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ふじのくに障害者プラン実施計画

~ふれあいの21世紀をめざして~

静岡県障害者対策行動計画実施計画

第2章 各論

 

1 実施計画の施策体系

大項目 中項目 小項目
1 ふれあい・共感づくり
    (啓発・広報)
1 啓発・広報活動の推進 (1)啓発・広報活動の推進
2 福祉教育の推進 (1)学校における福祉教育の推進
(2)地域、職場における福祉教育の推進
3 交流・ふれあいの促進 (1)障害者の地域交流
(2)交流・ふれあいの場づくり
4 バリアフリーのまちづくりの啓発 (1)バリアフリーのまちづくりの啓発
5 精神障害者についての社会的な誤解や偏見の是正 (1)精神障害者の正しい知識の普及
2 安らぎの確保と生活の向上
  (保健・医療・福祉・情報・
   文化・スポーツ)
1 健康づくりの推進 (1)健康づくりの推進体制の整備
2 早期発見・早期療育の推進 (1)健康診査体制の充実
(2)療育体制の充実
3 医療・リハビリテーションの充実 (1)総合的なリハビリテーションサービス提供体制の整備
(2)医療の充実
(3)難病対策の推進
4 在宅福祉サービスの充実 (1)在宅福祉サービスの充実
5 くらしの支援 (1)社会参加への支援
(2)福祉機器・用具の普及、拡充
6 相談指導の充実 (1)相談指導体制の整備
(2)相談指導機能の充実
7 施設福祉の推進 (1)障害児施設の成人施設への転換
(2)県立障害者福祉施設の見直し
(3)施設整備の促進
(4)市町村への支援
(5)処遇の向上
(6)施設機能の地域解放の促進
(7)福祉施設の適正な立地の促進等
(8)障害者福祉施設体系の見直しと施設、サービスの総合的利用の促進
8 重度化、重複化、高齢化への対応
 及びサービスの質的向上
(1)支援体制の歳暮とサービスの質的向上
9 権利擁護の推進 (1)権利擁護の推進
10 住宅の整備 (1)賃貸住宅、個人住宅の整備促進
(2)生活支援の機能を持つ共同住宅の整備促進
11 情報の確保 (1)情報提供の充実
12 文化・レクリエーション・スポーツ活動の推進 (1)文化・レクリエーションの振興
(2)スポーツの振興
(3)全国身体障害者スポーツ大会開催への取組み
3 可能性を広げる教育
   (教育・育成)
1 早期教育の充実 (1)早期教育の充実
2 障害児の就学指導 (1)適正就学の推進
3 教育内容の充実 (1)障害や能力適正に応じた教育の推進
(2)社会性を育てる教育の推進
4 教育条件の整備、充実 (1)盲・聾・養護学校等の条件整備
(2)教育条件の充実
5 教育相談体制の充実 (1)教育相談体制の充実
6 後期中等教育段階における施策の充実 (1)高等部教育の充実
4 働く喜びの確保
   (雇用・就業)
1 職業能力の開発 (1)職業訓練の充実
2 雇用対策の推進 (1)総合的な雇用対策の推進
(2)重度化に対応した障害者雇用対策の推進
(3)知的障害者・精神障害者の雇用対策の推進
(4)就労定着化への支援
3 福祉的就労の支援 (1)福祉的就労の場の確保と機能の充実
4 職業リハビリテーション対策の推進 (1)職業リハビリテーション対策の推進
5 障害者の創業等の支援 (1)障害者や障害福祉関係事業の創業の支援
5 ひとづくり
(人材の確保)
1 専門職員の養成、確保 (1)人材の養成・確保
(2)魅力ある職場づくり
2 研修体制の充実 (1)研修体制の充実
3 ボランティア活動の促進 (1)ボランティア活動の支援
6 まちづくり
(生活環境の整備)
1 歩行空間の整備 (1)歩道等の整備
(2)安全な歩行空間の確保
2 移動・交通対策の推進 (1)公共交通ターミナルのバリアフリー化の推進
(2)障害者等に配慮した車両の導入及びバス停等の整備
(3)道路交通環境の整備
(4)運転免許取得希望者に対する利便の向上
3 建築物の整備 (1)公共性の高い民間建築物等の指導・誘導
(2)県や市町村の施設等の整備促進
4 市町村の福祉のまちづくりへの支援 (1)市町村の福祉のまちづくりへの支援
5 農山漁村における生活環境の整備 (1)農山漁村における生活環境の整備
6 公園、水辺空間等オープンスペースの整備 (1)公園等における障害者への配慮
(2)水辺空間整備における障害者への配慮
7 推進体制 (1)県、市町村における推進体制の整備
7 安全な暮らしの確保
    (防犯・防災)
1 在宅障害者の安全確保 (1)防犯・防災対策の推進
(2)緊急時の情報提供・通信体制の充実
2 施設入通所者への安全確保 (1)防災対策の推進
(2)災害時の支援体制の構築の促進
3 防犯・防災知識の普及 (1)防犯・防災知識の普及
4 防犯・防災設備の開発・普及の促進 (1)防犯・防災設備の開発・普及の促進

 

2 分野別の施策

Ⅰふれあい・共感づくり(啓発・広報)

 障害者施策を推進し、障害者の自立と社会参加を促進するためには、県民の障害者に対する理解と認識を深めることが重要であることから、「障害者の日」など様々な機会をとらえ、啓発・広報活動に努めるとともに、学校や地域、職場における福祉教育を推進し、地域活動などへの障害者の参加や障害者団体、社会福祉施設等が行なう交流事業への県民の参加によるふれあいを促進する。
 また、福祉のまちづくりについて県民の理解を深めるため、各種イベントの開催や、街中でのインフォメーション機能を充実する。

1 啓発・広報活動の推進
(1)啓発・広報活動の推進

  •  「障害者の日(12月9日)」、「障害者週間(12月3~9日)」、「人権週間(12月4~10日)」「精神保健福祉普及運動週間(10月の第4週)」、「愛の援聴週間(3月3~9日)」、「県民福祉の日(10月20日)」及び「障害者雇用促進月間(9月)」を中心に、障害者や関係団体、市町村と協調して、各種の啓発行事を開催するとともに、障害のある人とない人が交流する機会を設ける。
  •  「障害者の日」などの啓発活動は、障害者自らが企画・運営に参画するなど主体的な取組みをすることにより、効果的に実施する。  
  •  「県民だより」やテレビ、ラジオ等の県の広報メディアを利用して、障害者に関する情報の提供を行う。  
  •  テレビ、ラジオ、新聞等の報道機関の協力を得て、障害者のスポーツ・文化その他の活動等を積極的に広報する。
  •  その他あらゆる機会を利用して継統的に啓発・広報活動を展開する。

2 福祉教育の推進
(1)学校における福祉教育の推進

  •  小・中・高等学校の児童生徒を対象に、社会福祉への理解と関心を高め、ボランティア活動の実践と祉会連帯の精神を養うため、学校教育活動全体を通して発達段階に応じた福祉教育を実施する。なお、幼稚園や保育園においても発達段階に応じ、思いやりの心を育てるよう努める。
  •  思いやりの心に満ちた地域づくりに取り組めるよう、学校だけでなく家庭や地域への広がりを念頭において、福祉教育実践校を指定し、小・中・高等学校の児童生徒を対象に、社会福祉施設訪問、学校行事での障害者等との交流、清掃活動、点字・手話・要約筆記学習、共同募金への協力などの福祉教育を実施するとともに、指定校終了後も地域福祉交流校事業の実施などにより福祉活動の継統に努める。
平成7年度までの指定枚数
            (累計)
小学校 176校
中学校 137校
高等学校 50校
363校
  •  盲・聾・養護学校と小・中・高等学校、特殊学級と校内他学級との交流教育を推進する。
  •  心の病に対する正しい知識と心を病む人に対する理解を深めるためには、子供のころからの学習活動が必要である。そのために、学校教育、社会教育等における社会復帰施設等の訪問やボランティア活動などを通じての精神保健福祉に関する教育活動の推進を図る。

(2)地域、職場における福祉教育の推進関係団体等と連携し、福祉講演会などの住民福祉教育を充実するとともに、地域社会貢献セミナーなど企業経営者や従業員等を対象とする研修会などを開催し、ボランティア活動の一層の推進を図る。

3 交流・ふれあいの促進
(1)障害者の地域交流、活動への参加の促進

  •  祭りなど広くだれもが興味と関心を持つ地域の行事などに障害者が参加しやすい雰囲気を作るとともに、障害者はこれらの行事などに積極的に参加する。
  •  教育ルネッサンス推進事業(ふれあい夢ステージ)を実施し、人や動物、音楽等とのふれあいを通じて、特殊教育諸学校の児童生徒の豊かな感性を培い、明るくたくましく生きる力を育てるとともに、県民の障害や障害者、特殊教育に対する理解を深める。
  •  身体障害者地域奉仕活動促進事業等を実施し、障害者がボランティア活動に積極的に参加し、障害者の社会参加と地域との交流を促進する。

(2)交流・ふれあいの場づくり

  •  精神薄弱者ふれあい交歓会などを実施し、障害者団体が行う障害者と地域住民との交流や、社会福祉施設及び小規模授産所の人通所者と地域住民との交流を促進する。
  •  社会福祉施設入所者等と近隣住民が交流するための地域交流スペースや地域交流室の設置を促進する。
  •  青少年ふれあい交流事業を実施し、心身に障害のある児童生徒と小中学生等との交流を促進する。
  •  福祉ふれあい海外交流事業(ふれあいの翼)やハンディスキー教室などスポーツ・音楽・芸術活動や旅行などを通じて、障害者と県民の交流を支援する。

4  バリアフリーのまちづくりの啓発
(1)バリアフリーのまちづくりの啓発

  •  福祉のまちづくりについて県民の理解を深めるためのイベントを開催するとともに、障害別の具体的な介助法を解説した読本を作成・配布する。
  •  街中での相談・案内機能を充実するため、「街角インフォメーション」事業を実施する。

5 精神障害者についての社会的な誤解や偏見の是正
(1)精神障害者の正しい知識の普及

  •  精神障害者に対する誤解や偏見は、未だに根強く、それが精神障害者の自立や就労の促進、社会復帰施設の整備等の阻害要因となっていることから、地域住民に対する正しい知識の啓発や施設と地域住民との交流などを通して、その是正を図る。
    • (ア)「心の健康フェスティバル」などの啓発イベントを関係団体と協力、連携して開催するとともに、関係団体の主催する健康づくり事業等に積極的に参加する。
    • (イ)精神保健福祉事業功労者をフェスティバルなどのイベントにおいて積極的に表彰する。
    • (ウ)講演会等を積極的に開催する。
    • (エ)パンフレットなどの啓発冊子を発行する。
    • (オ)精神障害者共同作業所における地域との交流を促進する。
  •  てんかんを持つ子供が差別やいじめの対象にならないよう、てんかんについての正しい知識を普及、啓発する。
  •  アルコール依存症などの依存性の疾病や障害についての正しい知識の普及とその予防活動を促進する。
  •  平成7年5月に改正された「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」において、精神障害についての正しい知識の普及のための広報活動等が市町村の役割の中にも位置付けられたことから、市町村での普及・啓発事業を促進する。

 

Ⅱ安らぎの確保と生活の向上(保健・医療・福祉・情報・文化・スポーツ)

  県民総ぐるみの健康づくりを進めるとともに、障害の早期発見・早期療育体制の充実に努めるほか、医療、福祉、雇用、教育などの各分野のネットワーク化による総合的なリハビリテーションサービスの提供体制を整備する。 また、在宅の障害者の生活を支援するため、ホームヘルプサービス、ショートステイ、デイサービスなどの提供体制や相談指導体制の整備を進め、在宅福祉サービスを充実するとともに、施設への入所を希望する障害者に対応できるよう障害者福祉施設の整備を促進する。
 さらに、障害者の住まいを確保するため、障害者や高齢者が暮らしやすい公営住宅や民間住宅の整備、グループホーム等の生活支援機能を持つ共同住宅の整備を促進するとともに、障害者の生活を豊かにし、社会参加を促進するため、特に、視覚障害者や聴覚障害者への情報提供や文化・レクリエーション・スポーツ活動に対する支援を充実する。

1 健康づくりの推進
(1)健康づくりの推進体制の整備県民総ぐるみのきめ細かな健康づくりを推進するため、住民に対する健康相談、保健指導、健康診査、健康教育などを行う市町村保健センターを平成11年度までに81か所整備するとともに、静岡県総合健康センターと静岡県精神保健福祉センターを中心に、地域の情報ネットワークを構築するなど、安心して水準の高い保健サービスを身近で受けられる体制づくりを進める。

2 早期発見・早期療育の推進
(1)健康診査体制の充実

  •  市町村の乳幼児健康診査、1歳6か月児健康診査、3歳児健康診査の結果、より精密な健康診査を要する乳幼児について精密健康診査、事後指導を実施し、疾病や障害の早期発見、早期療育体制を一層強化する。
  •  さらに、障害児の保護者に対する訪問指導体制を充実するとともに、市町村に3歳児健康診査が移譲された後の県の支援体制を充実する。
  •  学校における健康診査の結果、精密検査を要するとされた児童生徒について、精密検査受診を徹底し、学校医と連携して適切な指導を行う。   
  •  
  •  40歳以上の住民に対して市町村が行う健康診査の結果、要精密検査、要医療と判定された者に対して、かかりつけ医と連携し精密検査の受診、医療機関での受療勧奨などの事後指導を行う。

(2)療育体制の充実

  •  「療育等支援施設事業」を、概ね人口30万人当たり2か所ずつ、県全体で22か所を目標として実施する。
    • ・障害児の通う保育所や心身障害児通園施設等の職員を対象として療育技術の指導を行う。
    • ・障害児(者)やその保護者を訪問し、療育指導や健康診査を行う。
    • ・障害児(者)やその保護者に出向いてもらい療育指導を行う。
    •  
  •  「療育拠点施設事業」を県域1か所で実施する。
    • ・療育等支援施設事業の実施施設に対し総合的な指導・調整を行う。
    • ・障害児やその保護者に出向いてもらい専門的な療育指導を行う。
    •  

3 医療・リハビリテーションの充実
(1)総合的なリハビリテーションサービス提供体制の整備

  •  障害者及び高齢者が障害を克服し、社会的白立を果たすため、治療・診断・評価・訓練等を総合的かつ一貫して行い、医療的分野だけでなく、雇用・生きがいを目指す職業的分野、自立生活訓練などの社会的分野等多方面にわたるサービスを提供する体制を整備することが必要である。 このため、静岡県地域リハビリテーション推進協議会を中心に、医学的分野、教育的分野、職業的分野、社会的分野のネットワーク化を図り、県域、障害保健福祉圏域、市町村域において、各分野が相互に連携を取る。
  •  総合的なリハビリテーションを具体的に提供するため、次の考え方を基に関係機関で検討を行う。
    • (ア)県域では、中核となる病院において高度で専門的な医学的分野のリハビリテーションを提供するとともに、中核となる重度身体障害者更生援護施設や精神薄弱者更生施設等において、高度で専門的な自立生活訓練等を実施する。
      なお、身体障害者更生相談所、精神薄弱者更生相談所、児童相談所、静岡県心身障害者相談センター、静岡県精神保健福祉センターは関係機関のコーディネートを行うとともに、総合的な相談指導機能を充実する。
    • (イ)障害保健福祉圏域では、中核病院が圏域内の住民に対する早期・専門・通院リハビリテーションの提供、圏域内の医療機関・市町村(機能回復訓練事業等)に対する技術指導、圏域内の関係者に対する教育研修、リハビリテーション関連情報の集積・提供を行うとともに、看護婦・PT(理学療法士)・OT(作業療法士)・ST(言語療法士)等の共同確保のための人材供給拠点となるほか、その他の病院において通院リハビリテーションを提供する。
       また、障害者福祉施設において自立生活訓練、機能回復訓練や授産事業を実施する。
       なお、民生事務所及び保健所は、関係機関のコーディネートを行うとともに、保健所では精神保健リハビリテーション事業(デイケア事業)を実施する。
    • (ウ)市町村圏域では、市町村において第1次総合的相談窓口として、ケアマネジメントを行うとともに、健康診査や訪問指導、自閉症児や言語障害児の早期療育、障害児保育や幼稚園での障害児教育等を行うほか、障害者福祉施設において自立生活訓練、機能回復訓練や授産事業を実施する。

(2)医療の充実

  •  健康の維持増進、疾病予防、疾病の早期発見、早期治療から社会復帰に向けてのリハビリテーション、療養指導までにわたる継続的かつ包括的な保健医療の全てに対応するプライマリーケアを推進するため、各医療圏ごとに地域中核病院、へき地医療、救急医療、リハビリテーション等の体系化を促進する。
  •  県立総合病院、県立こころの医療センター、県立こども病院等の中核的医療機関の高度医療・先駆的医療機能を一層強化するとともに、地域の医療機関等との連携を強化する。
  •  新生児救急医療の確保から、妊産婦、胎児、新生児の一貫管理を行う周産期救急医療の確保に向け、母子保健体制を整備・充実する。
  •  高齢者に限らず障害者も対象として看護婦による訪問看護等のサービスを幅広く提供する訪問看護ステーションを平成11年度までに83か所を目標に整備する。
  •  休日夜間等における適切な医療を確保するため、各2次保健医療圏を単位として救命救急センターの整備について検討を行う。
  •  休日夜間等において県民に対する救急医療情報を提供するとともに、救急患者を適切かつ迅速に医療機関に搬送するための消防機関等に情報を提供する救急医療情報システムの見直しや災害医療への対応の検討を行う。
  •  休日夜間等における精神科医療の適切な対応について、精神科救急医療システム連絡調整委員会において検討を行い、県民が安心して精神科医療を受けられる体制を強化する。
  •  精神病院入院患者が質の高い療養生活が送れるよう、病棟の近代化を推進し、療養環境の向上を図る。
  •  腎疾患を原因とした障害者の増加を防止するため、糖尿病患者の療養対策を充実するとともに、これら障害者が必要とする人工透析施設の地域偏在と満床状態の緩和や、就労している要人工透析者が利用しやすくするために夜間の人工透析を充実するよう医療機関に対し働き掛ける。
  •  腎臓移植については、静岡県腎臓バンク及び移植コーディネーターを中心に、関係医療機関の連絡調整を図るとともに、腎臓移植施設の整備及び情報ネットワーク化等腎臓移植体制の整備を促進する。
  •  自閉症専門の児童精神科医の設置を医療機関に働き掛ける。
  •  在宅及び施設入所中の寝たきり者に対する訪問歯科診療について、郡市歯科医師会単位及び県歯科医師会単位で体制を整備する。

(3)難病対策の推進

  •  難病を有する者に対して、ホームヘルプサービス等適切な介護サービスの提供を推進する。
  •  小児慢性特定疾患の患者家族の医療費負担を軽減するとともに、対象児への療育指導を実施する。
  •  難病患者及びその家族の疾病等に対する不安を解消し、地域における在宅医療を促進するとともに、安定した療養生活を確保するため、在宅難病患者を対象とした医療相談事業や訪問診療事業、また患者会等の活動支援を実施する。

4 在宅福祉サービスの充実
(1)在宅福祉サービスの充実

  •  ホームヘルパーの派遣について、早朝、夜間、休日など障害者のニーズに対応できる体制の整備や重度の身体障害者を対象に深夜などにおいても介護サービスを行う24時間対応型サービスの積極的な提供に取り組むよう市町村を指導する。
  •  ガイドヘルパーの派遣について、重度の視覚障害者や全身性障害者のニーズに対応できる体制を整備するように市町村を指導する。
  •  ショートステイ(専用ベッド)の受け入れについて、障害者のニーズに対応できるように次のとおりとすることを目標として整備を促進する。特に、重症心身障害児者の中部地区における受け入れ体制の整備を促進する。
    • (ア)身体障害者、知的障害者、心身障害児、重症心身障害児者
    圏域平成7年度末平成14年度末
    伊豆圏域0床
    熱海伊東圏域2床
    駿東田方圏域12床
    富士圏域19床
    静岡圏域5床
    清庵圏域7床
    志太榛原圏域4床
    中東遠圏域15床
    北遠圏域2床
    西遠圏域17床
    83床160床
    •  
    • (イ)精神障害者
    区分平成7年度末平成14年度末
    全域0所2所

    (注)精神障害者援護寮の概ね3分の1に併設

    •  
    •  在宅の重度障害児者や寝たきり老人等に対し、訪問又は社会福祉施設を利用した入浴・食事サービスを提供する事業を全市町村で実施するよう指導する。
    •  公営住宅や福祉ホーム等に居住する身体障害者を対象とする介護サービスの提供を充実する。

    5 くらしの支援
    (1)社会参加への支援

    •  障害者にとって最も身近な市町村において、福祉バスの運行等移動時の支援施策や手話通訳者の設置、点字広報の配布等コミュニケーション確保の施策など障害者が社会参加するために必要な援助を行う「市町村障害者社会参加促進事業(県事業:障害者の明るいくらし支援事業)」を、概ね人口5万人以上の規模を単位として19か所での実施を促進する。
    •  手話・要約筆記通訳者の派遣について、障害者のニーズに対応して提供できるように、市町村と協力してその提供体制を整備する。  
    •  行政機関の窓口等への手話通訳者の設置を促進する。  
    •  遠距離での移動を容易にするガイドヘルパーネットワーク事業や盲導犬育成事業、精神薄弱者の社会参加活動の支援事業等を推進する。  
    •  障害者の社会参加を促進するため、障害者や支援団体などが地域で独自に行う活動をしやすい環境づくりについて検討する。  
    •  障害者手帳(身体障害者、療育、精神保健福祉)所持者の県立美術館等の公共施設利用料金等の減免を拡充するとともに、精神保健福祉手帳所持者の公共交通機関の運賃割引を関係機関へ働き掛ける。  
    •  精神障害者が地域で安心して生活を送れるように、社会復帰施設等の整備を促進するとともに、医療との適切な連携のもとに地域ケアの充実を図る。
    •  通院中の精神障害者の社会復帰と自立を促進するため、協力事業所に社会適応訓練を委託する精神障害者社会適応訓練事業を、県全体で130人の受入れを目標として実施するとともに、訓練から雇用へつながるよう雇用施策との連携を深める。

    (2)福祉機器・用具の普及、拡充

    •  身体障害児者補装具の交付対象品目を拡充するよう国に要望するとともに、障害者のニーズに合った福祉用具の提供をするため、相談・提供方法の多様化やフォローアップ体制を充実する。  
    •  日常生活用具給付等事業について、給付対象品目を拡充するよう国に要望するとともに、対象品目や対象者が制度の水準に達していない市町村に対し、品目、対象者を拡大するよう理解を求める。  
    •  福祉用具相談担当職員や適合判定等の専門職員の養成、研修を充実し、福祉用具の適正な普及を促進する。  
    •  障害者の日常生活を支援するため、福祉機器の研究、開発を行う「ハイデクケア機器開発事業」を推進するとともに、「ウェルフェアテクノハウス」の活用や福祉機器展の開催などにより、その普及、啓発を促進するほか、市販されている福祉機器等の内容、取扱い店、助成制度、展示会の開催等の情報を積極的に提供する。  

    6相談指導の充実

    (1)相談指導体制の整備
     医療機関や身体障害者更生相談所、精神薄弱者更生相談所、児童相談所、静岡県心身障害者相談センター、保健所、静岡県精神保健福祉センターを中心に、労働や教育などの分野と連携し、障害者やその親等に対する相談、カウンセリングなどの支援体制の整備や親によるサポートグループ作りを促進するとともに、専門スタッフを養成するなど総合的な相談指導体制を整備する。

    (2)相談指導機能の充実

    •  身近な地域において、障害者に対し総合的な相談、生活支援、情報提供を行う「市町村障害者生活支援事業」を、概ね人口30万人当たり2か所ずつ、県全体で22か所で実施する。  
    •  自閉症児に関する専門的な相談・指導ができる機能について検討する。
    •  全ての障害保健福祉圏域に老人性痴呆疾患センターを1か所設置するとともに、その機能を強化する。
    •  地域で生活する精神障害者の日常生活の支援や日常的な相談への対応、地域住民との交流を支援する「精神障害者地域生活支援センターを、社会復帰施設に付置する形で、地域的なバランスに配慮しつつ、県全体で12か所を目標として整備する。
    •  静岡県精神保健福祉センターや保健所による相談指導及び社会復帰促進事業の実施、家族会活動や患者会活動への支援など地域精神保健福祉施策を充実する。

    7 施設福祉の推進
    (1)障害児施設の成人施設への転換

     障害児施設は、出生率の低下や在宅志向の高まりにより需要が減少し、定員を充足できない状況にあるほか、成人施設の不足等により、入所児童の高年齢化や障害の重度化など様々な課題を抱えている。
     このため、障害児の総合療育システムの構築などの課題に対応する中で、児童施設が地域において担う早期療育の役割に配慮しながら、児童施設の成人施設への転換を促進していく。

    •  平成7年度の状況
      単位:人
    施設種別施設数定員利用者
    6歳未満6~1415~1718歳以上
    精神薄弱児施設14670189175195562
    精神薄弱児通園施設260184198
    肢体不自由児施設2741110631154
    231,204198301210205914

    (注)障害児施設のうち、重症心身障害児施設及び肢体不自由児療護施設を除く。

    •  
    •  障害児の推移(推計)
      単位:人
    区分平成7年度末平成14年度末(推計)
    6歳未満6~1415~176歳未満6~1415~17
    身体障害児4721,6426232,7374931,4865172,496
    知的障害児4051,7819603,1464231,6127972,832
    8773,4231,5835,8839163,0981,3145,328

    (注)静岡県の人口推移等を基に、障害福祉課において推計した。

    •  
    •  平成14年度の需要予測
      単位:人
     
    施設種別
    精神薄弱児施設430
    精神薄弱児通園施設200
    肢体不自由児施設150
    780

    (注) 1障害児施設のうち、重症心身障害児施設及び肢体不自由児療護施設を除く。
    2アンケート調査等を基に、障害福祉課において推計した。

    (2)県立障害者福祉施設の見直し

     県立施設は障害者施設が未整備であった時代に、他の公立施設や社会福祉法人施設に先立って設置されたが、障害者福祉施設の整備が進み、しかも社会福祉法人等により地域に根差した特色のある施設運営が行われている現在においては、県立施設の設立当初の目的は十分に達成したと考えられる。このため、市町村や社会福祉法人と担当分野を調整し、社会福祉法人等では対応が困難な高度に専門的処遇を必要とする分野への転換について検討する。

    ・県立県営施設

    施設名基本的考え方
    富士見学園
    (精神薄弱者更生施設)
    障害者の自立と社会参加を支援するための生活訓練等を行うとともに、特別コースを設けるなど、
    重度の行動障害者の処遇を重点的に行う。
    磐田学園
    (精神薄弱児施設)
    強度行動障害児等処遇困難児の処遇を行うとともに、県全体の知的障害児者療育施設の指導を
    行う療育拠点施設として位置付ける。
    浜松学園
    (精神薄弱者授産施設)
    就労訓練機能を充実するとともに、就労している障害者の能力向上のための訓練など知的障害者の
    就労に向けての支援を行う。

    ・県立民営施設

    施設名基本的考え方
    伊豆医療福祉センター
    静岡医療福祉センター
    浜松リハビリテーションセンター
    (肢体不自由児施設)
    肢体不自由児施設に対するニーズは減少傾向にあるが、隣接する肢体不自由養護学校に
    通学している児童・生徒が入所していることから、現行の肢体不自由児施設機能は維持し
    つつ、施設が有する医療機能を活用し、通園事業、ショートステイの実施など重症心身障害児
    者の総合支援を行う。
    三幸協同製作所
    (身体障害者授産施設)
    施設の老朽化に伴い、入居者の居住環境の改善や居住の場所を付加するなどにより、障害者
    の自立促進の機能の強化を検討する。
    あしたか太陽の丘エリア福祉と就労部門が互いに連携を持って、障害者の自立と社会参加を促進するという考え方に
    立ち、障害者の新たなニーズに対応する。

    (3)施設整備の促進

    •  障害者福祉施設整備計画
    施設種別平成7年度整備量平成14年度未整備量
    身体障害者通所施設身体障害者デイサービス施設
    身体障害者通所授産施設(福祉工場含む)
    6所
    140人(4所)
    27所
    210人
    精神薄弱者通所施設精神薄弱者通所更生施設400人(11所)450人
    精神薄弱者デイサービス施設
    生活訓練ホーム
    0所
    22所
    30所
    精神薄弱者通所授産施設340人(9所)500人
    心身障害者小規模授産所1,660人(100所)1,800人
    精神障害者通所施設精神科デイケア施設330人(9所)980人
    精神障害者通所授産施設60人(3所)180人
    精神障害者共同作業所240人(15所)340人
    精神障害者福祉工場0人(0所)30人
    入所施設重度身体障害者更生援護施設260人(4所)320人
    身体障害者療護施設650人(10所)800人
    身体障害者授産施設240人(4所)290人
    精神薄弱者更生施設2,265人(37所)2650人
    精神薄弱者授産施設182人400人
    精神障害者援護寮0人(0所)120人
    重症心身障害児(者)施設重症心身障害児(者)通園施設0所8所
    心身障害児通園施設8所30所
    重症心身障害児施設368人(4所)400人

     通所施設の計画的整備
    身体障害者、知的障害者及び精神障害者の通所施設を、障害者のニーズに対応できるように、次のとおりとすることを目標として整備する。

    (ア)身体障害者デイサービス施設(身体障害者福祉センター、身体障害者デイサービスセンター)

    圏域平成7年度末平成14年度末
    伊東圏域0所
    熱海伊東圏域0所
    駿東田方圏域0所
    富士圏域1所
    静岡県域2所
    清庵圏域1所
    志太榛原圏域0所
    中東遠圏域0所
    北遠圏域0所
    西遠圏域2所
    6所27所

    なお、身体障害者を対象とするデイサービスの提供については、老人デイサービスセンターの利用を促進する。

    (イ)身体障害者福祉的就労施設(身体障害者通所授産施設、福祉工場)

    圏域平成7年度末平成14年度末
    施設数定員定員
    伊東圏域
    熱海伊東圏域
    駿東田方圏域
    富士圏域
    静岡県域
    清庵圏域20
    志太榛原圏域
    中東遠圏域
    北遠圏域
    西遠圏域120
    140210

    (ウ)精神薄弱者更生施設(通所)

    圏域平成7年度末平成14年度末
    施設数定員定員
    伊東圏域
    熱海伊東圏域
    駿東田方圏域90
    富士圏域
    静岡県域40
    清庵圏域50
    志太榛原圏域30
    中東遠圏域110
    北遠圏域
    西遠圏域80
    11400450

    (エ)知的障害者デイサービス施設(精神薄弱者デイサービスセンター、重度障害児者生活訓練ホーム)

    圏域平成7年度末平成14年度末
    伊東圏域0所
    熱海伊東圏域0所
    駿東田方圏域0所
    富士圏域1所
    静岡県域2所
    清庵圏域1所
    志太榛原圏域0所
    中東遠圏域0所
    北遠圏域0所
    西遠圏域2所
    6所27所

    (オ)重症心身障害児(者)通園施設の整備を促進し、重度障害児者生活訓練ホームに通所している重症心身障害児者を重症心身障害児(者)通園施設において処遇するとともに、重度障害児者生活訓練ホームは精神薄弱者でデイサービスセンターへの移行を促進する。

    (カ)精神薄弱者授産施設(通所)

    圏域平成7年度末平成14年度末
    施設数定員定員
    伊東圏域
    熱海伊東圏域30
    駿東田方圏域30
    富士圏域40
    静岡県域60
    清庵圏域50
    志太榛原圏域
    中東遠圏域40
    北遠圏域
    西遠圏域90
    340500

    (キ)心身障害者小規模授産所(身体障害者を含む))

    圏域平成7年度末平成14年度末
    施設数定員定員
    伊東圏域70
    熱海伊東圏域60
    駿東田方圏域12230
    富士圏域11155
    静岡県域11190
    清庵圏域140
    志太榛原圏域19305
    中東遠圏域11170
    北遠圏域60
    西遠圏域17280
    1001,6601,800

    (ク)精神薄弱児通園施設等を利用することが困難な地域において、心身障害児を対象として日常生活訓練や集団生活への適応訓練等を行う「心身障害児通園事業」を保育所等を活用した小規模型により、30か所で実施する。

    (ケ)医学的リハビリテーションにより精神障害者の社会復帰等を促進するため、精神科デイケア施設を、地域的なバランスに配慮しつつ、県全体で980人分を目標として整備を促進する。

    (コ)精神障害者授産施設、共同作業所
    回復途上にある精神障害者に作業訓練の場を提供し社会復帰を促進するため、次のとおりとすることを目標として整備する。

    圏域平成7年度末平成14年度末
    施設数定員定員
    伊東圏域
    熱海伊東圏域10
    駿東田方圏域80
    富士圏域30
    静岡県域30
    清庵圏域20
    志太榛原圏域80
    中東遠圏域10
    北遠圏域
    西遠圏域40
    18300520

    (サ)作業能力はあるが、種々の事由により一般企業に就労できない精神障害者を雇用し、社会的自立を促進するため、福祉工場を県内に1か所を目標として整備する。


    主題:
    ふじのくに障害者プラン実施計画  -13頁~30頁-