平成9年度:プラチナ・プラン
那賀川町障害者福祉計画
No.1
~共に生きる社会を目指して~
平成10年3月
那賀川町
項目 | 内容 |
---|---|
立案時期 | 平成10年3月 |
計画期間 | 平成10年度~平成14年度(5年間) |
ごあいさつ
那賀川町長
小泉隆一
今、私たちをとりまく社会は、平均寿命の伸びとともに少子化の傾向がより強まり世界に類を見ない速さで高齢化社会へと進んでいます。
また、社会の大きな流れとして核家族化、都市化が進む中、障害者や高齢者の社会参加への意欲の高まりや女性の社会参加が進み、すべての人々にとって等しく活動できる暮らしやすいまちづくりが求められています。
昭和56年の国際障害者年には「安全参加と平和」をテーマに掲げて、その取り組みが提起、国においては平成6年にハートビル法(高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建設の促進に関する法律)が制定され徳島県においても「徳島県ひとにやさしいまちづくり条例」が平成8年に施行され誰もが住みよいまちづくりに向けて歩みはじめております。
那賀川町では国のモデル事業である障害者や高齢者にやさしいまちづくり、子供にやさしいまちづくり事業の指定を受け、生活環境の整備やまちづくりをそして、子育て支援や青少年健全育成の施策を展開しています。
相手の立場をまず尊重し、「ほのぼのとしたぬくもりのあるまちづくり」を基本の目標にし、この障害者プランの中にも大きな夢を描きながら一歩一歩実現に向け力強く進めてまいります。思いやりのある21世紀をみんなでつくりましょう。
終わりに本計画の策定にあたり貴重なご意見やご提言を賜りました委員の皆様ならびに関係各位に厚くお礼申し上げます。
平成10年3月
目次
1. 計画の概要
1.計画策定の趣旨
国の障害者施策は、昭和56年(1981年)の「国際障害者年」を契機に国際的な動向の中で大きな進展を見せてきました。このような中で、昭和57年に「障害者対策に関する長期計画」を、平成5年には「障害者対策に関する新長期計画」を策定し、施策の基本的な方向と具体的施策が示されました。平成7年にはこの新長期計画具体化のため「障害者プラン」が策定されています。
本県においては、平成7年に、「リハビリテーション」の理念と、「ノーマライゼーション」の理念のもと、「徳島県障害者施策長期計画」が策定されました。またこの計画に盛り込まれた施策の重点的な推進を図るため、「ともに生きる徳島プラン―徳島県障害者施策長期計画」実施が平成10年3月に策定されております。
本町においては、このような国、県の計画に沿って障害者福祉の増進に努めてきました。
また、併せて「第4次那賀川町総合計画」「那賀川町老人保健福祉計画」に基づき保健福祉サービス等の充実に努めてきました。
障害者を取り巻くこうした状況の変化に配慮しながら、障害者の自立と共生を基本とした社会を目指す障害者福祉のきめ細やかな推進が求められている現状から、国、県と連携した効果的な障害者福祉の推進を図るため、ここに「那賀川町障害者福祉計画」を策定するものです。
2.計画の基本理念
人間の一生(幼年期から老年期)の全ての段階において、障害のある人が心身共に自立し社会復帰ができることを目指す「リハビリテーション」の理念と、障害のある人も障害のない人も地域のなかで共に生活できる社会を目指す「ノーマライゼーション」の理念を計画の基本理念とし、施策を展開していきます。
3.計画の基本的な考え方
この計画は、「啓発・広報」、「教育・育成」、「雇用・就労」、「保健・医療」、「福祉」、「生活環境」、「スポーツ、レクリエーション及び文化活動」、「施策の連携と総合的推進」の8つの部門で構成し、それぞれの部門ごとに「現状と課題」、「施策の方向」、「主な事業」を記しています。
4.計画の期間
計画の期間は、平成10年度から平成14年度(国、県の計画の終期)の5ヵ年とし、社会情勢の変化等により必要に応じて見直しを行います。
5.障害者の概念
この計画における「障害者」の概念は、障害者基本法の規定に基づき、「身体障害、精神薄弱又は精神障害があるため、長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者」とし、「てんかん及び自閉症を有する者並びに難病に起因する身体又は精神上の障害を有する者であって、長期にわたり生活上の支障がある者」も含むこととします。
また、この計画においては、従来から一般的に使われてきた「精神薄弱」という用語を法令等の制約を受けるものを除き、可能な限り「知的障害」という用語で表現することにしました。
2.障害者の動向
1.障害者の動向
那賀川町の人口は、平成9年4月1日現在10,648人で、そのうち身体障害者手帳及び療育手帳保持者数は401人で全体の3.7%になっています。下表のとおり、年々総人口に占める手帳保持者の割合はわずかですが増加傾向にあり、計画最終年度の平成14年度には推計で485人、全体の4.4%となります。また、平成7年に創設された「精神障害者保健福祉手帳」の交付状況により、さらに手帳保持者の増加が予測されます。
平成9年度に実施した「障害のある方へのアンケート調査」の結果では、有効回答者175人のうち、65歳以上の高齢者が120人と70.6%を占めており、身体障害者が多くなっています。また、高齢者人口の増加にともない、障害のある方々の高齢化が今後も続くものと考えられます。
◎手帳保持者の推移及び将来推計
- | 総人口(A) | 手帳保持者(B) | 割合(B)/(A) |
---|---|---|---|
平成2年度 | 10,436 | 406 | 3.9 |
平成4年度 | 10,479 | 430 | 4.1 |
平成6年度 | 10,485 | 438 | 4.2 |
平成8年度 | 10,648 | 438 | 4.1 |
平成10年度 | 10,754 | 459 | 4.3 |
平成12年度 | 10,861 | 481 | 4.4 |
平成14年度 | 10,969 | 485 | 4.4 |
◎手帳保持者の推移及び将来推計
年度 | 手帳保持者 | 総人口 |
---|---|---|
平成2年度 | 406 | 10,436 |
平成4年度 | 430 | 10,479 |
平成6年度 | 438 | 10,485 |
平成8年度 | 438 | 10,648 |
平成10年度 | 459 | 10,754 |
平成12年度 | 481 | 10,861 |
平成14年度 | 485 | 10,969 |
2.身体障害者の状況
那賀川町の身体障害者手帳所持者の数は、平成8年度末現在397人となっております。年代別には、65歳以上の高齢者に多く、18歳~64歳の手帳保持者は少なくなってきています。
等級別では、各級とも横ばい状態になっております。
障害種類別に見ますと、最も多いのは肢体不自由で、55%前後の割合を占めています。
◎年齢別の状況
- | 18歳未満 | 18~64歳 | 65歳以上 | 合計 |
---|---|---|---|---|
平成3年度 | 5 | 155 | 229 | 389 |
平成5年度 | 7 | 158 | 236 | 401 |
平成6年度 | 6 | 145 | 246 | 397 |
平成7年度 | 6 | 137 | 258 | 401 |
平成8年度 | 5 | 132 | 260 | 397 |
◎65歳以上の身体障害者手帳保持者数
- | 65歳以上人口(A) | 手帳保持者(B) | 割合(B)/(A) |
---|---|---|---|
平成3年度 | 1,703 | 229 | 13.4 |
平成5年度 | 1,983 | 236 | 11.9 |
平成6年度 | 2,071 | 246 | 11.9 |
平成7年度 | 2,132 | 258 | 12.1 |
平成8年度 | 2,168 | 260 | 12.0 |
- | 1級 | 2級 | 3級 | 4級 | 5級 | 6級 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
平成3年度 | 78 | 65 | 66 | 76 | 41 | 63 | 389 |
平成5年度 | 83 | 63 | 68 | 82 | 40 | 65 | 401 |
平成6年度 | 81 | 66 | 66 | 78 | 41 | 65 | 397 |
平成7年度 | 83 | 63 | 68 | 80 | 40 | 67 | 401 |
平成8年度 | 87 | 62 | 65 | 79 | 40 | 64 | 397 |
*1・2級=重度 3・4級=中度 5・6級=軽度
◎種別の状況
- | 視覚障害 | 聴覚言語障害 | 肢体不自由 | 内部障害 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
平成3年度 | 32(8.2) | 66(17.0) | 221(56.8) | 70(18.0) | 389 |
平成5年度 | 32(8.0) | 71(17.7) | 227(56.9) | 71(17.7) | 401 |
平成6年度 | 28(7.1) | 72(18.1) | 226(56.9) | 71(17.9) | 397 |
平成7年度 | 29(7.2) | 74(18.5) | 229(57.1) | 69(17.2) | 401 |
平成8年度 | 26(6.5) | 78(19.6) | 220(55.4) | 73(18.4) | 397 |
3.知的障害者の状況
那賀川町の療育手帳所持者の数は、平成8年度末現在で41人となっています。手帳所持者の年代別では18歳以上が多くなっています。
◎年齢別の状況
- | 18歳未満 | 18歳以上 | 合計 |
---|---|---|---|
平成元年度 | 10 | 28 | 38 |
平成5年度 | 10 | 31 | 41 |
平成6年度 | 10 | 31 | 41 |
平成7年度 | 8 | 33 | 41 |
平成8年度 | 8 | 33 | 41 |
◎程度別の状況
- | 手帳A | 手帳B | 合計 |
---|---|---|---|
平成元年度 | 24 | 14 | 38 |
平成5年度 | 27 | 14 | 41 |
平成6年度 | 28 | 13 | 41 |
平成7年度 | 27 | 14 | 41 |
平成8年度 | 27 | 14 | 41 |
*手帳A=重度 手帳B=中軽度
4.精神障害者の状況
那賀川町の精神障害者に対しては、阿南保健所を通じて精神障害者保健福祉手帳が県から交付されています。精神障害者保健福祉手帳の交付は平成7年10月から実施され、平成8年度には1人に交付されています。精神病院への入院には、措置入院及び医療保護入院、任意入院がありますが、プライバシー等の問題もあり人数の把握が難しいのが現状です。
平成8年度の精神病院在院患者数及び通院医療費公費負担者数について、町で把握いている人数は以下のとおりです。
◎精神障害者保健福祉手帳保持者数
- | 1級 | 2級 | 3級 | 合計 |
---|---|---|---|---|
平成8年度 | 0 | 0 | 1 | 1 |
◎精神病院在院・通院の状況
- | 精神病院在院患者数 | 通院医療費公費負担者数 |
---|---|---|
平成8年度 | 14 | 19 |
5.難病患者の状況(阿南保健所調査)
難病とは「原因が不明であり、治療方法が確立していない」疾病をいい、特定疾患調査研究事業の対象疾患及び慢性関節リウマチで合計119疾患であります。このうち、特定疾患治療研究事業の対象となる38疾患(平成8年度末現在)については、公費負担を行うことにより患者の負担軽減を図っています。
難病患者は希少性、原因不明及び効果的な治療方法の未確立等の特殊性があり、しかも長期にわたっての療養生活が続くため、身体的、精神的負担が大きくなっています。さらに、その中の疾病には身体機能障害を伴うことが多く、介護する家族等の負担も大きくなっています。
阿南保健所管内における平成8年度末現在の特定疾患医療費受給者は289名であり、毎年この事業の対象疾病が一つずつ追加されることもあり、受給者は年々増加傾向にあります。
◎阿南保健所管内特定疾患認定患者の状況
年度 | H3年度 | H4年度 | H5年度 | H6年度 | H7年度 | H8年度 |
---|---|---|---|---|---|---|
人数 | 202 | 221 | 253 | 253 | 284 | 289 |
*管内市町村(阿南市、那賀川町、羽ノ浦町、鷲敷町、相生町、上那賀町、木沢村、木頭村)
◎那賀川町の特定疾患認定患者疾病別状況
- | 病名 | 人 |
---|---|---|
1 | ベーチェット病 | 2 |
2 | 多発性硬化症 | 0 |
3 | 重症筋無力症 | 2 |
4 | 全身エリテマトーデス | 4 |
5 | スモン | 1 |
6 | 再生不良性貧血 | 1 |
7 | サルコイドーシス | 2 |
8 | 筋萎縮性側索硬化症 | 1 |
9 | 強皮症、皮膚筋炎及び多発性筋炎 | 2 |
10 | 特発性血小板減少性紫斑病 | 1 |
11 | 結節性動脈周囲炎 | 1 |
12 | 潰瘍性大腸炎 | 1 |
13 | 大動脈炎症候群 | 0 |
14 | ビュルガー病 | 0 |
15 | 天疱瘡 | 1 |
16 | 脊髄小脳変性症 | 2 |
17 | クローン病 | 0 |
18 | 難治性の肝炎のうち劇症肝炎 | 0 |
19 | 悪性関節リウマチ | 0 |
20 | パーキンソン病 | 8 |
21 | アミロイドーシス | 0 |
22 | 後縦靭帯骨化症 | 5 |
23 | ハンチントン舞踏病 | 0 |
24 | ウィリス動脈輪閉塞症 | 1 |
25 | ウェゲナー肉芽腫症 | 0 |
26 | 特発性拡張型(うっ血型)心筋症 | 1 |
27 | シャイ・ドレーガー症候群 | 0 |
28 | 表皮水疱症(接合部型及び栄養障害型) | 0 |
29 | 膿疱性乾せん | 0 |
30 | 広範脊柱管狭窄症 | 0 |
31 | 原発性胆汁性肝硬変 | 1 |
32 | 重症急性膵炎 | 0 |
33 | 特発性大腿骨頭壊死症 | 0 |
34 | 混合性結合組織症 | 0 |
35 | 原発性免疫不全症候群 | 0 |
36 | 特発性間質性肺炎 | 0 |
37 | 網膜色素変性症 | 1 |
38 | クロイツフェルト・ヤコブ病 | 0 |
合計 | 38 |
3.総論
1.総論
(1)基本的な考え方
本町は、「水と緑の定住環境と生産・憩いの町那賀川」を将来像とし、「人にやさしい健康福祉のまちづくり」を目標に、福祉のまちづくりを進めています。だれでも障害をもつ可能性があります。障害をもっても地域社会の一員としてほこりをもって生活できるまちが望まれています。
障害者の自立と社会参加を基本とし障害がある人もない人も、ともにまちに出て働き、買い物をし、遊び、交流するなかで、お互いに理解しあい、助け合うまちづくりをみんなで進めます。
那賀川町障害者福祉計画 ~共に生きる社会を目指して~
|
-
啓発・広報…ノーマライゼーションの実現のために
障害や障害者に対する誤解や偏見などのない「障害のある人が障害のない人と同じように生活できる地域づくり」を目指して、住民が障害や障害者への理解を深め、「心の壁」をなくす取り組みを進めます。
子どもから成人までを対象にした人権・福祉学習活動、保育所・小中学校等における福祉教育、小規模作業所、ボランティア活動・社会福祉協議会など、あらゆる機会・方法を通じて理解を深めるための啓発活動を推進します。また、町や社会福祉協議会による広報活動の充実、「声の広報」の配布、障害者団体等が行う啓発・広報活動の支援などにより啓発・広報活動の充実を図ります。 -
教育・育成…一人ひとりにあった教育を保障するために
一人ひとりの個性や希望にそった自己実現がなされるよう生涯を通じた教育・学習システムづくりに努めます。
障害者や保護者の意向や障害に応じた保育・教育を提供し、その可能性を最大限に伸ばし、適切な進路を見出だすことのできる環境づくりを進めます。学校を卒業した後も、家庭生活や社会生活にかかわる知識や技術習得の場や機会を確保するために、各種講座の開催にあたっては障害者が参加しやすいよう配慮するとともに、障害者を対象とした各種の趣味講座などの充実に努めます。 -
雇用・就労…はつらつと働ける場や機会の確保のために
働くことを望む障害者のだれもが、その適性と能力に応じて仕事をもち、自立した生活を送ることができるよう、働く場や機会の確保に努めます。
障害者雇用について町内事業主の理解と協力を促進し雇用機会の拡大を図るとともに、職業能力の機会の拡充を推進します。また、訓練を受けながら経済的に自立できるよう小規模作業所や障害保健福祉圏にある授産施設の活用を推進します。 -
保健・医療…疾病の予防と機能回復のために
心身両面の疾病等の発生を予防し、健康の維持・回復を図り、社会的自立を促進するため、乳児から高齢者までの各世代に応じた保健・医療サービスの充実を図ります。
医療機関や保健所、児童相談所、福祉事務所などの関連機関と連携し、疾病の早期発見を早期治療に結び付ける体制の強化を図るとともに、障害の進行を阻止し機能回復するためのリハビリテーションの充実を図ります。また、プライバシーに配慮しながら保健所と連携して、精神保健事業、難病対策事業を促進します。 -
福祉…自立した生活を支援するために
すべての障害者が地域社会の一員として自立し安心して暮らせるよう、福祉サービスの質・量両面での充実に努めます。
障害者の生活安定を図るとともに、自立意識の高まり、障害の多様化・重度化・重複化に対応できるよう、選択性がある、総合的な在宅福祉サービス、施設福祉サービスを提供します。また、相談をスムーズにサービスの提供に結びつけるために障害者の総合相談窓口の整備を検討します。 -
生活環境…暮らしやすい生活環境づくりのために
障害者が自立して自由に社会参加できるよう、活動しやすく、暮らしやすい生活環境づくりを進めます。
安全で利用しやすい公共的施設の整備を推進するとともに、バリアフリー住宅の普及の促進、新築・改造への支援強化、移動手段・コミュニケーション手段の確保に努めます。 -
スポーツ、レクリエーション及び文化活動…心豊かな生活を送るために
障害者が、心豊かな生活を送るために、スポーツ・レクリエーション活動、文化活動を振興し、参加を促進します。
スポーツ、レクリエーション大会の開催、文化活動の機会・場の充実を図るとともに、自らが活動し、楽しめるよう相談・情報提供体制の整備、指導者・支援者(ボランティア)の派遣、町民センターを主として利用しやすい施設の整備に努めます。 -
施策の連携と総合的推進…総合的なサービスを提供するために
障害者に関する情報の最も多い保健福祉部門を中心に関係部局や各施策の中核となる機関・施設との定期的な情報交換や協議の場を設けるとともに、個別の事案に適切に対応できるよう、関係機関相互の連携や調整のためのネットワークの整備に努めます。
(3)障害者福祉施策の体系図
基本理念 | 目標 | 部門 | 重点施策 | 主な事業 | 関係部署 |
---|---|---|---|---|---|
リハビリテーション ノーマライゼーション |
完全参加と平等 | ○啓発・広報 |
|
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・役場健康福祉課 ・役場総務課 ・社会福祉協議会 |
○教育・育成 |
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・役場健康福祉課 ・各保育所・小学校 ・各障害者施設及び学校 ・教育委員会 |
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○雇用・就労 |
|
|
・役場健康福祉課 ・役場経済振興課 ・公共職業安定所 |
||
○保健・医療 |
|
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・役場健康福祉課 ・医療機関 ・阿南保健所 ・社会福祉協議会 |
||
○福祉 |
|
|
・役場健康福祉課・役場住民課 ・阿南保健所 ・身体障害者相談員 ・精神薄弱者相談員 ・社会福祉協議会 ・那賀福祉事務所 ・障害者団体 ・ボランティア団体 ・各障害者施設及び学校 ・児童相談所 |
||
○生活環境 |
|
|
・役場健康福祉課・役場総務課 ・役場建設課 ・役場環境課 ・阿南保健所 ・社会福祉協議会 |
||
○スポーツ、レクリエーション及び文化活動 |
|
|
・役場健康福祉課 ・社会福祉協議会 ・教育委員会・町民センター |
||
○施策の連携と総合的推進 | 施策の連携 |
|
- |
(4)障害者保健福祉圏域の設定
障害者に最も身近な町での障害者施策の推進は不可欠でありますが、これからの新たな障害者施策にあたっては、単独での実施が困難と予測されるものが多くなっています。
このため、県において、障害者に適切なサービスを提供するために、新たに広域的な障害保健福祉圏域が設定され、これを基本として各種の施策が進められることになりました。
那賀川町は、南部障害保健福祉圏域に属し、県域で実施するものを除く障害者施策が実施されます。また、通所型施設や広域実施が必要な在宅福祉施策の適正実施を図る観点から、各障害保健福祉圏域内にサブ圏域が設けられています。
南部障害保健福祉圏域(15市町村)
小松島市、阿南市、那賀川町、羽ノ浦町、鷲敷町、相生町、上那賀町、木沢村、木頭村、由岐町、日和佐町、牟岐町、海南町、海部町、宍喰町
-
南部第1サブ障害保健福祉圏域(9市町村)
小松島市、阿南市、那賀川町、羽ノ浦町、鷲敷町、相生町、上那賀町、木沢村、木頭村
-
南部第2サブ障害保健福祉圏域(6町)
由岐町、日和佐町、牟岐町、海南町、海部町、宍喰町
障害保健福祉圏域
(5)総合的な障害者施策の提供について
計画最終年度の平成14年度の障害者数は、推計で485人、総人口の4.4%と予測されます。また、平成7年に創設された「精神障害者保健福祉手帳」の交付状況により、さらに手帳保持者の増加が予測されます。
障害が重かったり重複しているために、支援や援助を必要とする障害者の割合は増加傾向にあり、また、障害者の高齢化も進んでいます。こうした点で障害者と高齢者に関する施策は種々の面で重複する場合も多いため、すでに計画されている老人保健福祉計画や平成12年度から実施される介護保険制度との一体的な施策の推進を図っていきます。
4. 各論
(障害者施策の現状と各部門の施策の方向)
1.啓発・広報
1 啓発・広報活動の推進
■ 現状と課題
現在、那賀川町では障害及び障害者に対する正しい理解と協力を得るとともに障害者の社会参加を促進するため、各種の啓発広報活動を行っています。
平成9年度に当町が実施した障害者福祉に関するアンケート調査結果によると、「ホームヘルプサービス」、「ひとにやさしいまちづくり条例」、「障害者の日」等に関しては知っている人の割合は高いのですが、「ノーマライゼーション」の言葉に関して知っている人の割合が低くなっており、「どれも知らない」と答えている人も多いことがわかります。
このため障害のある方々と一般の方々が共に生きる社会をつくるという理念の町民への浸透を推進していくために、さらに一層の啓発広報活動を推進していく必要があります。
◎障害者福祉(福祉全般)に関して知っているもの。
障害者の日(12月9日) | 12.1% |
ノーマライゼーション | 8.1% |
バリアフリー | 10.1% |
ひとにやさしいまちづくり条例 | 72.7% |
ホームヘルプサービス | 31.3% |
ゴールドプラン | 11.1% |
エンゼルプラン | 31.3% |
どれも知らない(聞いたことがない) | 17.2% |
【参考資料:平成9年度・障害者福祉に関するアンケート調査】標本数=95
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
1.障害及び障害者に対する正しい知識の普及 | 町の広報活動や町社協による広報活動の外、日常生活で通常行われている広報媒体も積極的に活用し、障害者施策に対する理解の浸透に努めます。 |
2.民間啓発広報活動への協力 |
|
■ 主な事業項目
- 広報媒体を利用した啓発広報活動
2 福祉教育の推進
■ 現状と課題
平成9年度に当町が実施した障害者福祉に関するアンケート調査結果をみると、「障害を持っている方々と持っていない方々との間に誤解や偏見があると思いますか」の問いに対して、「かなりあると思う」「少しあると思う」に答えた人が62%おります。
障害や障害者に対する誤解や偏見などの「心の壁」を取り除き、思いやりの心を幼少時期から育んでいくことは、ノーマライゼーション理念を具現化していく上で極めて大切です。また、特定の時期だけの人権学習で学んだものだけでは、実現されないため、生涯にわたって啓発を行っていくことが大切です。
今後も、障害のある人が障害のない人と同じように生活できる地域社会づくりを進めるために、教育の場等において子どもたちが、自然なかたちで障害者とのふれあいがもてるような交流教育を継続的に推進していく必要があります。
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
1.就学前児童における福祉教育の推進 |
|
2.小中学校等における福祉教育の推進 |
|
3.福祉教育の機会拡大 | 家庭、学校、地域の連携を図りながら、福祉施設体験学習や福祉行事を開催するなど、地域での福祉教育の機会拡大に努めます。 |
■ 主な事業項目
- 福祉協力校の指定
- 「障害者の日」等福祉行事の開催
3 交流・ふれあいの促進
■ 現状と課題
障害や障害者に対する正しい理解と認識を深めるためには、知識を増やすだけでなく、実際に障害者との交流・ふれあいの機会が必要となります。
当町では、障害者が地域の中で自立した生活が営めるよう、社会福祉協議会で各種ボランティアの養成に努めています。
平成9年度実施した障害者福祉に関するアンケート調査をみると、障害のない人で「障害を持っている方々や家族に対し、気軽に接したり、手助けやボランティア活動をしたことがありますか」の問いに「ない」と答えた人が49.5%となっています。
今後は、障害者とふれあう機会を増やすために、地域住民等が各種の行事やボランティア活動に気軽に参加できるとともに、日常生活のなかでいつでも、どこでも障害者と気軽に接することができるための環境整備を図っていく必要があります。
◎障害を持っている人と気軽に接したり、手助けやボランティア活動をしたことがある(回答)
ある | ない | 未回答 |
---|---|---|
37.9% | 49.5% | 12.6% |
【参考資料:平成9年度・障害者福祉に関するアンケート調査】標本数=95
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
1.交流・ふれあいの場の拡大 | 各種行事やスポーツ教室等を通して障害者との交流機会の拡大に努め、障害者への理解促進を図ります。 |
2.社会参加の促進 | 南部第1サブ障害保健福祉圏域で「市町村障害者社会参加促進事業」の推進が図れるよう近隣市町村との連携の調整に努めます。 |
■ 主な事業項目
- 交流・ふれあいの場の拡大(各種行事、スポーツ教室等)
- 市町村障害者社会参加促進事業
2.教育・育成
1 就学前教育・療育の充実
■ 現状と課題
障害のある子どもがその可能性を最大限に伸ばし、将来社会的に自立して生きる力を養うためには、よりよい療育環境のもと適切な教育を行うことが大切です。
当町では、保健婦、身体障害者相談員2名、精神薄弱者相談員1名が配置されており、就学前の障害児や保護者を対象にして、就学及び教育に係る相談活動を行っています。
また、昭和46年から、いちはやく障害児保育を採り入れ公立の全ての保育園で、障害児の受け入れを実施しています。
今後も子どもの実態を的確に把握するとともに、保護者や本人の考えや意見を聴き、具体的な情報の提供に努める必要があり、また、就学手続き等が円滑に行われるように、教育相談の充実を図る必要があります。そして、在宅の心身障害者や家族が身近な地域で、療育指導、相談等が受けられるように努める必要があります。
◎障害児(者)施設
施設の種類 | 施設名称 | 定員 | 所在地 |
---|---|---|---|
肢体不自由児施設 | 県立ひのみね整肢医療センター ひのみね学園 |
65名 | 小松島市 |
重症心身障害児施設 | 県立ひのみね整肢医療センター ひのみね療育園 |
80名 | 小松島市 |
精神薄弱児通園施設 | 小松島療育センター | 30名 | 小松島市 |
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
1.保育所での障害児の受け入れの促進 | 保育園での障害児の受け入れを継続し、担当者、関係者の資質の向上に努めます。 |
2.療育指導、相談の充実 | 県立ひのみね整肢医療センターひのみね療育園と連携し療育指導、相談の充実を図ります。 |
■ 主な事業
- 障害児保育事業の充実
- 市町村障害者生活支援事業
- 障害児(者)地域療育等支援事業
2 学校教育の充実
■ 現状と課題
当町の小学校における障害児学級の設置状況は、以下の表のとおりであります。また、隣接する小松島市には、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設として県立ひのみね整肢医療センターひのみね学園があり、精神薄弱児通園施設として小松島療育センターがありまた、阿南市には阿南養護学校があります
今後は、障害の重度化・重複化・多様化に対応した適切な就学指導や障害のある児童、生徒が安心して楽しく学校生活が送れるよう、教育環境、設備等の改善の必要があります。
また、社会的自立、職業自立を支援する必要があります。
◎小学校における障害児学級の設置状況
知的障害 | 情緒障害 | 難聴 | 病弱・虚弱 | 計 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
学級 | 児童数 | 学級 | 児童数 | 学級 | 児童数 | 学級 | 児童数 | 学級 | 児童数 |
2 | 6 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 6 |
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
1.学校教育の充実 |
|
2.進路指導等の充実 | 生徒の個性や特性に応じた進路指導や職業教育の充実を図ります。 |
■ 主な事業
- 障害児学級の設置
- 心身障害児通園事業
3 社会教育の推進
■ 現状と課題
社会自立を目指した教育については、身辺生活の自立から職業自立に至るまで教育内容を幅広く用意して、一人ひとりに応じた指導を展開することが大切です。社会教育においては、生涯学習の観点から学習の場を充実していくことが必要となっています。
さらに、町民の生涯学習を推進するため、民間関係機関等の協力のもとに今後は幅広い学習環境を整備することが必要です。そのため社会教育施設等において、障害者が利用しやすい施設となるよう努める必要があります。
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
1.学習の場の確保 | 地域における学習の場の確保及び充実を目指し、障害者を対象とした各種の趣味講座などの充実と参加者の拡大を図ります。 |
2.社会設備の充実 | 障害者が積極的に学習に参加できるよう、公共施設や設備の改善を進めるとともに、手話通訳者を派遣するなど学習の場の充実、確保に努めます。 |
■ 主な事業
- 障害者スポーツ教室
- 各種スポーツ大会
3.雇用・就労
1 職業能力の開発
■ 現状と課題
障害者の安定した就業のためには、その能力や障害の状況に対応した職業能力を開発することが重要です。
当町では現在、県身体障害者更生相談所と連携し、身体障害者の更生に必要な医学的、心理学的、職業的判定及び職業、日常生活等の総合的な相談と指導に結びつけています。
また、公共職業安定所等の関係機関を通じて徳島障害者職業センターや徳島県職業能力開発校等についての情報提供等を実施しておりますが、今後も障害者の職業自立に向けて事業の推進に努める必要があります。
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
能力開発の促進 | 障害者の障害の程度、ニーズ等を考慮し軽度の障害のある人については障害のない人と一緒に職業訓練施設への入所を推進するなど公的職業訓練機関での能力開発を推進します。 |
■ 主な事業
- 心身障害者職業訓練校等への入所斡旋
2 雇用の促進と安定
■ 現状と課題
当町では現在、県身体障害者更生相談所を通じて、障害者の自立の支援を行っておりますが、雇用する側の障害雇用に対する理解と関心が深まるように努めていく必要があります。
平成9年度に実施した身体に障害のある方へのアンケート調査では、33人の方が働いており、業種は農林漁業、会社員、自営業が多くなっています。同じく知的障害のある方へのアンケート調査では、2人の方が、会社員、パート・日雇いで働いています。
今後も、就職を希望する障害者の就業の促進を図るためには、関係機関との連携を密にし効果的な職業相談指導を行うことが重要であります。また、雇用者に対しては、各種助成・援護制度についての周知とその活用の推進に努めるとともに、障害者の雇用に伴い生ずる課題の解決の方策についての指導、情報提供に努める必要があります。
◎ 働いている業種について
農・林・漁業 | 10 |
会社 | 8 |
自営業 | 12 |
パート・日雇い | 0 |
あんま・マッサージ・はり等 | 0 |
家内就労・内職 | 0 |
施設内就労(小規模作業所を含む) | 0 |
その他 | 1 |
未回答 | 2 |
【参考資料:平成9年度・身体に障害のある方へのアンケート調査】標本数=33
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
1.雇用納付金制度の周知徹底 | 一定率障害者を雇用していない事業所では、納付金を国に納め、その一方で障害者を雇用している企業では、給付金を事業所に与えるという「雇用納付金制度」の周知徹底に努めます。 |
2.雇用の啓発・広報の強化 | 雇用者をはじめとする町民に対し、障害者雇用の重要性に関する啓発活動を行います。 |
3.職業定着指導の推進 | 公共職業安定所等と連携し、障害者を雇用する事業主に対する相談・援助の充実を図ります。 |
■ 主な事業
- 企業、事業主への雇用促進啓発
- 公共職業安定所との連携
3 福祉的就労対策の充実
■ 現状と課題
民間企業での雇用の困難な障害者にとって、それぞれの障害に応じて働く機会が得られる授産施設や小規模作業所は、訓練を受ける場、また働く場として重要な役割を果たしてきております。現在、南部障害保健福祉圏域には心身障害者小規模作業所が3ヶ所、精神障害者小規模作業所が2ヶ所あります。
町においては、その事業内容の情報提供等を通して、身体障害者や知的障害者に対して福祉的就労の場の提供を実施してきました。
今後は、利用者のニーズに応じた整備が図られるように、県や南部障害保健福祉圏域の市町村と連携し、福祉的就労の拡大を推進していきます。
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
福祉的就労の場の拡大 | 南部障害保健福祉圏域にある心身障害者小規模作業所及び精神障害者小規模作業所や他障害保健福祉圏域にある授産施設の活用を推進していきます。 |
■ 主な事業
- 小規模作業所
- 授産施設
4.保健・医療
1 障害の発生予防及び早期発見、早期療育体制の充実
■ 現状と課題
障害の発生には、先天的な障害と疾病や交通事故、労働災害などの後遺症による後天的な障害があります。
先天的な障害を予防するためには、障害の実態と原因の把握に努めるとともに、母子保健活動の一層の充実に努める必要があります。
当町においては、地域保健法の施行により保健所で行われていた母子保健事業一部が、平成9年度より町へ移譲され、より地域に密着した母子保健活動を展開することができるようになりました。
今後は、晩婚化による高年齢出産が増えてきていることから、妊婦健康診査の一層の充実や母子保健相談指導の充実、また周産期医療体制の整備等を図っていく必要があります。さらに、先天的な障害が発見された場合は、保健所、児童相談所、福祉事務所、医療機関、施設、学校などによる相互連携のもとで、障害児に必要な医療の提供、療育相談、指導訓練など、障害の発見段階から一貫した対応が必要であります。
後天的障害の発生は、脳卒中、あるいは骨折等に起因することが多く、その原因となる高血圧症、心疾患、骨粗鬆症等の生活習慣病を予防することが重要です。
当町においては、日常の生活習慣病の改善を図るための一般健康教育、病態別健康教育や骨粗鬆症予防などの重点健康教育、健康相談、健康診査を実施しています。
今後は、これらの事業に対しては一層の充実を図り、後天的な障害の発生予防に努めていく必要があります。
それには、地域保健センター建設をぜひ実現し、総合的な福祉、医療、保健の拠点となるよう推進していくことが必要です。
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
1.障害の発生予防対策 | 障害の発生予防及び早期発見のため、治療、妊産婦、新生児、乳児の健康診査等の充実や、脳卒中をはじめとする生活習慣病(成人病)の予防やねたきり防止のため健康教育等、各種保健活動の充実を図ります。 |
2.早期発見と早期療育 | 先天性障害の早期発見及び後天性障害の予防体制の強化、早期療育体制の充実を図ります。 |
3.検診体制の充実 | 知的障害のある方の早期発見のためには、乳幼児に対する検診体制の充実などの施策を行っていきます。 |
■ 主な事業
- 母子健康診査事業
- 母子保健事業
- 母子訪問指導事業
- 先天性代謝異常等検査事業
- 老人保健法に基づく健康教育、健康相談
- 老人保健法に基づく健康診査
2 医療・リハビリテーションの充実
■ 現状と課題
障害者にとっての医療・リハビリテーションの充実は、病気の治療だけでなく、障害の軽減を図り、社会自立を促進するためには不可欠であります。また、障害の早期発見、障害の重複化及障害者の高齢化、医療技術の進歩等により治療だけでなくリハビリテーション、保健指導、看護等に対する需要は増大し、質的にも高度化、多様化してきています。
当町では、医療給付事業や相談事業、補装具の交付、修理等を実施しており、平成8年度の更生医療の給付は86件、重度心身障害者医療費助成制度の利用件数は850件、補装具の交付件数は121件及び、修理件数は10件となっています。また、病院の理学療法士等と契約して老人福祉センターでリハビリテーションを実施しています。
今後は、県や南部第1サブ障害保健福祉圏域とのネットワーク化を図り、県内や圏域各地域の医療機関や専門医療機関を把握し、障害者が効果的な医療・リハビリテーションを受けられるようにする必要があります。
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
1.医療・リハビリテーションに係る助成及び情報提供 | 地域の医療機関や専門医療機関とのネットワーク化を図りながら、障害者が効果的な医療、リハビリテーションを受けられるような体制の整備に努めます。また、重度心身障害者等に係る医療費等の給付事業を継続して実施していきます。 |
2.補装具の交付、修理等の充実 | 障害者が日常生活や働くことが少しでも容易にできるように、身体上の障害を補うための用具の交付や修理を実施していきます。 |
3.訪問指導の充実 | 障害者の健康管理等のために歯の訪問検診や訪問指導事業を推進していきます。 |
■ 主な事業
- 更生医療の給付
- リハビリテーション事業
- 重度心身障害者医療費の助成
- 補装具の交付、修理
3 精神保健対策の充実
■ 現状と課題
平成5年の精神保健法の改正に伴い、従来の「精神病院から社会復帰施設へ」という流れに加えて、「社会復帰施設から地域社会へ」という新しい流れを形成するための精神保健対策の充実が求められています。また、精神障害者のノーマライゼーションを実現するためには、精神疾患に対する偏見や、社会復帰を図るための設備の不足などの多くの課題が残されています。
当町では、現在こころの病を持つ方たちに対して保健所と連携し、デイケア事業や精神保健相談事業を行い精神保健施策を展開しておりますが、社会復帰対策や在宅生活を支援するために地域精神保健対策の充実を図っていくことが重要です。また、思春期、老年期等の人生の各段階に応じたきめ細かい精神保健対策を推進していく必要があります。
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
1.適正な医療の充実 | 精神障害者に対して、地域社会で適切な医療の機会が提供できるよう、地域の保健・医療・福祉等関係機関との連携を図り、早期治療及び社会復帰の支援等を推進します。 |
2.地域精神保健対策の充実 |
|
■ 主な事業項目
- 精神障害者保健福祉手帳の交付(保健所)
- 精神保健福祉相談、訪問指導の実施(保健所)
- 社会復帰相談指導、デイケアの実施(保健所)
- 普及啓発の推進
- 精神障害者地域支援(保健所)
4 難病対策の推進
■ 現状と課題
難病患者はその疾病の特質から長期療養を余儀なくされるため、患者・家族の心身の負担が大きくなります。難病患者は増加傾向にあり、患者が住み慣れた地域で安心して医療を受け、また生活できるように支援するためには、地域における保健・医療・福祉の充実及び連携が必要です。
平成9年度から特定疾患治療研究事業の対象となる38疾病患者については、その公費負担申請の窓口が保健所となり、患者把握が可能となりました。それに伴い市町村においては、患者・家族の負担軽減の一環として、保健所主体の難病患者地域支援対策推進事業(医療相談会、訪問指導)を那賀福祉事務所と共に協力して実施しています。
今後も町としては、保健・医療・福祉の関係機関の連携のもとに、患者・家族の生活の質(QOL)の向上を図る必要があります。
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
1.保健所による地域医療推進事業の充実 | 保健所が福祉事務所や市町村と連携して行っている医療相談や訪問指導などの難病患者地域保健医療推進事業の充実に努めます。 |
2.居宅生活支援事業の体制整備の推進 | 難病患者居宅生活支援事業の体制整備を図り、現在実施しているホームヘルプサービス、短期入所、日常生活用具給付等の福祉サービスを難病患者に拡大して提供できるよう努めます。 |
■ 主な事業項目
- 難病患者地域保健医療推進事業(保健所)
- 難病患者居宅生活支援事業
5.福祉
1 生活安定のための施策の充実
■ 現状と課題
障害者が地域社会の中で自立した生活を営んでいくためには、生活の基盤となる所得保障の充実が必要となります。この所得保障の基本となるのが年金・手当制度であり、障害基礎年金等の年金や特別障害者手当等の各種手当は、障害者やその家族の生活を保障する上で大きな役割を果たしています。
平成9年度に実施した身体に障害を持つ方へのアンケート調査の中で、「障害者福祉を充実し、社会参加を促進するために、今後大切と思われること(複数回答)」についての問いに対して、「医療費負担の軽減」と答えた人が49.1%、「公的年金や手当てなどの所得保障の充実」と答えた人が34.3%と、経済的な面が高い割合を占めています。また、知的障害を持つ方々へのアンケート調査の中で、「今後希望すること(複数回答)」についての問いに対しては、「障害者の雇用や働く場の確保、職業訓練の充実」が54.5%で最も高くなっています。
当町の平成8年度の制度利用状況では、特別障害者手当等の受給者数は11人、特別児童扶養手当の受給者数は10人、心身障害者扶養共済制度の加入者数は8人となっています。
この他にも障害者の経済的自立を支援するため、重度心身障害者等の医療費の自己負担分の助成、税の減免、運賃・料金の割引、各種資金の貸付けなどが行われていますが、今後ともこれらの制度の一層の充実を求めていく必要があります。
◎ 障害者福祉を充実し、社会参加を促進するために、今後大切と思うこと
手話通訳や要約筆記のボランティアの充実 | 3.4 |
点字訳や朗読奉仕のボランティアの充実 | 1.1 |
医療費負担の軽減 | 49.1 |
スポーツ、レクリエーション文化活動など交流の場の充実 | 7.4 |
専門的な機能回復訓練の実施 | 15.4 |
障害者に適した設備を持つための住宅改造費の助成 | 22.9 |
障害者向け公営住宅の供給 | 5.7 |
総合的な相談事業の充実 | 7.4 |
障害者の雇用や働く場の確保、職業訓練の充実 | 11.4 |
災害・緊急時の安全対策 | 15.4 |
公的年金や手当てなどの所得保障の充実 | 34.3 |
障害を持つ子どもの教育の充実 | 4.6 |
日常生活の中で、ホームヘルパーなどの介助体制の充実 | 14.3 |
障害者への理解を深めるための広報の充実 | 11.4 |
訪問指導・看護等の実施 | 10.3 |
公共建築物、道路などの公共施設の整備 | 12.0 |
地域社会の人たちとの交流の場の拡大 | 5.1 |
障害者福祉施設の充実 | 29.1 |
その他 | 0.0 |
未回答 | 20.6 |
【参考資料:平成9年度に障害のある方へのアンケート調査】標本数=175
◎ 障害者福祉を充実し、社会参加を促進するために、今後大切と思うこと
手話通訳や朗読奉仕などのボランティアの充実 | 9.1 |
医療費負担の軽減 | 27.3 |
スポーツ、レクリエーション、文化活動などの交流の場の充実 | 27.3 |
生活訓練の充実 | 18.2 |
障害者への理解を深めるための広報の充実 | 36.4 |
各種入所施設の整備 | 27.3 |
乳幼児期健康診断と早期療育訓練の充実 | 9.1 |
総合的な相談事業の充実 | 36.4 |
障害者の雇用や働く場の確保、職業訓練の充実 | 54.5 |
しあわせを高める会などの知的障害者福祉団体の活動の強化 | 45.5 |
公的年金や手当てなどの所得保障の充実 | 27.3 |
障害を持つ子どもの教育の充実 | 27.3 |
日常生活の中で、ホームヘルパーなどの介助体制の充実 | 9.1 |
公共建築物、道路などの公共施設の設備 | 0.0 |
地域社会の人たちとの交流の場の拡大 | 36.4 |
その他 | 0.0 |
特にない | 0.0 |
未回答 | - |
【参考資料:平成9年度知的障害のある方へのアンケート調査】標本数=11
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
1.年金、手当や資金貸付の充実及び制度の周知 | 障害者、特に重度障害者の方で年金等を受給していない方のために、制度の周知徹底に努め、給付の促進に努めます。 |
2.経済的負担の軽減 | 障害者を対象とした各種割引制度について、周知を図るとともに、効果的な活用を促進します。 |
■ 主な事業
- 障害年金給付事業
- 特別障害者手当の支給(福祉事務所)
- 障害児福祉手当の支給(福祉事務所)
- 経過的福祉手当の支給(福祉事務所)
- 特別児童扶養手当の支給
- 心身障害者扶養共済制度
2 在宅福祉サービスの充実
■ 現状と課題
障害者が在宅で日常生活を営む上で必要なサービスの一つに在宅福祉サービスがあります。障害の重度化・重複化や障害者及び介護者の高齢化などにより、在宅福祉ニーズは多様化しており、それぞれのニーズに合ったサービス提供に努めていく必要があります。
現在、当町ではホームヘルプサービス、日常生活用具の給付・貸与事業、障害者団体の育成・支援等を行って在宅福祉サービスの充実に努めておりますが、デイサービスやショートステイなどの在宅福祉サービスを実施している施設が少ないため提供が困難なサービスもあります。
障害者のある方々に対する平成9年度のアンケート調査の結果では、在宅福祉サービスの各サービスについて「必要があれば利用したい」と答えた人が多く、特に「ホームヘルプサービス」では、身体に障害がある方の45.7%、知的障害がある方の27.3%が「必要があれば利用したい」と答えています。
今後も障害者が家庭や地域社会で自立し意欲を持って生活できるよう、在宅福祉サービスに関する情報提供や相談の充実、障害者に応じたサービスの充実、福祉機器の充実が必要です。
また、精神障害者については、障害に対する正しい認識と理解を深め精神障害者の在宅生活を支援し、社会復帰を推進する体制整備に努める必要があります。
◎ 障害者団体等の状況
団体名 | 所属者数(人) | 主な活動内容 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
男 | 女 | 計 | ||||
身体障害者会 | - | - | - | 県スポーツ競技大会等参加 障害者のつどい 県民大会参加 郡指導者研修会及びスポーツ教室等参加 町総会及びスポーツ教室参加 那賀川町、羽ノ浦町合同グランドゴルフ大会参加等 町内歳末施設訪問 |
||
- | 言語障害者 6名 | 5 | 1 | 6 | ||
視覚障害者 25名 | 10 | 15 | 25 | |||
肢体不自由者 206名 | 122 | 84 | 206 | |||
聴覚障害者 72名 | 33 | 39 | 72 | |||
内部障害者 76名 | 45 | 31 | 76 | |||
幸せを高める会 | 在宅 | 11 | 12 | 23 | 郡総会及びスポーツ講習会、障害者と保護者のつどい参加 町総会参加及び、年末在宅者訪問 |
|
- | 重度者 16名 軽度者 6名 その他 7名 |
施設入所 | 4 | 2 | 6 |
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
1.在宅福祉サービスの情報提供・相談の充実 | 在宅の障害者が日常生活を送る上で必要な情報やコミュニケーション手段を確保し、情報提供に努めます。また、町健康福祉課が総合的な相談窓口となり、身体障害者相談員、精神薄弱者相談員、各種相談機関等との連携を図ります。 |
2.在宅福祉サービスの充実 |
|
3.福祉機器のサービスの充実 | 福祉機器の普及及び促進を図るために、補装具や日常生活用具などの給付制度の活用や在宅介護支援センターでの介護機器の展示等を行っていきます。 |
4.障害者団体の育成と活動の促進 | 各障害者団体の育成、強化の支援に努めます。 |
■ 主な事業
- ホームヘルプサービス事業
- 日常生活用具の給付・貸与
- ショートステイ事業
- デイサービス事業
- 障害者団体の活動支援
3 施設福祉サービスの充実
■ 現状と課題
障害者にとって、施設は生活の場、訓練の場として入所型が整備されてきましたが、ノーマライゼーションの理念に照らし、障害者が可能な限り地域の中で普通に暮らすことができるよう、施設福祉から地域福祉・在宅福祉が強調されてきています。
こうしたことから、施設福祉サービスは通所型、地域利用型、地域援助型などの様々な施設に整備されてきています。
身体に障害のある方々に対する平成9年度のアンケート調査の結果で、「障害者福祉を充実し、社会参加を促進するために、今後大切と思われること」の問いの中で「障害者福祉施設の充実」に答えた人は、51人で29.1%います。
当町では、施設入所の手続きを実施しており、入所を希望する障害者や家族の意向を踏まえ、各種の調整等を行いながら適正な入所手続きに努めています。
また、今後は、施設福祉サービスの拡充にともない、施設に関するサービスの情報提供の充実及び施設利用の促進に努めます。
◎福祉施設の状況
施設の種類 | 施設数 | 定員 | サブ圏域内 |
---|---|---|---|
身体障害者療護施設 | 1 | 50 | 南部第1 |
精神薄弱者更生施設 | 3 | 145 | 南部第1に2ヶ所、南部第2に1ヶ所 |
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
1.施設入所の手続きの迅速化 | 各相談所、福祉事務所、町との連携強化を図り、個々の障害者の状況に応じて、適正な施設入所の手続きに努ます。 |
2.施設に関する情報提供 | 障害者及びその家族に対して、施設に関する情報提供の充実を図り、援護目的に合致した施設利用を促進します。 |
■ 主な事業
- 施設の周知及び利用促進等
4 ひとづくりの推進
■ 現状と課題
障害者施策は、乳幼児期から高齢期までの障害者の人生の各段階に、また、それぞれの能力や特性に応じてきめ細やかに提供していくことが大切です。この施策を進めるにあたっては、それぞれの障害の特性と時期に応じた専門的な人材と障害者を支える人材の増員が求められています。これに伴い、専門医師、歯科医師のほか保健婦、看護婦、歯科衛生士、理学療法士、作業療法士、ホームヘルパー等の専門従事者の養成確保とそれぞれの職種の資質の向上を図る必要があります。現状では、保健婦、ホームヘルパー以外は委託や臨時雇用している状況にあります。
また、障害児学級担当教員等の指導力の向上と学習指導の改善・充実を図るために、研修会や研究会の開催、参加等の充実を図ります。
さらに、専門的なマンパワーを確保していくためには、養成、就業の促進、処理の向上、資質の向上及び社会的評価の向上等の各分野にわたる総合的な対策が必要です。
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
1.各種研修体制の充実 | 福祉従事者の人材の研修体制の整備を行い、質の向上に努めます。 |
2.教職員の指導力の向上 | 教職員への障害児教育の理解と指導力の向上のための研修会等の開催、参加に努めます。 |
■ 主な事業
- 各種研修制度の充実
5 ボランティア活動の推進
■ 現状と課題
障害者が障害のない人と同等に生活し、活動する社会を目指す「ノーマライゼーション」の理念のもとに、公的サービスとともにボランティア活動をはじめとした民間福祉活動の福祉サービスの提供体制の形成を促進する必要があります。
平成9年度に実施した障害者福祉に関するアンケート調査(一般)の中で「今後、福祉に関するボランティア活動に参加したいですか」の問いに対して、「参加したい」と答えた人は、25.3%います。また、「わからない」と答えた人は50.5%おり、障害者福祉に関する町民への理解と協力を促進するために、広報活動や講習会等を開催し、ボランティアの育成活動支援に努める必要があります。
◎ ボランティア活動に参加したいですか
参加したい | 参加したくない | わからない | 未回答 |
---|---|---|---|
25% | 19% | 51% | 5% |
【参考資料:平成9年度障害者福祉に関するアンケート調査】標本数=95
◎ ボランティア団体とその活動状況
団体名 | 所属者数(人) | 主な活動内容 | ||
---|---|---|---|---|
男 | 女 | 計 | ||
手話サークル「たんぽぽ」 | 3 | 15 | 18 | 手話練習会月2回 清掃奉仕 障害者とのふれあい行事 |
録音朗読グループ | 1 | 8 | 9 | 視覚障害者に対する録音朗読奉仕 町広報誌年12回(3グループで交代) |
子どもボランティアクラブ | 8 | 18 | 26 | ボランティア勉強会 障害者、高齢者とのふれあい行事 |
合計 | 12 | 41 | 53 | - |
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
1.ボランティアの育成と活動の促進 |
|
■ 主な事業
- ボランティア活動推進事業(社会福祉協議会)
6.生活環境
1 まちづくりの総合的推進
■ 現状と課題
やさしいまちづくりは、障害者や高齢者だけでなく全ての人にとってやさしいまちづくりとすることが重要です。そのためには行政だけでなく民間企業、町民が一体となって取り組み、総合的に展開する必要があります。各機関における推進体制を充実させるとともに、地域の特性や住民のニーズを反映したまちづくりを推進するための住民参加の推進組織をつくることも必要です。
平成9年度に実施した身体に障害のある方へのアンケート調査で、「外出する場合、町内で困ること(複数回答)」の問いに、「特に困ることはない」と「未回答」を除く54.5%が外出する際に困っていることがあり、その内訳として「車などに身の危険を感じる」に35人、「道路に段差が多いなど歩道の整備が不十分」に16人、「障害者が利用できるトイレが少ない」に32人が答えています。
◎ 外出する場合に困ることがありますか。
一緒にいく人(介護者等)がいない | 7 |
人と会話するのが難しい | 13 |
車などに身の危険を感じる | 35 |
道路に段差が多いなど歩道の整備が不十分 | 16 |
視覚障害者用の信号・点字ブロックが少ない | 1 |
障害者が利用できるトイレが少ない | 32 |
障害者が利用できる設備が整った建物が少ない | 15 |
道路や公園にベンチやイスなどの休める場所が少ない | 26 |
その他 | 4 |
【参考資料:平成9年度・身体に障害のある方へのアンケート調査】標本数=175
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
1.住みよいまちづくりの推進 |
|
■ 主な事業
- 街並歩道段差解消事業
- 公共施設の設備改善事業
- 障害者と高齢者にやさしいまちづくり推進事業
2 住宅・生活環境の整備充実
■ 現状と課題
障害者が安全に快適に生活するためには、障害の種別や程度に応じた住宅・生活環境の整備の充実を図る必要があり、その中で障害者の持ち家の割合が高いことから持ち家への対策が重要となってきています。
平成9年度に実施した身体に障害のある方へのアンケート調査の「住宅を改造したいと思いますか」の問いに、「将来改造したいと思う」と答えた人は62人、「もう改造した」と答えた人は16人います。また、「改造したいと思うところ、または改造が済んでいるところ」の問いに、「浴室」55人と「便所」が50人、次いで「居室」の19人の順に多い結果となっています。
当町においては、重度身体障害者住宅改造費助成制度を実施しております。
◎ あなたが改造したいと思うところ、または改造が済んでいるところ
玄関 | 28 |
台所 | 34 |
階段 | 16 |
浴室 | 55 |
便所 | 50 |
洗面所 | 22 |
居室 | 19 |
その他 | 3 |
未回答 | 3 |
【参考資料:平成9年度・身体に障害のある方のアンケート調査】標本数=99
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
1.各種助成金の交付の促進 | 障害者の住宅の整備を十分に行うため、障害をもつ方たちの住宅等に関する相談の充実を図り、各種の助成金の交付等を実施していきます。 |
■ 主な事業
- 重度身体障害者住宅改造費助成事業
- リフォームヘルパー派遣事業
3 交通・移動手段の整備充実
■ 現状と課題
障害者の社会活動への積極的参加を促進するためには、安全でより快適な道路空間の整備が望まれています。特に交通弱者の障害者や高齢者にとって、利用しやすい歩道の整備が求められており、歩道の段差の切下げ、誘導用ブロックについても充実する必要があります。併せて、音声信号機や交通弱者感応信号機等の整備を行い、障害者の安全な横断歩行の誘導を充実していく必要があります。また、身体障害者の移動手段として、欠かすことのできない自動車の運転免許証取得の相談や操作訓練、自動車改造の助成など移動支援の充実を図る必要もあります。
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
1.道路交通安全の確保 |
|
2.移動支援の充実 |
|
■ 主な事業
- 自動車改造費等の助成
- 乗車料金の割引
4 相談・情報提供の充実
■ 現状と課題
障害者やその家族が、日常生活における様々な問題に対して、いつでも気軽に相談ができ適切な助言が受けられるようにすることは重要です。また、情報化社会の進展に伴い、情報の受け入れが困難な視聴覚障害者や知的障害者に対しては、自立と社会参加を促進するために、情報の的確な提供やコミニュケーションの確保に努めていく必要があります。
当町では、身体障害者相談員2名、精神薄弱者相談員1名が配置され、障害者の更生援助に関する相談、指導に努めています。また、視覚障害者に対してはボランティアグループにより、町広報誌等の録音朗読奉仕が実施されています。
今後も、相談員による相談及び、福祉事務所や保健所等の関係機関との連携を強化し、障害者やその家族への相談機能の充実を図ります。また、各種諸制度の利用・活用のための資料の収集や展示コーナーの設置等、町における情報の集約化を促進し、録音朗読奉仕や手話通訳のボランティア活動の充実を図っていきます。さらに、パソコン通信を利用する障害者や福祉関係者も増えているので、情報提供にパソコン通信の活用等も検討していきます。
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
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1.相談事業の充実 |
|
2.情報提供の充実 | 各種諸制度の利用・活用のための資料の収集や展示コーナーの設置等、町における情報の集約化を促進し、録音朗読奉仕活動等の支援をしていきます。 |
■ 主な事業
- 市町村障害者生活支援事業
- 障害児(者)地域療育等支援事業
- 相談事業の充実
- 情報収集・提供の充実
5 防火・防災対策の推進
■ 現状と課題
障害者の安全を守るために、障害者の特性に応じた防火・防災対策の推進は重要なことです。そのために、火災、急病、突発的な事故、災害に迅速に対応できるよう、消防機関との間に緊急通報システムを構築するとともに、町民自主防災組織、消防機関等と連携した地域に密着した防災ネットワークを確立する必要があります。
また、地域防災計画に基づき、障害者向けの防火・防災マニュアルを作成し、関係者に配布するとともに、防火・防災訓練の実施等にも努める必要があります。
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
防火・防災対策の推進 |
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■ 主な事業
- 緊急通報システム
- 地域防災計画に基づく事業
7.スポーツ、レクリエーション及び文化活動
1 スポーツ、レクリエーションの振興
■ 現状と課題
障害者にとってスポーツ、レクリエーション活動は、心身の訓練や機能訓練だけではなく、社会参加の大切な機会でもあります。加えて、生きがいの高揚や仲間づくりにもつながる価値ある機会でもあります。
当町においては、身体障害者のスポーツ大会を開催したり、県、郡の各種大会に参加してスポーツの振興に努めています。しかし、平成9年度に実施した身体に障害のある方へのアンケート調査及び知的障害のある方へのアンケート調査の結果では、ともに「活動している、または、これから行いたいスポーツ」は、「特にない」と答えている人が多く、スポーツへの関心はそれほど高くないといえます。
これらのことから、障害の程度にかかわらず、誰もが気軽にスポーツ、レクリエーションに参加できるような機会の拡大を図っていくために、新しいスポーツを含む多様な種目の紹介と指導、レクリエーション指導者や団体の養成などを進めていく必要があります。
◎ あなたが現在行っている、または行いたいスポーツはありますか。
野球 | 4 |
サッカー | 1 |
バレーボール | 3 |
バスケットボール | 2 |
テニス | 1 |
卓球 | 5 |
ゴルフ | 6 |
ゲートボール・グランドゴルフ | 19 |
スキー | 0 |
水泳 | 7 |
その他 | 9 |
特になし | 88 |
未回答 | 52 |
【参考資料:平成9年度・身体に障害のある方へのアンケート調査】標本数=175
◎ あなたが現在行っている、または行いたいスポーツはありますか。
サイクリング | 1 |
野球・サッカー・バレーボール | 0 |
テニス・卓球 | 0 |
ボーリング | 3 |
つり | 1 |
特になし | 4 |
その他 | 0 |
未回答 | 1 |
【参考資料:平成9年度・知的障害のある方へのアンケート調査】標本数=11
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
1.スポーツの振興 | 障害者が容易に取り組むことのできる新しいスポーツ種目の紹介と普及を図ることなどにより、スポーツの機会を拡大していきます。 |
2.レクリエーションの充実及び活動の支援 | 地域や民間団体で取り組んでいるレクリエーション活動に障害者が気軽に参加できるような機会の拡充を図るとともに、障害者のレクリエーション活動を支援していきます。 |
■ 主な事業
- 障害者スポーツ大会
- リフト付きワゴン車等の移送サービス
2 文化活動の促進
■ 現状と課題
文化に対する興味や関心、そして文化活動への参加は、自己能力を開発し生活の豊かさを創造していくうえでとても重要です。
しかし、スポーツ・レクリエーション活動と同様に、平成9年度に実施した身体に障害のある方へのアンケート調査及び知的障害のある方へのアンケート調査の結果では、ともに「活動している、または、これから行いたい文化活動」は、「特にない」と答えている人が多く、文化活動への関心はそれほど高くないといえます。
このため、障害のある人が容易に文化活動へ参加できるよう、その条件整備に努めるとともに、自らの努力をすべて紹介できる場を設定することによって、文化活動の視野を広げていく必要があります。
◎ あなたが現在行っている、また行いたい文化活動は何ですか。
華道・茶道 | 3 |
書道 | 8 |
写真 | 11 |
絵画・彫刻 | 7 |
囲碁・将棋 | 11 |
盆栽・園芸 | 25 |
手芸 | 17 |
民謡 | 1 |
楽器演奏 | 2 |
アマチュア無線 | 1 |
特になし | 69 |
その他 | 11 |
未回答 | 43 |
【参考資料:平成9年度・身体に障害のある方へのアンケート調査】標本数=175
◎ あなたが現在行っている、また行いたい文化活動は何ですか。
映画・ビデオ・音楽鑑賞 | 5 |
書道 | 0 |
写真 | 0 |
絵画・彫刻 | 0 |
囲碁・将棋 | 0 |
盆栽・園芸 | 0 |
手芸 | 0 |
民謡・カラオケ | 1 |
楽器演奏 | 2 |
アマチュア無線 | 0 |
特になし | 3 |
その他 | 1 |
未回答 | 1 |
【参考資料:平成9年度・知的障害のある方へのアンケート調査】標本数=11
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
1.文化活動への参加 |
|
2.文化活動の支援 |
|
■ 主な事業項目
- リフト付きワゴン車等の移送サービス
- 福祉施設等の文化活動行事
8.施策の連携と総合的推進
■ 現状と課題
障害者の人間の一生の各段階(幼年期から老年期)に通じた総合的なサービスを提供するためには、保健・医療、福祉、教育、雇用、建設等広範な分野の各施策の相互連携と関係機関のネットワーク化が不可欠であります。
当町においては、障害者のニーズに応えるために、保健サービスや在宅福祉サービスの提供、各種の相談事業などにおいて、障害者施策と高齢者施策の施策内容の重複する分野も多いことから、老人保健福祉計画で講じた経験を生かし実施してきました。また、子育て支援計画においては、障害児の保育対策の充実等を図ってきました。
今後も、障害者に関する情報の最も多い保健福祉部門を中心に関係部局や各施策の中核となる機関・施設との定期的な情報交換や協議の場を設けるとともに、個別の事案に適切に対応できるよう、関係機関相互の連携や調整のためのネットワークを整備していく必要があります。
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
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1.各施策相互間の連携 |
|
2.県、国の地方機関及び町との連携 | 障害者施策の中には、町のみで対応できないものも多いので、県、国の地方機関等の担当部局と定期的、日常的な情報交換や協議する場を設ける等連携体制を整備します。 |
3.民間団体との連携 | 福祉サービスの提供や、やさしいまちづくりでは、民間非営利組織や民間企業、民間病院等の協力が不可欠であり、障害者団体、社会福祉協議会、医師会、経済団体、ボランティア団体等と連携できるようなネットワークの形成を進めていきます。 |
主題:
平成9年度:プラチナ・プラン
那賀川町障害者福祉計画 No.1
~共に生きる社会を目指して~
1頁~66頁
発行者:
那賀川町役場
編集:
那賀川町役場
発行年月:
平成10年3月
文献に関する問い合わせ先:
那賀川町役場
徳島県那賀郡那賀川町大字苅屋字福留323番地
電話(0884)42-1111