために、必要な知識技能を授けることを目的とする学校。都道府県に設置が義務づけられている。

ライフステージ〔life stage〕
生活段階又は人生段階。人の一生を乳幼児期、少年期、青年期、壮年期、老年期等と分けた、おのおのの段階。近年、それぞれのライフステージにおいて生起する生活問題に応じた福祉的援助のあり方が検討されるようになっている。

理学療法土〔physical therapist;PT〕
理学療法を専門技術とすることを認められた医学的リハビリテーション技術者に付与される名称。理学療法士及び作業療法士法により資格、業務等が定められている。同法によれば、理学療法士とは、「厚生大臣の免許を受けて、理学療法士の名称を用いて、医師の指示のもとに、理学療法を行うことを業とする者」と定義されている。理学療法は、①光線、温熱、寒冷、水、電気等の外的刺激を用いる物理的療法、②重すい、砂のう、副子等を用いて矯正治療する器械的療法、③自動的に又は他動的に、あるいは器械設備等を用いて複合的に専ら機能障害の改善を行う運動療法、に大別される。

リハビリテーション〔rehabilitation〕
障害のある人の人間としての権利を回復するために、障害者の能力を最大限に発揮させ、その自立を促すために行われる専門的技術のことをいう。リハビリテーションには、医学、工学、職業、社会等の各専門分野があるが、障害者の人間的復権を図るためには、それら諸技術の総合的推進が肝要である。

療育
医療・治療の「療」と、養育・保育・教育の「育」を合体した造語。障害児に対しては、医学的治療だけでなく、教育その他の諸科学を駆使して、残された能力や可能性を開発しなればならない。歴史的には、とくに肢体不自由児や重症心身障害児の分野で用いられてきた。

療育手帳
児童相談所又は精神薄弱者更生相談所において精神薄弱と判定された者に対して交付される手帳。療育手帳を所持することにより、知的障害児(者)は一貫した指導・相談を受けるとともに、各種の援護措置を受けやすくなることを目的としている。手帳には、障害の程度によりA1(最重度)、A2(重度)、B1(中度)、B2(軽度)と記入される。

レスパイトケア〔respite care〕
臨時的な休息介護、又は休息一時ケア等と訳される。在宅の障害者等の介護に当たっている人(家族等)をその介護疲れから解放するために、障害者の介護を一時的に代替することにより、在宅生活が継続できるようにすることを目的としている。レスパイトケアの代表的なものとしてショートステイがあり、デイサービスもレスパイトケアの役割を果たすことができる場合があると考えられる。

老人福祉法
老人の福祉に関する原理を明らかにするとともに、老人に対し、その心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を行うことにより、老人の福祉を図ることを目的とする法律。具体的な福祉の措置として、居宅における介護等のための在宅福祉サービスの実施、老人ホームヘの入所、老人健康保持事業の実施等が定められ、都道府県及び市町村に老人福祉計画の策定を義務づけている。


主題:
高山市障害者福祉計画

発行者:
高山市

発行年月:
平成10年3月

文献に関する問い合わせ先:
〒506-8555
岐阜県高山市花岡町2丁目18番地
高山市福祉保健部福祉課
(TEL)0577-32-3333