平成9年度:プラチナ・プラン
羽ノ浦町障害者福祉計画
No.1
~ 共に生きる社会を目指して ~
平成10年3月
羽ノ浦町
項目 | 内容 |
---|---|
立案時期 | 平成10年3月 |
計画期間 | 平成10年度~平成14年度(5年間) |
はじめに
今日の私たちの社会状況をみると、21世紀を目前にした新しい時代への期待が高まっている一方で、高齢化、高度情報化が進み社会構造の大きな変革が起きていることが感じられます。それゆえ、障害のある方に対する社会情勢も今後大きく変化していくことが予想されます。
このような現状を踏まえ、21世紀の社会情勢の変化に対応した各種施策が必要になっていくと思われます。このため本町では、平成9年度には国の掲げるエンゼルプランや県の計画を受け、羽ノ浦町子育て支援計画「羽ッピィすこやかプラン」を策定するなど少子化社会に対応した地域づくりに力を入れております。
このように本町では、来るべき21世紀の福祉社会に対応した町の基盤整備に向けて様々な計画を策定し、各施策の連携を図りながら住みよいまちづくりに努力してまいりました。今後も、町民の方々が快適で生きがいを感じる魅力ある地域社会づくりを目指し、高齢者や障害者といった社会的に弱い立場に置かれている方々への配慮にも行きとどいた施策を行っていきたいと考えております。
一方、現状をみると高齢化に伴う介護環境の変化や、障害の重度化・重複化に伴うさまざまな要因から今日の障害のある方々を取り巻く状況は厳しさを増しています。それゆえ、障害のある方々が安心して生活し、様々な社会活動を行っていくためには、各分野の協力と連携が重要となっています。
このため、本町では平成14年を目標に5カ年計画で、「障害者福祉計画」を策定し、障害のある方と障害のない方が共に生き共に歩む明るいまちづくりのため努めてまいります。
そのためには、町民一人ひとりの障害のある方への理解と思いやりの心も重要です。それゆえ、この障害者福祉計画の策定を機に町民の皆様のご理解とご協力をお願い申しあげます。
最後に、本計画を策定するにあたりご協力をいただきました策定委員会委員の皆様はじめ、調査にご協力いただいた関係者の方々に厚くお礼申し上げます。
平成10年3月
羽ノ浦町長 生野善章
目次
1. 計画の概要
1. 計画策定の趣旨
国の障害者施策は、昭和56年(1981年)の「国際障害者年」を契機に国際的な動向の中で大きな進展を見せてきました。このような中で、昭和57年に「障害者対策に関する長期計画」を、平成5年には「障害者対策に関する新長期計画」を策定し、施策の基本的方向と具体的施策が示されました。平成7年にはこの新長期計画具体化のため「障害者プラン」が策定されています。
本県においては、平成7年に、「リハビリテーション」の理念と、「ノーマライゼーション」の理念のもと、「徳島県障害者施策長期計画」が策定されました。また、この計画に盛り込まれた施策の重点的な推進を図るため、「ともに生きる徳島プラン-徳島県障害者施策長期計画実施計画-」が平成10年3月に策定されております。
本町においては、このような国、県の計画に沿って障害者福祉の増進に努めてきました。
また、併せて「第4次羽ノ浦町総合計画」「羽ノ浦町老人保健福祉計画」に基づき保健福祉サービス等の充実に努めてきました。
障害者を取り巻くこうした状況の変化に配慮しながら、障害者の自立と共生を基本とした社会を目指す障害者福祉のきめ細やかな推進が求められている現状から、国、県と連携した効果的な障害者福祉の推進を図るため、ここに「羽ノ浦町障害者福祉計画」を策定するものです。
2. 計画の基本理念
人間の一生(幼年期から老年期)の全ての段階において、障害のある人が心身共に自立し社会復帰ができることを目指す「リハビリテーション」の理念と、障害のある人も障害のない人も地域のなかで共に生活できる社会を目指す「ノーマライゼーション」の理念を計画の基本理念とし、施策を展開していきます。
3. 計画の基本的な考え方
この計画は、「啓発・広報」、「教育・育成」、「雇用・就労」、「保健・医療」、「福祉」、「生活環境」、「スポーツ、レクリエーション及び文化活動」、「施策の連携と総合的推進」の8つの部門で構成し、それぞれの部門ごとに「現状と課題」、「施策の方向」、「主な事業」を記しています。
4. 計画の期間
計画の期間は、平成10年度から平成14年度(国、県の計画の終期)の5ヵ年とし、社会情勢の変化等により必要に応じて見直しを行います。
5. 障害者の概念
この計画における「障害者」の概念は、障害者基本法の規定に基づき、「身体障害、精神薄弱又は精神障害があるため、長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者」とし、「てんかん及び自閉症を有する者並びに難病に起因する身体又は精神上の障害を有する者であって、長期にわたり生活上の支障がある者」も含むこととします。
また、この計画においては、従来から一般的に使われてきた「精神薄弱」という用語を法令等の制約を受けるものを除き、可能な限り「知的障害」という用語で表現することにしました。
2. 障害者の動向
1. 障害者の動向
羽ノ浦町の人口は、平成9年4月1日現在12,051人で、そのうち身体障害者手帳及び療育手帳保持者数は505人で全体の4.2%になっています。下表のとおり、年々総人口に占める手帳保持者の割合は増加傾向にあり、計画最終年度の平成14年度には推計で606人、全体の5.0%となります。また、平成7年に創設された「精神障害者保健福祉手帳」の交付状況により、さらに手帳保持者の増加が予測されます。
平成9年度に実施した「障害のある方へのアンケート調査」の結果では、有効回答者309人のうち、65歳以上の高齢者が193人と62.0%を占めており、特に身体障害者が多くなっています。また、高齢者人口の増加にともない、障害のある方々の高齢化が今後も続くものと考えられます。
また、調査の結果、障害のある方々の世帯状況では55人が単身世帯で、そのうち施設入所者が30人で単身在宅者が25人となっています。
- | 総人口(A) | 手帳保持者(B) | 割合(B)/(A) |
---|---|---|---|
平成2年度 | 11,894 | 421 | 3.5 |
平成4年度 | 11,872 | 440 | 3.7 |
平成6年度 | 11,967 | 483 | 4.0 |
平成8年度 | 12,051 | 505 | 4.2 |
平成10年度 | 12,104 | 537 | 4.4 |
平成12年度 | 12,157 | 570 | 4.7 |
平成14年度 | 12,210 | 606 | 5.0 |
2. 身体障害者の状況
羽ノ浦町の身体障害者手帳所持者の数は、平成8年度末現在459人となっており、手帳所持者の推移を見ますと増加傾向にあります。年代別には、65歳以上の高齢者に多く、65歳以上人口に占める割合は14%を超え、7人に1人が手帳を保持していることになります。18歳~64歳の手帳保持者は少なくなってきています。
等級別では、1、2級の重度者の占める割合が年々増加しており、身体障害者の重度化が進んでいます。
障害種類別に見ますと、最も多いのは肢体不自由で、43%前後の割合を占めています。増加が著しいのは内部障害で、毎年1%増加しています。
- | 18歳未満 | 18~64歳 | 65歳以上 | 合計 |
---|---|---|---|---|
平成5年度 | 3 | 166 | 250 | 419 |
平成6年度 | 5 | 166 | 169 | 440 |
平成7年度 | 6 | 159 | 293 | 458 |
平成8年度 | 6 | 152 | 301 | 459 |
- | 65歳以上人口 (A) |
手帳保持者(B) | 割合(B)/(A) |
---|---|---|---|
平成5年度 | 1,830 | 250 | 13.7 |
平成6年度 | 1,919 | 269 | 14.0 |
平成7年度 | 1,985 | 293 | 14.8 |
平成8年度 | 2,047 | 301 | 14.7 |
- | 1級 | 2級 | 3級 | 4級 | 5級 | 6級 |
---|---|---|---|---|---|---|
平成5年度 | 104 | 64 | 56 | 83 | 53 | 59 |
平成6年度 | 116 | 63 | 61 | 88 | 52 | 60 |
平成7年度 | 127 | 71 | 60 | 88 | 51 | 61 |
平成8年度 | 128 | 76 | 55 | 88 | 51 | 61 |
*1・2級=重度 3・4級=中度 5・6級=軽度
- | 視覚障害 | 聴覚言語障害 | 肢体不自由 | 内部障害 |
---|---|---|---|---|
平成5年度 | 93(22.2) | 79(18.8) | 183(43.7) | 64(15.3) |
平成6年度 | 96(21.8) | 82(18.7) | 191(43.4) | 71(16.1) |
平成7年度 | 96(21.0) | 85(18.6) | 199(43.4) | 78(17.0) |
平成8年度 | 99(21.6) | 86(18.7) | 191(41.6) | 83(18.1) |
3. 知的障害者の状況
羽ノ浦町の療育手帳所持者の数は、平成8年度末現在で46人となっています。手帳所持者の年代別では18歳以上が多くなっていますが、年々18歳未満が増加しています。また、程度別では重度障害者が年々増加しいます。
- | 18歳未満 | 18歳以上 | 合計 |
---|---|---|---|
平成5年度 | 11 | 29 | 40 |
平成6年度 | 14 | 29 | 43 |
平成7年度 | 14 | 28 | 42 |
平成8年度 | 17 | 29 | 46 |
- | 手帳A | 手帳B | 合計 |
---|---|---|---|
平成5年度 | 27 | 13 | 40 |
平成6年度 | 30 | 13 | 43 |
平成7年度 | 31 | 11 | 42 |
平成8年度 | 33 | 13 | 46 |
*手帳A=重度 手帳B=中軽度
4. 精神障害者の状況
当町の精神障害者に対しては、阿南保健所を通して精神障害者保健福祉手帳が県から交付されています。精神障害者保健福祉手帳の交付は平成7年10月から実施され、平成8年度には4人に交付されています。精神病院への入院には、措置入院及び医療保護入院、任意入院がありますが、プライバシー等の問題もあり人数の把握が難しいのが現状です。
平成8年度の精神病院在院患者数及び通院医療費公費負担者数について、町で把握している人数は以下のとおりです。
- | 1級 | 2級 | 3級 | 合計 |
---|---|---|---|---|
平成8年度 | 2 | 1 | 1 | 4 |
- | 精神病院在院患者数 | 通院医療費公費負担者数 |
---|---|---|
平成8年度 | 16 | 23 |
5. 難病患者の状況(阿南保健所調査)
難病とは「原因が不明であり、治療方法が確立していない」疾病をいい、特定疾患調査研究事業の対象疾患及び慢性関節リウマチで合計119疾患であります。このうち、特定疾患治療研究事業の対象となる38疾患(平成8年度末現在)については、申請により公費負担を行うことにより患者の負担軽減を図っています。
難病患者は希少性、原因不明及び効果的な治療方法の未確立等の特殊性があり、しかも長期にわたっての療養生活が続くため、身体的、精神的負担が大きくなっています。さらに、その中の疾病には身体機能障害を伴うことが多く、介護する家族等の負担も大きくなっています。
阿南保健所管内における平成8年度末現在の特定疾患医療費受給者は289名であり、毎年この事業の対象疾病が一つずつ追加されることもあり、受給者は年々増加傾向にあります。
年度 | H3年度 | H4年度 | H5年度 | H6年度 | H7年度 | H8年度 |
---|---|---|---|---|---|---|
人数 | 202 | 221 | 253 | 253 | 284 | 289 |
*管内市町村(阿南市、須賀川町、羽ノ浦町、鷲敷町、相生町、上那賀町、木沢村、木頭村)
- | 病名 | 人 |
---|---|---|
1 | べーチェット病 | 2 |
2 | 多発性硬化症 | 0 |
3 | 重症筋無力症 | 0 |
4 | 全身性エリテマトーデス | 2 |
5 | スモン | 0 |
6 | 再生不良性貧血 | 0 |
7 | サルコイドーシス | 0 |
8 | 筋萎縮性側索硬化症 | 0 |
9 | 強皮症、皮膚筋炎及び多発性筋炎 | 0 |
10 | 特発性血小板減少性紫班病 | 4 |
11 | 結節性動脈周囲炎 | 0 |
12 | 潰瘍性大腸炎 | 7 |
13 | 大動脈炎症候群 | 0 |
14 | ビュルガー病 | 2 |
15 | 天疱瘡 | 0 |
16 | 脊髄小脳変性症 | 0 |
17 | クローン病 | 3 |
18 | 難治性の肝炎のうち劇症肝炎 | 0 |
19 | 悪性関節リウマチ | 0 |
20 | パーキンソン病 | 7 |
21 | アミロイドーシス | 0 |
22 | 後縦靱帯骨化症 | 3 |
23 | ハンチントン舞踏病 | 0 |
24 | ウィリス動脈輪閉塞症 | 0 |
25 | ウェゲナー肉芽腫症 | 0 |
26 | 特発性拡張型(うっ血型)心筋症 | 3 |
27 | シャイ・ドレーガー症候群 | 0 |
28 | 表皮水疱症(接合部型及び栄養障害型) | 0 |
29 | 膿疱性乾せん | 0 |
30 | 広範背柱管狭窄症 | 0 |
31 | 原発性胆汁性肝硬変 | 0 |
32 | 重症急性膵炎 | 0 |
33 | 特発性大腿骨頭壊死症 | 0 |
34 | 混合性結合組織病 | 0 |
35 | 原発性免疫不全症候群 | 0 |
36 | 特発性間質性肺炎 | 0 |
37 | 網膜色素変性症 | 0 |
38 | クロイツフェルト・ヤコブ病 | 0 |
合計 | 33 |
3. 総論
1. 総論
(1) 基本的な考え方
本町は、「活力と文化のふれあうまち・羽ノ浦」を将来像とし、「人にやさしい健康福祉のまちづくり」を目標に、福祉のまちづくりを進めています。だれでも障害をもつ可能性があります。障害をもっても地域社会の一員としてほこりをもって生活できるまちが望まれています。
障害者の自立と社会参加を基本とし障害がある人もない人も、ともにまちに出て働き、買い物をし、遊び、交流するなかで、お互いに理解しあい、助け合うまちづくりをみんなで進めます。
羽ノ浦町障害者福祉計画
~共に生きる社会を目指して~
- 啓発・広報…ノーマライゼーションの実現のために
- 教育・育成…一人ひとりにあった教育を保障するために
- 雇用・就労…はつらつと働ける場や機会の確保のために
- 保健・医療…疾病の予防と機能回復のために
- 福祉 …自立した生活を支援するために
- 生活環境 …暮しやすい生活環境づくりのために
- スポーツ、レクリエーション及び文化活動 …心豊かな生活を送るために
- 施策の連携と総合的推進…総合的なサービスを提供するために
1 啓発・広報…ノーマライゼーションの実現のために
障害や障害者に対する誤解や偏見などのない「障害のある人が障害のない人と同じように生活できる地域社会づくり」を目指して、住民が障害や障害者への理解を深め、「心の壁」をなくす取り組みを進めます。
子どもから成人までを対象にした人権・福祉学習活動、保育所・小中学校等における福祉教育、小規模作業所・養護老人ホーム羽ノ浦荘などの福祉施設との交流活動、ボランティア活動・社会福祉協議会活動など、あらゆる機会・方法を通じて理解を深めるための啓発活動を推進します。また、町や社会福祉協議会による広報活動の充実、「声の広報」の配付、障害者団体・福祉団体等が行う啓発・広報活動の支援などにより啓発・広報活動の充実を図ります。
2 教育・育成…一人ひとりにあった教育を保障するために
一人ひとりの個性や希望にそった自己実現がなされるよう生涯を通じた教育・学習システムづくりに努めます。
障害者や保護者の意向や障害に応じた保育・教育を提供し、その可能性を最大限に伸ばし、適切な進路を見出すことのできる環境づくりを進めます。学校を卒業した後も、家庭生活や社会生活にかかわる知識や技術習得の場や機会を確保するために、各種講座の開催にあたっては障害者が参加しやすいよう配慮するとともに、障害者を対象とした各種の趣味講座などの充実に努めます。
3 雇用・就労…はつらつと働ける場や機会の確保のために
働くことを望む障害者のだれもが、その適性と能力に応じて仕事をもち、自立した生活を送ることができるよう、働く場や機会の確保に努めます。
障害者雇用について町内事業主の理解と協力を促進し雇用機会の拡大を図るとともに、職業能力の機会の拡充を推進します。また、訓練を受けながら経済的に自立できるよう小規模作業所や障害保健福祉圏域にある授産施設の活用を推進します。
4 保健・医療…疾病の予防と機能回復のために
心身両面の疾病等の発生を予防し、健康の維持・回復を図り、社会的自立を促進するため、乳児から高齢者まで各世代に応じた保健・医療サービスの充実を図ります。
医療機関や保健所、児童相談所、福祉事務所など関連機関と連携し、疾病の早期発見を早期治療に結びつける体制の強化を図るとともに、障害の進行を阻止し機能を回復するためにリハビリテーションの充実を図ります。また、プライバシーに配慮しながら保健所と連携して、精神保健事業、難病対策事業を推進します。
5 福祉…自立した生活を支援するために
すべての障害者が地域社会の一員として自立し安心して暮せるよう、福祉サービスの質・量両面での充実に努めます。
障害者の生活安定を図るとともに、自立意識の高まり、障害の多様化・重度化・重複化に対応できるよう、選択制がある、総合的な在宅福祉サービス、施設福祉サービスを提供します。また、相談をスムーズにサービスの提供に結びつけるために障害者の総合相談窓口の整備を検討します。
6 生活環境…暮しやすい生活環境づくりのために
障害者が自立して自由に社会参加できるよう、活動しやすく、暮しやすい生活環境づくりを進めます。
安全で利用しやすい公共的施設の整備を推進するとともに、バリアフリー住宅の普及の促進、新築・改造への支援強化、移動手段・コミュニケーション手段の確保に努めます。
7 スポーツ、レクリエーション及び文化活動…心豊かな生活を送るために
障害者が、心豊かな生活を送るために、スポーツ・レクレーション活動、文化活動を振興し、参加を促進します。
スポーツ、レクリエーション大会の開催、文化活動の機会・場の充実を図るとともに、自らが活動し、楽しめるよう相談・情報提供体制の整備、指導者・支援者(ボランティア)の派遣、情報文化センターを主として利用しやすい施設の整備に努めます。
8 施策の連携と総合的推進…総合的なサービスを提供するために
障害者に関する情報の最も多い保健福祉部門を中心に関係部局や各施策の中核となる機関・施設との定期的な情報交換や協議の場を設けるとともに、個別の事案に適切に対応できるよう、関係機関相互の連携や調整のためのネットワークの整備に努めます。
(2) 障害者福祉施策の体系図
基本理念 | 目標 | 部門 | 重点施策 | 主な事業 | 関係部署 |
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リハビリテーション ノーマライゼーション |
完全参加と平等 | ○啓発・広報 |
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・役場福祉課 ・役場総務課 ・社会福祉協議会 |
○教育・育成 |
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・役場福祉課 ・各保育園・小学校 ・各障害者施設及び学校 教育委員会 |
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○雇用・就労 |
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・役場福祉課 ・役場産業課 ・公共職業安定所 |
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○保健・医療 |
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・役場福祉課 ・保健室 ・医療機関 ・保健所 ・社会福祉協議会 |
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○福祉 |
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・役場福祉課、役場住民課 ・保健所 ・身体障害者相談員 ・精神薄弱者相談員 ・社会福祉協議会 ・那賀福祉事務所 ・障害者団体 ・ボランティア団体 ・各障害者施設及び学校 ・児童相談所 |
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○生活環境 |
|
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・役場福祉課 ・役場建設課 ・役場環境課 ・保健室 ・阿南保健所 ・社会福祉協議会 |
||
○スポーツ、レクリエーション及び文化活動 |
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・役場福祉課 ・社会福祉協議会 ・教育委員会 ・町情報文化センター |
||
○施策の連携と総合的推進 | 施策の連携 |
|
- |
(3) 障害保健福祉圏域の設定
障害者に最も身近な町での障害者施策の推進は不可欠でありますが、これからの新たな障害者施策にあたっては、単独での実施が困難と予測されるものが多くなっています。
このため、県において、障害者に適切なサービスを提供するために、新たに広域的な障害保健福祉圏域が設定され、これを基本として各種の施策が進められることになりました。
羽ノ浦町は、南部障害保健福祉圏域に属し、県域で実施するものを除く障害者施策が実施されます。また、通所型施設や広域実施が必要な在宅福祉施策の適正実施を図る観点から、各障害保健福祉圏域内にサブ圏域が設けられています。
南部障害保健福祉圏域(15市町村)
小松島市、阿南市、那賀川町、羽ノ浦町、鷲敷町、相生町、上那賀町、木沢村、木頭村、由岐町、日和佐町、牟岐町、海南町、海部町、宍喰町
1 南部第1サブ障害保健福祉圏域(9市町村)
小松島市、阿南市、那賀川町、羽ノ浦町、鷲敷町、相生町、上那賀町、木沢村、木頭村
2 南部第2サブ障害保健福祉圏域(6町)
由岐町、日和佐町、牟岐町、海南町、海部町、宍喰町
障害保健福祉圏域
(4) 総合的な障害者施策の提供について
計画最終年度の平成14年度の障害者数は、推計で606人、総人口の5.0%と予測されます。また、平成7年に創設された「精神障害者保健福祉手帳」の交付状況により、さらに手帳保持者の増加が予測されます。
障害が重かったり重複しているために、支援や援助を必要とする障害者の割合は増加傾向にあり、また、障害者の高齢化も進んでいます。こうした点で障害者と高齢者に関する施策は種々の面で重複する場合も多いため、すでに計画されている老人保健福祉計画や平成12年度から実施される介護保険制度との一体的な施策の推進を図っていきます。
4. 各論
(障害者施策の現状と各部門の施策の方向)
1. 啓発・広報
1 啓発・広報活動の推進
■ 現状と課題
現在、当町では障害及び障害者に対する正しい理解と協力を得るとともに障害者の社会参加を促進するため、各種の啓発広報活動と活動功労者表彰を行っています。
平成9年度に当町が実施した障害者福祉に関するアンケート調査結果をみると、当町の現状は「ホームヘルプサービス」、「ひとにやさしいまちづくり条例」、「障害者の日」等に関しては知っている人の割合は高いのですが、「ノーマライゼーション」の言葉に関して知っている人の割合が低くなっており、「どれも知らない」と答えている人も多いことがわかります。
このため障害のある方々と一般の方々が共に生きる社会をつくるという理念の町民への浸透を推進していくために、さらに一層の啓発広報活動を推進していく必要があります。
障害者福祉(福祉全般)に関して知っているもの(一般世帯)
障害者の日(12月9日) | 22.7% |
ノーマライゼーション | 12.4% |
バリアフリー | 15.5% |
ひとにやさしいまちづくり条例 | 30.9% |
ホームヘルプサービス | 74.2% |
ゴールドプラン | 17.5% |
エンゼルプラン | 6.2% |
どれも知らない(聞いたことがない) | 18.6% |
◎【参考資料:平成9年度・障害者福祉に関するアンケート調査】標本数=99
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
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1. 障害及び障害者に対する正しい知識の普及 | 町の広報活動や町社協による広報活動のみならず、日常生活で通常行われている広報媒体を積極的に活用し、障害者施策に対する理解の浸透に努めます。 |
2. 民間啓発広報活動への協力 |
|
■ 主な事業項目
- 広報媒体を利用した啓発広報活動
2 福祉教育の推進
■ 現状と課題
平成9年度に当町が実施した障害者福祉に関するアンケート調査結果をみると、「障害を持っている方々と持っていない方々との間に誤解や偏見があると思いますか」の問いに対して、「かなりあると思う」「少しあると思う」に答えた人が66%おります。
障害や障害者に対する誤解や偏見などの「心の壁」を取り除き、思いやりの心を幼少時期から育んでいくことは、ノーマライゼーション理念を具現化していく上で極めて大切です。また、特定の時期だけの人権学習で学んだものだけでは、実現されないため、生涯にわたって啓発を行っていくことが大切です。
今後も、障害のある人が障害のない人と同じように生活できる地域社会づくりを進めるため、教育の場等において子どもたちが、自然なかたちで障害者とのふれあいがもてるような交流教育を継続的に推進していく必要があります。
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
---|---|
1. 就学前児童における福祉教育の推進 |
|
2. 小中学校等における福祉教育の推進 |
|
3. 福祉教育の機会拡大 | 家庭、学校、地域の連携を図りながら、福祉施設体験学習や福祉行事を開催するなど、地域での福祉教育の機会拡大に努めます。 |
■ 主な事業項目
- 福祉協力校の指定
- 「障害者の日」等福祉行事の開催
3 交流・ふれあいの促進
■ 現状と課題
障害や障害者に対する正しい理解と認識を深めるためには、知識を増やすだけでなく、実際に障害者との交流・ふれあいの機会が必要となります。
当町では、障害者が地域の中で自立した生活が営めるよう、社会福祉協議会で各種ボランティアの養成に努めています。
平成9年度実施した障害者福祉に関するアンケート調査をみると、一般人で「障害を持っている方々や家族に対し、気軽に接したり、手助けやボランティア活動をしたことがありますか」の問いに「ない」と答えた人が55.6%と半数を超えております。
今後は、障害者とふれあう機会を増やすために、地域住民等が各種の行事やボランティア活動に気軽に参加できるとともに、日常生活のなかでいつでも、どこでも障害者と気軽に接することができるための環境整備を図っていく必要があります。
障害を持っている人と気軽に接したり、手助けやボランティア活動をしたことがある(一般回答)
ある | 34.5% |
ない | 55.6% |
未回答 | 9.1% |
【参考資料:平成9年度・障害者福祉に関するアンケート調査】標本数=99
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
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1. 交流・ふれあいの場の拡大 | 各種行事やスポーツ教室等を通して障害者との交流機会の拡大に努め、障害者への理解促進を図ります。 |
2. 社会参加の促進 | 南部第1サブ障害保健福祉圏域で「市町村障害者社会参加促進事業」の推進が図れるよう近隣市町村との連携の調整に努めます。 |
■ 主な事業項目
- 交流・ふれあいの場の拡大(各種行事、スポーツ教室等)
- 市町村障害者社会参加促進事業
2. 教育・育成
1 就学前教育・療育の充実
■ 現状と課題
障害のある子どもがその可能性を最大限に伸ばし、将来社会的に自立して生きる力を養うためには、よりよい療育環境のもと適切な教育を行うことが大切です。
当町では、保健婦、身体障害者相談員2名、精神薄弱者相談員1名配置されており、就学前の障害児や保護者を対象にして、就学及び教育に係る相談活動を行っています。また、昭和46年から、いち早く障害児保育を採り入れ公立の全ての保育所で、障害児の受け入れを実施しています。
また、隣接する小松島市には、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設として県立ひのみね整肢医療センターひのみね学園、ひのみね療育園があり、精神薄弱児通園施設として小松島療育センターがあります。
今後も子どもの実態を的確に把握するとともに、保護者や本人の考えや意見を聴き、具体的な情報の提供に努める必要があり、また、就学手続き等が円滑に行われるように、教育相談の充実を図る必要があります。そして、在宅の心身障害者や家族が身近な地域で、療育指導、相談等が受けられるように努める必要があります。
施設の種類 | 施設名称 | 定員 | 所在地 |
---|---|---|---|
肢体不自由児施設 | 県立ひのみね整肢医療センター ひのみね学園 |
65名 | 小松島市 |
重症心身障害児施設 | 県立ひのみね整肢医療センター ひのみね療育園 |
80名 | 小松島市 |
精神薄弱児通園施設 | 小松島療育センター | 30名 | 小松島市 |
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
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1. 保育所での障害児の受け入れの促進 | 保育所での障害児の受け入れを継続し、担当者、関係者の資質の向上に努めます。 |
2. 療育指導、相談の充実 | 県立ひのみね整肢医療センターひのみね療育園と連携し療育指導、相談の充実を図ります。 |
■ 主な事業
- 障害児保育事業の充実
- 市町村障害者生活支援事業(P58参照)
- 障害児(者)地域療育等支援事業(P58参照)
- 心身障害児通園事業
2 学校教育の充実
■ 現状と課題
当町の小学校における障害児学級の設置状況は、以下の表のとおりであります。また、隣接する小松島市にはひのみね養護学校、阿南市には阿南養護学校があります。
今後は、障害の重度化・重複化・多様化に対応した適切な就学指導や障害のある児童、生徒が安心して楽しく学校生活が送れるよう、教育環境、設備等の改善の必要があります。また、社会的自立、職業自立を支援する必要があります。
知的障害 | 情緒障害 | 難聴 | 病弱・虚弱 | 計 | |||||
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学級 | 児童数 | 学級 | 児童数 | 学級 | 児童数 | 学級 | 児童数 | 学級 | 児童数 |
1 | 4 | 1 | 2 | - | - | - | - | 2 | 6 |
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
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1. 学校教育の充実 |
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2. 進路指導等の充実 | 生徒の個性や特性に応じた進路指導や職業教育の充実を図ります。 |
■ 主な事業
- 障害児学級の設置
- 交流教育地域推進事業
3 社会教育の推進
■ 現状と課題
社会自立を目指した教育については、身辺生活の自立から職業自立に至るまで教育内容を幅広く用意して、一人ひとりに応じた指導を展開することが大切です。社会教育においては、生涯学習の観点から学習の場を充実していくことが必要となっています。
さらに、町民の生涯学習を推進するため、民間関係機関等の協力のもとに今後は幅広い学習環境を整備することが必要です。そのため社会教育施設等において、障害者が利用しやすい施設となるよう努める必要があります。
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
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1. 学習の場の確保 | 地域における学習の場の確保及び充実を目指し、障害者を対象とした各種の趣味講座などの充実と参加者の拡大を図ります。 |
2. 社会設備の充実 | 障害者が積極的に学習に参加できるよう、公共施設や設備の改善を進めるとともに、手話通訳者を派遣するなど学習の場の充実、確保に努めます。 |
■ 主な事業
- 障害者スポーツ教室
3. 雇用・就労
1 職業能力の開発
■ 現状と課題
障害者の安定した就業のためには、その能力や障害の状況に対応した職業能力を開発することが重要です。
当町では現在、県身体障害者更生相談所と連携し、身体障害者の更生に必要な医学的、心理学的、職業的判定及び職業、日常生活等の総合的な相談と指導に結びつけています。また、公共職業安定所等の関係機関を通じて徳島障害者職業センターや徳島県職業能力開発校等についての情報提供等を実施しておりますが、今後も障害者の職業自立に向けて事業の推進に努める必要があります。
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
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能力開発の促進 | 障害者の障害の程度、ニーズ等を考慮し軽度の障害者については一般の人と一緒に職業訓練施設への入所を推進するなど公的職業訓練機関での能力開発を推進します。 |
■ 主な事業
- 心身障害者職業訓練校等への入所斡旋
2 雇用の促進と安定
■ 現状と課題
当町では現在、県身体障害者更生相談所を通じて、障害者の自立の支援を行っておりますが、雇用する側の障害雇用に対する理解と関心が深まるように努めていく必要があります。
平成9年度に実施した身体に障害を持つ方へのアンケート調査では、54人の方が働いており、業種は農林漁業、会社員、自営業が多くなっています。同じく知的障害のある方へのアンケート調査では、4人の方が、農林漁業、会社員、施設内就労で働いています。
今後も、就職を希望する障害者の就業の促進を図るためには、関係機関との連携を密にし効果的な職業相談指導を行うことが重要であります。また、雇用者に対しては、各種助成・援護制度についての周知とその活用の推進に努めるとともに、障害者の雇用に伴い生ずる課題の解決の方策についての指導、情報提供に努める必要があります。
働いている業種について(重複回答)
職業 | 人 |
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農・林・漁業 | 11 |
会社 | 13 |
自営業 | 12 |
パート・日雇い | 4 |
あんま・マッサージ・はり等 | 2 |
家内就労・内職 | 2 |
施設内就労(小規模作業所を含む) | 1 |
その他 | 8 |
【参考資料:平成9年度・身体に障害のある方へのアンケート調査】標本数=54
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
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1. 雇用納付金制度の周知徹底 | 一定率障害者を雇用していない事業所では、納付金を国に納め、その一方で障害者を雇用している企業では、給付金を事業所に与えるという「雇用納付金制度」の周知徹底に努めます。 |
2. 雇用の啓発・広報の強化 | 雇用者をはじめとする町民に対し、障害者雇用の重要性に関する啓発活動を行います。 |
3. 職業定着指導の推進 | 公共職業安定所等と連携し、障害者を雇用する事業主に対する相談・援助の充実を図ります。 |
■ 主な事業
- 企業、事業主への雇用促進啓発
- 公共職業安定所との連携
3 福祉的就労対策の充実
■ 現状と課題
民間企業での雇用の困難な障害者にとって、それぞれの障害に応じて働く機会が得られる授産施設や小規模作業所は、訓練を受ける場、また働く場として重要な役割を果たしてきております。現在、南部障害保健福祉圏域には心身障害者小規模作業所が3ヶ所、精神障害者小規模作業所が2ヶ所あります。
当町においては、その事業内容の情報提供等を通して、身体障害者や知的障害者に対して福祉的就労の場の提供を実施してきました。
今後は、利用者のニーズに応じた整備が図られるように、県や南部障害保健福祉圏域の市町村と連携し、福祉的就労の拡大を推進していきます。
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
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福祉的就労の場の拡大 | 南部障害保健福祉圏域にある心身障害者小規模作業所及び精神障害者小規模作業所や他障害保健福祉圏域にある授産施設の活用を推進していきます。 |
■ 主な事業
- 心身障害者小規模作業所
- 授産施設
4. 保健・医療
1 障害の発生予防及び早期発見、早期療育体制の充実
■ 現状と課題
障害の発生には、先天的な障害と疾病や交通事故、労働災害などの後遺症による後天的な障害があります。
先天的な障害を予防するためには、障害の実態と原因の把握に努めるとともに、母子保健活動の一層の充実に努める必要があります。
当町においては、地域保健法の施行により保健所で行われていた母子保健事業一部が、平成9年度より町へ移譲され、より地域に密着した母子保健活動を展開することができるようになりました。
今後は、晩婚化による高年齢出産が増えてきていることから、妊婦健康診査の一層の充実や母子保健相談指導の充実、また周産期医療体制の整備等を図っていく必要があります。さらに、先天的な障害が発見された場合は、保健所、児童相談所、福祉事務所、医療機関、施設、学校などによる相互連携のもとで、障害児に必要な医療の提供、療育相談、指導訓練など、障害の発見段階から一貫した対応が必要であります。
後天的障害の発生は、脳卒中、あるいは骨折等に起因することが多く、その原因となる高血圧症、心疾患、骨粗鬆症等の生活習慣病を予防することが重要です。
当町においては、日常の生活習慣病の改善を図るための一般健康教育、病態別健康教育や骨粗鬆症予防などの重点健康教育、健康相談、健康診査を実施しています。
今後も、保健福祉センターを中心にこれらの事業の一層の充実を図り、後天的な障害の発生予防に努めていく必要があります。
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
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1. 障害の発生予防対策 | 障害の発生予防及び早期発見のため、治療、妊産婦、新生児、乳児の健康診査等の充実や、脳卒中をはじめとする生活習慣病(成人病)の予防やねたきり防止のため健康教育等、各種保健活動の充実を図ります。 |
2. 早期発見と早期療育 | 先天性障害の早期発見及び後天性障害の予防体制の強化、早期療育体制の充実を図ります。 |
3. 検診体制の充実 | 知的障害のある方の早期発見のためには、乳幼児に対する検診体制の充実などの施策を行っていきます。 |
■ 主な事業
- 母子健康診査事業
- 母子保健事業
- 母子訪問指導事業
- 先天性代謝異常等検査事業
- 老人保健法に基づく健康教育、健康相談
- 老人保健法に基づく健康診査
2 医療・リハビリテーションの充実
■ 現状と課題
障害者にとっての医療・リハビリテーションの充実は、病気の治療だけでなく、障害の軽減を図り、社会自立を促進するためには不可欠であります。また、障害の早期発見、障害の重複化及障害者の高齢化、医療技術の進歩等により治療だけでなくリハビリテーション、保健指導、看護等に対する需要は増大し、質的にも高度化、多様化してきています。
当町では、医療給付事業や相談事業、補装具の交付、修理等を実施しており、平成8年度の更生医療の給付は15件、重度心身障害者医療費助成制度の利用件数は10,248件、補装具の交付件数は101件及び、修理件数は4件となっています。また、病院の理学療法士等と契約して保健福祉センターでリハビリテーションを週1回、訪問リハビリテーションを月1回実施しています。
今後は、県や南部第1サブ障害保健福祉圏域の市町村等とのネットワーク化を図り、県内や圏域各地域の医療機関や専門医療機関を把握し、障害者が効果的な医療・リハビリテーションを受けられるようにする必要があります。
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
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1. 医療・リハビリテーションに係る助成及び情報提供 | 地域の医療機関や専門医療機関とのネットワーク化を図りながら、障害者が効果的な医療、リハビリテーションを受けられるような体制の整備に努めます。また、重度心身障害者等に係る医療費等の給付事業を継続して実施していきます。 |
2. 補装具の交付、修理等の充実 | 障害者が日常生活や働くことが少しでも容易にできるように、身体上の障害を補うための用具の交付や修理を実施していきます。 |
3. 訪問指導の充実 | 障害者の健康管理等のために歯の訪問検診や訪問指導事業を推進していきます。 |
■ 主な事業
- 更生医療の給付
- リハビリテーション事業
- 重度心身障害者医療費の助成
- 在宅重度身体障害者訪問指導事業
- 補装具の交付、修理
3 精神保健対策の充実
■ 現状と課題
平成7年の精神保健法の改正に伴い、従来の「精神病院から社会復帰施設へ」という流れに加えて、「社会復帰施設から地域社会へ」という新しい流れを形成するための精神保健対策の充実が求められています。また、精神障害者のノーマライゼーションを実現するためには、精神疾患に対する偏見や、社会復帰を図るための設備の不足などの多くの課題が残されています。
当町では、現在こころの病を持つ方たちに対して保健所と連携し、デイケア事業や精神保健相談事業を行い精神保健施策を展開しておりますが、社会復帰対策や在宅生活を支援するために地域精神保健対策の充実を図っていくことが重要です。また、思春期、老年期等の人生の各段階に応じたきめ細かい精神保健対策を推進していく必要があります。
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
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1. 適正な医療の充実 | 精神障害者に対して、地域社会で適切な医療の機会が提供できるよう、地域の保健・医療・福祉等関係機関との連携を図り、早期治療及び社会復帰の支援等を推進します。 |
2. 地域精神保健対策の充実 |
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■ 主な事業項目
- 精神障害者保健福祉手帳の交付(保健所)
- 精神保健福祉相談、訪問指導の実施(保健所)
- 社会復帰相談指導、デイケアの実施(保健所)
- 普及啓発の推進
- 精神障害者地域支援(保健所)
4 難病対策の推進
■ 現状と課題
難病患者はその疾病の特質から長期療養を余儀なくされるため、患者・家族の心身の負担が大きくなります。難病患者は増加傾向にあり、患者が住み慣れた地域で安心して医療を受け、また生活できるように支援するためには、地域における保健・医療・福祉の充実及び連携が必要です。
平成9年度から特定疾患治療研究事業の対象となる38疾病患者については、その公費負担申請の窓口が保健所となり、患者把握が可能となりました。それに伴い市町村においては、患者・家族の負担軽減の一環として、保健所主体の難病患者地域保健医療推進事業(医療相談会、訪問指導)を福祉事務所等と共に協力して実施しています。
今後も町としては、保健・医療・福祉の関係機関の連携のもとに、患者・家族の生活の質(QOL)の向上を図る必要があります。
■ 施策の方向
施策の方向 | 内容 |
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1. 保健所による地域医療推進事業の充実 | 保健所が福祉事務所や市町村と連携して行っている医療相談や訪問指導などの難病患者地域保健医療推進事業の充実に努めます。 |
2. 居宅生活支援事業の体制整備の推進 | 難病患者居宅生活支援事業の体制整備を図り、現在実施しているホームヘルプサービス、短期入所、日常生活用具給付等の福祉サービスを難病患者に拡大して提供できるよう努めます。 |
■ 主な事業項目
- 難病患者地域保健医療推進事業(保健所)
- 難病患者居宅生活支援事業
主題:
平成9年度:プラチナ・プラン 羽ノ浦町障害者福祉計画~共に生きる社会を目指して~ No.1
1頁~43頁
発行者:
羽ノ浦町役場
発行年月:
平成10年3月
文献に関する問い合わせ先:
羽ノ浦町役場
徳島県那賀郡羽ノ浦町大字中庄なかれ16-3
電話(0884)44-3111