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習志野市障害者福祉に関する調査 結果報告書

No.6

平成8年3月

習志野市

第3章 精神薄弱者(児)調査

第1節 回答者自身の状況

3-1-1 年齢・性別

(1)年齢

 精神薄弱児は25%、精神薄弱者は75%
 回答者の年齢については、精神薄弱児が25%、精神薄弱者が75%となっている。このうち、精神薄弱者では20歳代の38%を含め、18~39歳の青年期にある者が合わせて63%を占めている。
 これに対し、40~64歳の壮年期は12%、65歳以上の高齢期はいない。

図表 3-1-1 年齢
区分 人数(%)
総数 279(100)
精神薄弱児 70(25.1)
0~4歳 9(3.2)
5~9歳 18(6.5)
10~14歳 28(10.0)
15~17歳 15(5.4)
精神薄弱者 208(74.6)
18~19歳 19(6.8)
20~29歳 107(38.4)
30~39歳 50(17.9)
40~49歳 20(7.2)
50~59歳 11(3.9)
60~64歳 1(0.4)
65~69歳 0(0.0)
70歳以上 0(0.0)
無回答 1(0.4)

(2)性別

 男性が6割以上
 性別については、精神薄弱児では男性が64%、女性が33%と男性が多い。精神薄弱者についても、男性が63%、女性が36%と同様の傾向となっている。

図表 3-1-2 性別 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
45(64.3) 130(62.5)
23(32.9) 75(36.1)
無回答 2(2.9) 3(1.4)

3-1-2 障害がわかった時期

 3歳児健診までにわかる者が多い
 障害がわかった時期については、精神薄弱児では「出生直後」が31%、「乳児健診」が20%とこの時期までに半数がわかっている。また、3歳児健診までに86%の者が障害がわかっている。

図表 3-1-3 障害がわかった時期 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
出生直後 22(31.4) 44(21.2)
乳児健診 14(20.0) 21(10.1)
1歳6か月児健診 10(14.3) 26(12.5)
3歳児健診 14(20.0) 63(30.3)
小学校に入る前 4(5.7) 26(12.5)
小学校に入るとき 0(0.0) 3(1.4)
小学校にいるとき 0(0.0) 9(4.3)
中学・高校にいるとき 0(0.0) 8(3.8)
わからない 3(4.3) 2(1.0)
無回答 3(4.3) 6(2.9)

3-1-3 療育手帳の判定による障害の程度

 最重度・重度が4割
 療育手帳の判定による障害の程度については、精神薄弱児では最重度(マルA)が14%、重度(Aの1、Aの2)が29%、軽度(Bの1、Bの2)が56%となっている。
 精神薄弱者では、最重度が20%、重度が23%、軽度が51%となっており、児・者ともに、最重度・重度の者が4割を占める。

図表 3-1-4 療育手帳の判定による障害の程度 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
最重度(マルA) 10(14.3) 41(19.7)
重度 20(28.6) 47(22.6)
Aの1 20(28.6) 41(19.7)
Aの2 0(0.0) 6(2.9)
軽度 39(55.7) 106(51.0)
Bの1 21(30.0) 51(24.5)
Bの2 18(25.7) 55(26.4)
無回答 1(1.4) 14(6.7)

3-1-4 療育手帳を受けた時期

 18歳未満が多い
 療育手帳を受けた時期については、精神薄弱児では「0~4歳」が50%、「5~9歳」が36%と9歳までに86%の者が受けている。
 精神薄弱者では9歳までには33%であるが、17歳までに70%が受けており、18歳以上は21%である。

図表 3-1-5 療育手帳を受けた時期 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
18歳未満 69(98.6) 146(70.2)
0~4歳 35(50.0) 26(12.5)
5~9歳 25(35.7) 43(20.7)
10~14歳 7(10.0) 44(21.2)
15~17歳 2(2.9) 33(15.9)
18歳以上 43(20.7)
18~19歳 2(1.0)
20~29歳 23(11.1)
30~39歳 12(5.8)
40~49歳 5(2.4)
50~59歳 1(0.5)
60~64歳 0(0.0)
65~69歳 0(0.0)
70歳以上 0(0.0)
無回答 1(1.4) 19(9.1)

3-1-5 重複障害の状況

3割の者に重複障害がある
 重複障害の状況については、精神薄弱児では、30%の者に重複障害があり、なかでも音声・言語障害が14%で最も多い。
 精神薄弱者も36%の者に重複障害があり、なかでも音声・言語障害が最も多い。
 これを療育手帳の程度別にみると、重複障害を有する者が、最重度では61%、重度では36%、軽度では23%と、判定の程度が重くなるほど重複障害を有する者の割合も高くなる傾向がみられる。

図表 3-1-6 重複障害の状況(複数回答)単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
ある 21(30.0) 75(36.1)
視覚障害 7(10.0) 7(3.4)
聴覚・平衡機能障害 0(0.0) 5(2.4)
音声・言語障害 10(14.3) 53(25.5)
肢体不自由 7(10.0) 22(10.6)
内部障害 5(7.1) 11(5.3)
ない 28(40.0) 52(25.0)
無回答 21(30.0) 81(38.9)
図表 3-1-7 療育手帳の判定別にみた重複障害の状況 単位:人(%)
区分 総数 最重度 重度 軽度
総数 279(100) 51(100) 67(100) 146(100)
ある 96(34.4) 31(60.8) 24(35.8) 33(22.6)
ない 81(29.0) 6(11.8) 16(23.9) 57(39.0)
無回答 102(36.6) 14(27.5) 27(40.3) 56(38.4)

3-1-6 住宅の種類

 精神薄弱者では20%が施設入所
 住宅の種類については、精神薄弱児では「持ち家」が50%、「公社、公団、市営等の公営住宅」が19%、「社宅、公務員住宅等の貸与住宅」が17%などとなっている。
 精神薄弱者では「持ち家」が55%、「入所施設」が20%、「公社、公団、市営等の公営住宅」が13%などとなっており、入所施設への入所者が比較的多い。

図表 3-1-8 住宅の種類 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
持ち家 35(50.0) 115(55.3)
民間賃貸住宅 8(11.4) 16(7.7)
社宅、公務員住宅等の貸与住宅 12(17.1) 5(2.4)
公社、公団、市営等の公営住宅 13(18.6) 26(12.5)
入所施設 1(1.4) 41(19.7)
借間 0(0.0) 1(0.5)
その他 0(0.0) 4(1.9)
無回答 1(1.4) 0(0.0)

第2節 日常生活の動作や介助者の状況

3-2-1 介助の状況

 「外出」「意思の伝達」で要介助が多い
 日常生活動作の一部または全部で介助が必要な精神薄弱児は41人(59%)である。生活動作別では「外出」が56%で最も多く、次いで「意思の伝達」が39%、「衣服の着脱」が30%、「食事」が16%、「家の中の移動」が9%となっている。
 同じく介助が必要な精神薄弱者は93人(45%)で、生活動作別では「外出」が42%で最も多く、次いで「意思の伝達」が28%、「衣服の着脱」が14%、「食事」が10%、「家の中の移動」が5%となっている。

図表 3-2-1 介助の状況 単位:人(%)
区分 精神薄弱児
70(100)
精神薄弱者
208(100)
介助が必要な者 41(58.6) 93(44.7)
食事 11(15.7) 20(9.6)
一部介助 4(5.7) 12(5.8)
全部介助 7(10.0) 8(3.8)
衣服の着脱 21(30.0) 28(13.5)
一部介助 13(18.6) 15(7.2)
全部介助 8(11.4) 13(6.3)
家の中の移動 6(8.6) 11(5.3)
一部介助 2(2.9) 3(1.4)
全部介助 4(5.7) 8(3.8)
意思の伝達 27(38.6) 58(27.9)
一部介助 17(24.3) 34(16.3)
全部介助 10(14.3) 24(11.5)
外出 39(55.7) 87(41.8)
一部介助 14(20.0) 35(16.8)
全部介助 25(35.7) 52(25.0)

 最重度の84%は「外出」で介助を要する
 これを療育手帳の判定別にみると、程度が重くなるほど要介助の割合が高くなっており、最重度では「外出」で84%、「意思の伝達」で65%の者が一部または全部の介助を必要としている。また、「外出」については重度で73%、軽度でも19%の者が要介助である。

図表 3-2-2 療育手帳の判定別にみた一部または全部介助が必要な精神薄弱者(児) 単位:人(%)
区分 総数 最重度 重度 軽度
総数 279(100) 51(100) 67(100) 146(100)
食事 31(11.1) 18(35.3) 3(4.5) 4(2.7)
衣服の着脱 49(17.6) 27(52.9) 8(11.9) 9(6.2)
家の中の移動 17(6.1) 11(21.6) 2(3.0) 1(0.7)
意思の伝達 85(30.5) 33(64.7) 31(46.3) 16(11.0)
外出 126(45.2) 43(84.3) 49(73.1) 28(19.2)

3-2-2 主な介助者の状況

 「親」が7割以上
 介助を一部または全部必要とする精神薄弱者(児)の各日常生活動作における主な介助者の状況について平均値を求めたところ、「親」が74%で最も多く、次いで「その他の家族」および「親戚」がそれぞれ1%で続いており、主な介助者は親が圧倒的に多い。

図表 3-2-3 主な介助者の状況(平均値)
回答者総数=308 単位:%
74.0
その他の家族 1.3
親戚 1.3
ホームヘルパー 0.6
隣人・知人 0.3
その他 11.4
主な介助者はいない 0.3
無回答 10.7

注)回答者総数は各項目の回答者数の合計

 これを各動作別にみると、それぞれ同様の傾向を示しており、特に大きな格差はみられない。

図表 3-2-4 日常生活動作別にみた主な介助者の状況 単位:人(%)
区分 食事 衣服の着脱 家の中の移動 意思の伝達 外出
総数 31(100) 49(100) 17(100) 85(100) 126(100) 308(100)
家族 22(71.0) 37(75.5) 12(70.6) 65(76.5) 96(76.2) 232(75.3)
22(71.0) 37(75.5) 12(70.6) 63(74.1) 94(74.6) 228(74.0)
子ども 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0)
その他の家族 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 2(2.4) 2(1.6) 4(1.3)
家族以外 6(19.4) 8(16.3) 5(29.4) 10(11.8) 13(10.3) 42(13.6)
親戚 0(0.0) 1(2.0) 1(5.9) 1(1.2) 1(0.8) 4(1.3)
ホームヘルパー 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 1(1.2) 1(0.8) 2(0.6)
隣人・知人 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 1(0.8) 1(0.3)
雇人 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0)
その他 6(19.4) 7(14.3) 4(23.5) 8(9.4) 10(7.9) 35(11.4)
主な介助者はいない 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 1(0.8) 1(0.3)
無回答 3(9.7) 4(8.2) 10(11.8) 10(11.8) 16(12.7) 33(10.7)

3-2-3 介助の年数

 精神薄弱者の76%が10年以上
 日常生活動作で何らかの介助を受けている者の介助の年数については、精神薄弱児では「10年以上」が37%で最も多く、次いで「5年以上10年未満」が29%、「2年以上5年未満」が22%となっており、5年以上が合わせて66%となっている。
 精神薄弱者では「10年以上」が76%を占めている。

図表 3-2-5 介助の年数
回答者総数=134 単位:%
精神薄弱児
(n=41人)
精神薄弱者
(n=93人)
1年未満 2.4 2.2
1年以上2年未満 0.0 0.0
2年以上5年未満 22.0 1.1
5年以上10年未満 29.3 3.2
10年以上 36.6 76.3
無回答 9.8 17.2

3-2-4 介助にかかる費用

 わずかだが高額支払いもみられる
 介助にかかる費用については、精神薄弱児では「月額0円」が63%と最も多いものの、「月額1万円以上5万円未満」、「月額5万円以上10万円未満」および「月額10万円以上」がそれぞれ2%ずつとなっている。
 精神薄弱者についても、「月額0円」が55%と最も多いものの、「月額1万円以上5万円未満」、「月額5万円以上10万円未満」がそれぞれ2%、「月額10万円以上」も1%となっており、わずかだが高額支払いの者もみられる。

図表 3-2-6 介助にかかる費用
回答者総数=134 単位:%
精神薄弱児
(n=41人)
精神薄弱者
(n=93人)
月額0円 63.4 54.8
1万円未満 0.0 0.0
月額1万円以上5万円未満 2.4 2.2
月額5万円以上10万円未満 2.4 2.2
月額10万円以上 2.4 1.1
無回答 29.3 39.8

第3節 外出の状況

3-3-1 外出の頻度

 精神薄弱者の1割はほとんど外出していない
 過去1年間における外出の頻度については、精神薄弱児では「ほぼ毎日」が97%となっている。
 精神薄弱者では、「ほぼ毎日」が61%、「週2~3回」が11%、「月2~3回」が9%など、精神薄弱児に比べて外出の頻度がやや低い。また、「年に数回」(7%)と「まったく外出していない」(3%)を合わせると、1割の者がほとんど外出していない状況となっている。

図表 3-3-1 外出の頻度 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
外出した 69(98.6) 182(87.5)
ほぼ毎日 68(97.1) 127(61.1)
週2~3回 1(1.4) 22(10.6)
月2~3回 0(0.0) 19(9.1)
年に数回 0(0.0) 14(6.7)
まったく外出していない 0(0.0) 6(2.9)
無回答 1(1.4) 20(9.6)

3-3-2 外出の目的

 精神薄弱者は精神薄弱児に比べ外出の目的が少ない
 過去1年間に外出した者の外出の目的については、精神薄弱児では「通勤・通学」が93%で最も多く、次いで「買い物・散歩」が62%、「通院」が48%、「知人宅訪問」が44%、「旅行」が41%となっており、通学以外にも外出目的が比較的多彩である。
 これに対し精神薄弱者では、「買い物・散歩」が55%で最も多く、次いで「通勤・通学」が46%、「旅行」が29%などであり、精神薄弱児に比べて全体的に割合が低く外出目的の多様性に乏しい。

図表 3-3-2 外出の目的(複数回答) 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 69(100) 182(100)
通勤・通学 64(92.8) 84(46.2)
通院 33(47.8) 38(20.9)
買い物・散歩 43(62.3) 100(54.9)
知人宅訪問 30(43.5) 32(17.6)
旅行 28(40.6) 53(29.1)
地域施設の利用(デイサービスセンター、身体障害者福祉センター等) 8(11.6) 45(24.7)
地域の行事 20(29.0) 25(13.7)
その他 9(13.0) 17(9.3)
無回答 0(0.0) 6(3.3)

3-3-3 外出するうえで困ること

 「人と話をすることが困難」や「車などに危険を感じる」などで困っている
 外出するうえで、またはしようとするうえで困ることについては、精神薄弱児では無回答の26%を除く74%が「ある」としており、その内訳は「車などに危険を感じる」が30%で最も多く、次いで「人と話をすることが困難」が24%と続いている。
 精神薄弱者では、無回答の45%を除く55%がある」としており、その内訳は「人と話をすることが困難」が25%で最も多く、次いで「車などに危険を感じる」が17%と続いている。

図表 3-3-3 外出するうえで困ること(複数回答) 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
利用できる交通機関がない 3(4.3) 6(2.9)
道路や駅に階段が多い 11(15.7) 19(9.1)
利用する建物の設備(階段、トイレ、エレベーター等)が不備 11(15.7) 10(4.8)
車などに危険を感じる 21(30.0) 36(17.3)
介助者がいない 2(2.9) 17(8.2)
経費がかかる 2(2.9) 18(8.7)
人の目が気にかかる 6(8.6) 24(11.5)
人と話をすることが困難 17(24.3) 52(25.0)
その他 12(17.1) 23(11.1)
無回答 18(25.7) 93(44.7)

第4節 障害に関して利用した施設や関係機関について

3-4-1 障害に関して利用した施設や関係機関

 「児童相談所」「医療機関」の利用が多い
 障害に関して、これまでに何らかの施設や関係機関を利用した精神薄弱児は、無回答(1%)と「利用したことはない」(4%)を除く94%であり、その内訳は「医療機関」が81%、「児童相談所」が80%、「社会福祉施設」が54%、「教育機関」が41%などとなっている。
 精神薄弱者については、同様に91%が利用しており、その内訳は「児童相談所」が61%で最も多く、次いで「医療機関」が58%、「福祉事務所」が44%と続いている。

図表 3-4-1 障害に関して利用した施設や関係機関 (複数回答) 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
医療機関 57(81.4) 120(57.7)
社会福祉施設 38(54.3) 79(38.0)
職業訓練校 1(1.4) 5(2.4)
社会適応訓練(視覚・聴覚) 3(4.3) 7(3.4)
保健所 24(34.3) 36(17.3)
児童相談所 56(80.0) 127(61.1)
障害者相談センター 5(7.1) 67(32.2)
福祉事務所 9(12.9) 91(43.8)
教育機関 29(41.4) 80(38.5)
その他 2(2.9) 2(1.0)
利用したことはない 3(4.3) 5(2.4)
無回答 1(1.4) 13(6.3)

3-4-2 医療のことで困ること

 精神薄弱児の40%は専門的な医療機関がないことで困っている
 医師の診療や機能訓練を受けるにあたって困ることについては、精神薄弱児では「特に困っていることはない」(30%)と無回答(17%)を除く53%が困っていることが「ある」としており、その内訳は「専門的な治療を行う医療機関が身近にない」が40%で最も多い。
 精神薄弱者では、同様に39%が困っていることが「ある」としており、その内訳は「専門的な治療を行う医療機関が身近にない」が18%で最も多いものの、特に集中している項目はみられない。

図表 3-4-2 医療のことで困ること(複数回答) 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
通院するときに付添いをしてくれる人がいない 1(1.4) 11(5.3)
専門的な治療を行う医療機関が身近にない 28(40.0) 38(18.3)
医療費の負担が大きい 12(17.1) 12(5.8)
ちょっとした病気やけがの時に、受け入れてくれる医療機関が身近にない 4(5.7) 17(8.2)
気楽に往診を頼める医者がいない 10(14.3) 31(14.9)
歯科診療を受けられない 5(7.1) 20(9.6)
その他 0(0.0) 6(2.9)
特に困っていることはない 21(30.0) 73(35.1)
無回答 12(17.1) 53(25.5)

第5節 就学・就業の状況

3-5-1 就学・就業の状況

 就学年齢の精神薄弱児はほぼ全員就学しているものの、作業所等を含め仕事についている精神薄弱者は6割弱
 就学・就業の状況については、精神薄弱児では職業訓練や訪問学級を含め「通園・通学している」が90%であり、しかも就学年齢にほぼ該当する5~17歳では、自宅にいる者は2%と、ほぼ全員が就学している状況となっている。
 これに対し、精神薄弱者では作業所・授産施設を含め「仕事についている」は56%であり、「入所施設にいる」が21%、「通園・通学している」が6%となっている。また、「仕事にはつかず自宅にいる」と「いずれにも該当せず自宅にいる」を合わせた精神薄弱者は14%で、特に壮年期(40~64歳)では41%を占めている。

図表 3-5-1 年齢別にみた就学・就業の状況 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 0~4歳 5~17歳 総数 青年期
(18~39歳)
壮年期
(40~64歳)
総数 70(100) 9(100) 61(100) 208(100) 176(100) 32(100)
通園・通学している(職業訓練・訪問学級を含む) 63(90.0) 7(77.8) 56(91.8) 12(5.8) 10(5.7) 2(6.3)
仕事についている(作業所・授産施設を含む) 3(4.3) 0(0.0) 3(4.9) 116(55.8) 108(61.4) 8(25.0)
仕事につかず自宅にいる 1(1.4) 0(0.0) 1(1.6) 18(8.7) 7(4.0) 11(34.4)
入所施設にいる 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 43(20.7) 36(20.5) 7(21.9)
いずれにも該当せず自宅にいる(入院中を含む) 2(2.9) 2(22.2) 0(0.0) 11(5.3) 9(5.1) 2(6.3)
無回答 1(1.4) 0(0.0) 1(1.6) 8(3.8) 6(3.4) 2(6.3)

注)65歳以上の回答者はいない

3-5-2 就学の状況

(1)就学の状況

 「小学校・小学校部」が39%
 通園・通学している精神薄弱者(児)の通園・通学については、「小学校・小学校部」が39%で最も多く、次いで「中学校・中学校部」および「高等学校・高等部」がそれぞれ19%、「通園施設」が12%と続いている。
 また、幼稚園に通っている者はみられなかった。

図表 3-5-2 就学の状況
回答者総数=75 単位:%
幼稚園 0.0
保育所 8.0
通園施設 12.0
小学校・小学部 38.7
中学校・中学校部 18.7
高等学校・高等部 18.7
職業訓練校 1.3
その他 1.3
無回答 1.3

(2)通学先の内訳

 進学するにつれ選択の幅は限られてくる
 小学校・小学校部、中学校・中学校部および高等学校・高等部に通学する者の通学先については、「養護学校」が54%で最も多く、次いで「特殊学級」が40%、「普通学級」が5%となっている。
 これを小、中、高別にみると、「普通学級」に通う者は小学校のみで、中学、高校でみられず、「特殊学級」に通う者は、小、中学校のみで高校ではみられない。このことから小学校、中学校時代を普通学級や特殊学級で過ごしてきた者も、中学校卒業後は養護学校高等部に進学しており、小、中、高と進学するにつれ、選択の幅が限られている状況がうかがえる。

図表 3-5-3 小・中・高に通う者の通学先の内訳 単位:人(%)
区分 総数 小学校・小学校部 中学校・中学校部 高等学校・高等部
総数 57(100) 29(100) 14(100) 14(100)
普通学級 3(5.3) 3(10.3) 0(0.0) 0(0.0)
特殊学級 23(40.4) 17(58.6) 6(42.9) 0(0.0)
養護学校 31(54.4) 9(31.0) 8(57.1) 14(100)
その他 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0)
無回答 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0)

注)訪問学級の者はいない
 また、療育手帳の程度別にみると、最重度では9割が養護学校、重度では6割が養護学校、3割強が特殊学級となっており、最重度・重度で普通学級に通っている者はみられない。
 軽度では、特殊学級が5割強、養護学校が3割、普通学級が1割となっている。

図表 3-5-4 療育手帳の程度別にみた通学先の内訳 単位:人(%)
区分 総数 最重度(マルA) 重度(Aの1、Aの2) 軽度(Bの1、Bの2)
総数 57(100) 11(100) 19(100) 27(100)
普通学級 3(5.3) 0(0.0) 0(0.0) 3(11.1)
特殊学級 23(40.4) 1(9.1) 7(36.8) 15(55.6)
訪問学級 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0)
養護学校 31(54.4) 10(90.9) 12(63.2) 9(33.3)
その他 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0)
無回答 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0)

(3)卒業後の進路

 「就職したい」が42%
 学校を卒業したあとの進路については、「就職したい」が43%、「大学・専門学校等に進学したい」が4%、「特に考えていない」が11%となっている。

図表 3-5-5 卒業後の進路
回答者総数=75 単位:%
大学・専門学校等に進学したい 4.0
就職したい 42.7
その他 24.0
特に考えていない 10.7
無回答 18.7

3-5-3 就業の状況

(1)就業の形態

 一般就労と福祉的就労が半々ずつだが重度・最重度はほとんどが福祉的就労
 仕事についている精神薄弱者(児)の就業の形態については、「勤め(正規の社員・職員)」(30%)と「勤め(臨時雇い・パート・アルバイト)」(18%)を合わせた“一般就労”が48%、「授産施設」(31%)と「福祉作業所」(18%)を合わせた“福祉的就労”が49%となっており、“一般就労”と“福祉的就労”がほぼ半数ずつの状況となっている。
 これを療育手帳の程度別にみると、程度が重くなるほど、福祉的就労が多く、最重度・重度では授産施設か福祉作業所のいずれかに通っている者がそれぞれ約9割に達している。
 これに対し、軽度では、正規の雇用が39%、臨時雇い等が24%と6割以上が一般就労であり、授産施設・福祉作業所は合わせて34%である。

図表 3-5-6 療育手帳の程度別にみた就業の形態 単位:人(%)
区分 総数 最重度(マルA) 重度(Aの1、Aの2) 軽度(Bの1、Bの2)
総数 120(100) 14(100) 18(100) 85(100)
一般就労 58(48.3) 1(7.1) 2(11.1) 53(62.4)
勤め(正規の社員・職員) 36(30.0) 1(7.1) 0(0.0) 33(38.8)
勤め(臨時雇い・パート・アルバイト) 22(18.3) 0(0.0) 2(11.1) 20(23.5)
福祉的就労 59(49.2) 13(92.9) 16(88.9) 29(34.1)
福祉作業所 22(18.3) 2(14.3) 4(22.2) 16(18.8)
授産施設 37(30.8) 11(78.6) 12(66.7) 13(15.3)
自営業・従業 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0)
家族従業員 1(0.8) 0(0.0) 0(0.0) 1(1.2)
内職 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0)
その他 1(0.8) 0(0.0) 0(0.0) 1(1.2)
無回答 1(0.8) 0(0.0) 0(0.0) 1(1.2)

(2)仕事からの収入

 就業形態により大きく異なるが、正規の勤めにおいても10万円未満が半数
 仕事についている精神薄弱者(児)の仕事からの収入については、「1万円未満」が43%を占める。一方、「5万円以上」が23%、「10万円以上」が21%となっており、1万円未満の層と5万円以上の層の2層に分かれている。
 また、これを主な就業形態別にみると、一般就労では「5万円以上」の者が多く、福祉的就労では「1万円未満」が最も多いなど、就業形態により傾向が大きく異なっている。しかし、「勤め(正規の社員・職員)」においても10万円未満の者が半数みられる。

図表 3-5-7 主な就業形態別にみた仕事からの収入 単位:人(%)
区分 総数 一般就労 福祉的就労
勤め(正規の社員・職員) 勤め(臨時雇い・パート・アルバイト) 福祉作業所 授産施設
総数 120(100) 36(100) 22(100) 22(100) 37(100)
1万未満 52(43.3) 0(0.0) 0(0.0) 18(81.8) 33(89.2)
1万円~3万円 6(5.0) 0(0.0) 1(4.5) 1(4.5) 3(8.1)
3万円~5万円 4(3.3) 0(0.0) 4(18.2) 0(0.0) 0(0.0)
5万円以上 28(23.3) 18(50.0) 10(45.5) 0(0.0) 0(0.0)
10万円以上 25(20.8) 18(50.0) 7(31.8) 0(0.0) 0(0.0)
わからない 1(0.8) 0(0.0) 0(0.0) 1(4.5) 0(0.0)
無回答 4(3.3) 0(0.0) 0(0.0) 2(9.1) 1(2.7)

(3)仕事の不安や不満

 どの就業形態においても収入が少ないことが主な不満
 仕事についている精神薄弱者(児)の仕事の不安や不満については、「特にない」(28%)と「無回答(17%)を除いた56%が不安や不満が「ある」としており、その内訳は「収入が少ない」が28%で最も多い。
 これを主な就業形態別にみると、どの就業形態においても「収入が少ない」が最も多くみられる。また、「仲間がいない、友達ができない」や「まわりの人たちが理解してくれない」「通うのが大変である」などもどの就業形態においてもみられる項目となっている。

図表 3-5-8 主な就業形態別にみた仕事の不安や不満(複数回答) 単位:人(%)
区分 総数 勤め(正規の社員・職員) 勤め(臨時雇い・パート・アルバイト) 福祉作業所 授産施設
総数 120(100) 36(100) 22(100) 22(100) 37(100)
ある 67(55.8) 21(58.3) 15(68.2) 11(50.0) 18(48.6)
収入が少ない 33(27.5) 11(30.6) 8(36.4) 6(27.3) 7(18.9)
仲間がいない、友達ができない 11(9.2) 3(8.3) 3(13.6) 1(4.5) 3(8.1)
まわりの人たちが理解してくれない 9(7.5) 5(13.9) 0(0.0) 1(4.5) 3(8.1)
通うのが大変である 8(6.7) 2(5.6) 3(13.6) 1(4.5) 2(5.4)
将来性がない 7(5.8) 2(5.6) 2(9.1) 3(13.6) 0(0.0)
仕事が自分に向いていない 4(3.3) 2(5.6) 1(4.5) 0(0.0) 1(2.7)
トイレなどの設備が使いにくい 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0)
その他 18(15.0) 5(13.9) 4(18.2) 4(18.2) 5(13.5)
特にない 33(27.5) 12(33.3) 3(13.6) 9(40.9) 9(24.3)
無回答 20(16.7) 3(8.3) 4(18.2) 2(9.1) 10(27.0)

3-5-4 仕事にはつかず自宅にいる者の状況

(1)今後の就労意向

 「仕事をしたい」は37%
 仕事にはつかず自宅にいる者の、今後の就労意向については、「仕事をしたい」が37%、「したくない」が53%である。
 また、「仕事をしたい」と答えた者が、現在、仕事をしていない理由については、「病気のため」が57%、「自分に合う仕事がみつからないため」が29%となっている。

図表 3-5-9 今後の就労意向
区分 人数(%)
総数 19(100)
仕事をしたい 7(36.8)
したくない 10(52.6)
無回答 2(10.5)
図表 3-5-10 仕事をしていない理由
区分 人数(%)
総数 7(100)
病気のため 4(57.1)
高年齢のため 0(0.0)
家事の手伝いをするため 0(0.0)
自分に合う仕事がみつからないため 2(28.6)
その他 1(14.3)
無回答 2(10.5)

(2)仕事をするうえで重要な設備や条件

 「雇主の障害者に対する理解」が最も大切
 今後仕事をしたい者の、仕事をするうえで重要な設備や条件については、「雇主の障害者に対する理解」が43%で最も多く、次いで「仕事の内容が障害の状況に適している」「障害を持つ仲間がいる」「自分の性格にあっている」などとなっている。

図表 3-5-11 仕事をするうえで重要な設備や条件(複数回答)
区分 人数(%)
総数 7(100)
雇主の障害者に対する理解 3(42.9)
仕事の内容が障害の状況に適している 2(28.6)
障害を持つ仲間がいる 2(28.6)
自分の性格にあっている 2(28.6)
通勤がしやすい 1(14.3)
トイレや階段など職場内が整備されている 0(0.0)
特技や技術が活かせる 0(0.0)
職場の人間関係がよい 0(0.0)
悩みごとなどを相談できる場がある 0(0.0)
将来性がある 0(0.0)
納得できる収入が得られる 0(0.0)
その他 0(0.0)
無回答 1(14.3)

第6節 地域の行事や活動への参加状況

3-6-1 地域の行事や活動への参加状況

 参加しているのは精神薄弱児で57%、精神薄弱者では27%
 地域の行事や活動への参加状況については、精神薄弱児では57%が何らかの行事や活動に参加しており、その主な内訳は「祭りなどの地域の行事」(39%)が最も多く、次いで「地域にある学校の行事」(24%)と続いている。
 精神薄弱者では、「参加していない」(57%)が半数以上を占めており、参加している者は27%、その主な内訳は「祭りなどの地域の行事」(16%)である。

図表 3-6-1 地域の行事や活動への参加状況(複数回答) 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
参加している 40(57.1) 57(27.4)
趣味などのサークル活動 4(5.7) 5(2.4)
スポーツ活動 9(12.9) 14(6.7)
子ども会 9(12.9) 0(0.0)
祭りなどの地域の行事 27(38.6) 32(15.4)
地域にある学校の行事 17(24.3) 13(6.3)
その他 3(4.3) 13(6.3)
参加していない 23(32.9) 118(56.7)
無回答 7(10.0) 33(15.9)

 最重度の63%が「参加していない」
 参加の有無を療育手帳の程度別にみると、最重度では参加しているのは22%で、63%が「参加していない」状況となっている。

図表 3-6-2 療育手帳の程度別にみた参加状況 単位:人(%)
区分 総数 最重度 重度 軽度
総数 279(100) 51(100) 67(100) 146(100)
参加している 97(34.8) 11(21.6) 28(41.8) 53(36.3)
参加していない 142(50.9) 32(62.7) 31(46.3) 72(49.3)
無回答 40(14.3) 8(15.7) 8(11.9) 21(14.4)

3-6-2 積極的に参加するための条件

 精神薄弱児では「障害者に対する理解」を強く希望している
 地域や社会に積極的に参加できるようにするために特に大切なことについては、精神薄弱児では「地域の人々が障害者(児)を受け入れるよう、障害者に対する理解を深める」が73%で最も多く、次いで「障害者(児)が参加しやすい機会をつくる」(34%)と続いている。
 精神薄弱者でも「障害者に対する理解を深める」が44%で最も多く、次いで「参加しやすい機会をつくる」(24%)と続いている。

図表 3-6-3 積極的に参加するための条件(複数回答) 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
障害者(児)が参加しやすい機会をつくる 24(34.3) 50(24.0)
障害者(児)も使いやすい施設を整備する 15(21.4) 37(17.8)
移動困難な障害者(児)に配慮して、交通機関や道路を整備する 6(8.6) 10(4.8)
地域や社会の人々が障害者(児)を受け入れるよう、障害者に対する理解を深める 51(72.9) 91(43.8)
障害者(児)の参加を補助するボランティアを多数育成する 19(27.1) 41(19.7)
障害者(児)を持つ家族が、積極的に子どもを社会に出すようにする 10(14.3) 28(13.5)
障害者(児)自身が積極性を持つ 3(4.3) 24(11.5)
その他 0(0.0) 3(1.4)
無回答 3(4.3) 49(23.6)

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主題:
習志野市障害者福祉に関する調査 結果報告書 No.6
127頁~144頁

発行者:
習志野市

発行年月:
平成8年3月

文献に関する問い合わせ先:
習志野市
〒275 千葉県習志野市鷺沼1-1-1
電話 0474(51)1151(代)