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高山市障害者福祉計画(資料編)

いきがいと思いやりのある福祉のまちづくりNo.5

~人にやさしい福祉の生活空間づくり~

平成10年 3月

第5 障害者の雇用・就業の状況
1 雇用の状況

「障害者の雇用の促進等に関する法律」において定められた雇用率は次のとおりであり、各企業、法人、機関はこの率以上の割合をもって身体障害者を雇用しなければならず、そうでない場合には一定の課徴金を支払うことになっています。

○民間企業 一般の民間企業 1.6%
(平成10年7月1日から1.8%)
特殊法人 1.9%
○国、地方公共団体 非現業機関 2.0%
現業機関 1.9%

 なお、雇用率の算定に当たっては、知的障害者は身体障害者と同様に積算できることとされており、また、重度の障害者は1人の雇用をもって2人の障害者を雇用しているものとみなされます。さらに、短時間労働者のうち重度の障害者は、それぞれ1人の障害者を雇用しているものとみなされることになっています。



(1)民聞企業の雇用状況

 高山市の平成8年6月現在の雇用障害者数は124人、実雇用率1.98%でした。また、高山公共職業安定所管内(高山市、大野郡、吉城郡、益田郡)の実雇用率は1.85%でしたので高山市及び管内全体としては法定雇用率1.6%を達成しています。
一方、高山市において身体障害者の雇用に関する報告義務企業(常用労働者数63人以上)で、雇用率を達成していない企業は15社で全体の39.5%を占めています。
昭和61年から平成8年までの民間企業の障害者雇用率の推移をみますと、全国は徐々に上昇しているものの法定雇用率には達していません。岐阜県全体では、昭和60年以降法定雇用率を上回っているものの、近年になってやや下降傾向がみられます。


表-13 民間企業の障害者の雇用状況(平成8年6月・高山管内)
企業数(社) 算定基礎(人) 障害者数(人) 雇用率(%) 雇用率未達成
企業の割合(%)
平成7年 40社 6,808 126 1.85 37.5
平成8年 38社 6,701 124 1.85 39.5
資料:高山職業安定所調べ
図-13 民間企業の障害者雇用率の推移
資料:高山職業安定所調べ


企業規模別にみた障害者の雇用状況

 全国、岐阜県、高山市とも、63~99人の企業全体では法定雇用率を上回っていますが、それ以外で上回っているのは100~299人の高山市、1,000人以上の岐阜県のみです。雇用率未達成企業が多いのは、全国では1,000人以上及び500~999人と大企業ほど多く、岐阜県では300~499人及び500~999人と中規模な企業が多くなっています。高山市では300人以上の企業で雇用率達成企業はありません。

図-14 企業規模別に見た障害者の雇用状況(平成8年6月)
図-15 産業別に見た障害者の雇用状況(平成8年6月)
資料:高山職業安定所調べ


(2)市の雇用状況

高山市職員の雇用率は次表のとおりで、法定雇用率を達成しています。

表-14 高山市の障害者の雇用状況(各年6月1日現在)
算定基礎
労働者数(人)
障害者数(人) 雇用率(%)
平成5年 517 10 1.93
平成6年 515 1.55
平成7年 504 1.79
平成8年 497 17 3.42
平成9年 492 14 2.85
資料:身体障害者雇用状況報告書


(3)職業紹介状況

高山公共職業安定所管内の平成9年7月現在の障害者登録数は746人となっています。内訳は、第1種登録者(身体障害者)が468人(62.7%)、第2種登録者(知的障害者、精神障害回復者等)が278人(37.3%)です。第1種登録者のうち、重度障害者が126人(26.9%)、45歳以上の方が340人(72.6%)となっています。登録者のうち、有効求職者は142人となっており、第1種登録者が114人(80.2%)、第2種登録者が28人(19.7%)となっています。有効中の第1種登録者のうち、45歳以上の方が87人おられます。登録者のうち、就業者数が564人で、その内訳は第1種登録者が339人(60.1%)、第2種登録者が225人(39.9%)です。就業中の第1種登録者のうち、45歳以上の方が258人(76.1%)、重度障害者が81人(23.9%)となっています。

表-15 障害者別登録状況(平成9年7月現在)
区分 障害別 件数 構成比 有効求職数 就業中 保留中
第一種登録者 視覚 35 4.7 20.0 25 71.4 8.6
聴覚・言語等 60 8.0 14 23.3 44 73.3 3.3
上肢 121 16.2 28 23.1 91 75.2 1.7
下肢 146 19.6 30 20.5 113 77.4 2.1
体幹 40 5.4 16 40.0 21 52.5 7.5
脳病変 0.1 0.0 100.0 0.0
内部疾患 65 8.7 19 29.2 44 67.7 3.1
小計 468 62.7 114 80.3 339 60.1 15 37.5
第二種登録者 知的障害 247 33.1 23 9.3 206 83.4 18 7.3
その他 31 4.2 16.1 19 61.3 22.6
小計 278 37.3 28 19.7 225 39.9 25 62.5
746 100.0 142 19.0 564 75.6 40 5.4
資料:高山職業安定所調べ
表-16 障害者職業紹介業務取扱状況調(平成9年7月現在)
単位:人
第1種登録者 第2種登録者
重度障害者 45歳以上 知的障害者
登録者数 468 126 340 278 247 746
有効求職者数 114 39 87 28 23 142
就業者数 339 81 258 225 206 564
資料:高山職業安定所調べ


2 一般雇用が困難な方の福祉的就労の状況

一般雇用が困難な方の就労の場として、法定化されている授産施設と法定化されていない小規模作業所があります。高山市には小規模作業所が3か所、飛騨地区には授産施設が1か所設置されています。

表-17 福祉的就労の状況(平成9年10月現在)
身体障害者
授産施設
精神薄弱者
授産施設
障害者
小規模作業所
精神薄弱者
小規模作業所
施設数 市内 ヶ所 ヶ所 ヶ所 ヶ所 ヶ所
市外
人数 入所 13
通所 15 24 23 62
 4  24  24  23    75
(注)「施設数」は本市の障害児・者が通所または入所している施設数
「人数」は通所または入所している本市の障害児・者数

3 就労に対する要望等

平成9年6月に実施しました「高山市障害者福祉計画アンケート調査」により、障害者の就労に対する要望状況等を把握することとします。

(1)身体障害者

①就労形態

就労形態はそれぞれですが、「仕事をしている」が31.3%です。就労形態別では「自営業」31.4%、「勤め(正社員、正職員」が26.2%、「勤め(臨時、非常勤、パート、アルバイト)」14.4%、「家の仕事(家業)の手伝い」11.4%の順になっています。
性別にみますと、男性の就労率が高く、「仕事をしている」は男性39.2%に対して、女性は22.8%です。また、「勤め(正社員、正職員)」は男性が33.5%ですが、女性が14.2%と非常に低い率です。特に、男性の18~39歳は「勤め(正社員、正職員)」が59.4%となっています。
障害の種類別では、「仕事をしている」率が比較的高いのは、聴覚又は平衡機能障害や肢体不自由です。逆に「仕事をしている」率が低いのは、音声機能、言語機能又はそしゃく機能障害です。「勤め(正社員、正職員)」の率が20%を下回っているのは、視覚障害、聴覚又は平衡機能障害となっています。障害等級別では、重度ほど「仕事をしている」率が低くなっています。

表-18 就労形態(生・年齢別)
単位:人
自営業家の仕事(家事)の手伝い勤め(正社員、正職員)勤め(臨時、非常勤、パート、アルバイト)内職授産所、共同作業所での就労その他
全体15757131724827500
男性11129104381013310
 0~17歳
18~39歳1932
40~64歳567618166
65歳以上512416112
女性462827343814190
 0~17歳
18~39歳19
40~64歳2118262098
65歳以上2218151173
図-16 就労形態(生・年齢別)
表-19 就労形態(障害の種類別)
単位:人
自営業家の仕事(家事)の手伝い勤め(正社員、正職員)勤め(臨時、非常勤、パート、アルバイト)内職授産所、共同作業所での就労その他
視覚障害2540
聴覚障害1810101058
音声障害10
肢体不自由933989413920328
内部障害28301798
1676113974511032534
図-17 就労形態(障害の種類別)
資料:平成9年6月「高山市障害者福祉計画アンケート調査」


②学校や仕事へいっていない理由

「学校や仕事へいっていない」との回答についての、その理由の調査結果が表-20及び図-18です。「高齢」、「障害」、「病気」と続いており、この三つで約9割を占めています。

表-22 学校や仕事へ行っていない理由
単位:人
重い障害のため病気のため高齢のため家事をしているため自分にあった仕事がないため理解ある職場、学校がないため通勤、通学が難しいため就業、就学をしたいが相談するところがないその他
全体5072
 0~17歳
18~39歳2635
40~64歳1725
65歳以上
4656
B113
B2
図-21 学校や仕事へ行っていない理由
資料:平成9年6月「高山市障害者福祉計画アンケート調査」


③ 就労の場

就労の場についての調査結果が図-21です。「一般企業での雇用が望ましい」21.3%、「福祉作業所などの整備が望ましい」66.0%となっており、「就労するのは無理だと思う」8.5%を大きく上回っています。

図-22 知的障害者の就労の場について
資料:平成9年6月「高山市障害者福祉計画アンケート調査」


(3)精神障害者

①就労形態

障害者の就労は景気に左右されることが多く、中でも精神障害者にとっては特に厳しいものがあります。アンケート調査の結果をみると、正規職員として就労している方はわずか1人で、家業に従事している方が3人となっています。また、小規模作業所「青葉の家」に通所している方が15人となっています。
しかし、その一方で今後の就労の希望についての設問に対しては、11人、35%の方が今後正規職員として働きたいという希望をもっており、就労意欲はあるものの、適職につけない等の厳しい状況を映し出しています。
このような現状は、精神障害という病気が長期に渡る病気であるということと関係があると考えられます。つまり、アンケート調査の「発病からの年数」をみてみますと、「発病後5~7年」が5人、「7~10年」が2人、「10~15年」が7人、「15~20年」が5人、「20年以上」が13人となっており、ほとんどの方が10年以上の長期間この病と闘っているという結果がでており、これらの結果から、症状の程度にもよりますが、病気が長期化すればするほど就労できない、あるいは就労しにくいという状況を推察することができます。

②就労の場

今後の就労希望等についての調査結果が、図-23です。「作業所に通いたい」が10人(31.3%)、「パート・アルバイト」が7人(21.9%)、「正規職員・従業員」が4人(12.5%)、「家事・家業」が3人(9.4%)と合計24人(75.0%)の方が何らかの仕事につきたいと希望しています。
また、「今必要な就労等についての制度」の設問に対しては、「小規模作業所」が14人(43.8%)、「求職の斡旋・相談」が5人(15.6%)となっています。「特に必要としない」という方が、5人(15.6%)いますが、これらの方は、高齢者(60歳以上」の方々となっています。

図-23 今後の就労希望
資料:平成9年6月「高山市障害者福祉計画アンケート調査」

主題:
高山市障害者福祉計画 資料編

発行者:
高山市

発行年月:
平成10年3月

文献に関する問い合わせ先:
〒506-8555
岐阜県高山市花岡町2丁目18番地
高山市福祉保健部福祉課
(TEL)0577-32-3333