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とやま障害者自立共生プラン No.2

富山県障害者計画

富山県

5 福祉

(1)地域福祉施策の推進

現状と課題

 障害のある人々が障害のない人々と共に生きていく社会を目指すノーマライーゼーションの理念を実現するには、障害者が地域の一員として安心して生活していけるよう支援を進めていく必要があります。
 障害者が地域で生活していくために必要とする福祉サービスは、その障害の種類や程度によって様々であり、きめ細かなサービスを提供できる体制の整備が重要です。
 近年の核家族化や高齢化の進展によって家庭の介護力は低下してきていますが、障害者の生活環境の改善を図っていくには、ホームヘルプ(訪問介護)サービス等在宅介護を支援するための施策を充実させていく必要があります。

図3-5-1 しあわせが実感できる福祉社会をつくるための施策(複数回答2つまで)
平成8年度県政世論調査による。回答者917人を集計したもの。

図3-5-2 障害者福祉に関して行政が力を入れる必要がある施策(複数回答3つの内の1番目)
平成7年度県政モニター調査による。回答者200人を集計したもの。

 また、在宅の障害者が自立して生活していけるよう、障害の種類等に応じた各種の生活訓練事業等、地域における自立支援のための施策を充実させていくことが重要です。 その他に、住みよい住まいの確保を進め、障害者が地域で自立した日常生活をすごせるよう住宅のバリアフリー化の促進やグループホーム等の設置を図っていくことが大切です。
 さらに、障害者の社会参加が進む中で、障害者が安心して社会生活を送れるように相談・支援体制を一層充実させるとともに、障害者の権利の擁護に努める必要があります。
 精神障害者については、平成7年に改正された精神保健福祉法において福祉施策の理念が新たに加えられたことから、今後、これまでの保健・医療施策に加えて、福祉施策を一層積極的に推進していくことが必要です。

図3-5-3 身体障害者の年齢階級別福祉サービスの希望(複数回答5つまで)
平成7年度身体障害者福祉ニーズ調査による。総回答者17,004件を集計したもの。

図3-5-4 知的障害者の福祉サービスの希望(複数回答5つまでの内の1番目)
平成7年度精神薄弱者実態調査による。回答者4,739人を集計したもの。

図3-5-5 精神障害者の今後利用したい援助等(複数回答)
平成7年度精神障害者社会参加ニーズ調査による。通院者565人を集計したもの。

取組内容

  1. 在宅介護支援施策の充実

    • ア 住民に身近な市町村における障害者計画の策定を支援し、市町村をはじめとした各種組織、団体等の連携・協力により障害者に対する総合的かつ効果的な福祉サービス供給体制の整備を図ります。

    • イ 在宅の重度心身障害者に対するホームヘルパー(訪問介護員)の大幅な増員を図るとともに、心身障害者等のニーズにきめ細かく応えるため「24時間対応等巡回型ホームヘルプサービス促進モデル事業」等を実施し、ホームヘルプ(訪問介護)サービス事業の一層の充実を図ります。

    • ウ 家族の介護負担を軽減するためのショートステイ(短期入所生活介護)事業の利用の促進を図ります。
       また、「在宅障害児(者)デイケアモデル事業」の拡充や「重症心身障害児(者)レスパイトサービスモデル事業」及び「愛のコミュニティバンク普及事業」の充実を図ります。

    • エ 心身障害者が住み慣れた地域でホームヘルプ(訪問介護)サービス、デイサービス(日帰り介護)及びショートステイ(短期入所生活介護)などの福祉サービスを受けられるよう、高齢者福祉施策による在宅福祉事業や施設の相互利用を推進するなど、関連する他制度と連携をとりながら各種施策の効果的実施に努めます。

    • オ 新たに難病患者に対する在宅福祉施策を取り入れ、在宅で長期療養を続ける難病患者のQOL(生活の質)の向上を図るため、ホームヘルプ(訪問介護)サービス、ショートステイ(短期入所生活介護)等の介護サービスの提供について検討します。

    • カ 介護実習・普及センター等において介護技術の普及啓発を図るほか、在宅介護支援センターにおいても、ソーシャルワーカー、看護婦等が高齢障害者等の在宅介護の各種相談に応じ、介護技術や制度の普及に努めます。

      表3-5-1 身体障害者が介護を必要とする日常生活動作

      動作入浴衣服着脱移動排泄食事
      0~17歳6858486151
      18~64歳735623428377353
      65歳~1,4031,178958839716
      平成7年度身体障害者福祉ニーズ調査による。
      各動作の一つでも何らかの介助か必要な2,531人の回答7,896件を集計したもの。

    • キ 介護機器の普及を推進するため、介護実習・普及センター、在宅介護支援センター等で展示・相談を行います。

      図3-5-6 身体障害者の福祉機器の使用及び希望状況
      平成7年度身体障害者福祉ニーズ調査による。
      日常生活動作を「一人でできない」と答えた2,535人を福祉機器毎に集計したもの。

    • ク 「富山県産学官共同研究開発推進プロジェクト事業」や「富山ウェルフェアテクノハウス研究」などにより、各種福祉機器の研究・開発に努めます。

  2. 自立のための福祉施策の推進

    • ア 在宅心身障害者の社会活動への参加と自立を促進するため、「障害者の明るい暮らし促進事業」や「精神薄弱者地域生活プログラム事業」を実施し、障害種別に応じた各種の生活訓練事業等や地域生活に必要な技術習得のための各種プログラムの充実に努めます。

    • イ 一般雇用されることが困難な精神障害者に対する社会適応訓練事業を充実させ、就労の機会を提供するとともに、社会生活への適応のために必要な訓練を行います。

    • ウ 心身障害者向け小規模作業所の運営基盤の安定化、指導職員の資質向上のため、授産施設の分場方式の活用及びデイサービス(日帰り介護)事業の拡充により法定化を推進します。

    • エ 社会福祉総合センター東側ゾーンの障害者の自立支援のための活用について検討します。

    • オ 心身障害者の日常生活における自立、就労及び各種社会活動への参加を促進するため、補装具や日常生活用具の円滑な給付及び制度の充実に努めます。

    • カ 身体障害者が地域で自立した生活ができるよう支援するため、住宅の設備、構造等の改善を図る「在宅重度身体障害者住宅改善事業」等の充実に努めます。

    • キ 知的障害者及び精神障害者の地域での生活を支援するため、グループホームの設置を促進します。

      「グループホーム」とは
       地域社会の中にある住宅(アパート、マンション、一戸建て等)において、数人の障害者が一定の経済的負担を負って共同で生活する形態であって、同居あるいは近隣に居住している世話人により、食事の提供、相談その他の日常的生活援助が行われるもの。

      図3-5-7 精神障害者の今後利用したい住居
      平成7年度精神障害者社会参加ニーズ調査による。通院者565人を集計したもの。

    • ク 障害者の社会参加の促進を図るため、「精神障害者・家族組織支援育成事業」等の実施により障害者や家族の団体を育成、支援し、活動拠点の整備・充実を進めるとともに、これら団体と地域団体等との連携を深め、各種交流活動等の拡充を図ります。

  3. 生活支援のための基盤づくり

    • ア 心身障害者の地域における生活を支援するため、身体障害者相談員や精神薄弱者相談員を設置するとともに、これら相談員への研修等の実施により、資質の向上を図ります。

    • イ 各保健所の保健婦の中から精神保健福祉相談員を養成し、心の健康面から福祉制度面まで精神障害者に対する幅広い相談・指導の充実を図ります。

    • ウ 精神障害者に対して、精神障害者地域生活アドバイザーによる日常生活相談を行うほか、「ふれあい交流事業」や「家族会相談事業」により精神障害者や家族の相談に応じ、励ますことにより、社会復帰の促進を図ります。

    • エ 保健所、福祉事務所、身体障害者更生相談所、精神薄弱者更生相談所、児童相談所、心の健康センター等の行政機関における相談体制を充実させるとともに、その利用を促進するための広報に努めます。

    • オ 障害者の権利を擁護するために、法的手続きや人権等の相談に対して法的助言等を行う体制の充実に努めます。

    • カ 地域総合福祉の推進拠点として整備される富山県総合福祉会館(仮称)において福祉などの総合相談機能の充実や福祉・生活に関する情報の受発信機能の整備を図るなど、障害者に対する生活支援の基盤づくりに努めます。

      表3-5-2 富山県総合福祉会館(仮称)の概要

      1.  設置場所 富山市安住町5番18号
      2.  施設規模 地上7階地下2階 延べ13,358平方メートル
      3.  開館時期 平成11年秋
      4.  施設機能
      (参加型福祉活動の拠点)
      ともに生きるボランティア活動の振興機能ボランティアセンター等
      民間福祉活動の振興・連絡調整福祉諸団体事務室等
      県民のふれあい交流機能県民福祉ホール
      交流サロン
      高齢者生きがい創造センター
      (福祉人材養成の拠点)
      人を育てる研修・研究機能「福祉カレッジ」健康・福祉人材センター
      人材バンク機能「福祉カレッジ」介護実習・普及センター
      (福祉情報受発信の拠点)
      福祉を広げる福祉などの総合相談機能総合相談センター
      福祉情報の利用・学習機能福祉情報センター
      福祉図書室
      福祉機器・住宅改造モデルルーム展示場


    • キ 障害者が日常生活を営むうえで必要とする意思伝達や家庭生活を支援するため、各種生活訓練事業等の充実を図り、地域生活の支援に努めます。

    • ク 障害基礎年金や各種手当等は、障害者の経済的な生活の支援施策として重要な役割を果たしており、さらに制度の周知及び充実に努めます。 また、税制面の各種減免措置や生活福祉資金の貸付制度が活用されるよう周知に努めます。

    • ケ 精神障害者保健福祉手帳所持者が身体障害者手帳等の所持者と同様に各種の優遇措置の対象となるよう関係方面へ働きかけ、精神障害者の自立と社会参加に資するよう努めます。

(2)施設福祉体制の整備

現状と課題

 近年、障害者の高齢化や障害の重度化・重複化が進んでおり、これらの状況に対応した施設の整備を進めることが必要となっています。
 また、在宅福祉に対するニーズの高まりに対応できるよう、地域における在宅福祉を推進するため通所施設、デイサービス(日帰り介護)センター等の整備・充実を図っていくことも重要です。
 さらに、障害の種別や程度、障害者の年齢を踏まえつつ、高齢者福祉施策との連携を図り、障害者がより身近なところで各種在宅福祉サービスが受けられるよう、老人デイサービス(日帰り介護)センター等老人福祉施設等との相互利用を進める必要があります。
 精神障害者施設については、「精神病院から社会復帰施設へ」さらに「社会復帰施設から地域社会へ」という精神保健福祉の流れに沿った施設整備を推進していくことが重要です。
 他方、各種施設の運営に当たっては、リハビリテーションの充実や利用者の生活の質(QOL)の向上を図るとともに、施設の専門的諸機能の地域社会への開放を図ることにより、地域社会との交流を図るなど、ノーマライゼーションの観点をも踏まえた適正な運営に努めることが大切です。

図3-5-8 障害者福祉施設配置図

表3-5-3 障害者種類別福祉施設等の機能

対象障害 身体障害者(18歳以上) 身体障害児、精神薄弱児 精神薄弱者(18歳以上) 精神障害者
施設 身体障害者更生援護施設等 児童福祉施設 精神薄弱者援護施設 精神障害者社会復帰施設
更生・訓練・治療・養育施設

【機能】
リハビリテーション・療育
【肢体不自由児更生施設】
障害の程度の如何にかかわりなく相当程度の作業能力を回復しうる見込のある人を対象とし、更生訓練を行う。

【重度身体障害者更生援護施設】
重度の肢体不自由者に入所により、家庭復帰に必要な日常生活能力の回復に重点をおいた各種のリハビリテーションを行う。
【精神薄弱児施設】
知的障害児を入所により保護するとともに、独立自活に必要な知識技能の習得のための訓練を行う。

【精神薄弱児通園施設】
知的障害児を保護者の下から通わせて、独立自活に必要な知識の習得のための訓練を行う。

【肢体不自由児施設】
肢体不自由児を入所により治療するとともに、独立自活に必要な知識・技能の習得のための訓練を行う。

【肢体不自由児通園施設】
原則として、就学前の肢体不自由児を入所により治療するとともに、独立自活に必要な知識・技能の習得のための訓練を行う。
【精神薄弱者更生施設】
(入所及び通所)
知的障害者を入所・通所により、保護するとともに、その更生に必要な指導訓練を行う。
【精神障害者生活訓練施設】
(援護寮)
家庭において日常生活を営むのに支障がある精神障害者に、低額な料金で、居室その他の設備を利用させ、必要な訓練及び指導を行う。

【精神障害者ショートステイ施設】
(援護寮に併設)
在宅における処遇が一時的に困難となった精神障害者を短期入所させる。
生活施設

【機能】
介護等
【身体障害者療護施設】
身体上の著しい障害のため常時介護を必要とし、家庭では介護が困難な最重度の障害者について入所により、医学的管理の下に必要な援助を行う。
【難聴幼児通園施設】
難聴幼児(難聴に伴う言語障害を含む。)に、早期から聴力及び言語能力の機能訓練を実施するとともに、家庭で適切な指導訓練が行えるよう保護者に指導訓練の技術等を指導する。

【心身障害児総合通園センター】
心身障害の相談、指導、診断、検査、判定等を行うとともに、時宜に叶った療育訓練を行う施設、複数の児童福祉施設の複合体

【重症心身障害児施設・委託病床】
重度の知的障害及び肢体不自由が重複している児童を入所により保護するとともに、治療及び日常生活の指導を行う。
- -
作業施設

【機能】
訓練・作業
【重度身体障害者授産施設】
一定の作業能力を有するが、重度の身体障害のため、特別の設備と職員の準備なしには、就業不可能な障害者を入所により、施設内での自活を目的とする。

【身体障害者通所授産施設】
内容は身体障害者授産施設と同じであるが、利用者は通所者に限られる。
- 【精神薄弱者授産施設】
(入所及び通所)
就業が困難な知的障害者を入所・通所により自活に必要な訓練を行うとともに、職業を提供し自活を援助する。
【精神障害者授産施設】
(入所及び通所)
就業が困難な精神障害者が自活できるよう、低額な料金で、必要な訓練を行う。

【精神障害者福祉工場】
通常の事業所に雇用されることが困難な精神障害者を雇用し、社会生活への適応のために必要な指導を行う。
地域利用施設

【機能】
地域における社会参加の促進等
【身体障害者デイサービスセンター】
身体障害者に通所により創作的活動、機能訓練等の各種サービスを提供し自立の促進や生活の質の向上を図る。

【点字図書館】
視覚障害者に対し点字刊行物や声の図書の閲覧貸出を行う。

【盲人ホーム】
あんま、はり、きゅう等視覚障害者の職業生活の便宜を図るために施設を利用させ、技術の指導を行う。
- 【精神薄弱者デイサービスセンター】
就労が困難な知的障害者が通所して文化的活動、機能訓練等を行うことにより、その自立を図るとともに生きがいを高めることを目的とする。
【精神科デイケア施設】
精神病院等に設置し、医療保険の適用を受けて、作業訓練、レクリエーション指導、生活指導等を通じた治療を行う。
福祉ホーム等

【機能】
地域における生活の場
- - 【精神薄弱者福祉ホーム】
就労している知的障害者が、家庭環境、住宅事情等の理由により住居を求めている場合に低額な料金で入居させ社会参加助長を図る。
【精神障害者福祉ホーム】
現に住居を求めている精神障害者に対し、低額な料金で居室その他の設備を利用させるとともに、日常生活に必要な便宜を供与する。

取組内容

  1. 身体障害者施設福祉の推進

    • ア 障害の重度化に対応するため、身体障害者療護施設の整備を支援します。
       また、施設の重度重複障害者の受入体制が充実されるよう支援に努めます。

    • イ 処遇や環境面に配慮し、施設利用者の生活の質(QOL)を向上させるような施設運営の支援に努めます。
       また、授産施設等の設備・機能の近代化等が図られるよう支援に努めます。

    • ウ 身体障害者デイサービス(日帰り介護)センターの整備を支援し、地域福祉の推進を図ります。
       また、より効果的に身近な施設の利用ができるよう老人デイサービス(日帰り介護)センターや精神薄弱者デイサービス(日帰り介護)センターとの相互利用が促進されるよう図ります。

    • エ 施設が有する専門的知識や技術を活用し、在宅の障害者や家族の支援を行うなど、地域への施設機能の開放に努めます。

    • オ 視聴覚障害者が必要な情報を確保できるよう、情報提供体制(施設等)の充実に努めます。

      図3-5-10 身体障害者の福祉施設の利用希望(年齢階級)
      平成7年度身体障害者福祉ニーズ調査による。1年以内の利用を希望した854人を集計したもの。

  2. 知的障害者施設福祉の推進

    • ア 県内の知的障害者の中核的施設である「セーナー苑」の改築・整備を支援するなど、障害の重度化に対応した精神薄弱者更生施設の整備を図ります。
       また、施設利用者の処遇体制の充実に努め、QOL(生活の質)の向上を図ります。

      表3-5-4 社会福祉法人セーナー苑の施設整備計画

      年度施設種別施設名入所定員
      H7精神薄弱者授産施設はるかぜの丘一般80名
      H8精神薄弱者更生施設ほほえみの丘重度高齢者80名
      H9~10身体障害者療護施設わかくさの丘60名
      H10精神薄弱者更生施設やまびこの丘重度情緒行動障害他70名 一般30名
      H11精神薄弱者更生施設のぞみの丘重度40名 一般20名

      図3-5-11 知的障害者の社会福祉施設の利用希望
      平成7年度精神薄弱者実体調査による。社会福祉施設等への入所を「希望する」と回答した1,491人を集計したもの。

    • イ デイサービス(日帰り介護)センターやショートステイ(短期入所生活介護)専用床などの整備を積極的に推進し、地域福祉の推進を図ります。

    • ウ グループホーム等の設置を推進し、施設利用者の自立や社会復帰を促進するための支援体制の充実を図ります。

    • エ 一般雇用が困難な知的障害者の福祉的就労の場を確保するため、授産施設、小規模作業所等の施設の整備・運営への支援を行います。

  3. 精神障害者施設福祉の推進

    • ア 精神障害者社会復帰施設については、平成8年2月に富山県精神保健福祉審議会から意見具申された「富山県における社会復帰施設整備計画の基本的方向」に基づき、精神障害者社会復帰モデル施設「ゆりの木の里」を中核拠点施設として、障害保健福祉圏域ごと、市町村ごとに体系的に整備を進めることとしています。

      精神障害者社会復帰モデル施設「ゆりの木の里」の整備・運営
       通所授産施設、福祉工場、生活訓練施設(援護寮)のほか、地域生活支援センター、地域交流施設の5つの施設からなる複合施設であり、県内施設の中核拠点かつ全県単位のモデル施設です。
      • 実施主体 社会福祉法人富山県精神保健福祉協会
      • 設置場所 富山市五福地内
      • 表3-5-5 施設概要
        整備年度施設名称定員目的・内容
        H8通所授産施設30人作業訓練の場(製パン、電子部品組立等)
        地域生活支援センター-在宅精神障害者の相談、憩いの場(喫茶、入浴)
        H9生活訓練施設(援護寮)20人入所により日常生活訓練を行う場
        ショートステイ
        (短期入所生活介護)
        2人短期入所施設
        福祉工場20人就労の場(電子部品組立、クリーニング)
        地域交流施設-多目的ホールでの地域住民との交流の場
      • 施設の特徴
        1. 生活支援や地域交流に配慮した施設を含む複合的な施設
        2. 高度な訓練を行う福祉工場を整備
        3. 市街地に立地し、地域住民との交流が図りやすい。
        4. 精神保健福祉関係者の全県的組織である精神保健福祉協会が整備
        5. 整備及び運営のノウハウを他の県内施設に普及させる。
        6. 通所授産施設・福祉工場棟と施設外の道路をブリッジにより直結し、一般県民の施設利用を容易にする。
        7. 地元住民と精神障害者との交流のための地域交流施設(多目的ホール)を設置

    • イ 通所授産施設、福祉ホーム、地域生活支援センター等の社会復帰施設については、障害保健福祉圏域ごとに整備を図ります。

    • ウ 地域における在宅支援の拠点となる共同作業所やグループホームについては、概ね市町村単位に整備を図ります。

      表3-5-6 富山県における精神障害者社会復帰施設整備計画の基本的方向

      区分内容施設区分
      全県単位で整備全県的視野の下に、他の社会復帰施設のモデル的施設となる法定施設を整備する。援護寮、福祉工場、入所授産施設、複合型社会復帰施設
      障害保健福祉圏域ごとに整備通所型を中心とした法定施設を整備する。通所授産施設福祉ホーム
      概ね市町村単位の地域ごとに整備住み慣れた地域で、概ね市町村単位に設置されていることが望ましい施設を整備する。共同作業所グループホーム

      表3-5-7 精神障害者社会復帰施設等体系図

      《入院治療》

      《通院治療》
      〈生活の場〉
      (入所施設)
      〈作業訓練の場〉
      (通所施設等)
      〈自助活動の場〉
      (相談・サポート体制)
      援護寮
      (生活訓練施設)

      ショートステイ
      (短期入所生活介護)

      福祉ホーム

      小規模社会復帰施設

      グループホーム
      共同作業所

      通所授産施設

      入所授産施設

      福祉工場

      社会適応訓練事業
      精神科デイケア

      保健所デイケア等

      憩いの家(自主的な集まり)

      地域生活支援センター
      (生活相談、食事・入浴等各種サービス)

      【患者会・家族会等自助グループの育成】

      地域交流施設

      《社会復帰・自立》


    • エ 特別養護老人ホームにおける痴呆性老人の入所に対応できるような施設・設備の整備に対して補助を行う「痴呆性老人専用居室整備事業」を推進します。

      図3-5-11 特別養護老人ホームにおける痴呆性老人専用居室整備状況
      数値は累積

      資料:高齢福祉課

(3)福祉を担う人材の養成・確保

現状と課題

 福祉ニーズの多様化に対応し、質の高い専門的福祉サービスを提供するため、その担い手である介護福祉士等専門的な職員に対する需要がますます増加する状況にあり、今後、これらの職員の養成・確保及び資質の向上を図る必要があります。
 特に、在宅福祉を支えるホームヘルプ(訪問介護)サービスについて、利用者の希望に応じたきめ細かいサービスを提供するため、担い手であるホームヘルパー(訪問介護員)の養
成・確保を図るとともに、その資質の向上を図っていくことが重要です。さらに、ホームヘルパー(訪問介護員)が専門職員として働きがいを持って活動できるような体制づくりを進めていくことが大切です。
 また、施設において、より適切な療育が行われるよう療育の方法・技術の普及・確立を図るため、施設職員等関係職員の研修の充実に努めていく必要があります。
 他方、障害者の地域における自立を支援し、社会参加を促進するため、手話通訳、点訳、要約筆記等の専門的知識や技術を持った人材の養成・確保に努めていく必要があります。

取組内容

  1. 専門的職員の確保

    • ア 社会福祉士、介護福祉士等の養成を促進するため福祉系専門教育機関の整備に対する支援に努めます。
       また、介護福祉士等の資格取得を目指す学生に対し、修学資金の貸与を行うなど専門的職員の養成・確保に努めます。

      表3-5-8 社会福祉士及び介護福祉士登録者数の推移(各年3月末日現在)

      平成4年平成5年平成6年平成7年平成8年
      社会福祉士1019263342
      介護福祉士191317436592789
      資料:社会福祉課

      表3-5-9 社会福祉士及び介護福祉士の養成機関

      区分施設名定員(1学年)設置時期備考
      社会福祉士富山福祉短期大学社会福祉学科100人H9年4月国家試験受験資格取得
      介護福祉士富山女子短期大学
      富山医療福祉専門学校
      北陸ビジネス福祉専門学校
      福祉学科
      介護福祉学科
      介護福祉学科
      80人
      80人
      40人
      H8年4月
      H9年4月
      H9年4月
      資格取得
      資格取得
      資格取得


    • イ 富山県福祉カレッジにおいて、ケアマネージャー(介護支援専門員)養成研修を充実し、実習指導者養成研修を新設するなど専門的な職員の養成を図るとともに、社会福祉事業従事者に対する階層別研修や専門研修を実施し、その資質の向上に努めます。

    • ウ 富山県福祉カレッジの健康・福祉人材センターにおいて、社会福祉事業の従事経験者及び新たに従事を希望する者への就業援助や情報提供を行うとともに、社会福祉事業経営者に対するセミナー等を行うことにより、福祉人材の確保の支援に努めます。

    • エ 精神障害者社会復帰施設等の職員に対して研修を実施し、人材の養成、資質の向上を図ります。

    • オ 民間社会福祉施設が職員の資質の向上のために行う研修事業等の実施を支援します。

  2. 在宅福祉を支える人材の養成

    • ア ホームヘルパー(訪問介護員)の養成及び資質の向上を図るため、富山県福祉カレッジなどにおける養成・現任研修体制の整備に努めます。

      表3-5-4 ホームヘルパー養成研修実施状況(終了者数の推移)

      区分H3年度H4年度H5年度H6年度H7年度合計
      1級研修24人28人25人31人41人149人
      2級研修-29人98人220人314人661人
      3級研修38人117人135人173人308人771人
      合計62人174人258人424人663人1,581人


    • イ ホームヘルパー(訪問介護員)が専門職員として働きがいを持てるよう、イメージアップと人材確保のためのキャンペーンを実施します。
       また、ホームヘルパー(訪問介護員)の活動を支援するため、活動中のけが等に備える「在宅サービス基盤づくり事業」を行います。

    • ウ 在宅介護支援センター職員に対して事業の展開やセンターの運営に関する研修を行い、センターの活性化を図ります。

  3. 専門的知識・技能を有するボランティアの養成

    • ア 視覚障害者の福祉に理解と熱意を有するボランティアに対し、点訳や朗読の指導を行い、点訳奉仕員や朗読奉仕員の養成に努めます。
       また、視覚障害者の歩行訓練など各種生活訓練を行うボランティアの養成に努めます。

    • イ 聴覚障害者の意思伝達を円滑にする手話通訳者の養成・確保に努めるとともに、広く手話の普及を図るため、手話指導者の養成に努めます。

    • ウ 手話取得の困難な中途失聴者や難聴者の意思伝達手段である要約筆記を行う要約筆記奉仕員の養成に努めます。

    • エ 専門知識・技能を有するボランティアが、健康でやりがいをもって活動できる環境づくりに努めます。

6 生活環境

(1) 福祉のまちづくりの計画的推進

現状と課題

 障害者が地域社会で豊かで自立した生活をし、自由に活動できるようにするためには、個々の障害者に対する福祉サービスの充実だけでなく、建築物、道路、公園等の日常生活に必要とされる施設のバリアフリー化を図っていくことが不可欠です。
 身体障害者ニーズ調査では、外出の上で不便を感じることとして「道路の段差」、「トイレ」、「交通機関」、「公共の建物」、「駅の階段」、「歩道が狭い」等、日常的に利用する設備等が多くあげられています。今後、これら施設・設備の整備を推進していくことが必要です。

図3-6-1身体障害者が外出の上で不便を感じること(設備等)
平成7年度身体障害者福祉ニーズ調査による。回答者4,347人、総回答数9,496件を集計したもの。

 また、整備にあたっては、道路や建築物などの施設間の移動の連続性が面的に確保されるよう留意することが重要です。
 そのため、道路や建築物を所管する行政各部門の連携を図るとともに、県民福祉条例に基づき、市町村、事業者、県民等と一体となって、障害者、高齢者、児童等すべての人々が暮らしやすいまちづくりを進めていく必要があります。
 ハード面の整備が行われたとしても、自転車の放置等により歩道の幅を狭くしたり、点字ブロックの連続性を妨げるようなことがあっては、本来の効果を発揮することができません。
 このため、広く県民に対して福祉のまちづくりの意義について啓発を行うなど、ソフト面からのアプローチも欠かすことができません。

「バリアフリー」とは
 障害のある人が社会生活をしていくうえで障壁(バリア)となるものを除去するという意味で、元々住宅建築用語で登場し、段差等の物理的障壁の除去をいうことが多いが、より広く障害者の社会参加を困難にしている社会的、制度的、心理的な全ての障壁の除去という意味でも用いられる。

取組内容

  1. 推進体制の整備

    • ア 県民福祉条例に基づき、福祉に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため「福祉基本計画」を策定するとともに、「富山県民福祉推進会議」を設置し、市町村、事業者及び県民と連携して各種施策を推進することにより、住民参加による福祉のまちづくりの一層の推進に努めます。

    • イ 生活関連施設の整備等を進めるため、県民福祉条例施行規則を定め、具体的な整備基準の設定を行います。
       また、福祉のまちづくりを推進するため、新築等における事前届出の手続きを具体化し、指導又は助言や勧告及び公表等により条例の実効性の確保を図ります。

      表3-6-1 県民福祉条例生活関連施設整備関係規定比較

      項目建築基準法建築基準法施行条例ハートビル法県民福祉条例
      目的 建築物の敷地、構造、設置及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図る。  地方公共団体は、特殊建築物の用途又は規模により、条例で建築物の敷地、構造又は設備に関して安全上、防火上又は衛生上必要な制限を付加することが出来る。
      (法第40条)
       高齢者、身体障害者その他で日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受ける者が円滑に利用できる建築物の促進のための措置を講ずることにより建築物の質の向上を図る。 高齢者、障害者等が生活関連施設を円滑に利用できるものとするため、生活関連施設の構造及び設備の整備に関し、必要な基準を定める。
      対象施設■建築物■特殊建築物
      1不特定又は多数の者の用に供する建築物
      2火災発生のおそれ又は火災荷重が大きい建築物
      例:学校、病院、百貨店、工場、倉庫、車庫、と畜場、汚物処理場
      ■特定建築物
      1不特定かつ多数の者の利用に供する建築物
      例:病院、劇場、観覧場、百貨店
      ■建築物
      1不特定かつ多数の者の利用に供する建築物
      2高齢者、障害者等の利用に特に配慮を要する建築物
      例:病院、劇場、観覧場、百貨店、社会福祉施設、官公庁舎等
      ■道路
      ■公園
      ■公共交通機関の施設
      整備対象項目敷地、構造、設備、用途敷地、構造、設備出入口、廊下、階段、エレベーター、便所、駐車場、敷地内の通路■建築物 出入口、廊下、
      階段、昇降機、便所、駐車場、敷地内の通路、客室、客席、案内表示
      ■道路 歩道
      ■公園 出入口、園路、駐車場、案内表示
      ■公共交通機関の施設改札口、乗降場、通路、階段、昇降機、案内表示、便所
      責務基準遵守義務措置努力義務整備基準遵守義務
      実効性の確保確認申請

      違反措置
      (工事停止、使用禁止等)

      罰則
      必要ある時
      (面積に係わらず)

      指導助言

      指示(2,000平方メートル以上)
      届出(特定生活関連施設)

      指導・助言

      勧告・公表
      既存建築物 既存不適格建築物は適用除外とする。ただし、増改築等を行った場合は既存も含めて遡及適用とする。 既存部分はすべて適用除外 既存部分は、適合状況把握及び適合努力義務


      「ハートビル法」とは
       「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の推進に関する法律」の略称であり、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる建築物の建築の促進を図ることを目的として平成6年6月に制定された。
       本法は不特定かつ多数の者が利用する建築物の出入口、昇降機、便所等を高齢者、身体障害者等が円滑に利用するための措置について、建築主に努力義務を課すとともに、当該措置に関する建築主の判断基準を定め、都道府県知事による指導及び支援のための措置等について規定している。

  2. 地域ぐるみの推進

    • ア 県民福祉条例の基本理念に則り、すべての県民が互いに支え合い、共に生きる社会を実現するために、福祉のまちづくりに関するシンポジウムの開催、ビデオ・コンクールの実施、提案の募集等により福祉のまちづくりの普及啓発を図ります。

    • イ 整備基準マニュアル、整備基準普及啓発用パンフレット、ポスター等の作成により福祉のまちづくりの普及啓発に努めるとともに、整備基準について、市町村、民間事業者、建築士等に対して研修を行うことにより、関係者への周知を図ります。

    • ウ 市町村が、福祉のまちづくりのモデル地区を設定して、地域ぐるみの取組みによる地区内の整備を推進するためのソフト・ハードを含めた総合的計画策定に対して、「まちづくり総合推進計画策定事業」による支援を行います。

    • エ 「障害者や高齢者にやさしいまちづくり事業」により、市町村がやさしいまちづくりを目指して、地域の人々の合意に基づいて総合町な計画を策定し、公共施設等の改善を行うよう支援します。

(2) 住みよい生活環境の整備

現状と課題

 障害者が住み慣れた地域で快適に生活するためには、各種在宅福祉サービスを受けるための不可欠の場である住宅について、バリアフリー化のための各種支援を進めなければなりません。
 肢体不自由者の半数近くが今後住宅を改造したいと希望していますが、身体障害者の住宅改造を行う際には、一人ひとりの障害に応じた適切な改造が行われるよう、支援を行っていく必要があります。

表3-6-2 身体障害者の障害種類別住宅改造希望

(各欄の上段は実人数、下段の( )内は%)
- ある ない 無回答 合計
肢体不自由 1,530
(44.2)
1,890
(54.6)
39
(1.1)
3,459
(100.0)
内部障害 520
(28.1)
1,310
(70.8)
21
(1.1)
1,851
(100.0)
聴覚・言語障害 349
(30.4)
791
(68.8)
9
(0.8)
1,149
(100.0)
視覚障害 253
(30.4)
570
(68.4)
10
(1.2)
833
(100.0)
合計 2,652
(36.4)
4,561
(62.5)
79
(1.1)
7,292
(100.0)

(資料 平成7年度身体障害者福祉ニーズ調査)

表3-6-2 身体障害者の住宅の改造希望箇所(複数回答3つまで)

改造希望箇所 風呂 便所 玄関 台所 居室 階段 廊下 その他 無回答
肢体不自由 897 781 435 258 291 254 190 90 1
内部障害 254 308 70 138 113 59 30 34 0
聴覚・言語障害 170 209 74 84 94 36 41 24 0
視覚障害 134 140 57 73 51 27 30 16 0

平成7年度身体障害者福祉ニーズ調査による。住宅改造希望箇所5,463件を集計したもの。

 高齢になってからの身体障害の発生が増えてきているため、すべての人に障害が発生する可能性があることを前提として、県民が住宅のバリアフリー化を行うよう、普及啓発を図っていくことが重要です。
 また、公営住宅等についても、身体障害者等に配慮して、その施設・設備を整備していく必要があります。
 さらに、県民福祉条例に基づいて、不特定かつ多数の人々が利用する施設等の整備を促進するため各種の施策を市町村、事業者、県民と一体になって進め、より効果的にバリアフリー化を推進していく必要があります。

取組内容

  1. 暮らしやすい住まいの整備

    • ア 障害者等が住み慣れた地域で安心して生活していけるよう、「在宅重度身体障害者住宅改善事業」及び「高齢者が住みよい住宅改善支援事業」を実施し、住宅のバリアフリー化を支援します。

    • イ 心身障害者等との同居住宅の新築、購入又は改良を行う人に対し、「住みよい家づくり資金融資事業」の低利融資を行うことにより住宅のバリアフリー化を促進し、住みやすい住宅の普及を図ります。

    • ウ 障害者の自立した生活や介護者の負担軽減を支援するため、「バリアフリーモデル住宅」の展示により、バリアフリー住宅等の普及啓発を推進します。
       また、障害に応じた住宅改造を行うため、建築関係の専門家が訪問し、適切なアドバイスを行う「住宅改良ヘルパー制度」等の普及を図ります。

    • エ 障害者等に配慮した公的住宅整備を推進し、新築するすべての公的住宅をバリアフリー化するとともに、「富山県住宅マスタープラン」より、2004年までにバリアフリー化した高齢者向け公共賃貸住宅1,500戸の整備をめざします。
       また、公営住宅への障害者の優先入居を推進するため、入居者の選考に際して一定戸数を障害者用に確保します。

      表III-6-3 高齢化社会に対応したバリアフリー公的住宅建設戸数

      年度平成3年度平成4年度平成5年度平成6年度平成7年度平成8年度
      公営住宅2044086719561,1601,424
      特定公共賃貸住宅03066108154214
      平成3年度以降を累積したもの。
      資料:建築住宅課

  2. 人にやさしい施設、公園等の整備

    • ア 県民福祉条例に基づき、新築等を行う生活関連施設については設置者に整備基準の遵守を、既存の施設については理解と協力を求め、整備基準に適合した施設の整備促進に努めます。

      図3-6-3 人にやさしい施設の整備

    • イ 県内の生活関連施設等の整備状況を紹介する福祉マップを作成し、整備された生活環境の状況等について広く周知を図ります。
       また、今後のまちづくりを推進するための基礎となるデータブックとして活用し、より効果的な整備を図ります。

    • ウ 新築する県有施設のバリアフリー化を行うほか、既存の県有施設についても障害者等にとって利用しやすいものとするため、新たに「福祉のまちづくり事業」により、整備状況を調査し、緊急性の高い施設から逐次、自動ドア、スロープ等の整備を行います。

    • エ 市町村や民間の事業主等が実施する面的なやさしいまちづくりを支援、誘導するため「福祉のまちづくり総合整備事業」を実施し、市町村に対しては「福祉のまちづくり支援事業」による助成の拡充を、民間事業者に対しては新たに「福祉の環境づくり資金」による融資を行うことにより、障害者等の生活環境の整備を促進します。

    • オ 障害者等の市街地での快適かつ安全な移動を確保するための施設整備や障害者等の利用に配慮した建築物の整備等を促進するため、「人にやさしいまちづくり事業」を実施し、ハートビル法の認定基準を満たす建物を認定して、税制上の優遇措置を執るとともに、建築確認に際して基礎的基準について指導を行います。

    • カ 高齢者・身体障害者対応型商店街の整備を促進するため、「商業基盤施設整備事業」により、商店街組合等によるスロープ、身体障害者等対応型駐車場等の施設整備に対して支援を行います。

    • キ 障害者が都市公園を始めとした公園緑地を利用しやすいように、トイレ、園路等を整備するほか、箇所によっては障害者対応エレベーターの設置も検討するなど、健康づくりやふれあい・交流の場を身近に確保するよう図ります。

    • ク 公園、広場等に単独で設置されている公共トイレをきれいで利用しやすいものとするため、市町村が県作成の「望ましい公共トイレのあり方」等に沿って行う公共トイレの整備事業を支援します。

  3. 利用しやすい交通、移動手段の整備

    • ア 「第6次交通安全施設等整備事業5箇年計画」による各種施策の実施により、身体障害者等が積極的に社会参加できるよう、総合的な交通安全施策及び駐車対策を推進するとともに、幅の広い歩道の整備、歩道の段差解消、視覚障害者用誘導ブロックの設置及び電線類の地中化を推進します。

      表3-6-4 富山県歩道網計画(全区間の内、整備が必要とされる区間の現状)

      区分一般国道主要地方道一般県道市町村道
      整備済240.6354.6270.9592.8
      未整備119.7280.0266.7509.8
      平成7年度策定
      資料:道路課

      表3-6-5 第三期電線類地中化五箇年計画(電線類地中化計画整備延長)

      年度平成7年度平成8年度平成9年度平成10年度平成11年度
      国道6001,0602,8404,9405,100
      県道1,1821,6323,0843,9264,530
      市町村道4869242,2455,9558,705
      数値は各年度末累計、表の単位はメートル
      資料:道路課

    • イ 障害者にとって利用しやすい歩行空間の確保を図るため、駅周辺の自由通路など、不特定多数の人が利用する箇所にはスロープやエレベーターを設置できるよう検討を行います。

    • ウ 交通事業者に理解と協力を求め、障害者が容易に利用できるような鉄道駅舎等の改築・整備の促進に努めます。

    • エ 障害者等交通弱者の地域における移動を容易にするため、路線バス事業者と協力して、低床バス等の導入・運行に努めます。

    • オ 障害者の社会参加を促進するため、リフトを備えた福祉バスの運行事業の充実に努めます。
       また、身体障害者の身近な地域における移動の便宜を図るため、市町村が行うリフト付き乗用車の運行を支援します。

    • カ 身体障害者の日常における移動手段を確保し、社会参加を促進するため、自動車運転免許取得に必要な自動車操作訓練や自動車改造に対し支援を行います。

    • キ 視覚障害者の盲導犬購入に対する支援を行うほか、身体障害者等の外出時の付き添いを行うガイドヘルパーの養成に努め、社会参加の促進を図ります。

(3) 安心して暮らせるまちづくりの推進

現状と課題

 障害者の生活を豊かで快適なものとし、社会参加を促進するためには、障害者が情報の伝達・利用を十分にできるようにすることが不可欠です。社会の高度情報化が進展する中で、障害者もその利便性を十分に享受できるよう、各種情報提供手段の充実に努め、より豊かな量の情報を迅速に提供できる体制づくりを進めていかなければなりません。
 また、障害者が地域で安心して暮らすためには、障害者が犯罪や災害に脅かされることなく社会経済活動等へ参加できるよう、交通安全対策や防犯・防災対策の充実を図るとともに、障害者が安心して道路や交通機関などを利用できるように交通安全思想の普及をはじめとする意識啓発の推進や交通安全施設の計画的整備に努めていく必要があります。
 特に、災害時においては、災害弱者である障害者に対する避難誘導等が迅速かつ適切に行われることが大切であり、生活救援活動や情報伝達等の手段の確保に、より一層努めていかなければなりません。
 さらに、障害者福祉施設利用者の安全を確保するため、施設の防災設備の充実や防災訓練の実施等による災害に備えた体制整備が必要です。

取組内容

  1. 情報提供体制の充実

    • ア 視覚障害者が日常的、社会的生活を営む上で必要な情報を容易に得られるよう、隔月であった県の点字広報及び声の広報(テープ広報)の発行を平成9年度から毎月とするなど、点字、音声等による情報提供の充実を図ります。

    • イ テレビ広報「こんにちは富山県です」の放送に際して、毎月実施している字幕放送に加え、これまで隔月で実施していた手話放送を平成9年度から毎月実施することにより、聴覚障害者に対する情報提供の充実を図ります。

    • ウ 富山県総合福祉会館(仮称)に福祉情報システムを構築し、同会館を福祉情報の受発信の拠点として整備することにより、障害者等に対する情報提供機能の整備に努め、障害者等のQOL(生活の質)の向上を支援します。

      図3-6-4 福祉情報システム概念図

    • エ 社会環境の情報化に対応して障害者の社会参加を促進するため、障害者がパソコン等の活用によりインターネット等各種情報ネットワークから情報を入手・加工・活用・発信できるよう支援を検討します。

    • オ 基本的な公民権である選挙権の行使が適切に行われるよう、知事選挙、国会議員選挙に際して視覚障害者向けに点字による選挙のお知らせ等を発行するとともに、知事選挙、参議院選挙区選出議員選挙に際して県独自に政見放送手話通訳会を開催し、視聴覚障害者への情報提供に努めます。

    • カ 視聴覚障害者が必要な情報を確保できるよう、点字図書、朗読図書及び字幕(手話)入りビデオカセットの提供サービスの充実を図ります。

    • キ 聴覚障害者が日常生活において必要な意思の伝達ができるよう手話奉仕員、要約筆記奉仕員等の派遣の充実を図ります。
       また、県職員研修所で県及び市町村の職員を対象とした手話講座を開催するなど、聴覚障害者が県及び市町村の窓口や災害時等における意思疎通を円滑に行えるよう図ります。

  2. 交通安全対策の充実

    • ア 「第6次交通安全施設等整備事業5箇年計画」に基づき、視覚障害者用信号機及び弱者感応信号機並びに歩行者感応信号機等交通安全施設の整備を進めるほか、歩行者等の安全を確保するため歩道の設置、交差点の改良等を行うなど障害者が安心して道路を利用できるよう、やさしい交通環境の整備を推進します。

      表3-6-6 視覚障害者用信号機等交通弱者対策用交通安全施設の整備状況

      年度平成4年度平成5年度平成6年度平成7年度平成8年度平成12年度
      視覚障害者用信号機56657391101140
      弱者感応信号機058141941
      歩行者感応信号機0000211
      数値は各年度末、12年度は第6次交通安全施設等整備事業5箇年計画の予定数による。
      資料:交通規制課

    • イ 交通安全思想の普及を図るため、富山県交通安全アドバイザーによる巡回訪問指導、街頭における保護誘導・実地指導、地域における住民への啓発を行います。

  3. 防災対策の推進

    • ア 「富山県地域防災計画」による各種施策の推進を図り、障害者に対する防災対策に関する知識の普及や市町村の障害者に関する防災計画策定の指導の推進を図るとともに、社会福祉施設等の防災体制の整備に努めます。

    • イ 災害時に障害者に対する避難誘導やボランティア活動がスムーズに行われるような体制づくりの推進に努めます。

    • ウ 聴覚・言語障害者の緊急時の安全確保のため、警察への緊急通報手段として、フリーダイヤルの専用ファクシミリ(0120-024-294)の周知を図るため、広報等を推進します。

    • エ 心身障害者等の世帯で除排雪を行うことが困難なものに対する適切な援護を行うため、「富山県総合雪対策条例」等により総合的に施策を実施し、地域住民の自主的な共同除排雪活動やボランティア活動への支援、「ひとり暮らし老人等除雪支援事業」の推進に努めます。

7 スポーツ、文化等

(1) スポーツ活動の振興

現状と課題

 障害者スポーツは、これまで主にリハビリテーションの一環として捉えられてきましたが、今後は、競技性の向上による自己の可能性の追求、競技を通じた仲間づくり、QOL(生活の質)の向上、各種大会開催を通じた地域との交流促進、啓発広報活動といった面からのスポーツ活動の支援も重要です。
 このため、障害者のスポーツへの参加機会の確保やスポーツに関する情報の提供を充実させるとともに、障害者が日常的に気軽にスポーツに親しみ、参加できるよう、その振興を図るほか、障害者スポーツに対する県民の理解を深めるよう努める必要があります。
 また、障害者が競技者・観戦者いずれの立場に立っても容易にスポーツ施設を利用できるようにするための整備・改善を進めていく必要があります。
 さらに、障害者スポーツの専門的知識を有する指導者の養成等を行っていくことも大切です。
 特に、平成12年に本県で開催される第36回全国身体障害者スポーツ大会に向けて、会場となるスポーツ施設の整備をはじめとして、ボランティア等の養成などを計画的に進めていくための体制づくりを行う必要があります。
 他方、知的障害者のスポーツ活動については、身体障害者のスポーツ活動に比べて取り組みが遅れていましたが、平成4年の「国連・障害者の十年」の最終年を契機に知的障害者の全国スポーツ大会(ゆうあいピック)が毎年開催されるようになったことから、同大会への派遣をはじめとした取り組みを一層強化していく必要があります。

図3-7-1 現在行っているスポーツ(複数回答3つまで)
平成7年度身体障害者福祉ニーズ調査による。総回答数1,190件を集計したもの。

取組内容

  • ア 身体障害者スポーツの普及啓発を図るため、スポーツに関する情報提供、身体障害者スポーツ用具の貸与を充実させるとともに、県身体障害者体育大会を開催するなどスポーツ活動に気軽に参加し、親しめるような機会の確保に努めます。

    図3-7-2 今後取り組んでいきたいスポーツ(複数回答3つまで)
    平成7年度身体障害者福祉ニーズ調査による。総回答数782件を集計したもの。

  • イ 身体障害者のスポーツ人口の拡大及び競技水準の向上を図るため、全国身体障害者スポーツ大会をはじめとした全国規模大会への選手派遣等を奨励し、支援するため、「全国身体障害者スポーツ大会派遣事業」や「身体障害者スポーツ全国規模大会選手派遣事業」を推進します。
     さらに、世界水準の選手の国際的なスポーツ大会への参加を支援し、その活躍の場の拡充を図ります。

    表3-7-1 国際大会への富山県選手の参加

    年度大会名開催地参加人数種目
    第6回極東・南太平洋身体障害者スポーツ大会(フェスピック)中国
    (北京)
    2名水泳
    '96カナダ国際身体障害者スキー選手権カナダ
    (ウイスラー)
    1名チェアスキー
    '96ワールドカップ身体障害者アルペン競技大会オーストリア
    (レッヒ)
    2名チェアスキー
    第10回パラリンピックアメリカ
    (アトランタ)
    1名水泳


  • ウ 各種スポーツ教室を開催することにより、競技力の向上やスポーツ人口の拡大を図り、競技スポーツの振興を目指すとともに、日頃スポーツを行う機会の少ない障害者に適した新たなスポーツの開発・普及を推進し、生涯スポーツの振興に努めます。

    表3-7-2 身体障害者スポーツ教室実施種目

    平成6年度水泳、卓球、アーチェリー、ボウリング、スキー
    平成7年度追加ろうあ陸上競技、盲人野球、聴覚バレーボール、車椅子バスケットボール、チェアスキー
    平成8年度追加ろうあボウリング、ツインバスケットボール


  • エ 知的障害者のスポーツ活動の振興を図るため、各種スポーツ大会やスポーツ教室を充実させ、競技種目の増加や指導者の育成を図るとともに、知的障害者の全国スポーツ大会(ゆうあいピック)へ選手団を派遣し、社会参加の促進を目指します。

  • オ 「精神障害者レクリエーション大会」を開催し、県内の精神障害者が一同に集い、レクリエーション競技を行うことを通じて、相互の交流を図り、社会参加能力の向上をめざします。

  • カ 障害者を含むすべての県民が気軽にスポーツ・レクリエーション活動に参加できるよう、各種スポーツ・レクリエーション大会の開催の促進に努めます。

  • キ 平成12年に本県で開催される第36回全国身体障害者スポーツ大会「きらりんぴっく富山」を2000年とやま国体と一体となった大会として開催し、全国から参加する選手と県民のふれあいの感動がきらりと光り輝くスポーツの祭典となるよう努めます。
     この大会に向けて、身体障害者のスポーツ活動の振興、選手・指導者・審判員の育成・強化、競技人口の拡大等を推進するなど、各種事業の展開に努めます。
     また、各種ボランティア等の養成及び研修を計画的に行い、大会に向けての体制づくりを推進します。

    第36回全国身体障害者スポーツ大会の概要
    ○愛称
    きらりんぴっく富山
    ○スローガン
    自分にチャレンジ!あしたにチャレンジ!!
    1 主催 
    厚生省、(財)日本身体障害者スポーツ協会、富山県、富山市、富山県社会福祉協議会、富山県身体障害者団体協議会、富山県身体障害者スポーツ協会
    2 会期
    平成12年10月28日(土)~29日(日)
    3 会場
    富山県総合運動公園富山県陸上競技場のほか富山市内の競技施設
    4 競技
    (個人競技)
    陸上競技、水泳、卓球、アーチェリー
    (団体競技)
    車椅子バスケットボール、グランドソフトボール、バレーボール

(2) 文化活動等の振興

現状と課題

 施設入所者や在宅者を問わず、障害者が様々な文化活動やレクリエーション活動を行うことは、日々の生活の中に喜びや生きがいを創造し、人生を豊かで潤いのあるものとして、障害者のQOL(生活の質)を高めることにつながります。
 さらに、様々な活動を行っていく中で、その人の持っている優れた才能を開花させるきっかけとなる可能性もあります。
 また、文化活動等は、障害の有無を問わず様々な人々が交流し、共感することを通じて、より幅広い交流を可能とするものであり、こうした活動が、地域社会へのノーマライゼーションの理念の浸透の契機となるよう努めていくことも大切です。
 このため、障害者の主体的な文化活動を支援するとともに、各種文化活動へ参加しやすくなるよう情報の提供や参加機会の確保を促進する必要があります。
 他方、各種のレクリエーション活動は、障害者と地域の人々とのふれあいの場の一つであり、障害者が社会の一員として共に楽しみを享受できるよう、障害者の参加を前提として企画、実施されることが必要であり、県民みんなが参加し、楽しめる機会を増やし、地域におけるノーマライゼーションの理念の実現を促進していくことが重要です。

図3-7-3 現在行っているレクリエーション・文化活動(複数回答3つまで)
平成7年度身体障害者福祉ニーズ調査による。総回答数2,965件を集計したもの。

取組内容

  • ア 障害者が文化活動の担い手として創作・発表・鑑賞が出来るよう、文化活動の場の整備に努めるとともに、様々な手段により文化に関する情報の提供に努めます。

    図3-7-4 今後取り組んでいきたいレクリエーション・文化活動(複数回答3つまで)
    平成7年度身体障害者福祉ニーズ調査による。総回答数2,336件を集計したもの。

  • イ 障害者施設における文化・レクリエーション活動を推進するとともに、施設が地域における文化・レクリエーション活動の拠点となるよう支援します。

  • ウ 障害者団体による芸術作品展の開催等障害者の主体的な文化活動に対する支援の充実に努めます。

  • エ 「こころの健康フェスティバル」会場における精神障害者の作品展示など、精神障害者の文化活動の発表の場の提供に努めます。

  • オ 障害者が国際社会の一員として諸外国の人々と直接交流することにより、新たな視点から社会参加に取り組む契機となるよう、障害者による国際交流の推進を支援します。

4 推進に当たって

1 みんなで築くあたたかい福祉社会

 現在、本県においては、平成8年9月に制定された富山県民福祉条例に基づき、福祉のまちづくりが総合的に推進されています。これは、これまで元気な成人を基準に行われてきたまちづくりや各種施策を身体機能等の弱い障害者、高齢者、子供等も含めたより多くの県民に対応したやさしいものにしていこうとするものです。

図4-1-1 福祉のまちづくり概念図

 福祉施策については、これまでは、主に個々の障害者等を対象として行われてきましたが、今後は、少子高齢者の進展、家庭の機能や家族の役割の変化あるいは障害者の社会参加の進展といった社会情勢の変化に対応して、ハード、ソフトの両面から社会全体で総合的に対応し、全ての県民が幸せに生きる福祉社会の実現を推進していく必要があります。
 このような福祉社会を築いていくにあたっては、県や市町村による施策の推進のみならず、広く県民、企業等にあっても、社会の一員として積極的な対応を行っていくことが望まれます。
 幅の広い歩道、点字ブロック等施設の整備を十分に行ったとしても、その機能を十分に発揮させるためには、それらを必要とする障害者等の利用を妨げないようにする人々の協力が必要です。
 また、障害者にあっては、個々の障害の種類・程度に応じてニーズが一人ひとり異なることから、福祉のまちづくりや定型的な福祉施策だけでは十分とは言い難い場合も想定されます。このような場合に地域で共に暮らす人々のさりげない手助け等がうれしく感じられることも多いと思われます。
 きめ細かい福祉社会の実現を図るには、このように地域の人々の理解と協力が欠かせません。
 このため、プランの推進にあたっては、啓発広報活動のみならず、教育、雇用、保健・医療、福祉、生活環境、スポーツ・文化等の各種施策の展開に際して、障害者と地域の人々やボランティア等との交流・協力や障害者の社会参加活動の周知などを通じて、障害のある人とない人が共に生きるというプランの基本理念が広く浸透するよう努めます。
 また、県民全体による福祉の推進を図るため、県内の各界各層の代表の方々からなる「富山県民福祉推進会議」を設立し、県民福祉条例に基づき、ハード、ソフト両面にわたる総合的な福祉の推進に努めます。
 さらに、県民総ボランティアの輪を広げていこうと県内のボランティア関係機関、団体等によって設立された「ボランティア活動推進富山県民会議」に参画して、県民によるボランティア活動の一層の普及と推進を支援していきます。

富山県民福祉推進会議の概要

  1.  設立目的等
     県民福祉条例に基づくハード、ソフトを含めた総合的な福祉の推進を図るため、平成9年9月1日に設立され、民間の方々を中心に県内各界各層の代表者によって構成される。
  2.  構成
     行政・学識経験者、福祉・保健・医療関係団体代表、教育関係団体代表、事業者団体代表、報道機関、住民団体代表、地域総合福祉活動グループ・ボランティア代表等65名
  3.  所掌事項
    1.  県民等への福祉の意識啓発
       福祉に関するシンポジウムの開催、福祉に関する県民からの提案募集等
    2.  福祉のまちづくりの推進
       福祉のまちづくりに関する提言、優良事例の表彰等

ボランティア活動推進富山県民会議の概要

  1.  設立目的等
     心豊かでふれあいのある地域社会を実現するため、県民のボランティア活動の普及と推進を図り、もって県民総ボランティアの輪を広めることを目的に平成9年9月9日に設立された。
  2.  構成
     ボランティア関係団体、経済労働団体、報道機関、行政機関等県内各界各層の代表者50名により設立された。
     今後は、活動分野別にネットワーク化したボランティア連絡組織で選ばれた団体の代表等20名程度を加えて、70名程度で構成する予定である。
  3.  所掌事項
    1.  ボランティア活動に関する県民の意識の高揚と啓発活動
    2.  県民会議を構成する団体相互の情報交換及び連絡調整
    3.  県民会議を構成する団体の自主的な活動の推進

2 各地域における障害者施策の総合的な展開

(1) 各市町村における施策の総合的な展開

 これまでも、各市町村において、在宅福祉施策をはじめとして各種の障害者施策の充実が図られてきました。
 しかしながら、障害者施策のよりきめ細かな展開を図るためには、住民により身近な市町村において、福祉、保健・医療、教育、雇用・就業、生活環境等の施策の相互連携や総合的な展開が図られることが大切です。特に、校下段階等での総合的な推進体制の整備や高齢者施策との相互連携・利用などについては、市町村段階での調整及び検討が欠かせません。
 このため、各市町村において、障害者福祉に関する総合的な計画を策定し、生活環境等他施策との連携も進めながら、障害者施策のより幅広い展開を図ることが望まれます。
 県としても、所要の協議を進めるとともに、必要な資料を提供するなど市町村障害者計画の策定支援に努めます。

(2) 広域的な施策展開

 障害者は、高齢者に比較すると市町村ごとの対象者が少ないほか、障害の種類によって対応が異なることもあって、施策によっては、1市町村での対応が困難で、広域的に対応せざるを得ない場合が想定されます。
 このような広域的な施策の推進にあたっては、地域的に均衡のとれた施設配置や効果的な施策展開を実現するため、広域的な圏域ごとに、それぞれの現状をふまえながら施設整備や広域的施策について検討を進めることが望まれます。
 このため、障害者施策が保健・医療施策や老人福祉施策と密接な関係があることから、地域医療計画に基づく二次医療圏や高齢者保健福祉計画に基づく高齢者保健福祉圏域と同一の区域を障害保健福祉圏域として設定し、広域的な各種施策の計画的な推進が図られるよう努めます。
 また、施策推進にあたっては、障害保健福祉圏域ごとに、構成市町村のほか、必要に応じて広域的な関係行政機関も含めて、協議・検討を行い、力を合わせて各種施策の総合的な展開・連携を進めることが望まれます。
 また、県としても、圏域の現状、ニーズ及び圏域内の市町村の施策展開の方向性等をふまえて、施策展開の充実や支援の推進に努めます。

図4-2-1 障害保健福祉圏域の設定

3 総合的、計画的な施策の推進

(1) 施策連携の推進

 プランの各施策の推進にあたっては、各施策分野においてそれぞれ相互協議・調整を進め、施策の連携を図ることにより効果的な施策展開に努めます。
 特に、平成11年度に開館予定の総合福祉会館(仮称)の整備にあたっては、県社会福祉協議会などの各種団体の拠点とするほか、福祉カレッジ、ボランティアセンター、福祉機器展示室等を整備するなど総合的な福祉拠点とします。
 また、福祉情報システムの構築を図り、情報面からの施策の連携、総合化を進めます。

(2) 数値目標の設定

 プランの策定にあたり、より具体的な形で計画目標を明示するとともに達成状況を判断しやすいよう、表IV-3-1のとおり主要な項目について数値目標を設定しました。
 数値目標の設定にあたっては、数値化が困難な施策や必ずしも適切とは言い難いものも多いことから、施設等を中心に、平成7年度に実施した身体障害者福祉ニーズ調査や精神薄弱者実態調査の結果等に基づき、数値化を進めました。
 このほか、生活環境等の分野においても、目標年次は違うもののそれぞれの計画において、数値目標を設定しています。
 今後、これらも含めて、数値目標の達成状況等をふまえて、計画的な推進に努めます。

(3) 計画的な進行管理

 障害者団体、関係行政機関、有識者等で構成されている富山県障害者施策推進協議会において、プランの進行状況等を報告したうえで、協議会の意見をふまえ、プランの効果的な推進に努めます。
 このほか、県民福祉条例の推進の観点から、より幅広く進行管理を行うために、富山県社会福祉審議会にも報告することとしています。
 また、県庁内の関係各課で構成する施策推進協議会幹事会を適時適切に開催し、施策の連携及び効果的なプランの実施に努めます。

表4-3-1 とやま障害者自立共生プランにおける数値目標について

区分 7年度末 a 8年度末 17年度末 c 増加割合 a/c
○ 介護サービスの充実
1在宅サービス
 (1)ホームヘルパー
 (2)デイサービスセンター
 (3)ショートステイ

常勤換算48人
0か所
専用17人

常勤換算49人
2か所
専用29人

常勤換算200人
9か所
専用60人

4.2倍
皆増
3.5倍
2 施設サービス
 (1)身体障害者療護施設
 (2)精神薄弱者更生施設

90人
860人

140人
860人

260人
1,100人

2.9倍
1.3倍
○ 地域における自立の支援
1 障害児の地域療育体制の整備
 (1)心身障害児等通園事業

0か所

0か所

2か所

皆増
2 精神障害者の社会復帰の促進
 (1)精神障害者生活訓練施設
 (2)精神障害者社会適応訓練事業
 (3)精神科デイケア施設

0か所
29人
4か所

0か所
31人
6か所

4か所
50人
12か所

皆増
1.7倍
3.0倍
3 障害児・者の支援
 (1)障害児の療育拠点事業
 (2)精神障害者地域生活支援事業
 (3)市町村障害者生活支援事業

1か所
-
-

2か所
0か所
0か所

8か所
8か所
8か所

8.0倍
皆増
皆増
4 障害者社会参加促進事業 - 0か所 9か所 皆増
○ 住まい、働く場、活動の場の確保
1 グループホーム、福祉ホーム 90人 120人 275人 3.1倍
2 授産施設・福祉工場 471人 496人 765人 1.6倍

主題
とやま障害者自立共生プラン No.2 53頁~97頁

発行者
富山県厚生部障害福祉課

発行年月日
平成9年11月

文献に関する問い合わせ先
〒930-80 富山市新総曲輪1-7
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