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習志野市障害者福祉に関する調査 結果報告書

No.7

平成8年3月

習志野市

第7節 普段の生活の困りごとなどの状況

3-7-1 今後の生活で充実させたいこと

 精神薄弱児では友人等との交流、精神薄弱者では健康づくりや仕事面の充実
 今後の生活で充実させたいことについては、精神薄弱児では「友人や仲間や地域の人々との交流」が57%で最も多く、次いで「仕事や学業の面」(39%)、「興味、教養やスポーツなどの余暇の面」(27%)と続いている。
 精神薄弱者では「健康維持や健康づくり」(36%)や「仕事や学業の面」(34%)などである。

図表 3-7-1 今後の生活で充実させたいこと(複数回答) 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
衣食住などの生活面 14(20.0) 32(15.4)
仕事や学業の面 27(38.6) 21(10.1)
興味、教養やスポーツなどの余暇の面 19(27.1) 48(23.1)
友人や仲間や地域の人々との交流 40(57.1) 72(34.6)
健康維持や健康づくり 8(11.4) 75(36.1)
その他 1(1.4) 4(1.9)
特にない 5(7.1) 20(9.6)
無回答 4(5.7) 30(14.4)

3-7-2 現在の生活で困っていること

 精神薄弱児では就労・自立や教育面で、精神薄弱者では将来の介護のことで困っている
 現在の生活で困っていることについては、精神薄弱児では「教育・学習のこと」および「就労、自立生活のこと」がそれぞれ34%で最も多く、次いで「療育・訓練のこと」(31%)、「将来の介護のこと」(21%)と続いている。
 精神薄弱者では「将来の介護のこと」が35%で最も多く、次いで「就労、自立生活のこと」(23%)などとなっている。

図表 3-7-2 現在の生活で困っていること(複数回答) 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
教育・学習のこと 24(34.3) 3(1.4)
療育・訓練のこと 22(31.4) 10(4.8)
経済的なこと 5(7.1) 24(11.5)
家庭生活のこと 5(7.1) 11(5.3)
現在の介護(介助)のこと 2(2.9) 6(2.9)
将来の介護(介助)のこと 15(21.4) 72(34.6)
就労、自立生活のこと 24(34.3) 48(23.1)
興味や生きがいを持てないこと 6(8.6) 25(12.0)
医療のこと 5(7.1) 20(9.6)
交通機関のこと 1(1.4) 7(3.4)
住宅のこと 7(10.0) 14(6.7)
必要な情報が得られないこと 2(2.9) 4(1.9)
話し合える友達や相談者がいないこと 7(10.0) 27(13.0)
地域の理解がないこと 6(8.6) 11(5.3)
その他 2(2.9) 3(1.4)
無回答 8(11.4) 62(29.8)

3-7-3 悩みや困ったことの相談相手

 家族に次いで精神薄弱児では学校の先生、友人、医師が多く、精神薄弱者では施設や作業所の職員が多い
 悩みや困ったことの相談相手については、精神薄弱児では「家族・親戚」が81%で最も多く、次いで「会社の人・学校の先生」(40%)、「友人・知人」(34%)、「医師」(21%)と続いている。
 精神薄弱者でも「家族・親戚」が73%で最も多いものの、次いで「福祉施設や作業所の職員」が34%となっている。また、精神薄弱児に比べて「友人・知人」(13%)や「医師」(12%)が少なく、「市の職員・保健所の職員」が多くなっている。

図表 3-7-3 悩みや困ったことの相談相手(複数回答) 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
家族・親戚 57(81.4) 152(73.1)
友人・知人 24(34.3) 27(13.0)
会社の人・学校の先生 28(40.0) 17(8.2)
医師 15(21.4) 24(11.5)
福祉施設や作業所の職員 2(2.9) 70(33.7)
障害者相談センター・児童相談所 3(4.3) 5(2.4)
市の職員・保健所の職員など 1(1.4) 31(14.9)
民生委員・児童委員 0(0.0) 2(1.0)
精神薄弱者相談員、身体障害者相談員 3(3.4) 18(8.7)
障害者の団体や親の会、家族の会などの人 12(17.1) 36(17.3)
その他 0(0.0) 4(1.9)
相談する人はいない 1(1.4) 6(2.9)
無回答 3(4.3) 19(9.1)

3-7-4 ボランティアによる手助けの意向

 精神薄弱児の44%、精神薄弱者の33%が希望しており、その内容は外出の付添いをはじめ多様である
 ボランティアによる手助けの意向では精神薄弱児では44%が希望しており、その内訳は「外出の時の付添いや送迎」が24%で最も多く、次いで「声をかけたり様子をみてもらう」(13%)と続いている。
 精神薄弱者では33%が希望しており、その内訳は「外出の時の付添いや送迎」(14%)や「声をかけたり様子をみてもらう」(12%)、「話し相手」(11%)などである。
 その他の各項目においても割合としてはそれほど大きくないが、ボランティアによる手助けを希望している者がそれぞれみられる。

図表 3-7-4 ボランティアによる手助けの意向 (複数回答) 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
希望している 31(44.3) 68(32.7)
声をかけたり様子をみてもらう 9(12.9) 24(11.5)
話し相手 6(8.6) 23(11.1)
外出の時の付添いや送迎 17(24.3) 30(14.4)
手紙などの書類の代読や代書 2(2.9) 7(3.4)
家事や買物の手伝い 0(0.0) 3(1.4)
身体介護の手助け 2(2.9) 3(1.4)
銀行、役所の用事などの代行 3(4.3) 5(2.4)
その他 6(8.6) 6(2.9)
特に希望はない 30(42.9) 75(36.1)
無回答 9(12.9) 65(31.3)

第8節 施設やサービスの利用状況や利用意向

3-8-1 将来利用したい施設等

 精神薄弱児では「通所施設」(54%)、精神薄弱者では「入所施設」(30%)の希望が強い
 将来利用したい施設等については、精神薄弱児では「通所施設」が54%、入所施設が17%となっている。
 精神薄弱者では「入所施設」が30%と比較的多くみられる。

図表 3-8-1 将来利用したい施設等(複数回答)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
入所施設(授産施設・更生施設) 12(17.1) 63(30.3)
通所施設(授産施設・更生施設・福祉作業所) 38(54.3) 25(12.0)
地域で生活できる施設(生活ホーム・グループホーム・通勤寮) 10(14.3) 37(17.8)
学校の寮 0(0.0) 0(0.0)
その他 1(1.4) 2(1.0)
特にない 4(5.7) 33(15.9)
無回答 5(7.1) 48(23.1)

3-8-2 サービスの周知度、利用状況、利用意向

(1)サービスの周知度

 「福祉手当」や「税の控除」、「相談や指導」の周知度が高い
 サービスの周知度については、「電車・バスの運賃割引」が62%で最も多く、次いで「福祉手当や特別障害者手当」(57%)、「税の控除」(55%)、「相談や指導」(51%)と続いている。全体的に30~60%台の項目が多く、各サービスの周知が充分にゆきわたっているとはいえない状況となっている。また、周知度が低い項目としては「生活福祉資金の貸付け」(23%)「施設通所者への交通費助成」(27%)、「公営住宅への優先入居」(30%)、「日常生活用具の給付・貸与」(31%)などがあげられる。
 これを療育手帳の程度別にみると、最重度では「福祉タクシー」(77%)や「電車・バスの運賃割引」(73%)などのサービスは比較的周知されているものの、「ホームヘルパーの派遣」(49%)や「ショートステイ」(61%)など介護者の負担を軽減するサービスの周知は必ずしも十分とはいえない状況となっている。

図表 3-8-2 療育手帳の程度別にみたサービスの周知度(複数回答) 単位:人(%)
区分 総数 最重度 重度 軽度
総数 279(100) 51(100) 67(100) 146(100)
相談や指導 (4) 141(50.5) 27(52.9) 40(59.7) (4) 67(45.9)
福祉手当や特別障害者手当 (2) 158(56.5) (3) 34(66.7) (2) 45(67.2) (2) 73(50.0)
ホームヘルパーの派遣 110(39.4) 25(49.0) 31(46.3) (5) 51(34.9)
重度心身障害者(児)一時入所(ショートステイ) 124(44.4) 31(60.8) 39(58.2) 50(34.2)
日常生活用具の給付・貸与 86(30.8) 23(45.1) 29(43.3) 32(21.9)
公営住宅への優先入居(入居申請登録) 84(30.1) 23(45.1) 30(44.8) 31(21.2)
医療費の給付や助成 117(41.9) 33(64.7) (5) 41(61.2) 40(27.4)
生活福祉資金の貸付け 63(22.6) 16(31.4) 22(32.8) 23(15.8)
税の控除 (3) 152(54.5) (3) 34(66.7) (4) 43(64.2) (2) 73(50.0)
電車・バスの運賃割引 (1) 172(61.6) (2) 37(72.5) (1) 46(68.7) (1) 85(58.2)
福祉タクシー (5) 138(49.5) (1) 39(76.5) (2) 45(67.2) 49(33.6)
有料道路の割引 101(36.2) (3) 34(66.7) 38(56.7) 29(19.9)
施設通所者への交通費助成 75(26.9) 19(37.3) 27(40.3) 29(19.9)
無回答 53(19.0) 7(13.7) 8(11.9) 31(21.2)

注)表中(1)~(5)は回答の多かった項目の順位を表す

(2)サービスの利用状況

 周知度の高いサービスはよく使われているサービスである
 サービスの利用状況については、「福祉手当や特別障害者手当」が45%で最も多く、次いで「税の控除」(39%)、「電車・バスの運賃割引」(36%)、「相談や指導」(31%)と続いており、サービスの周知度で上位にあげられた項目がならんでいる。これらのサービスは「相談や指導」を除けば経済的支援を行うものであり、「ホームヘルパーの派遣」(5%)や「ショートステイ」(7%)等の在宅生活を支援するサービスへの利用状況は低い状況となっている。
 これを療育手帳の程度別にみても、最重度では「福祉手当や特別障害者手当」および「税の控除」がいずれも55%と比較的高いものの、「ホームヘルパーの派遣」や「ショートステイ」の利用状況はそれぞれ16%、22%である。

図表 3-8-3 療育手帳の程度別にみたサービスの利用状況(複数回答) 単位:人(%)
区分 総数 最重度 重度 軽度
総数 279(100) 51(100) 67(100) 146(100)
相談や指導 (4) 87(31.2) (4) 19(37.3) (5) 20(29.9) (4) 44(30.1)
福祉手当や特別障害者手当 (1) 126(45.2) (1) 28(54.9) (1) 42(62.7) (1) 52(35.6)
ホームヘルパーの派遣 13(4.7) 8(15.7) 2(3.0) 2(1.4)
重度心身障害者(児)一時入所(ショートステイ) 20(7.2) 11(21.6) 5(7.5) 3(2.1)
日常生活用具の給付・貸与 9(3.2) 6(11.8) 1(1.5) 1(0.7)
公営住宅への優先入居(入居申請登録) 5(1.8) 4(7.8) 1(1.5) 0(0.0)
医療費の給付や助成 (5) 67(24.0) (3) 27(52.9) (4) 25(37.3) (5) 13(8.9)
生活福祉資金の貸付け 5(1.8) 3(5.9) 2(3.0) 0(0.0)
税の控除 (2) 109(39.1) (1) 28(54.9) (3) 35(52.2) (3) 45(30.8)
電車・バスの運賃割引 (3) 100(35.8) (5) 17(33.3) (2) 36(53.7) (2) 47(32.2)
福祉タクシー 24(8.6) 9(17.6) 14(20.9) 0(0.0)
有料道路の割引 30(10.8) 13(25.5) 17(25.4) 0(0.0)
施設通所者への交通費助成 22(7.9) 2(3.9) 8(11.9) 12(8.2)
無回答 92(33.0) 12(23.5) 17(25.4) 55(37.7)

注)表中(1)~(5)は回答の多かった項目の順位を表す

(3)サービスの利用意向

 最重度ではホームヘルプサービスやショートステイを強く希望している
 サービスの利用意向については、無回答が46%と多いことを踏まえておく必要があるが、「有料道路の割引」が21%で最も多く、次いで「福祉タクシー」(21%)、「相談や指導」(19%)、「医療費の給付や助成」(19%)、「税の控除」(19%)と続いている。
 これを療育手帳の程度別にみると、最重度では「ホームヘルパーの派遣」が31%で最も多く、次いで「ショートステイ」が26%となっている。これらのサービスは現在の周知度が十分でなく、利用状況も活発ではなかったサービスである。また、ショートステイは重度においても利用意向が高くなっている。

図表 3-8-4 療育手帳の程度別にみた各サービスの利用意向(複数回答) 単位:人(%)
区分 総数 最重度 重度 軽度
総数 279(100) 51(100) 67(100) 146(100)
相談や指導 (3) 54(19.4) (5) 9(17.6) 15(22.4) (1) 30(20.5)
福祉手当や特別障害者手当 44(15.8) 6(11.8) 10(14.9) (3) 28(19.2)
ホームヘルパーの派遣 47(16.8) (1) 16(31.4) 13(19.4) 18(12.3)
重度心身障害者(児)一時入所(ショートステイ) 48(17.2) (2) 13(25.5) (1) 22(32.8) 13(8.9)
日常生活用具の給付・貸与 28(10.0) 6(11.8) 8(11.9) 13(8.9)
公営住宅への優先入居(入居申請登録) 42(15.1) 8(15.7) 8(11.9) 23(15.8)
医療費の給付や助成 (3) 54(19.4) 8(15.7) (3) 18(26.9) (3) 28(19.2)
生活福祉資金の貸付け 27(9.7) 4(7.8) 8(11.9) 14(9.6)
税の控除 (5) 52(18.6) 7(13.7) (3) 18(26.9) (5) 27(18.5)
電車・バスの運賃割引 50(17.9) 9(17.6) 11(16.4) (1) 30(20.5)
福祉タクシー (2) 58(20.8) (3) 12(23.5) (3) 18(26.9) (5) 27(18.5)
有料道路の割引 (1) 59(21.1) (4) 11(21.6) (2) 20 (29.9) 26(17.8)
施設通所者への交通費助成 45(16.1) 7(13.7) 11(16.4) 25(17.1)
無回答 128(45.9) 20(39.2) 26(38.8) 72(49.3)

注)表中(1)~(5)は回答の多かった項目の順位を表す

第9節 福祉情報の入手状況

3-9-1 福祉情報の入手先

 精神薄弱児では友人・知人、精神薄弱者では障害者の団体等からの入手が多い
 福祉情報の入手先については、精神薄弱児では「友人や知人」が61%で最も多く、次いで「県・市・保健所・福祉事務所など」および「県や市などの広報」が43%、「障害者の団体や親の会、家族の会など」が31%、「会社や学校」が29%、「障害者相談センター・児童相談所」が27%となっている。
 精神薄弱者では「障害者の団体や親の会、家族の会など」が45%で最も多く、次いで「県・市・保健所・福祉事務所など「および「県や市などの広報」が40%、「友人や知人」および「施設や作業所、生活ホームなど」が28%と続いている。

図表 3-9-1 福祉情報の入手先(複数回答) 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
親戚の人 1(1.4) 6(2.9)
友人や知人 43(61.4) 58(27.9)
会社や学校 20(28.6) 10(4.8)
医師 8(11.4) 5(2.4)
施設や作業所、生活ホームなど 1(1.4) 58(27.9)
障害者相談センター・児童相談所 19(27.1) 13(6.3)
県・市・保健所・福祉事務所など 30(42.9) 84(40.4)
県や市などの広報 30(42.9) 84(40.4)
民生委員・児童委員 0(0.0) 3(1.4)
精神薄弱者相談員、身体障害者相談員 1(1.4) 11(5.3)
障害者の団体や親の会、家族の会など 22(31.4) 93(44.7)
その他 1(1.4) 3(1.4)
どこから得ることもない 0(0.0) 3(1.4)
無回答 1(1.4) 14(6.7)

3-9-2 情報が得られなくて困ったこと

 精神薄弱児では「ある」が16%
 情報が得られなくて困ったことについては、精神薄弱児では「ある」が16%、「ない」が74%である。
 精神薄弱者では「ある」が8%、「ない」が62%となっている。

図表 3-9-2 情報が得られなくて困ったこと
回答者総数=279 単位:%
区分 精神薄弱児(n=70人) 精神薄弱者(n=208人)
ある 15.7 7.7
ない 74.3 61.5
無回答 10.0 30.8

第10節 今後の重点施策

3-10-1 今後の重点施策

 精神薄弱児・者ともに働く場の確保への要望が最も強い
 障害者に住みよいまちづくりのための今後の重点施策については、精神薄弱児では「障害者(児)の働く場の確保」が63%で最も多く、次いで「通所施設・作業所等の充実」(51%)、「障害者(児)のための教育の充実」(44%)、「福祉教育や広報等による市民に対する障害者(児)への理解促進」(36%)、「障害者を診療してくれる医療機関の確保」(33%)と続いている。
 精神薄弱者では「障害者(児)の働く場の確保」が38%で最も多く、次いで「障害者を診療してくれる医療機関の確保」(35%)、「福祉教育や広報などによる市民に対する障害者(児)への理解促進」(34%)、「重度の障害者(児)のための入所施設の整備」(25%)、「通所施設・作業所の充実」(24%)と続いている。

図表 3-10-1 今後の重点施策(複数回答) 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
《障害に対する理解》 - -
福祉教育や広報などによる市民に対する障害者(児)への理解促進 (4) 25(35.7) (3) 70(33.7)
障害者(児)と市民がふれあう機会や場の確保 13(18.6) 36(17.3)
《保健・医療》 - -
障害の予防と早期発見・早期療育の充実 12(17.1) 28(13.5)
専門的な医療機関の確保 16(22.9) 39(18.8)
障害者を診療してくれる医療機関の確保 (5) 23(32.9) (2) 73(35.1)
専門的な機能訓練の実施 10(14.3) 14(6.7)
医療費の軽減 4(5.7) 26(12.5)
《教育・育成》 - -
障害者(児)のための教育の充実 (3) 31(44.3) 27(13.0)
障害者のサークル活動などの拠点の整備 7(10.0) 21(10.1)
《雇用・就業》 - -
障害者(児)の働く場の確保 (1) 44(62.9) (1) 79(38.0)
能力に応じた職業訓練の実施 15(21.4) 37(17.8)
《在宅福祉サービス》 - -
相談窓口の一本化や相談機能の充実 4(5.7) 16(7.7)
サービス利用手続きの簡素化・スピード化 6(8.6) 13(6.3)
ショートステイ(緊急時の一時入所)の充実 10(14.3) 33(15.9)
ホームヘルプサービスの充実 3(4.3) 8(3.8)
デイサービスの充実 2(2.9) 2(1.0)
福祉機器・補装具・日常生活用具の普及促進 0(0.0) 2(1.0)
手当などの経済的援助の充実 10(14.3) 19(9.1)
社会福祉の専門的な人材の確保・養成 10(14.3) 26(12.5)
社会適応訓練の充実 1(1.4) 10(4.8)
ボランティアの育成 5(7.1) 13(6.3)
手話通訳者などコミュニケーションの確保 0(0.0) 0(0.0)
《施設サービス》 - -
通所施設・作業所等の充実 (2) 36(51.4) (5) 50(24.0)
生活寮・グループホーム・通勤寮の整備 9(12.9) 39(18.8)
重度の障害者(児)のための入所施設の整備 10(14.3) (4) 52(25.0)
《生活環境》 - -
障害者(児)に配慮した道路・建物・駅などの整備 6(8.6) 11(5.3)
障害者(児)に配慮した住宅の整備の充実 0(0.0) 8(3.8)
災害時における障害者(児)の避難誘導体制の確立と訓練の実施 4(5.7) 9(4.3)
《スポーツ・レクリエーション、国際交流》 - -
スポーツ・レクリエーションや各種文化行事への障害者参加の促進 7(10.0) 23(11.1)
姉妹都市との交流の推進 0(0.0) 1(0.5)
その他 1(1.4) 0(0.0)
無回答 2(2.9) 27(13.0)

注)表中(1)~(5)は回答の多かった項目の順位を表す

第11節 世帯の状況

3-11-1 世帯の課税状況等

(1)所得税の課税状況

 精神薄弱者では「非課税」が26%
 所得税の課税状況については、精神薄弱児では「課税」が77%、「非課税」が7%となっている。
精神薄弱者では「課税」が53%、「非課税」が26%である。

図表 3-11-1 所得税の課税状況等 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
課税 54(77.1) 111(53.4)
非課税 5(7.1) 53(25.5)
無回答 11(15.7) 44(21.2)

(2)市町村民税の課税状況

 精神薄弱者では「非課税」が20%
 市町村民税の課税状況については、精神薄弱児では「所得割を課税」が66%、「均等割のみ課税」および「非課税」がそれぞれ3%となっている。精神薄弱者では「所得税を課税」が46%であり、「非課税」が20%と比較的多くみられる。

図表 3-11-2 市町村民税の課税状況 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
所得割を課税 46(65.7) 96(46.2)
均等割のみ課税 2(2.9) 12(5.8)
非課税 2(2.9) 42(20.2)
無回答 20(28.6) 58(27.9)

(3)生活保護の受給状況

 精神薄弱者では「受給している」が4%
 生活保護の受給状況については、精神薄弱児では受給している者はみられず、精神薄弱者では「受給している」が4%となっている。

図表 3-11-3 生活保護の受給状況 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
受給している 0(0.0) 9(4.3)
受給していない 60(85.7) 128(61.5)
無回答 10(14.3) 71(34.1)

(4)年金の受給状況

 精神薄弱者では「障害年金・障害基礎年金」が73%
 年金の受給状況については、精神薄弱児では障害年金・障害基礎年金を受給している者はみられず、「障害年金以外の年金」が1%となっている。精神薄弱者では「障害年金・障害基礎年金」が73%、「障害年金以外の年金」が1%、「年金は受給していない」が15%である。

図表 3-11-4 年金の受給状況 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
障害年金・障害基礎年金 0(0.0) 152(73.1)
障害年金以外の年金 1(1.4) 3(1.4)
年金は受給していない 60(85.7) 31(14.9)
無回答 9(12.9) 22(10.6)

(5)各種手当の受給状況

 精神薄弱児では「特別児童扶養手当」が44%
 各種手当の受給状況については、精神薄弱児では「特別児童扶養手当」が44%で最も多く、次いで「重度心身障害児福祉手当」が11%などとなっている。
 精神薄弱者では無回答が76%となっている。

図表 3-11-5 各種手当の受給状況(複数回答) 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
特別児童扶養手当 31(44.3) 9(4.3)
重度心身障害者福祉手当 8(11.4) 6(2.9)
心身障害者(児)福祉手当 7(10.0) 18(8.7)
障害児福祉手当 5(7.1) 3(1.4)
特別障害者手当 0(0.0) 10(4.8)
その他の公的な手当 2(2.9) 5(2.4)
無回答 17(24.3) 157(75.5)

3-11-2 世帯収入の中心者

 「父母」が精神薄弱児の90%、精神薄弱者の81%
 世帯収入の中心者については、精神薄弱児では「父母」が90%を占めている。精神薄弱者では「父母」(81%)の他、「兄弟姉妹」および「あなた自身」がそれぞれ5%みられる。

図表 3-11-6 世帯収入の中心者 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
あなた自身 0(0.0) 10(4.8)
配偶者 0(0.0) 1(0.5)
父母 63(90.0) 168(80.8)
子ども 1(1.4) 0(0.0)
兄弟姉妹 0(0.0) 11(5.3)
その他の同居家族 2(2.9) 3(1.4)
仕送り 0(0.0) 0(0.0)
その他 0(0.0) 0(0.0)
無回答 4(5.7) 15(7.2)

3-11-3 同居家族

 ひとり暮らしは精神薄弱者で1%
 同居家族については、精神薄弱児では「父親」および「母親」が91%、「兄弟姉妹」が84%、「祖父母」が10%などとなっており、ひとり暮らしの者はみられない。
 精神薄弱者では「母親」が76%、「父親」が65%、「兄弟姉妹」が45%、「祖父母」が4%であり、「ひとり暮らし」は1%となっている。
 また、精神薄弱児・者ともに「配偶者(夫妻)」、「子ども」がわずかずつみられる。

図表 3-11-7 同居家族(複数回答) 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
ひとり暮らし 0(0.0) 2(1.0)
父親 64(91.4) 135(64.9)
母親 64(91.4) 159(76.4)
配偶者(夫妻) 1(1.4) 3(1.4)
子ども 1(1.4) 4(1.9)
子どもの配偶者(嫁・婿) 0(0.0) 1(0.5)
配偶者の親(しゅうと・しゅうとめ) 0(0.0) 0(0.0)
兄弟姉妹 59(84.3) 93(44.7)
祖父母 7(10.0) 8(3.8)
0(0.0) 0(0.0)
その他 0(0.0) 4(1.9)
無回答 3(4.3) 27(13.0)

3-11-4 調査の記入者

 「父母」が80~90%と多数を占める
 この調査の記入者については、精神薄弱児では「父母」が91%を占めている。また、精神薄弱者では「父母」が83%を占めている。

図表 3-11-8 調査の記入者 単位:人(%)
区分 精神薄弱児 精神薄弱者
総数 70(100) 208(100)
あなた自身 3(4.3) 8(3.8)
父親・母親 64(91.4) 173(83.2)
配偶者(夫妻) 0(0.0) 2(1.0)
その他 1(1.4) 16(7.7)
無回答 2(2.9) 9(4.3)

第12節 自由記入のまとめ

3-12-1 記入内容の概要

 親なきあとの暮らしの体制として、通所・入所施設やグループホームへの要望が特に多い
 精神薄弱者(児)調査の自由記入は、回答者総数279人の39にあたる108人の回答があり、これを内容別に集計すると144件となっている。
 記入内容を分類し・集計を行ったところ、「通所施設の整備」が28件で最も多く、次いで「入所施設の整備」が20件、「グループホームの整備」「働く場の確保」「相談体制の整備」がそれぞれ9件となっている。

図表 3-12-1 回答件数の多かった項目(再掲)
区分 件数
通所施設の整備 28
入所施設の整備 20
グループホームの整備 9
働く場の確保 9
相談体制の整備 9
幼稚園・保育園への入園、統合教育の推進 7
早期発見・療育の充実 5
その他親なきあとの対応 5
障害に対する理解促進 4

 このうち、通所施設・入所施設、グループホームについては、親なきあとが心配であることから要望されているものであり、精神薄弱者(児)を抱える家族の意識として、親なきあとへの不安が非常に強いものであるようすがうかがえる。

図表 3-12-2 自由記入の内容
区分 件数
1.啓発・広報に関すること 8
(1)障害に対する理解促進 4
(2)広報活動・情報提供の充実 3
(3)親の会の意見をとりいれた更生施設の運営 1
2.保健・医療に関すること 5
(1)早期発見・療育の充実 5
3.就労に関すること 9
(1)働く場の確保 9
4.教育・生涯学習に関すること 12
(1)幼稚園・保育園への入園、統合教育の推進 7
(2)特殊学級の推進、高校への特殊学級の設置 4
(3)夏休み、冬休みを少なくして 1
5.福祉サービスに関すること 95
(1)通所施設の整備 28
(2)入所施設の整備 20
(3)グループホームの整備 9
(4)相談体制の整備 9
(5)その他親なきあとの対応 5
(6)一時預かり、一時入所の充実 3
(7)ボランティア活動の充実 3
(8)医療費給付手続きの簡素化 3
(9)紙おむつの支給 3
(10)その他 12
6.生活環境 1
(1)障害者に配慮したまちづくり 1
7.スポーツ・レクリエーション 2
(1)楽しい行事やイベントの開催 2
8.その他 12

3-12-2 主な記入内容

 自由記入のなかから、主な記入内容を以下のとおりに分類し、抜粋する。

  1. 通所施設の整備に関するもの
  2. 入所施設の整備に関するもの
  3. グループホームの整備に関するもの
  4. 働く場の確保に関するもの
  5. 相談体制の整備に関するもの
  6. 幼稚園・保育園への入園、総合教育に関するもの
  7. 早期発見・療育の充実に関するもの
  8. その他親なきあとの対応に関するもの
  9. 障害に対する理解の促進に関するもの
  10. その他

(1)通所施設の整備に関するもの

■今はまだ義務教育中で、通学できる間は本人も楽しく通学してくれると思いますが、卒業してからが不安です。私達が耳にする事は、市の通所施設はあきはないという事で在宅になってしまうと、しばしば耳にします。皆が通園できるよう、施設を増やしてほしいです。(12歳、男性)

■小中学校においては、障害児普通学級でいっしょにすごすことが、健常児にも多大ないい影響を及ぼすことを教育問題がいろいろむずかしいこの時期こそ、真剣に考えて下さい。
 高校にも特殊学級を設けて下さい。ほとんどの人が高校に行く現在、たとえば中学の特学にいた人は卒業したらどこへ行けばいいのでしょうか。そこでプツンと道がとぎれることは、おかしいのではないでしょうか。
 希望する人がみんな入れるだけの通所施設は絶対に必要です。そうでなくても孤立しがちな障害者、家族に在宅を強いるのは絶望→自殺(心中)という道に迷いこむのをすすめているようなものです。(15歳、男性)

■障害児が学校を卒業した後の行き場所をもっともっと充実させて下さい。花の実園や新しい作業所のような所をどんどん作って下さい。卒業した途端、自宅待機などはあまりに悲しすぎる状態だと思います。だれもみないつ事故などで障害者になるかもしれないと思います。みんな障害者のことを他人事と思わずに我が身に置きかえて考えていって欲しいと思います。(8歳、男性)

(2)入所施設の整備に関するもの

■重度心身障害者を持つ親の身としては、自分が高齢になって高齢者としての福祉サービスを受けられる立場ですが、障害を持った子の面倒を見ていかなければならない現状です。子供は今、病院に入っていますが週一回の面会や年3~4回の帰宅時の身の廻りの世話等、年々できにくくなって来ています。
 今、思うのは私達親が亡くなった後のこの子の行く末です。
 市内に入所施設を是非作ってもらいたいと思います。私共の子のように発作的に倒れたり、暴れたりする状態の障害者の為には、医療機関が併設される事が望ましく思います。併設されなくとも隣接の施設であれば事は足りると思います。ある時、親の会の会合で市の人と話をした時に、習志野市は土地値が高く、市内にそんな施設をつくる土地はありませんと言下に否定されてしまったことがあります。年齢が高くなった障害者をかかえる親は市内にも沢山いると思います。核家族化が進む現在、近い将来、家で病院でひとり残されてしまう障害者が増えることは目に見えています。是非、入所の施設建設をお願い申します。遠くの山の中などに作ってもらっても年よりは行けません。(42歳、男性)

■施設入所中ですが、母一人の生活。施設が遠く毎月の外泊は大変。近くに又は市内に入所施設があれば母も高齢者の為助かります。また、親なき後心配です。兄弟がないため高齢者になってもずっといられる施設が必要。こういう事は私共だけではないと思います。ぜひ、入所施設をつくって下さい。(36歳、男性)

(3)グループホームの整備に関するもの

■我が家の30歳の息子は市内の特学を出、市外の小さな自動車の部品工場に就職しました。体が小さかったことや不器用さ、会社の理解が得られず色々ないじめにあい、とにかくここをやめたら職がないからということでがんばってと励ましながら幸いにして働く意欲が強かったので、それにささえられながら4年半がんばりました。今振り返ってがんばってと励まし続けたことが良かったか、悪かったか子供に対し可哀想なことをしたのではないかと思ったりしております。そういういじめや会社の理解を得るためにも特学の先生とか、福祉課の先生がたまに企業をまわっていただいて現在子供がどんな状況に置かれているか、見ていただけたら幸いと存じます。
 この親子にとって思い出したくないつらい日々も、あの時あんなに我まんしたからこれからもどんな仕事でもがんばれるという強い気持ちを育ててくれたと息子と話しております。お蔭様で三度目の今の会社、親子で感謝しながら一日でも長く勤務できるよう祈らずにはいられません。
 これから親も高齢化になり親亡き後子供はどうなるのだろう。というのが一番の悩みです。親の会で色々施設見学等行っておりますが、子供に合うような場所がありません。さしあたり、他市では生活寮やグループホーム等できておりますが、習志野市でも是非作っていただけたらと思います。
 兄妹には小さい時から精神的負担を相当かけておりますし親亡き後めんどうを見て貰うのはしのびない思いがします。地域で地域の人々にささえられながら親亡き後も、子供に心をのこすことのないような入所施設が習志野市にもできたらと願わずにはいられません。(30歳、男性)

■現在は、家族、学校、知人などのおかげで障害を持ちながらも明るく生活しております。家族が元気な間は本人の幸福についてけん命に考え、努力できますが、将来、本人が1人きりになってしまった場合は、どうなるのか大変に不安です。
 できることならば、生まれ育った環境とあまりかけ離れずに元気に生きていってほしいと思いますし、まちがいのない人間が機関に年金、その他本人の経済的な問題もしっかり運営、管理してもらえたらと思います。
 そのためには、家族が元気なうちに将来のためのネットワークづくりが必要かと思います。まだ、具体的な形にはまとまっておりませんが、現段階では、いくつかの世帯が1つの建物に同居し、なおかつ個室もあって、健常者と障害児者がいっしょに暮らすことが、本人にとって良いかと考えています。
 障害者多数を1か所の人里離れた施設に収容し、健常者が管理する方法は効率的なようですが、施設内での障害者への体罰、所長・管理者の年金その他財産の着服などの問題なども生じるようで心配です。(17歳、男性)

■その障害によって異なると思いますが、知的障害者にとっては毎日過ごせる場と生活できる場の確保が何より求められています。
 過ごせる場とは学校、職場、通所施設等、生活できる場とは親と同居できる場合を除いて生活ホーム、グループホーム等、多少の介助により障害者自身が自立していく形と入所という全面介助の形があります。それすらも完全でない現在、無理とは思えますが、障害者の必要とする介助以外は行わない、彼等本位の生活の場ができると良いと思っています。(22歳、男性)

■1.県の親の会の顧問会において、県内におけるケースワーカーの活躍状況が議題になりました。本県においては意外と役所でのケースワーカーの置位が低い、障害者サイドに立って活動しにくい面があるとの意見が出ました。
 また、他市のいくつかでは年に一回は地域の障害者とケースワーカーとの顔合わせがあるそうです。その様な事を重ねる中で、お互いの信頼感が高まっている様です。本市では、自分のケースワーカーが誰なのかも知らない人もあります。本市でも、地域の障害者とケースワーカーがもっと親近感が持てる様な配慮をお願い致します。
2.「花の実園」、「かしの木」等への措置におきましては、その施設に適合した者をとり、その施設の本領を発揮したいという市側のお気持ちはよくわかります。しかし、まだ更生施設のできていない現状では、もう少し柔軟に考えてほしいと思います。
3.少し前まではまずまずと思われる入所の施設に子供を入れれば、親は一応安心して死ねると云う考えが大半であったかと思います。
 しかしながら、それは親の安心という面からだけの考えであって、本人は本当にそこで一生を終わりたかったかどうかわかりません。近頃は長い事入所の施設におられ、地域に帰って来られている方も多くなりました。
 地域で一生を終えるか、入所施設で終えるかは、それぞれであって当然ですが、これからの地域福祉はこう云ったいろいろな選択に答えられるものであってほしいと願っております。
(31歳、女性)

(4)働く場の確保に関するもの

■障害者に生きる希望を与えることです。それには障害者でもできるような仕事を見つけて与えることです。(50歳、女性)

■P8にも○をつけましたが、8、19については、年少の子どもたちへの教育の場の多様性については、かなり充実してきたと思われます。しかし、特殊学級(中学)を出た後の教育の場は、本当に少数の子をのぞいて養護学校の高等部へと行かざるを得ない状況です。景気の良い時なら、中学から就職ということもあったでしょうが、今や大学を出ても就職口のない人も多数出ている現状です。
 また、今や高校進学率も非常に高くなり、高校に行くのもあたり前のようになっていますし、この3年間の教育期間の大切さも障害児とて同じだと思われます。せっかく教育の場の多様性が確保され出した今、障害者にとっての高校は…と考えると。そこで、たとえば、市立習志野高に特殊学級を設置していただくなら、特殊学級(中学)へ行っている子どもたちにも、もうひとつ大きな選択肢ができ、より先を見通した指導も行われると思います。
 今年度、作業所ができましたが、もう定員に近い状況です。学校の親たちが、市へお願いに行き、また、11年度までのつなぎとしての作業所ができると聞いておりますが、こことて私共の子どもがこの年齢になる頃にはもういっぱいということではないでしょうか。卒業生は、毎年毎年出てきます。習志野市のキャッチフレーズ「福祉と文教の都市」として誇れる多様な働ける場、障害を持っていても生き生き暮らせる場、そして市民と触れ合える場(たとえば、市の公共施設何か所にも小さな軽食コーナーを作り、そこで働くなど、今流行のハーブ園など市営で作りそこで働くなど…)単に作業所を作るだけでなく、もっと多様な場も考えていただけたらと思います。(13歳、女性)

(5)相談体制の整備に関するもの

■障害者の家族になる人は、ある日を境に突然なる人がほとんどだと思います。心理的なカウンセリングもとても重要なことだと思います。そしてどんなサービスが受けられるか、どんな法的補助を受けられるか、どんな方法で医療機関と接していけばいいのか。何もわからないところから一つ一つ覚えていくのが現状です。障害福祉課の方にはいつも大変お世話になっていますが、一定期間でどんどん人が移動していくお役所と障害者が直接対するのではなく、間にその道のプロを介して(お役所の人間ではなく中立の立場で)、相談・指導・カウンセリングなど橋渡しとなれば、とてもよい方向に進んでいくと思います。
 その道のプロとは、障害児教育のプロ、心理カウンセリングのプロ、法律のプロ、老人福祉のプロなどなどです。
 真の福祉を目指すならば、そのような期間は重要だと思います。(3歳、女性)

■どうしてもトイレでオシッコやウンチなどできない子には、オムツ分医療費としてでもよいので出してもらえるとたすかります。(そのさい担当の先生などに必要だということをかいてもらってもよいし、老人の場合は申し出の人などでもよいので)
 学校卒業後の作業所などの受入れ場所の確保をお願いします。軽度ばかりでなく中、重度の子にもはばをひろげてほしいと思います。
 もう少し、身近で色々な相談やなにかができればよいと思います。そして障害をもった時点で申請の時などにとれる特典などはその場で作ったり配布してほしいです。(9歳、男性)

■ 病気や将来のことを考えると不安ですが、その時は、まず家族で考慮の上解決できない場合、相談に乗っていただきたいと存じます。
 県や市の福祉サービスの情報や知識を知らない人が沢山います。広報等で少しの紙面で結構ですから、シリーズのように掲載していただけたらと思います。
 母親だけが障害者(児)の世話をしている場合、一時も目を離せない子は介護者が精神的にも肉体的にも疲れます。市内に気軽に短時間預かってくれる所がほしいと思います。(22歳、男性)

■障害を持った子を育てるにはそれ相応の覚悟と意志を持っているのですが、対応しなくてはならない事態が起こった時、いくら強い意志を持っていてもくじけてしまう事が多くあり、そういう時のはげまし、勇気づけをしてくれる相談場所がほしく存じます。今まで障害福祉課で生まれた時から本人の成長、親の対応を見てこられた担当の職員の方が定年で辞められていかれ相談する相手がいません。福祉課の方にいつでもと云われるかも知れませんが、過程を知り得ないという事で二の足をふんでしまいます。
 定年を迎えられた方でも、市の相談窓口に席をおかれ相談相手になっていただければと存じます。親の視線で相談に乗っていただけたらと思います。
(21歳、女性)

(6)幼稚園・保育園への入園、総合教育に関するもの

■障害児、者への一般の人々の理解はまだまだ…というのが習志野市というより日本の今の現状です。(習志野は良い方という意見もありますが)なぜでしょうか?答えは簡単。あまり見たことがない、ましてや話したこともないという人がほとんどだからです。なぜ見たことがないか?これも簡単。小さいうちにわけられてしまうからです。幼稚園から皆と同じがあたり前、少しでも変わった子はのけものにされる。大きくなったらそれが深刻になってイジメ、自殺など…。「色んな人がいる!」これが習志野市の現状なのに、表面はみんな同じ。これってどこかおかしくないですか?
 公立幼稚園へも障害児を入れて下さい。(特殊じゃダメ!)
 保育園へも健常児と差別する事なく入れて下さい。
 普通学級へも進んで入れる様な状況を作って下さい。
 作業所に押し込めるのではなく積極的に企業へも働きに出して下さい。
 小さいうちから「障害のある人がいてあたり前の社会」が身についていれば今の教育問題、特にイジメなんてずいぶん少なくなると思うんです。障害児、者に住みよい社会―まち―はお年寄りやその介護者にも住み良い場所になるワケです。だからこれは私達の問題ではなく、あなた方の問題でもあるんですよ。といつも申し上げているのですが…。(4歳、男性)

■障害児がなぜスムーズに幼稚園に行けないのでしょうか。通園施設があるのできっとそちらに行ってほしいということなのでしょうが、同年齢の健常児から受ける刺激は非常に重要で、学齢前にその体験はぜひともさせたいのです。しかし市の方では“週に1回交流の機会を設けている云々”と言い、あたかも障害児のことを考えての施策をとっているのだから“福祉の町の習志野”などと考えているようですが、私達は“交流”を求めているのでなく“統合”を願っているのです。単に週1回の交流では、けっきょくはお客さんとしての“○○ちゃん”という見方を他の園児に強調させるだけにすぎないのです。保育所に入れる際も本当に何やかやとうるさくて、精一杯のところでやっと仕事を見つけて子どものために働いているのに、働いているのかどうかを調べたりするようなひどいことも市はしています。保育所では遠回しに障害のある子をみることの大変さをほのめかし、所長なぞは口もきかないということもある始末です。手がかかる故に障害児なのであり、そういう手のかかる子をなぜもっと大きく受けとめてもらえないのかと思うとやはり保母さんの数の少なさが原因かと思えます。介助をつけることもできるのではないでしょうか。とにかく保育所、幼稚園にもっともっとスムーズに入れるようにさせていただけませんか。障害をもって生まれてきた彼らには、なんの責任もないのです。教育の機会をせばめられることに疑問を感じてやみません。
(4歳、男性)

■我が子はダウン症児です。ダウン症は早期療育で以前に比べるとさまざまな面での成長が著しく保育所に通っている現在その成果もでてきて居ります。保育所入所の際の市の応対に積極性が感じられなかった点にこれからの就学にあたり一層の不安を感じました。障害児指導に理解また経験のある先生など人材をふやし養護学校はもちろん一般の学校にもどんどん採用すべきです。社会が障害者も共に生活する場なのですから学校はその縮図です。別々に学んでいる限り障害の子(親)の気持など先生も友達もその親もいつまでたっても理解できないと思います。(3歳、女性)

(7)早期発見・療育の充実に関するもの

■我が子はまだ小さく、これからいろいろな事で悩み、苦しんだり、喜んだり…とエンドレスです。
 障害をもつ子供をもった親は、いつも不安で、何かに頼りたい気持ちでいっぱいです。子供に対して、いろいろな事をしてあげても「これでいいのかな?」といつも考えています。
 一生考えてゆかなくてはいけないのです。
 我が子はまだ小さいので健常児とのふれあい、刺激をものすごく必要としています。通園施設に通いはじめても、刺激が少ないんです。“普通の子”としては、はばたけないのです。いつも守られていて受け身なのです。
 もっともっとこの子に必要なことを専門的な先生(心理、知的面)にみていただきたいのです。(他県に予約をとって、今は先生にみていただいております。)通園施設でも、保母さんで専門的ではありません。(とてもよくしてくれています。日常生活のことは、本当によくしていただいてます。)
・健常者と一緒に幼児期をすごさせたい。
(もっと、理解を。特に保育課の方)
・専門の先生の派遣
(3歳、男性)

■療育、訓練などで専門の先生を増やしてほしいと思います。いま、通っている所で、先生に頼りなさを感じるものの他には行く場所がありませんので通っています。ちなみに、他市に良い先生がいると聞き、問い合わせてみても他市は受けいれられないと言う事でしたので、もっと障害児の親が安心してまかせられる専門の先生を入れてほしいです。この事は私1人が感じていることではなく、同じ障害をもったお母さん達も同じように感じております。
 小学校、幼稚園、保育所などの受け入れを、もっと受け入れやすくしてほしいです。幼稚園などはほとんど受け入れてもらえず、受け入れられている所もひとクラスに1人という割合ではなかなか入る事ができません。習志野市には、あじさい、あかしあ学園があるので、そこに入園すれば良いと言われがちですが、障害がある子供をできるだけ健常児の子供達とまなばせたいと願っている親もたくさんおりますので考えて下さい。
(4歳、女性)

(8)その他親なきあとの対応に関するもの

■この先まっ暗闇で希望が持てない。養護学校を卒業した後…成人に達した後…親が死んだ後…。深く考える能力がないため現在はくったくなく元気で暮している。(持病もなく至って健康)
(17歳、男性)

■親として今一番気になっていることは、親も子供も年をとるにつれて親なきあとの対応です。この先どうなってしまうのかなあという気持は日に日に増すばかりです。元気なうちはなんとかできる限り一緒に頑張りたいと思っておりますが、是非行政のお力添えをよろしくお願い致します。
 知的障害者に対するボランティアの育成を是非お願い致します。
 障害福祉課の窓口の対応態度、必要以上のお世辞やサービスはいけませんが、受け付けに立った時には(私達が)皆知らん顔ではなく積極的に応対していただきたいと思います。(24歳、男性

■障害者に対する思い(家族を含めて)をきいて下さり有難いことです。
 世間を狭くしながら様々な生活レベルにまたは範囲に制約を受けながら生きている障害者を持つ家族の生きざまをどれだけご理解いただけるのでしょうか。
 世間の受け入れ思いやりを深める手っ取り早いということでは一軒に一人障害者を持つということしかないようですネ。ひどい発想でお許し下さい。
 親達は一生懸命に子を思い、守り、訓練に介助にと生きていると思います。でもその親はいつか…。子どもが安心して生活できる保障の場がないのです。それが何よりも心配です。そんな場がないならば親子で共に天にめす場所、方法を教えていただきたいです。余り動けなくなる前にその方法、場さがしをしなくてはと真剣に考える者でもあります。(21歳、男性)

(9)障害に対する理解の促進に関するもの

■どの様な障害を持っていても、地域の中で地域の人々と一緒に暮せる環境を整えていただきたいと願っております。障害者(児)には、地域の中で生きる為の教育や活動の充実を計り障害者だけでなく老人等社会の弱者にやさしい環境づくりをしていただきたいと思います。
 障害者(児)に理解を示して下さる人々は、福祉関係の仕事をしている方、教育関係の方、そして身内や友人に障害児者が居る人達です。永年、そうした人々に支えていただいて来ました。しかし、そうした理解者はとても少ないのです。
 社会的弱者に対して、理解を示し、やさしい対応のできる人々を育てるには福祉教育の充実が大切だと考えます。今の福祉をより良いものにするだけでなく、これからの福祉や社会を支えて行く子供達に、豊かな教育が与えられるようにと願っています。
 障害者や老齢者が安心して暮せる地域づくりこそ福祉行政の在り方だと思います。そして、障害者や老齢者がそれぞれに自分らしく生きる手助けが福祉サービスであって欲しいと願っています。
(22歳、男性)

(10)その他

■小学校時代は情緒障害児学級、中学校は二中でお世話になっています。習志野市の教育は中学までは充実していると思いますが、その先がありません。最近中学での特学への入学者は軽度な子が多く、高校でも特学があれば良いと切に望みます。また、卒業後大人になっても余暇時間の使い方が自主的にできず、いつまでも親がいっしょに遊んでやるといった年頃ではないことを考えると土曜日や日曜日に指導者がついてのレクリエーションタイムが公的な場で行われることを希望します。(地域のソフトボールチームなどに入れてもらいたくても、勝ち負けを気にするチームに入れにくい状況です)(14歳、男性)

■障害児をかかえている家族を勇気づけ、希望を持たせ、また、慰労してくれる様な勉強会や集会やイベントを多くしてほしい。親や兄弟が元気や希望を失ったら障害児の道はふさがれてしまうと思う。
 ちょっとした用事、例えば兄弟の入学式、卒業式、保護者会等の時、一日とか半日預かってもらえるボランティアシステムが必要。いつも兄弟が犠牲になってしまう。(10歳、男性)

■現在市内の小学校に二人の子供が通学していますが、運動会の日が同じで困ります。重なっていない授業参観や懇談会でも大変な思いをしているのに、何とかしてほしいと思います。あかしあ学園にお世話になっていたときは、職員の方々の暖かい協力で預かっていただけるときもあって助かっていましたが、学校にはそういった事は一切なく、また他の場所も見当たりません。
 ぜひ、知的障害の子供の一時預かりのシステムをお願いしたいと思います。(2時間とかその程度で結構です)健常児なら知り合いにも頼めますが、障害児となるとそうもいきません。また、同じ障害児同士でとはいっても一人の大人に二人の子供(それも二人とも障害者)となると預かる先が自宅というきちんとした設備の所ではないゆえ難しいのです。ぜひお願い致します。
 また、習志野市はPTA活動が盛んですが、2つの学校をかけ持っている身としては参加できない事も多く肩身の狭い思いをしています。親子草取り、バザー等減らせる事なら減らしていただけたらと思います。
 夜間パトロールなども本来PTAのやる事じゃないと思います。(6歳、男性)

■現在、娘は27歳で在宅、介護のすべてを私(54歳)がしており、外出(特に通院の時)にはヘルパー等のように時間の制約のない人を個人的に頼んでいる状態で、また私が通院(高血圧等)の時にも人を頼んでおり、同じような年齢のお子さんが花の実園等に無料で通っており、同じように年金を受け取っているのを考えると在宅者にはもっと介護の手当を沢山出してほしいと思っています。またボランティアではなく、きちんとした仕事として介護の手助けをしてくれる人を頼むためにも(市のヘルパーさんもケースワーカ氏によれば我が家では1時間750円とのこと)老人問題といっしょに若い在宅の患者のことも考えてほしいです。
紙おむつ代だけでも大変なので今後のことを考えると不安になります。全く在宅の若い障害者は人数も多くはないと思いますので、市で介護の手当を増すことは可能ではないかと思います。
 なんとかもっと娘に外出の機会を与えるためにもよろしくお願いします。(27歳、女性)

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主題:
習志野市障害者福祉に関する調査 結果報告書 No.7
145頁~162頁

発行者:
習志野市

発行年月:
平成8年3月

文献に関する問い合わせ先:
習志野市
〒275 千葉県習志野市鷺沼1-1-1
電話 0474(51)1151(代)