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快適で活力あふれる岡山づくり

第5次岡山県総合福祉計画

No.5

岡山県

商工業・流通・観光

課題と施策の方向・製造業

我が国並びに本県を取り巻く社会経済環境は,かつて経験したことのない大きな転換期を迎えている。
その要因は,経済のグローバル化やボーダレス化が急激にすすみ,地域経済にあっても,あらゆる分野で厳しい国際競争から逃れられない時代を迎えていること,経済の質的な面においても,情報,通信分野をはじめとする広範な分野で急速な技術革新がすすむと同時に,経済がものの時代から知識やサービスの時代へ移りつつあること,これまで我が国の経済をけん引してきた自動車,家電などのリーディング産業が急激な円高や国内市場の成熟化等により,今後国内での大きな成長が期待できない状況になってきていることなどである。
こうした状況のなかで,本県の産業を活力あるものとして維持,発展させるため,吉備高原地域テクノポリス構想を推進し,先端技術産業の導入,高度な研究開発機能の集積をはかることによって,地域産業の高度化,高付加価値化を促進する。
企業誘致については,高速自動車道や岡山空港など広域交通網の整備に伴う地理的優位性に加え,情報インフラストラクチャーや高次廃水処理施設等を備えた高機能型工業団地,流通や住宅等の機能もあわせもつ複合型工業団地など特色ある工業団地づくりに努め,新たな産業集積をはかる。また,優良企業や研究所で働く研究者や技術者などが定住したくなるような魅力的な生活環境の整備に努める。
国際化への対応については,グローバリゼーションをビジネスチャンスの拡大ととらえ,国際的な事業展開を行う県内企業に対しては,リスクの回避をはかるべく十分な情報提供などの支援を行う。
中小企業については,中小企業の特性である機動性をフルに発揮して技術開発力を向上させ,新製品の開発や新分野への進出を果たすなど,積極的な構造改革を推進する。
また,活力ある産業構造への改革については,新技術や新しいアイディアなどを生かした新規創業の促進に向けて積極的な施策を展開する。
これまで我が国の優秀な工業製品を支えてきた金型,めっき,鋳・鍛造などの基盤技術の消滅が危ぐされているが,将来本県において,いかなる分野の高度産業を育成するとしても,こうした基盤技術の継承,発展は,本県産業の発展に不可欠なことから,これらの基盤技術の育成振興に取り組む。
構造改革を乗り切ることのできる創造的中小企業の育成のためには,技術力の向上とその基盤となる人材の育成が必要であるため,産・学・官共同研究や公設研究機関等の広域連携をさらにすすめるとともに,工業技術センターにおいては内外の優秀な研究者の招へいなどによる研究体制の一層の充実をはかるなど,「科学技術立県おかやま」の確立をめざす。
中小企業の経営基盤は全般的には向上しつつあるが,大企業に比べ未だぜい弱であるため,経営指導の一層の強化や近代化,組織化等をさらにすすめるとともに,金融の円滑化をはかるなど中小企業の経営基盤の強化を推進する。

・流通

流通業の現状をみると,小売業については,郊外型大型店舗,コンビニエンスストアやディスカウントストアなど業態の多様化がすすみ,都市中心部における商業機能の低下が著しく,まちづくりのあり方に大きな影響を及ぼしている。
卸売業については,合理化や情報化などに遅れがみられるとともに,不公正な取引き慣行や非効率な流通システムの存在が内外から指摘されている。
物流については,コストの削減が喫緊の課題となっている。
このため,小売業の集積については,交通の要衝としての岡山の優位性を最大限に生かして,中四国の拠点をめざし,広域型商業集積の実現をはかる。
また,商店街はまちの顔としても重要な役割を有していることから,地域の特性,伝統・文化を取り込んだにぎわいのある個性的な商店街づくりを推進するとともに,消費者ニーズの高度化に対応した魅力的な商品開発やサービスの提供が可能な活力ある商業への転換をすすめる。
卸売業及び物流システムについては,製造,配送,販売の連携を核とした情報ネットワークを構築して消費者ニーズに即応した商品開発や効率的な在庫管理の推進に努めるとともに,物流の共同化,協業化による流通コストの削減をはかる。物流部門は機械化,システム化が不十分であり,依然前近代的な作業が行われている場合も多いことから,これらの効率化にも取り組む。
流通の合理化,効率化,高度化のためには,流通基盤の整備が不可欠であり,県北流通センターの整備及び総合流通センターの一層の機能の強化をはかる。
さらに,水島港の外内貿コンテナターミナル等の整備や,岡山空港の滑走路延長をはかるとともに,FAZ(*1)の指定にあわせた国際物流機能の向上をはかるなど広域的な陸・海・空の総合的物流基地の整備に努め,西日本の高度物流拠点としての岡山の位置づけを確立する。

・観光

これからの観光は,いわゆる「安・近・短」といわれる,近場で手軽な観光を楽しむ人の増加やアウトドア関連のレクリエーション活動への人気の高まり,あるいは,長期間滞在しながら,ゆっくりとした観光を希望する人の増加など,観光需要の多様化が一層すすむことが予想される。
また,観光産業は地域経済に広く波及効果をもたらし,雇用を創出するとともに,人びとを地域に呼び込み,地域全体の活性化にも大きく貢献する産業であることから,21世紀における岡山県の重要な産業としての期待も高い。
こうしたなかで,平成9年から10年にかけて,瀬戸内三橋すべてが完成する等,岡山県をとりまく広域交通網がおおむね整備され,交流圏域が飛躍的に拡大することとなる。
このため,この機を観光における大きな変革期ととらえ,全国に向けて,観光岡山のイメージづくりなどによる効果的な宣伝に努めるとともに,県民に対しては,観光地の魅力を再認識してもらう県内観光をすすめていく。また,同時期に整備される倉敷チボリ公園など本県観光の核となる施設に,高速道路等の交通手段を組み合わせた広域観光ルートを設定し,その積極的な普及をはかる。さらに,観光客を温かく迎え入れる運動を一層充実させるほか,指導的な役割を担う人材の育成に努め,観光事業従事者の研修等を全面的に支援することにより,県民全体で観光客を受け入れる体制を整備していく。

重要施策

(重要施策の体系)

個性ある高度産業集積の推進

  • 構造変革に対応した産業拠点の整備
    • テクノポリス構想等の推進
    • 新たな産業集積拠点の形成
  • 産業支援環境の整備
    • 魅力ある生活・生産環境の創出
  • 経済のグローバル化に対応した地域産業の形成
    • 地域産業の国際化支援
    • 国際経済交流の促進

活力ある創造的中小企業の育成

  • たくましく,やる気のある中小企業の育成
    • 地域産業の再生,発展
    • 新規開業の活発化
    • ものづくり基盤の確保
  • ソフトな経営資源の充実
    • 技術開発,研究交流の推進
    • 人材の確保,養成 ※参照「勤労者」
  • 経営基盤の強化
    • 経営指導の強化
    • 中小企業の近代化の推進
    • 金融の円滑化

魅力ある商業集積と効率的な流通システムの確立

  • まちづくりの核としての商業集積の推進
    • 中心市街地の商業集積の推進
    • 地域商店街の活性化
    • 活力ある商店づくり
  • 効率的な流通システムの創造
    • 高度な物流システムの構築
    • 卸売業の高度化,情報化
  • 産業インフラとしての流通基盤の整備
    • 流通センター等の整備
    • 外内貿コンテナターミナルの整備 ※参照「広域交通」
    • FAZの推進 ※参照「広域交通」

観光の振興

  • 誘客・宣伝体制の強化
    • 観光宣伝の充実
    • 観光情報ネットワークの整備
    • 広域観光への対応
    • 外国人観光客向け観光宣伝の充実
  • 受入れ体制の整備
    • 心のふれあう観光地づくり
    • もてなしの人づくり
    • 外国人観光客の受入れ体制の整備
  • 魅力ある観光地づくり
    • 観光施設の整備,充実

1 個性ある高度産業集積の推進

(1)構造変革に対応した産業拠点の整備

1 テクノポリス構想等の推進
県内産業の発展をはかるため,高度技術に立脚した産業拠点づくりをめざし,吉備高原地域テクノポリス構想及び頭脳立地構想を積極的に推進する。また,企業誘致に依存するだけでなく地域企業の内発的創造の視点に立って,地域ポテンシャルの高い医療・福祉産業をはじめ,メカトロニクス,精密加工,バイオテクノロジー産業等の育成をはかる。あわせて,特色ある工業団地,産業情報ネットワークなどの産業基盤の整備に努める。
テクノポリス構想の中核的推進母体である岡山県新技術振興財団については,科学技術の振興,技術開発,技術融合化の中心的役割を果たすことができるよう,事業活動の充実,コーディネート機能の一層の強化をはかる。
岡山リサーチパークには,核となる公的な研究機関の誘致をすすめると同時に,民間の研究所,情報サービス業,デザイン業,機械設計業等の誘致,集積をはかる。
岡山県工業技術センター,テクノサポート岡山については,隣接の岡山大学地域共同研究センターと一体となってその機能を生かしながら研究開発,交流,情報提供,人材育成を促進し,地域企業の技術開発を支援する。

2 新たな産業集積拠点の形成
産業の集積拠点の整備については,今後,国内はもとよりアジアを中心とする国際的な企業誘致競争が激化することが予想されるため,広域交通網の整備や恵まれた自然環境など,岡山のもつ優位性を最大限に生かしながら,次代を担うハイテク産業や時代の変化に対応した産業等の誘致を念頭に,国際競争に耐えうる工業団地の整備をすすめる。
具体的には,文化,教育,交流等の生活環境の整備はもとより,情報通信機能や高次廃水処理施設等,高度な生産環境基盤を備えた高機能型工業団地,流通・生産・住宅機能をあわせもつ複合型工業団地,さらには,特定業種や特定のテーマに的を絞った工業団地など,特色ある工業団地の整備を市町村と一体となって推進する。
企業誘致については,研究開発機能や試作機能をあわせもつ母工場や,県内企業の技術力の向上に先導的な役割を果たす企業,あるいは規模は小さいが特定の分野で突出した技術力を有する元気な企業及び本県の次代を担う先端産業に欠かせない基盤技術をもつ企業など,将来の岡山県の産業をリードし,構造転換を促進する企業を中心に積極的な誘致活動を展開する。なお,業種については,情報,エレクトロニクス,医療・福祉,新素材,環境関連,エネルギー等今後の成長が期待されるもので,かつ,県内企業の技術が生かせる分野の企業誘致をめざす。
また,新規に創業するベンチャービジネスなど新しい産業の創業支援も兼ね,工業団地の賃貸,割賦分譲のほか,貸工場の建設についても経済情勢を勘案しながら取り組む。
一方,岡山空港の航空貨物基地構想の進展やFAZの具体化に伴い,岡山空港における航空物流機能の向上がはかられることから,空港及びインターチェンジ周辺の工業団地に航空貨物の一次加工などを行う空路活用型製造業の立地を推進する。
さらに,国境を越えた地域間競争が激化するなかで,地域経済の活性化,高度化及び雇用の創出をはかるため,外国企業の本県への投資を促進する必要がある。外国企業の誘致にあたっては,先進的かつ世界的な優良企業を対象に,外国メディアの活用や外資系企業誘致セミナーへの参加,対日投資促進フェアへの出展などを通じて,積極的な誘致活動を展開する。
県下最大の工業集積地である水島工業地帯については,立地企業の拠点工場としての位置づけを確立するとともに,港湾機能の高度化と関連道路網の整備をすすめるなど,一層の機能充実と活性化に努める。

(2)産業支援環境の整備
国内はもとより世界から一流の人材が集まり,本県産業の一層の高度化が促進されるためには,その基盤となる快適で魅力ある生活・生産環境の整備が不可欠である。
このため,生活環境の整備については,県下各地域の拠点となる都市において,にぎわいのある魅力的な市街地形成の取組みを支援するとともに,商業施設及び文化・教養・娯楽施設など,一層の都市機能の集積を推進し,中心市街地の活性化をはかり,都市の顔づくりに向けての取組みをすすめる。
さらに,企業誘致等による移転者の定住要件のなかで,最近大きなウエイトを占めるようになった高等学校,大学等教育の充実にも努める。
生産環境の整備については,工場や工業団地などの緑化をすすめるなど美しい地域づくりへ向けて,関係者の積極的な参画を誘導するほか,騒音,悪臭,粉塵などマイナス要素の除去はもとより,工場などの外壁の素材や色調等を景観に配慮したものにするなど,ニューファクトリー化を促進する。また,地域に開放されたギャラリーやミニコンサートホールの併設,あるいはイベントの開催,児童,生徒の体験学習の受入れなど,地域に受け入れられる産業業務施設化に努め,社会との共生を一層すすめる。
一方,倉敷市水島地区に建設中の「水島サロン」については,早急な完成をめざすとともに,完成後の効果的な運営に努め,若い優秀な人材の定着と地域の活性化をはかる。
また,「水島サロン」の効果を見極めながら,他地域での同様な施設の整備について検討をすすめる。

(3)経済のグローバル化に対応した地域産業の形成

1 地域産業の国際化支援
国際経済の変化に応じた関連情報の収集,提供を行うとともに,諸外国の経済事情や投資環境,さらには貿易実務など各種のセミナーを開催する。
また,関係経済団体と協力して企業の従業員の海外研修システムを構築するなど,経済の国際化に対応できる人材の育成をはかる。
企業の国際的な事業展開への支援については,ジェトロ(*2)との連携を強化し,海外現地情報の提供や各種の便宜供与を行う。その際,真に必要な最新の情報をリアルタイムで受発信するとともに,企業の海外での経済活動を現地で強力かつ継続的にバックアップするため,香港事務所に加え,新たな海外拠点の設置をすすめる。

2 国際経済交流の促進
本県の友好地域をはじめ,世界各地域と経済交流をすすめ,経済チャンネルの拡大を通じて,貿易,投資等県内企業の国際的経済活動を促進する。
このため,海外からの経済ミッションを積極的に受け入れ,県内企業等との意見交換や商談の機会の提供等を行う。また,経済ミッションの派遣については,海外投資や委託生産,輸入有望商品や調達可能部品等の発掘など具体的な成約につながる実務的な訪問団とする。
世界に開かれた地域経済を実現するためには,規制緩和とともに輸入の促進を通じて内外価格差の縮小をはかり,消費者等の選択の幅を広げることが重要である。このため,地方レベルにおいても,輸入商談会や輸入品展示即売会など各種の輸入促進事業を展開し,均衡ある貿易の促進に取り組む。同時に,海外市場での販路開拓のため,国際見本市への出展参加,海外での岡山県産業紹介フェアの開催等を行う。

2 活力ある創造的中小企業の育成

(1)たくましく,やる気のある中小企業の育成

1 地域産業の再生,発展
地域産業の発展を推進するために,新技術開発や新分野進出に対する各種助成制度や融資,設備貸与制度を充実する。あわせて,岡山県工業技術センター,テクノサポート岡山等の機能を生かし,技術の高度化,製品の高付加価値化,生産プロセスの合理化,人材の育成等をすすめ,各々の分野でトップシェアをねらうことのできる意欲的な創造的中小企業群を形成する。
繊維や窯業等の既存産地については,倉敷ファッションセンター(株),岡山セラミックスセンターと連携して新製品の研究,開発,新たな販路や需要の開拓,情報収集・発信機能の強化,人材の養成等に努めるとともに,地域資源や蓄積された技術力を活用して,新分野への展開を促進する。
これらにあわせ,高い感性に支えられた,人びとに受け入れられる製品を開発するために,産業界とデザイン界の交流を促進し,産業のデザイン部門の振興をはかる。
一方,地ビールの製造など,規制緩和の動きや地域特性を的確に生かした地域特産品の開発を促進し,開発された新商品を流通ルートにのせるために,岡山県みやげ品開発アドバイザー制度の充実,強化をはかるとともに,全国主要都市で物産展を開催する。
伝統的工芸品の振興については,後継者の育成等に必要な助成措置を講ずるとともに,用と美を兼ね備えた価値ある県産品として普及啓発に努める。
さらに,県産品を求める観光客の利便をはかるため,主要観光ルート上に,民間主導による大型観光物産館の整備を検討する。

2 新規開業の活発化
不透明な経済情勢,開業資金の高額化,若者の安定志向等により新規開業者は減少しており,産業の活性化に影響を与えている。
こうしたなかで,県内産業が今後とも活力ある発展をめざすためには,起業意欲の喚起をはかり,独創的な技術力,発想を基盤に,潜在的な需要をも喚起することのできる,たくましい企業を育成する必要がある。
このため,起業塾,補助金,出資,貸研究室・貸工場,開業時の設備貸与等の支援制度のほか大学や金融機関,ベンチャーキャピタル等からなる支援体制を確立し,創業を総合的に支援する岡山ならではの新規開業支援システムをつくる。
また,研究開発成果の起業化を促進するため,試作が可能な貸研究室を整備するなど研究開発と起業化の橋渡しを促進する。

3 ものづくり基盤の確保
産業の基盤部分を支えてきた,金型,めっき,鋳・鍛造等の基盤技術が,リストラや技術者の高齢化,企業の海外移転等によって消滅の危機にひんしている。
このため,熟練を要する技能・技術を社会的に顕彰する「岡山マイスター制度(仮称)」を創設し,その継承と集積をはかるとともに,基盤技術に関連したやる気のある企業の組織化をすすめ,基盤技術団地の整備,県外企業との技術者の交流を積極的に促進するほか,この過程において,県外企業の誘致や共同受注組織の設立もめざすなど「ものづくり」の基本となる基盤技術の高度化について支援を行う。

(2)ソフトな経営資源の充実

1 技術開発,研究交流の推進
厳しい技術開発競争を勝ち抜き,たくましく創造的な中小企業を育成するためには,新たな技術や研究開発体制の整備が不可欠である。
このため,岡山県工業技術センターにおいては,国内はもとより海外も含めた公的試験研究機関,地域の大学,企業と連携した広域共同研究や産・学・官共同研究プロジェクトを推進し,それぞれの地域がもっている技術シーズや施設等を相互に補完しあいながら,高機能材料や超精密加工など,ものづくりの基盤的技術課題について先導的な研究開発をすすめる。
また,地域企業との共同研究や企業からの受託研究についても一層の充実強化をはかる。
異分野あるいは異業種の融合化による新分野進出を促進するため,岡山県新技術振興財団のコーディネート機能の充実をはかり,大学等の協力を得ながら,異業種交流を積極的に推進する。
さらに,岡山セラミックスセンターについては,「世界の耐火物研究センター」をめざし,内外の著名な研究者の招へいや海外研究機関との研究交流を通じて,新しい高温構造用材料の研究開発を積極的に推進するほか,地域企業との共同研究にも強力に取り組む。

2 人材の確保,養成
(財)岡山県中小企業研修情報センターによる情報処理,財務,経営管理などの研修事業をさらに充実するとともに,岡山県工業技術センターのORT(*3)事業による研究技術者の養成や岡山県新技術振興財団による産・学・官の共同研究,各種研究会,講演会等の実施により,経営者,研究者,技術者等の人材養成に努める。
一方,子どものころから科学技術にふれ,親しむ場として吉備高原ニューサイエンス館の展示内容の充実や増設等について検討をすすめる。

(3)経営基盤の強化

1 経営指導の強化
中小企業のぜい弱な経営基盤を改善し,体質の強化をはかるため,中小企業総合指導センターの機能を充実するとともに,商工会議所,商工会,中小企業団体中央会及び(財)岡山県中小企業振興協会などの商工指導団体と連携をはかりながら,総合指導体制を一層強化し,窓口相談,診断,指導の実施を通じて,中小企業の育成,組織化の推進,下請け企業の振興に努める。

2 中小企業の近代化の推進
中小企業の経営の合理化や近代化をはかるためには,経営管理はもとより,設備等の近代化が必要である。このため,個別企業に対しては設備近代化資金,設備貸与制度等での支援を行うとともに,組合等が行う集団化・共同化事業等に対しては高度化資金融資を行う。
また,新分野進出,新規創業にあたっての負担を軽減するため,単県設備貸与制度について,新たに貸付対象として中古設備を加えるなど制度の充実をはかる。

3 金融の円滑化
社会経済情勢が急激に変動するなかで,中小企業の経営基盤を強化するためには,金融の円滑化が重要である。
このため,中小企業がしなやかさとたくましさを発揮して企業活動を展開できるよう単県融資制度の機動的,弾力的な運用により,経営の安定,近代化,合理化等のさまざまな資金ニーズに幅広く対応していくとともに,信用保証協会,金融機関との連携を強化し,融資制度の活用促進をはかる。
なお,中小企業専門金融機関である信用組合については,経営基盤の安定,強化の指導に努める。

3 魅力ある商業集積と効率的な流通システムの確立

(1)まちづくりの核としての商業集積の推進

1 中心市街地の商業集積の推進
商業は,豊かな消費生活を支えるとともに,都市のにぎわいやアメニティの創出など,まちづくりの核として,欠くことのできない重要な要素である。
最近の消費者の動向をみると,余暇時間の増大と行動範囲の拡大により,レジャーと消費を一体化した滞在型の商業集積へのニーズが高くなり,商業をめぐる都市間競争は激化している。
このような環境変化のなか,瀬戸内三橋時代の到来により,本県は中四国経済文化圏の中枢に位置することになり,県外の買い物客や観光客をもターゲットとした魅力ある広域型商業集積が必要である。
このため,岡山市などの中心市街地については,公共施設や大型店等集容力のある施設を核とした商業ゾーンを形成するための市街地再開発事業を推進する。また,観光との連携によって岡山の魅力をアピールする各種イベントの開催など,地域住民,商業者,行政が一体となった取組みによる商業を核としたまちづくりを推進する。さらに,都心居住のための環境整備を積極的に推進する。

2 地域商店街の活性化
商店街は,地域に密着した経済活動の中枢であり,地域住民がつどうコミュニケーションの場でもある。しかしながら,モータリゼーションの進展等による消費者のライフスタイルの変化や大規模店舗の郊外への立地により,地域商店街においては集客力の低下と後継者不足による空き店舗の増加など,地盤沈下がすすんでいる。
このため,商店街をまちの顔として位置付け,多目的ホール,イベント広場などの集客力を生み出す拠点施設の誘致,地域の特性や伝統文化を生かしたアーケード,モニュメント等のリニューアル化や駐車場の整備をすすめると同時に,にぎわい創出イベントの開催や観光資源などとの連携をはかることにより個性豊かでにぎわいのあるまちづくりを推進する。
また,空き店舗は商店街の機能低下やイメージダウンにつながることから,コミュニティ広場や展示施設等への再生をはかるなど,空き店舗対策への一層の支援に努める。

3 活力ある商店づくり
商店街を活性化させるためには,個々の商店の魅力づくりも重要な要素である。多様化した消費者ニーズに対応した活力ある商店づくりをすすめるためには,海外も視野に入れた仕入れの充実,卸売業との情報ネットワークの導入,中小小売店のもつ地域密着性や機動性を生かした顧客サービス機能の拡充などが求められている。
このため,ざん新な発想や行動力をもったやる気のある後継者や新規創業者を育成するための助成制度の創設,相談・指導機能の整備を行い,商業基盤の強化に努める。

(2)効率的な流通システムの創造

1 高度な物流システムの構築
多様化する消費者ニーズを的確に把握し,質の高い商品・サービスを提供していくため,的確な情報管理システム(POSシステム(*4),EOSシステム(*5))の導入を支援するとともに,製造,流通,販売を結ぶ流通情報ネットワークシステム等について(財)岡山県中小企業研修情報センターを中心とした研究開発を推進し,物流機能の向上をはかる流通情報ネットワークの構築を支援する。
また,多頻度,小口配送や受注から配送までの時間短縮等の要請に対応するため,共同配送センターや省力化対応倉庫等の施設整備を支援するとともに,企業や業界に対し,共同配送の導入を積極的に働きかけ,多頻度,小口配送のデメリットの軽減と同時に物流の効率化を促進する。
物流の主要な担い手であるトラック輸送は,労働力不足,交通渋滞,排気ガス問題等の課題を抱えており,省力型・低公害型の効率的な大量輸送機関である海運等の積極的活用をはかっていく「モーダルシフト」を推進する必要がある。
このため,高速コンテナ船やトラックシャーシで輸送するRORO(ロール・オン・ロール・オフ)船への転換を促進するとともに,本格的なコンテナヤードをもつ港湾の整備や利便性の高い航路の誘致を推進する。

2 卸売業の高度化,情報化
卸売業は,生産と消費を結びつける重要な役割を担っている。特に中小卸売業は,各地に多数の中小小売業が存在するなかで,危険負担,在庫調整,品ぞろえ,配送,取引先中小小売業の支援など多様な機能をもち,これまで地域経済の発展に大きな役割を果たしてきた。
しかし,大手小売業とメーカーが直結した卸を通さない流通システムの拡大や取引先である中小小売業の不振などにより,卸売業は非常に厳しい環境下にある。
このため,物流,加工等の共同化や協業化による流通コストの削減,配送・販売業者との情報ネットワークの構築による効率的な在庫管理,異業種卸売業の連携による品ぞろえ機能の強化,商品情報の提供や営業戦略の提案等小売支援機能の強化など効率的な流通システムの確立について積極
的な支援を行う。

(3)産業インフラとしての流通基盤の整備

1 流通センター等の整備
中国横断自動車道と中国縦貫自動車道との結節点に建設中の県北流通センターについては,中四国を含めた広域的なエリアを対象とする物流拠点としての機能に加え,人,もの,情報の交流機能をもあわせもつ複合的物流拠点として早期完成をめざす。
岡山県総合流通センターについては,岡山県総合展示場コンベックス岡山やテレポート岡山,建設中の岡山勤労者総合福祉センター(仮称)の機能を活用し,都市機能,情報文化機能をあわせもつ情報発信拠点として一層の充実をはかる。
一方,流通の国際化に対応した面室流通団地や山陽自動車道の笠岡インターチェンジに近接した岩倉複合団地等の整備を促進するほか,物流拠点の有機的な連携を推進するため,岡山空港の機能の充実や重要港湾の整備に取り組む。
また,広域高速交通網へのアクセス道路及び各物流拠点を結ぶ道路網については,物流拠点の整備計画との整合性を十分はかりながら,トラックの大型化への対応も考慮した整備を推進する。

2 外内貿コンテナターミナルの整備
今後飛躍的に増加が見込まれる対アジア貿易等に対処するため,アジアの各港湾と直接交易のできる外貿機能を強化する。また,港湾までの国内フィーダー輸送(*6)の経費削減と,モーダルシフト(*7)の推進が求められていることから,内貿機能の充実についても取り組む。
具体的には,水島港玉島地区にコンテナターミナルを設けるとともに,輸入促進基盤等の整備をすすめる。
岡山港については,正儀地区の沖合い人工島に内貿ユニットロードターミナルを新設するなど港湾機能の一層の強化をはかる。

4 観光の振興

(1)誘客・宣伝体制の強化

1 観光宣伝の充実
岡山県は,後楽園,倉敷美観地区,瀬戸大橋など全国に広く知られた著名な観光資源を有しながら,総体的に観光県としての知名度が高いとはいえない現状にある。
このため,瀬戸内海から中国山地に至る美しい自然,四季折々の多彩な見どころや味覚,数多くの名所旧跡,さらには農村型リゾートや平成9年開園予定の倉敷チボリ公園等のユニークで新しいかたちの施設など,岡山のよさ,岡山ならではの魅力を継続的にきめ細かく紹介し,観光おかやまのイメージづくりをすすめる。その際,女性グループ,家族連れ,高齢者など対象とする客層や誘客の対象地域等に応じ,紹介する観光地,観光施設等の内容や宣伝の方法等を使い分け,効率的な宣伝活動を展開する。
なお,観光宣伝の実施にあたっては,観光関連団体等が主体的な取組みを展開し,行政がこれを積極的に支援することにより,効果的なものとしていくことが大切である。そのため,(社)岡山県観光連盟と緊密な連携を保ちながら,官民一体の活力ある宣伝体制の充実,強化に取り組む。さらに,東京,大阪,名古屋の観光案内所や,重点的な誘客活動を展開する地域の中核都市においては,現地の団体,組織等の協力を得て,岡山県の観光情報を継続的に発信する。
また,修学旅行で岡山を経験した児童,生徒は,将来再び観光で岡山を訪れる可能性が高いと見込まれることから,修学旅行への適性の高い体験学習や産業観光等と,海,山など特徴のある観光地とを組み合わせた周遊ルートを設定するなど,修学旅行の積極的な誘致をすすめる。
一方,コンベックス岡山などで開催される全国規模の会合や国際見本市等の増加に対応し,参加者へのきめ細かな情報提供や観光ルートの紹介など,アフターコンベンションによる観光振興をはかる。

2 観光情報ネットワークの整備
観光客の多様なニーズに的確に対応するためには,具体的で最新の情報を幅広く提供していく必要がある。そのため,関係機関,団体や観光施設等が発信する観光情報を一元的に収集し,管理するセンター機能の確立をはかっていく。
また,これらの観光情報については,既存のマスメディアはもとより,パソコン通信,インターネット等の多様なメディアを総合的に活用することにより,時間,距離等の制約を受けることなく,ユーザーがいつでも手軽に利用できるシステムの構築をすすめる。

3 広域観光への対応
目前に迫った中国横断自動車道岡山米子線や瀬戸内三橋の全ルート開通など,高速交通網の整備に伴う観光の広域化に対応するため,関係各県等と緊密な連携をはかりつつ,新しい観光ルートの共同設定,空路開設都市や新幹線沿線都市等での共同観光宣伝事業の実施などに積極的に取り組む。
特に,各種高速交通網の結節点となる本県の魅力を最大限に生かし,倉敷チボリ公園など核となる施設を中心に,瀬戸内三橋を活用した瀬戸内周遊ルート,日本海から瀬戸内海を経て太平洋に至る本四横断ルート,並行する2本の高速道路や新幹線を生かした中国縦断ルートなど,各種の交通手段を組みあわせた多彩な広域観光ルートの設定をすすめる。
また,広域観光ルートの設定にあたっては,各地のイベントや観光資源を組み合わせ,テーマ性やストーリー性のあるものとしていく。
なお,市町村等のレベルにおいても,地方振興局,県境協議会等の広域的な組織を軸に,県内,県際の隣接地域同士での連携を促進する。

4 外国人観光客向け観光宣伝の充実
近年,直行便が開設されている韓国等アジア諸国をはじめとした諸外国から本県を訪れる観光客は増加傾向にあり,今後とも一層の国際化の進展や所得の向上に伴って外国人観光客の増加が予想される。
こうした状況をふまえ,外国での岡山県の知名度向上と岡山県への外国人観光客の誘致をさらに促進するため,国際観光振興会の協力を得ながら,海外での観光展への出展,観光情報誌の発行,外国人記者の招待や取材協力などにより,韓国を中心としたアジア諸国へ向けての観光宣伝を実施する。

(2)受入れ体制の整備

1 心のふれあう観光地づくり
心温まる観光地,再び訪れたい観光地づくりをすすめるため,桃太郎観光案内所の機能の拡充等,訪れた観光客を温かく迎え入れる「県民総ガイド運動」の一層の充実・強化をはかるとともに,県民に対し,県,市町村や関係団体の刊行物による宣伝活動や街頭活動等,あらゆる手段・機会をとらえて普及啓発活動を展開していく。
さらに,観光資源の保全や観光道徳の高揚等の見地から,地域で取り組む観光地の清掃活動の積極的な支援及び観光客に対する観光地の美化意識啓発活動等を実施し,あわせて県や市町村においても景観と調和した観光施設の整備をすすめるなど,美しい観光地づくりを促進する。

2 もてなしの人づくり
観光振興に理解と熱意のあるボランティアを対象として,観光に関するより高度な知識・技能等の研修を行い,地域の観光振興に指導的役割を担う中核的な人材として育成するとともに,地域ごとのグループづくりを支援していく。また,こうしたボランティアの活動が十分な効果をあげられるよう,交流の場の提供などを通じたネットワーク化の促進,観光関係団体や観光施設等との調整,観光資料等の提供など,必要な支援を行う。
宿泊施設や観光施設の従業員,バス・タクシーの乗務員等は,直接観光客に接し,観光地のイメージ決定に極めて重要な役割を果たすことから,その資質の向上が不可欠である。そこで,接遇技術,マナー等の習得や,観光客を心からもてなす意識の啓発等をすすめるため,関係団体等が実施する研修等に対して,研修資材の作成,提供,講師の派遣などの支援を行う。同時に,これら施設等の経営者,責任者等に対しても,観光客のニーズの把握や将来的な経営戦略,従業員の教育研修等に関する高度な知識の習得などに関し,先進事例の紹介など情報提供を積極的に行っていく。

3 外国人観光客の受入れ体制の整備
外国人観光客が安心して旅行できるよう,外国人に対応できる観光案内所の増設や機能の充実,生活習慣や宗教など各々の文化の違いをふまえた外国人受入れマニュアルの作成,ボランティアガイドや宿泊施設等観光関係者を対象とした外国人受入れ講習会の開催等受入れ体制の整備をはかる。
また,外国人が気軽に宿泊できる国際交流ヴィラの積極的な活用や宿泊客の地域イベントへの参加により,地元住民と外国人客との交流を促進する。
さらに,県内観光地への外国語併記の観光案内標識等の設置をすすめるとともに,英語,韓国語,中国語等の外国語パンフレットを作成,充実するなど観光情報提供の強化に努める。

(3)魅力ある観光地づくり
観光需要の多様化に対応するため,農業をはじめさまざまな体験ができる施設,温泉を活用した保養施設,地域の歴史を伝える文化公園などを整備充実し,魅力ある観光地づくりをすすめる。
特に,長期滞在型観光への需要は,今後一層強まると考えられるため,気軽に宿泊できる施設が整備されたテーマ性のある観光エリアを設定し,そのエリア内の施設を広域的に連携させながら,長期間の滞在が可能となるような観光地づくりを市町村とともに促進していく。
また,根強いアウトドア志向,自然志向に対応するため,家族で楽しめるキャンプ場の整備や県北における観光拠点の一つである奥津観光レクリエーション地区の魅力向上など豊かな自然を生かした観光施設の充実に努める。
さらに,駐車場,休憩施設や洋式化も考慮した公衆便所等の便益施設の整備充実をはかる。
一方,自家用車やバスなどを利用する観光客を高速道路等から観光地へ適切に誘導するため,道路案内標識や観光案内標識の整備,さらには主要観光地等における全県観光案内板の整備充実に努める。

*1 FAZ:フォーリン・アクセス・ゾーン。輸入の円滑化のため,港湾・空港及びその周辺地域において輸入に関する施設,事業,活動を集積させる輸入促進地域
*2 ジェトロ:日本貿易振興会
*3 ORT:オン・ザ・リサーチ・トレーニング(研究開発の実体験を通じた研究開発能力の養成)
*4 POSシステム:ポイント・オブ・セールス(販売時点情報管理)システム
*5 EOSシステム:エレクトリック・オーダリング(オンラインによる補充発注)システム
*6 フィーダー輸送:コンテナ本船が寄港する港までの補助的輸送
*7 モーダルシフト:トラック輸送の一部を海運等に切り替えること。

新産業

課題と施策の方向

産業の活力を高めていくためには,他にまねのできない高い付加価値を組み込んでものづくりに向けて技術の高度化をすすめ,国際競争力を有する新たな企業群を育てていくことが必要になっている。
このため,医用工学,バイオ関連など岡山県に高いポテンシャルがある分野における資源の蓄積にさらに磨きをかけ,本県ならではの新たな成長産業の育成をはかる。
新技術,新産業の創造を支援するため,岡山県工業技術センターを中心に,産・学・官による研究プロジェクトを推進するほか,ニューフロンティア企業の育成のため,各種補助金制度の活用,充実をはかっていく。さらに,西播磨テクノポリスに建設される大型放射光施設「SPring-8(スプリング-エイト)」を活用した新しい技術,産業の育成や,ここにつどう研究者との交流をはかっていく。
情報・通信技術の革新はその利用分野を拡大し,新たな市場を創出するとともに,広告,放送,映像,出版などの分野で,これらを融合した新たな産業の可能性を生んでいる。このため,システム,応用装置,応用ソフトなどを供給する情報関連産業の育成に向けて,企業の技術開発支援と高度な情報関連技術者の確保に努めるほか,新たなサービス提供の基盤となる光ファイバー網の整備やマルチメディア技術の普及に努める。
製造業の海外展開がすすむなかで県内産業の活力の維持,雇用機会の創出のためには,サービス業の振興が重要な課題になっている。
こうしたなか,高齢化や女性の社会進出などライフスタイルの変化に伴い,ヘルス・ケアサービスや家庭支援サービスなど新たなサービスニーズが拡大していることから,今後,これらのビジネスチャンスを生かした,ニューサービス業の育成を積極的にすすめる。
産業分野では,製品の付加価値のなかでサービス・ソフトの比重が高まり,専門的な機能に特化した事業所関連サービスに対する需要が拡大している。これらの動向に積極的に対応し,知識,情報を提供する新たな産業支援サービス業の育成をはかるため,サービス提供の基盤づくりをすすめるとともに民間事業者による創造的,効率的なサービスの開発を促進する。

重要施策

(重要施策の体系)

新産業の創出と育成

  • 新技術開発等による新産業
    • 地域のポテンシャルを生かした新産業
    • 社会のメガトレンドとして育成すべき新産業
  • ソフト分野における新産業
    • 社会情勢の変化等に伴う新産業
    • 情報化の進展に伴う新産業

1 新技術開発等による新産業

(1)地域のポテンシャルを生かした新産業
地域のポテンシャルを生かして,ニッチ(すき間)産業等新たな地域産業の創出を内発的に促進するため,地域企業等の研究開発への技術的支援をはじめ,ベンチャービジネス育成支援事業,ヤング・エジソン育成支援事業など資金面での支援,貸研究室,貸工場などハード,ソフト両面にわたり,あらゆる支援策を活用する。
吉備高原地域テクノポリスの重点産業に位置づけている医用工学,バイオ関連産業の育成をはかるため,岡山県工業技術センター,新たに建設される岡山県バイオテクノロジー研究所(仮称)や大学等との連携により,福祉・医療機器,バイオ医薬品の開発を支援するほか,医用工学関連学会の誘致,医用工学国際フォーラムの開催等を行う。
これからの先端産業の基盤技術となる超精密加工技術等の活用を推進するため,切削,研削加工による鏡面加工技術の高度化をめざす産・学・官共同研究プロジェクトなどを岡山県工業技術センターが中心となり推進する。
西播磨テクノポリスに建設される「SPrinG-8」については,利用手段の確保と利用への支援,基礎研究の推進や産業技術への応用の可能性を探るほか,世界中から訪れる優秀な研究者の本県への招致,本県の研究者との交流等を促進する。

(2)社会のメガトレンドとして育成すべき新産業
情報化の進展に伴い,市場の拡大が見込まれている情報通信産業の育成のため,光ファイバー網等基盤整備を促進するとともに,中小企業が行うコンピュータ技術の研究やアプリケーションソフトの開発を支援する。
また,地球環境問題に焦点をあてたリサイクル技術や燃焼時に有害物質を排出しない高分子複合材料等の開発と利用技術の研究を岡山県工業技術センターを中心とした地域産・学・官連携により推進するほか,エコ製品,リサイクル可能製品の開発のため,環境調和型や省資源型の産業技術の開発を支援する。

2 ソフト分野における新産業

(1)社会情勢の変化等に伴う新産業
ライフスタイルの変化に伴い需要の増大が見込まれている介護・医療,レジャー,文化,家庭支援などの生活支援サービス業を育成するため,公共サービスと民間サービスの役割分担を見直し,公共サービスの民間事業者への委託を拡大するなど,民間活力の活用を推進する。
また,信頼ある民間事業者の育成とサービスの質の向上に向けて,サービス事業者の技術,資格等の基準づくりの検討をすすめるとともに,サービス事業関連情報の提供に必要な業界団体の組織化を支援するなど,県民が安心して利用できる環境づくりに努める。
産業分野については,新規創業や新規事業展開の活発化に伴って,研究開発に必要な技術情報提供サービスや資金共給,経営情報提供などを行う総合的な経営支援など新たなサービス需要の高まりが見込まれている。
このため,民間事業者ならではの機動性と創意工夫に立脚した質の高いサービスの開発を支援するとともに,セミナーの開催により優れた技術,ノウ・ハウの導入を促進する。

(2)情報化の進展に伴う新産業
情報伝達コストの低減により,だれもが情報サービスの提供者となることが可能になっており,マルチメディア技術を駆使して消費者の個別ニーズに対応した情報提供などを行う新たな産業の発展が見込まれている。
このため,情報ネットワークの構築など情報基盤を整備し,情報産業への需要の拡大とサービス提供の基盤づくりをすすめる。また,今後,市場の拡大が見込まれているソフトウェア業の振興をはかるため,岡山県工業技術センターにおいて研究されているコンピュータ応用技術の提供,同センターの施設・設備の利用を促進する。あわせて,岡山県新技術振興財団,(財)岡山県中小企業研修情報センター等が,相互に機能分担しながら,情報処理技術についての実践的な研修を実施し,多様化するニーズに応えることのできる技関者の養成,確保に努める。

3 交流と連携による地域の創造

広域連携

課題と施策の方向

瀬戸内海圏は古くから海上交通の要衝であり,それを介して経済文化の交流がなされ,その結果として沿岸に連たんする都市と産業,文化が形成されてきた。加えて,近来の鉄道交通,高速自動車道の整備は山陰・山陽,瀬戸内・太平洋岸を密着させ,産業活動や文化活動ではすでに県境を越えた相互依存関係が形成されている。
また,近い将来には,東西の軸として既存の西日本国土軸に加え,日本海国土軸,太平洋新国土軸が,南北の軸として既存の瀬戸大橋に加え,本四連絡橋神戸―鳴門ルート,尾道―今治ルートの完成に伴う連携軸が形成され,中四国地方がまさに網の目状に高速交通網で結ばれることになる。こうしてみると,中四国経済文化圏の形成は,まさに必然といえる現実にある。
このような認識のもとに,これまで本県は中四国サミットを提唱し,中四国グランドデザインの策定をすすめるなど中四国経済文化圏形成の先導的役割を果たすとともに,高速自動車道,岡山空港,水島港などの交通基盤整備,コンベックス岡山や岡山県総合流通センター,マスカットスタジアム,国際交流センターなどの交流拠点整備,県立大学や岡山県工業技術センター・テクノサポート岡山などの人材育成・研究開発支援拠点整備など中四国経済文化圏の中核としての役割を担うための基盤づくりをすすめてきた。
最近では島根,鳥取,岡山,香川,高知の5県が共同で提唱した「西日本中央連携軸構想」などを契機に,市町村,民間団体,企業などで既存の行政区域を越えた広域的な交流,連携の取組みがはじめられ,特に商工会議所など経済団体は自らが具体的なビジョンを策定して国や各県に提案しようとする積極的な活動を展開するに至っている。
中四国経済文化圏を実態あるものとするため,今後もこのような県民主体の取組みを推進し,中四国を一体としてとらえる意識のもとに中四国の広域的な交流,連携を活発に展開し,中四国の一体感を醸成していく。
あわせて,広域交通網,交流施設などの一層の基盤整備に努めるとともに,中四国を起点に世界を視野に入れた情報基盤の整備をすすめる。
また,経済,文化,スポーツ,観光など各分野における交流機会を充実し,民間交流を支援して交流の活発化をはかるほか,中四国情報の一体的提供システムの構築を提唱し,交流ソフトの充実,共同イベントの開催,共同研究の充実などを中四国の各県,市町村,民間団体,県民が一体となって推進する。
一方,県内においては,広域交通網の整備等に伴う行動範囲の広がりや行動目的の多様化などによって,日常生活圏がますます拡大し,住民はさまざまな分野で市町村の区域を越えて複数の地域における多様な機能を自由に選択するといった生活行動様式に変化してきている。
これからは,複数の市町村が地域住民の日常生活の実態をふまえ,広域的な視点から相互の連携を強化するとともに,役割分担を基本としてそれぞれの市町村において特色を生かした魅力ある機能の集積をはかるなど市町村間の連携と交流による地域づくりを展開していくことが重要である。
このため,日常生活圏内市町村の適正な役割分担と機能連携による圏域全体の効率的整備を促進するとともに,既存施設の共同利用など市町村が連携して行う共同事業や多様な交流による地域づくりの支援に努める。

重要施策

(重要施策の体系)

中四国経済文化圏の形成

  • 交流連携の推進
    • 将来像の共有
    • 広域共同事業の推進
    • 広域交流活動の促進
    • 広域支援システムづくり
  • 拠点機能の充実
    • 交通基盤の整備 ※参照「広域交通」
    • 情報通信基盤の整備 ※参照「情報・通信」
    • 産業の集積と高度化 ※参照「たくましい産業づくり」
    • 交流拠点の整備,都市機能の強化,豊かな住空間の創造 ※参照「都市」

交流連携による地域の振興

  • 広域的地域づくりの推進
  • 交流連携のシステムづくり

1 中四国経済文化圏の形成

(1)交流連携の推進

1 将来像の共有
世界を視野に入れた中四国経済文化圏を形成していくためには,めざすべき将来像の共有やその実現のための実行プランをつくることが重要である。また,各県との共同事業,共同研究の推進や民間団体等の広域的な交流活動の促進に取り組むとともに,交流機会の充実や交流情報の提供などの交流支援体制の整備をはかり,中四国の一体感の醸成と多様で重層的な交流,連携の実態づくりをすすめていくことが必要である。
このため,知事,経済界の代表で構成する中四国サミットにおいて,中四国の一体的発展の指針となるグランドデサインを策定するとともに,島根,鳥取から岡山,香川を経て高知に至る「西日本中央連携軸構想」の具体化に向けての実行プランづくりをすすめるほか,中四国共有の財産である瀬戸内海を中心とした広域連携のあり方についての研究にも取り組む。
また,こうした中四国経済文化圏のあるべき姿を県民との共通の目標として確立するための議論を一層深めるとともに,国に対して中四国経済文化圏実現に向けた諸施策の推進を強力に働きかけていく。

2 広域共同事業の推進
中四国地方に共通する高齢化対策,中山間地域対策等の課題についての研究,公設試験研究機関による共同研究など,各県が協力して取組みをすすめるとともに,瀬戸内海の環境保全,景観形成等の県境を越えた広域的な協力体制の構築など広域共同事業を推進する。

3 広域交流活動の促進
経済界,青年会議所,老人クラブ,企業等がこれまで行ってきている隣県との交流の一層の広域化,緊密化をはかるとともに,今後ますます活発化していくものと考えられる地域づくりグループの合同研修,農林水産団体の技術交流,各種文化・スポーツグループの大会開催などを通じて,団体,学校,企業等,さまざまな地域,職域などあらゆるレベルにおける自主的な広域交流活動を促進する。

4 広域支援システムづくり
中四国経済文化圏形成に向けた民間団体の取組みや新しいネットワークづくりを促進するため,地域産業,文化,スポーツなど,さまざまの分野の交流の機会づくりや民間団体等が相互に交流するための地域情報,人材情報,ノウハウの提供など,中四国の交流,連携を支援するシステムづくりに努める。

(2)拠点機能の充実

1 交通基盤の整備
中四国経済文化圏において岡山県がその中核的役割を担うためには,交通基盤の整備や情報基盤の整備,人材養成,研究開発拠点の整備,交流拠点の整備などの基盤づくりをさらにすすめていかねばならない。
このため,岡山空港,水島港等の整備をすすめるとともに,これらの基盤を活用した新たな取組みをすすめていく。
また,中国横断自動車道岡山米子線,中四国横断新幹線等中四国を網羅した広域交通ネットワークの形成をはかる。

2 情報通信基盤の整備
情報通信基盤については,生活や産業などの多様な分野における情報通信システムの整備拡充を促進する。また,岡山情報ハイウェイを構築し,世界に開かれた中四国情報ネットワーク構築の先導的役割を担う。

3 産業の集積と高度化
産業においては,国際的な競争力のある産業集積をはかることが重要である。
このため,先端技術の開発を推進するテクノサポート岡山,バイオテクノロジー研究所(仮称)等研究開発拠点機能の充実や岡山大学地域共同研究センターなどの研究開発機関のネットワーク化,岡山リサーチパークの活用などによる既存産業の高度化,研究開発型産業の育成・集積,新産業の創出支援,産業を支える国際人の育成等を産・学・官が一体となって積極的にすすめる。

4 交流拠点の整備,都市機能の強化,豊かな住空間の創造
中四国内外との交流を促進し,岡山県が中四国経済文化圏の中核としての地位を占めるためには,魅力ある交流拠点の整備,人が豊かに住み,快適にくらせる都市機能の充実,美しく質の高い生活空間の創造が必要である。
このため,倉敷チボリ公園,グリーンヒルズ津山,西部アグリスポーツ公園(仮称)などの魅力ある交流拠点の整備,高次多面的な都市機能の強化,快適で質の高い生活環境の整備に取り組むとともに,安心できる医療の確保,高水準の教育の実現,芸術性にあふれた文化の創造に努める。

2 交流連携による地域の振興

(1)広域的地域づくりの推進
住民のニーズが多様化,高度化する一方で,高齢化の進展や人口減少が見込まれ投資余力の減少が予想されるなど地域がかかえる環境は極めて厳しいものがある。また,農山漁村の活性化,日常生活圏の中心となる地域の核の整備,亡境問題など市町村の枠を越えて取り組む必要のある問題も多く,各市町村においても広域的視点に立ち,財政面の問題の解決や市町村間調整などをはかりながら,より積極的に地域の課題の解決や一体的や整備に取り組む必要がある。
このため,次のような観点から広域的な地域づくりを促進する。

1 総合的な広域行政を計画的に推進し地域の自立的発展を促進するため,域行政機構の強化や市町村が共同し,分担して実施する広域的事業を支援し,より高次な機能の整備,質の高い行政サービスの提供や地域に共通する課題の解決を促進する。

2 既存の文化施設,スポーツ施設のネットワーク化など既存の社会基盤や地域資源の利活用をはかり,地域が相互に連携・補完しながら行う快適で豊かな地域づくりや個性的で魅力ある地域づくりを促進する。

3 農村型リゾート,産直,朝市のように都市と農山漁村が相互の機能と役割を分担しながら行う連携,交流を支援し,都市と周辺農山漁村の適正な補完関係による地域の一体的整備と活性化を促進する。

4 県下の三大河川流域,出雲街道,歴史と文化を共有する中国山地の各地域などにおける行政と民間が一体となったイベントの開催や地域の草の根交流など,自主的交流連携を支援し,開かれた地域社会の実現や交流,連携の機運づくりをはかる。

(2)交流連携のシステムづくり
広域的な地域づくりを促進するためには,他地域の文化や異なる考え方を柔軟に受け入れる開かれた地域社会の実現や交流,連携基盤の整備とともに,多様な交流,連携活動を支援するための仕組みづくりをすすめる必要がある。
このため,次のような観点から交流連携のシステムづくりを推進する。

1 新たな交流連携手法の調査研究と支援制度の充実(土台づくり)

2 地域づくり団体岡山県協議会や地域づくり交流プラザなど交流団体の育成(組織づくり)

3 地域づくりリーダー養成塾など人材の養成(人づくり)

4 岡山情報ハイウェイの活用等地域のニーズにあわせた交流連携情報の収集,提供(機会づくり)

国際交流・協力

課題と施策の方向

今日,我々を取り巻く社会では,高速交通網の発達や情報化の進展に伴い,人,もの,情報等の流れが地球規模で拡大し,幅広い分野でボーダレス化が進行するとともに,海外との相互依存関係が高まっている。
一方,国際社会に目を向けると,世界は今,冷戦終結後の新しい国際秩序を模索している。また,地球規模の環境問題,人口問題,食糧・エネルギー問題等が今後より深刻化するものと考えられ,人類の英知を集め,その解決に取り組むことが求められている。
地域レベルにおいても,海外との関係が緊密になり,国際環境のさまざまな変化が地域社会に直接大きな影響を及ぼす段階にきている。
海外の国や地域と相互理解をはかり,世界の人びとと友好を深めることは,自らが住む地域の魅力を再認識する機会となり,地域の文化,社会をより豊かなものとし,地域のアイデンティティ高揚に寄与するものである。また,歴史や文化などの違いを認めあいながら地球社会に共に生きる人間として,県民に共生の意識を醸成し,地球市民意識を高めることとなる。世界的な視野をもった人材を育て,新しい文化を創造することは,地域の活性化に不可欠であり,地域経済の国際化への的確な対応のためにも,重要なことである。
さらに,地域での国際交流・協力は,国レベルとは別の外交チャンネルを確保することになり,住民参加型の交流,地域の有するノウハウを生かした協力は世界の平和と繁栄に貢献することになる。
こうしたなかで岡山県は,21世紀の“交流と連携による地域創造”に向けて,「世界に開かれ,世界と共に生きる岡山」の実現をめざす。
このため,地球市民としての意識高揚,世界に通じる人づくりをすすめるとともに,在住外国人と共にくらす地域づくりに取り組む。また,学術,教育・文化,スポーツ等をはじめとする幅広い交流をすすめると同時に,経済国際化の動きに適切に対応した経済交流,国際観光を促進する。さらに,江西省や南オーストラリア州など友好交流先との一層の交流を推進するほか,アジア・太平洋地域を中心とするその他の国々とも交流をすすめ,多角的,実質的な交流活動の展開をはかる。
岡山県のもつ優れた技術などの特性を生かしながら,海外との技術協力や共同研究,開発途上国の人づくりの支援等に積極的に取り組むとともに,民間団体が行う国際協力活動を促進する。
空港等の交通体系をはじめ,交流基盤の整備を積極的に促進するとともに,情報ネットワークの構築をはかる。また,(財)岡山県国際交流協会の機能充実,民間団体との連携をはかるなど,推進体制の整備に努める。

重要施策

(重要施策の体系)

世界に開かれ,世界と共に生きる岡山

  • 多角的な交流の展開
    • 地球市民としての意識高揚
    • 共にくらす地域づくりの推進
    • 学術,教育・文化,スポーツ等の交流の促進
    • 経済交流と国際観光の促進 ※参照「商工業・流通・観光」
    • 友好交流の推進
  • 岡山県の特性を生かした国際協力の推進
    • 技術協力,共同研究の推進
    • 人づくりの支援
    • 民間協力活動の促進
  • 国際化拠点機能の整備
    • 交流基盤の整備
    • 情報ネットワークの構築
    • 推進体制の整備

1 多角的な交流の展開

(1)地球市民としての意識高揚
岡山国際交流センターや岡山県総合文化センター,生涯学習推進センター等において,地球市民講座など国際理解講座やシンポジウム等を開催し,異なる文化を尊重する国際感覚の養成と国際理解の促進に努めるとともに,外国語講座やスピーチコンテストなど相互理解の基礎となる外国語学習機会の拡充,外国に関する情報提供・相談サービス機能の充実をはかる。
また,市町村や学校等へのJET青年(*1)の配置をさらに拡充し,地域住民の国際理解の促進と児童生徒の外国語教育の充実に努める。
青少年や女性等の海外派遣研修をすすめ,開かれた地域づくりのリーダーとして国際的視野を高めるとともに,外国から青年を受け入れ,地域で交流を深める。また,国際的感覚を身につけた中核的農林業者を育成するため,後継者や農業大学校生の海外研修を行うほか,中国四国酪農大学校の姉妹校縁組をすすめ,学生相互の交流を推進する。

(2)共にくらす地域づくりの推進
国際化の進展とともに,岡山県内に住み,働く外国人の数はますます増加しており,相互理解の促進に努めるとともに,在住外国人等の意見をふまえながら,共にくらす地域づくりを推進する。
また,保健・医療・福祉,防災,交通安全,防犯,住宅,教育など,生活に密接に関連する分野での情報提供・相談機能の充実をはかるほか,岡山国際交流センター等における日本語講座の充実や外国語の図書,資料の整備をすすめる。

(3)学術,教育・文化,スポーツ等の交流の促進
学術,教育・文化,スポーツをはじめとする幅広い分野における海外との交流を,県民,民間団体等の参加,協力を得ながら積極的にすすめる。
県立大学等における姉妹校提携を促進し,交換留学や教員の相互訪問などにより,海外の大学等との学術・教育交流をすすめるとともに,(財)岡山県国際交流協会や大学,関係団体等と連携しながら,国際会議の積極的な誘致をはかり,岡山のレベルの向上と知名度アップをめざす。
また,友好交流先の中国・江西省との教育関係者の相互訪問や学校間交流の拡充,オーストラリア・南オーストラリア州との教員,高校生の相互派遣をすすめる。
国際交流フェスティバルヘの海外からの芸能団の招致,高校生の国際文化交流事業,海外美術展の開催等により,外国の文化,芸能にふれる機会の拡充をはかるほか,岡山県の芸能団等を海外に派遣し,岡山の文化等を紹介する。また,友好交流先との文化交流を促進する。
国際交流の振興や新しい生活文化の創造拠点となる倉敷チボリ公園に整備する教養文化施設では,デンマークをはじめとした外国文化の紹介,海外の演奏家,舞踏家等の公演なども積極的に行う。
スポーツ分野では,関係団体等との連携のもとに,マスカットスタジアムや美作ラグビー・サッカー場などを使用してのアジア地域の国際スポーツ大会の誘致,外国のチームの招致等を促進するほか,障害者のスポーツ交流等についても引き続き支援する。

(4)経済交流と国際観光の促進
ジェトロ(*2)とも連携しながら,経済国際化のための情報の収集,調査を行うとともに,各種セミナーの開催等を通じて関連情報を県内企業に提供す"る。また,経済ミッションの受け入れ,派遣など,海外との経済チャンネルの"拡大をはかる。
均衡ある貿易の促進,県内企業の支援,外資系優良企業の誘致をすすめる。
真に必要な最新情報の受発信等のために,現在県が香港に設置している海外事務所に加え,新たな海外拠点の設置をすすめる。
外国人観光客の誘致については,積極的な宣伝活動を展開すると同時に,外国語併記の観光案内板の設置や外国語パンフレットの作成,受入れマニュアルの活用等により,受入れ体制を整備する。

(5)友好交流の推進
岡山県ではこれまで,中国・江西省及びオーストラリア・南オーストラリア州と友好提携を締結しており,また,インドネシア・バリ州やアメリカの州とも交流をすすめている。
今後,江西省及び南オーストラリア州とは,県民の参加や市町村,民間団体等との連携のもとに,教育・文化,観光,商工業,農業など幅広い分野で実りある交流をすすめるとともに,友好提携5周年記念事業に取り組む。また,バリ州及びアメリカの州とは,交流事業を積み重ねながら友好を深めていく。
これら4地域とあわせ,アジアをはじめとする他の国や地域とも積極的に交流をすすめる。
ブラジルなど在外県人会に対して,岡山県の情報提供や交流事業への参加等を通じて支援を行うほか,海外移住者やその子弟等との結びつきの強化を一層推進する。

2 岡山県の特性を生かした国際協力の推進

(1)技術協力,共同研究の推進
地球環境保全,医療・福祉,農業,工業等それぞれの分野において,県内に蓄積されている研究開発成果や技術を生かして,アジアをはじめとする国々と技術協力をすすめ,相互理解と友好親善を深める。

(2)人づくりの支援
国際協力の推進には,人づくりに対する支援が必要不可欠である。このため,将来その国や地域の中核を担うべき有能な海外の青年や海外移住者の子弟などの受入れを一層拡充し,各種分野における知識,技術の習得機会の提供を行う。
県内の大学,短大,高専等への留学生の受入れをすすめるとともに,留学生が勉学に励める生活環境づくり,支援対策の拡充に努める。また,海外技術研修員受入制度の充実をはかり,企業,市町村,県それぞれの特性を生かした研修の場の創造に努める。
(財)岡山県国際交流協会の機能充実をはかり,国際交流団体,民間,市町村等との連携強化をすすめながら,国際協力の人づくりを推進する。国際ボランティア活動が国際協力の大きな要素であることから,県民,企業,国際交流団体,市町村,県がそれぞれの立場で蓄積したノウ・ハウを生かし,各種ボランティアの養成に努める。

(3)民間協力活動の推進
国際協力事業団が行う青年海外協力隊派遣事業に協力し,開発途上国の教育,看護・衛生,農業,土木,情報技術など幅広い分野での協力活動を促進する。隊員の帰国後の職場復帰など身分保障制度等の普及をはかり,参加しやすい条件づくりに努める。
NGO(*3)活動については,その自主的な活動が一層推進されるよう(財)岡山県国際交流協会の機能を充実して支援する。また,県民が国際ボランティア活動に幅広く参加できるよう,活動メニューや参加方法等の情報提供と啓発に努める。

3 国際化拠点機能の整備

(1)交流基盤の整備
国際的にも魅力ある岡山の創造に向けて,県内各地域において,それぞれの特性を生かした国際交流拠点の整備をさらに促進する。
倉敷チボリ公園については,その特性を生かして,デンマークをはじめとするさまざまな国々の文化,芸術にふれる機会の増大をはかり,人的・文化的交流と相互理解を深める。
平成7年に開館した岡山国際交流センターについては,岡山県における国際交流の拠点として情報提供や人材育成等の事業の充実をはかるとともに,その機能を県内一円から享受できるよう運営に工夫を凝らす。また,国際交流ヴィラは,外国人が気軽に岡山を訪問し,地域の自然や文化,地元住民とのふれあいを体験できる施設として活用促進をはかる。
本県の国際化を推進するためには,海外との交通ネットワークの強化が必要である。
このため,岡山空港の韓国路線の充実,アジア・太平洋地域との新規国際路線の開設や国際チャーター便の運航促進に努める。
また,水島港の整備をすすめる。

(2)情報ネットワークの構築
国際化を推進するうえで情報の果たす役割は大きく,岡山から積極的に情報を発信し,また,海外のすすんだ情報をタイムリーに入手する必要がある。
このため,岡山国際交流センター等へのインターネット端末の設置などにより,海外情報の収集及び国際交流ヴィラや魅力あふれる岡山情報の世界への発信に努めるとともに,県の香港事務所や(財)自治体国際化協会の海外事務所等の海外拠点を活用するなど,海外との情報ネットワークの形成をめざす。
岡山の自然や文化,産業等を紹介する外国語刊行物の発行など,効果的な広報をすすめるほか,国際的なイベントや海外での観光展の開催等により,岡山県を広く世界に周知し,印象づける施策を展開する。
県内の大学への留学やJET事業等で岡山に滞在した外国人など岡山にゆかりのある人びとの組織化をはかり,在住国での岡山のPRや現地情報の提供などの協力を依頼するほか,在日の大使館等への岡山県の文化,産業等の紹介をすすめるため,大使等の招へいを行う。

(3)推進体制の整備
地域ですすめる国際交流・協力には,県民をはじめ民間団体,大学,企業など民間の果たす役割が大きい。
県としては,これら民間活動と整合をはかりながら,県下全域の国際化推進の計画策定,交流・協力の場や機会の提供,情報の収集・提供,民間活動の支援等をすすめる。特に,(財)岡山県国際交流協会とは緊密な連携のもと,一体となって事業の推進をはかる。
幅広い国際交流・協力活動の展開のためには,市町村,民間団体,企業等の自主的な取組みを尊重しつつ,相互の情報交換や連携,協力が重要である。
このため,県・市町村国際化連絡会議を定期的に開催し,市町村との連絡調整,情報交換等に努めるとともに,民間レベルでの活動の円滑な促進をはかるため民間団体相互の連絡調整,連携を目的に設置されている国際交流団体連絡協議会の支援を行う。
県内の民間国際交流団体,県,市町村との連携のもと,国際交流・協力の推進に向けて各種の講座,イベントや情報提供等の事業を行っている(財)岡山県国際交流協会は,今後,岡山国際交流センターの機能を生かしながら,人権意識の向上を念頭に置いた国際理解促進事業の充実,県内の国際交流団体等との連携による国際交流・協力の場の創出とコーディネーターとしての役割拡充,国際交流・協力ボランティアの育成,外国人及び県民への情報サービス・相談機能の充実等をすすめる。

*1 JET青年:語学指導等を行う外国青年
*2 ジェトロ:日本貿易振興会
*3 NGO:民間援助団体

地域振興の方向

第1 地域振興の方向

快適で活力あふれる岡山づくりに向けての課題や基本的な考え方については,総論の「岡山県の展望と課題」において明らかにしたところである。
本県は,これまで4次にわたる総合福祉計画を通じて,高速自動車道をはじめとして瀬戸大橋,空港,港湾など広域交通網の整備を積極的に推進するとともに,西日本における交通の結節点としての恵まれた条件を地域の発展に最大限に生かすため,拠点施設の整備や地域産業の振興に計画的に取り組んできた。
県内においては,広域交通網の整備等に伴う行動範囲の広がりや行動目的の多様化などによって,日常生活圏がますます拡大し,住民はさまざまな分野で市町村の区域を越えて複数の地域における多様な機能を自由に選択する時代となっている。
また,県内各地域において人口減少,高齢化が進行し,地域の活力や投資余力の低下が懸念されるなかで,住民の多様化するニーズに単独の市町村がすべて応えることは難しくなってきている。
一方,地方分権論議が高まりを見せるなかで,地域自らの選択と責任において地域づくりを行う「新地方の時代」にあっては,地域のアイデンティティを明確にしつつ,住民の多様な価値観に応える地域社会の実現が強く求められている。
このため,複数の市町村が地域住民の日常生活の実態と多様なニーズをふまえ,広域的な視点から,それぞれに役割を分担して,特色を生かした魅力ある機能の充実をはかるなど,現行の行政区域の枠を越えた広域的な連携による地域づくりを展開していくことが肝要である。
また,これまで県内各地域に整備・蓄積してきたハード・ソフトの各種のストックを各地域が最大限に活用し,それぞれの圏域がお互いに個性を競いあいながら発展していく新しい地域づくりを県,市町村はもとより,県民,民間団体,企業等すべてが一体となって展開していかなければならない。
このような観点に立って,県下各地域のめざす基本的方向を地域別に概括すると次のようになる。

岡山地方
岡山地方は、県下諸都市の機能を総合的に補完するとともに瀬戸内三橋時代における都市間競争に対処していくため、多様な高次都市機能の集積をはかり、隣接する倉敷地方との連携を強化し、中四国経済文化圏の中枢拠点をめざす。
岡山市を中心とする都市部においては、人口、都市機能の集積と高速交通網の結節点としての優位性を生かし、さらに、多様な交通網、各種施設等の有効活用をはかり、活力とにぎわいのある地域の形成をめざす。特に、岡山市の中心市街地において、人がつどい、にぎわいを生み出す基盤づくりとして、交通ターミナル機能の充実や商業・業務機能、文化・娯楽機能、コンベンション機能など高次都市機能の集積をはかるとともに、住・商複合ビル形式の質の高い住宅の整備を促進して、職・住・遊が一体となった活気に満ちた都心形成をめざす。
玉野市については、宇野港を核とした海に開かれたまちづくりをめざし、にぎわいのある都市機能の集積を促進する。

東備地方
東備地方は、山陽自動車道、明石海峡大橋、美作岡山間道路など広域交通網の整備による関西圏との近接性を生かし、西播磨テクノポリスとの連携をはかりながら、人・文化・技術がゆきかう新たなまちづくりをめざす。
特に、備前市については、東備地方の中核として都市機能の整備を促進するとともに広域的な視点に立った拠点施設の整備をすすめる。また、岡山セラミックスセンターを核とした新技術、新製品の研究開発などによる国際化時代に対応した地場産業の振興に努める。

倉敷地方
倉敷地方は、岡山地方との連携を強め、相互補完的な機能分担をはかりながら新しい文化拠点をもつ近代的な産業都市を中心として、中四国経済文化圏の中枢拠点の形成をめざす。
倉敷チボリ公園を核に、恵まれた観光資源に支えられた国際観光・芸術・文化ゾーンの形成をめざすとともに、水島臨海工業地帯をはじめとした各種産業の高度化、活性化や東瀬戸内地域の国際物流拠点の形成など本県産業の中枢的機能をより強化する。
総社市では、古代吉備文化を生かした広域交流拠点の整備をすすめる。

井笠地方
井笠地方は、中四国のなかでの拠点形成をはかるという観点から、福山圏域と一体となった新しい発想による都市圏づくりをめざす。
特に、井原線については、福山、倉敷、岡山を結ぶ広域的な循環ルートの構築をめざした整備をすすめ、産業、情報、文化など広範な分野において、広島県東部地域との連携を強化し、県西部地域の中核にふさわしい拠点の形成をすすめる。
また、井笠地方拠点都市地域の基本計画にそって都市基盤の整備、地域産業の活性化等に取り組む。

高梁地方
高梁地方は、中国横断自動車道や吉備高原都市の整備による効果、豊かな歴史や文化、高等教育機関の集積等を最大限に生かした魅力ある定住圏の形成をめざす。
高梁市では、吉備高原西部地域におけるリゾート振興と交流の促進をはかる総合的な広域拠点の整備をすすめる。また、豊かな自然環境のなかで、高齢者がいつまでも健康で生きがいをもって、安心して心豊かにくらせる地域づくりをすすめ、全県のモデルとなるようなのぞましい長寿社会の形成に取り組む。

阿新地方
阿新地方は、県境サミットなど隣県交流、高速道路、豊かな歴史や自然などの地域の資源を生かした広域交流圏の形成をめざす。
新見市では,健康の森をはじめスポーツ・文化施設などを核とする広域交流拠点の整備をすすめる。また,千屋ダム湖畔周辺整備や各種施設のネットワーク化により,新しいスポーツの推進や芸術と文化の回廊づくりに取り組むなど新しい時代の要請に対応した地域づくりをすすめる。

真庭地方
真庭地方は,中国横断自動車道の開通により中国縦貫自動車道との県北唯一の結節点をもつことから,立地条件や多様な自然環境のよさを生かして産業と観光リゾートが調和した圏域の形成をめざす。
南部地域では,県北流通センターを核に人,もの,情報の交流拠点の形成をはかるとともに定住環境の整備をすすめる。中北部地域では,温泉の効用を生かした健康増進拠点や蒜山地域における本格的な高原観光リゾートの形成をはかるなど多様な交流の拠点づくりをすすめる。

津山地方
津山地方は,これまで整備されてきた広域交通網を生かし,県南都市圏との総合的連携や関西圏,山陰諸都市等との広域的な連携を深めながら中国地方内陸部の拠点都市圏・津山をめざす。
津山市については,魅力ある都市機能の充実に努めるとともに,グリーンヒルズ津山をはじめとする美しい自然や伝統文化を生かしたリゾート地域の整備,個性豊かな産業の振興,快適な生活環境の整備をはかる。
北部地域については,豊かな自然と美しい景観を生かし,心のふれあうリゾート地の形成をはかる。
南部地域については,自然と人の営みが調和した快適な居住環境を整備する。

勝英地方
勝英地方は,関西圏との近接性を生かして,内陸工業団地,温泉やスポーツ施設を活用した活力とうるおいのある交流ステージ・勝英の形成をめざす。
全国屈指の内陸工業団地への産業集積をはじめ,都市と農村,消費者と生産者との交流の場や温泉を活用した健康増進拠点の整備などにより,若者から高齢者まで健康で生きがいをもってくらせる地域づくりを展開する。

この「地域振興の方向」においては,以上の考え方のもとに,中長期の展望に立って,それぞれの地方振興局の区分により,各地域別の基本的な振興方向について明らかにする。

第2 地域別振興方向

1 岡山地方

岡山地方は,岡山空港や瀬戸大橋,山陽自動車道など高速交通体系の整備に加え,中国横断自動車道岡山米子線の開通により,中四国地方の東西軸と南北軸の結節点に位置することとなり,その拠点性が一段と高まることになる。
こうしたことから,岡山市を中心として,道路交通網や土地利用の高度化等都市基盤の整備を一層推進するとともに,商業・業務,文化・アミューズメント,高度情報通信,研究開発などの高次都市機能の整備,地域の個性と魅力を発揮した国際交流や国際協力の促進,産・学・官が連携した学術・研究や新産業の基盤づくり等をすすめていかなければならない。
また,各地域の特性を生かしながら,隣接都市はもとより,山陽,山陰,四国などの都市圏とのネットワークづくりをすすめ,中四国経済文化圏の発展を先導する拠点地域としての役割を担っていかなければならない。
そのため,中国横断自動車道岡山米子線の早期完成や岡山空港の一層の機能強化,岡南飛行場の拡張整備を推進するとともに,広域的な道路網の整備をすすめる。あわせて,岡山市中心部から岡山空港へのアクセスとしてガイドウェイバスの導入をはかる。さらに,中四国横断新幹線の早期実現に向けて積極的に取り組む。港湾については,岡山港の整備,宇野港の再開発をすすめる。
加えて,高度情報化の進展に対応するため,テレトピア構想等の促進をはかるなど,高度情報通信基盤と高度情報通信システムの整備をすすめる。
産業の持続的な発展を確保していくためには,中四国の結節点に位置するこの地方の優位性を生かしながら地域の未来を拓く活力ある産業づくりをすすめていかなければならない。
このため,工業技術センター・テクノサポート岡山を拠点として,産・学・官による共同研究や技術交流,情報提供等を行い,地域産業の育成や高付加価値製品を生み出す技術力向上の支援に努める。
農山漁村地域では,道路網の整備をはじめ農業集落排水事業の推進など快適な生活の基礎となる生活関連基盤の整備や都市との交流,相互補完をはかるとともに,中四国地方の交通の結節点や都市近郊であることなどの地域特性を生かした先進的で多彩な農林水産業を展開し,定住・交流基盤が整備された豊かで住みよい農山漁村の創造をめざしていく。
また,平成17年に開催される岡山国体の主会場が岡山市古都南方・下地区に決定したことなどから,文化・スポーツを通じたゆとりやうるおいのあるまちづくりに取り組み,心の豊かさが実感できる地域づくりをすすめていく。
この地方は,瀬戸内海の風光明媚な自然景観をはじめ吉備路,岡山城や後楽園など多様な地域資源を有しており,豊かな自然や歴史的蓄積など地域の魅力を生かした広域交流型の拠点づくりをすすめていく。
岡山城が平成9年に築城400年を,後楽園が平成12年に築庭300年を迎えることから,その一帯を再生整備するとともに,多彩な関連事業を展開し,岡山の歴史・文化の顔づくりをすすめる。

〔中四国経済文化圏の発展を担う県都岡山のまちづくり〕

県下最大の面積と人口61万人を擁する県都岡山市については,人と自然が共生することを基本としながら,陸,海,空の多様な交通体系を生かし,行政,経済,文化・教育,情報,福祉・医療などさまざまな分野で高次都市機能の集積に努め,活力とにぎわいのある都市づくりをすすめていく。
また,心の豊かさや個性ある生き方など住民の価値観の多様化をふまえ,うるおいとやすらぎのある安全で快適な生活環境づくりをすすめていく。

  •  都心部や河川,児島湖・児島湾周辺における親水性豊かな水辺空間の整備,操山や北部の丘陵地域での自然とのふれあい空間の整備,近隣公園の整備や植樹などによる緑空間の創出に努め,きれいで豊かな水や緑などの自然環境に恵まれた都市づくりをすすめる。
  •  中四国における拠点性を高めるため,中国横断自動車道岡山米子線の建設を促進するとともに,地域高規格道路や高速道路へのアクセス道路の整備を促進する。また,広域幹線道路の機能強化をはかるため,国道等の整備を促進する。
    都市内交通の円滑化をはかるため都市計画道路万成国富線等の環状道路の整備やパーク・アンド・ライド駐車場の整備を促進するとともに,宇野線大元駅付近連続立体交差事業や米倉津島線立体交差事業等をすすめる。また,津山線の高速化,吉備線の電化やバス路線の整備などの公共交通機関の機能充実を促進するとともに,中四国横断新幹線の早期実現に向けた積極的な取組みを行う。
  •  岡山港については,航路しゅんせつをすすめるとともに,正儀地区の沖合人工島に内貿ユニットロードターミナルを整備し,国内における物流拠点性を高める。
  •  岡山空港については,滑走路の3,000m化や航空貨物基地の整備に積極的に取り組むとともに,既存路線の充実や国内・国際定期路線の新規開設など中四国の拠点空港として一層の機能の充実に努める。
    また,岡山空港,岡山リサーチパーク,吉備高原都市などの利便性をさらに高めるため吉備新線の4車線化(岡山空港~国道53号)をすすめるとともに,岡山市中心部から岡山空港へのアクセスとしてガイドウェイバスの導入をはかる。
    岡南飛行場については,小型航空機の基地機能,教育機能や航空への理解と関心を深めるふれあい機能を備えた西日本の小型航空機の拠点(スカイパーク岡山)として拡張整備する。
  •  中心市街地において,人がつどい,にぎわいを生み出す基盤づくりとして,交通ターミナル機能の充実や商業・業務機能,文化・娯楽機能,コンベンション機能など高次都市機能の集積をはかるとともに,住・商複合ビル形式の質の高い住宅の整備を促進して,職・住・遊が一体となった活気に満ちた都心形成をめざす。
    さらに,豊かな水と緑を生かし,随所に緑地・緑化スペースを整備するなど,都市機能と居住が調和した,公園のなかに存在する都市づくりを目標として,新しい岡山の顔づくりをすすめる。
    加えて,マルチメディア社会に対応するため,テレトピア構想等の進展をはかるとともに,光ファイバー通信ケーブルの敷設等による高度情報通信基盤の整備や高度情報通信システムの整備を促進し,「岡山情報ハイウェイ」の中心地域としての整備をすすめる。
    また,コンベックス岡山,岡山シンフォニーホール,岡山国際交流センター等の有効利用をはかり,多くの人びとがつどい,交流し,にぎわいをつくり出す交流拠点づくりをすすめる。
  •  岡山市が西大寺地区に確保している民間工場跡地については,同地区の活性化をはじめ,岡山市,県南東部の拠点となるような利用の促進をはかる。
  •  生活のなかで真に豊かさとゆとりを実感できるよう下水道の整備や農業集落排水事業等の推進,良質な住宅の供給,高齢者や障害者にも配慮した生活道路の整備,ごみ処理施設の整備やリサイクル社会の構築に努める。また,河川,砂防,海岸等の改修による総合的な治水対策や都市の防災化を推進する。
  •  農業の中心となる稲作について,不耕起乾田直播などによる徹底的な低コスト化の推進をはかるとともに,農地の利用集積等による規模拡大をはかる。
    また,「朝日」,「吉備の華」などの優良品種や酒造好適米である「雄町」の生産拡大をはかる。当地域は,温室ぶどう,ももなど「くだもの王国岡山」の中核地域であり,岡山空港や高速道路の利点を生かしたフライト園芸等高速流通型園芸の一層の振興をはかる。また,国際化に対応した効率的な農業経営の基礎となるほ場整備,農道整備,かんがい排水事業を促進するとともに,有機無農薬栽培による付加価値の高い米,野菜などの産地育成をすすめる。
    酪農については,牛群の能力向上をはかるとともに,転作田,水田裏作を活用した自給飼料の確保や耕種農家との連携による良質たい肥の供給をはかり,地域と調和した生産性の高い経営体を育成する。
    児島湾や犬島付近を中心とする沿岸漁業の経営の安定をはかるため,水産資源の増殖や漁場環境の改善などをすすめ,とる漁業からつくり育てる漁業への転換をはかる。また,漁業生産活動の基盤となる漁港等の整備に努める。
  •  都市の顔である都心商業地において,人びとの回遊性を確保するため,魅力あるイベントの開催やおかやま魚島横町などの同業種集積を促進し,買物の楽しさに加えて高度な情報が得られるにぎわいの拠点づくりをすすめる。
  •  岡山リサーチパークへの企業,研究施設の誘致・集積をはかるとともに,中核施設である工業技術センター・テクノサポート岡山を活用し,産業の高度化,高付加価値化をすすめる。
  •  岡山城・後楽園,四季折々に美しい表情をみせる吉備路,昔のたたずまいを今に伝える足守,はだか祭りで名高い西大寺など数多くの観光資源の広域的な連携をはかりながら,観光・リゾートゾーンの整備,観光拠点機能の強化,観光客誘致対策の充実を促す。
  •  平成9年に岡山城築城400年,平成12年に後楽園築庭300年を迎えることから,岡山のシンボル拠点地区として岡山城,後楽園,旭川一帯の再生整備をすすめるとともに,多彩な事業展開をはかり,岡山の歴史,伝統,文化を全国に向けて情報発信していく。
    外国人観光客が安心して快適な旅ができるよう,外国語併記の観光案内板を設置するとともに,岡山国際交流センターを積極的に活用した受入れ体制づくりを推進する。
  •  岡山シンフォニーホールを活用した音楽あふれる魅力あるまちづくりを促進するとともに,総合文化センター,県立博物館,県立美術館,市立オリエント美術館など多くの文化施設が集積する天神山一帯のカルチャーゾーンの一層の魅力アップをはかる。
  •  生涯にわたり,いつでも気軽に学習活動に取り組むことができるよう生涯学習推進センターや県立図書館の建設をすすめる。また,公民館等の社会教育施設の整備や岡山ふれあいセンター,地域センターを地域の生涯学習の拠点施設として活用をはかるなどにより生涯学習社会の実現をめざす。
  •  増大するスポーツ・レクリエーション需要に対応するため,身近なスポーツ施設の整備や地域スポーツクラブの育成などを促進し,スポーツ都市づくりをすすめる。また,平成17年の岡山国体開催に向けて,道路網や施設等の整備をはじめ競技スポーツの振興をはかる。
  •  県民の健康づくりに役立てるための健康増進中核拠点施設を整備し,メディカルチェックや健康増進を推進する。

〔瀬戸内海の風光と豊かな田園に恵まれた玉野,灘崎の振興〕

玉野市については,「うるおいとにぎわいのある新しい港まちづくり」をめざし,快適な都市機能と住環境,商工業の集積,海洋性スポーツと滞在型リゾート拠点など,地域ごとの個性を生かしながら,人を引きつける魅力にあふれ,しかも住みやすいまちづくりをすすめる。
灘崎町については,農業の安定的発展をはかるとともに,宅地化の進行に応じた生活環境基盤の整備を行い,おかやまファーマーズ・マーケット(仮称)を核とした都市と農村との交流による調和のとれたまちづくりをすすめる。

  •  宇野港については,宇野地区において,3万トン級外航クルーズ船が接岸できるふ頭・ターミナルの整備を核とする再開発事業をすすめるとともに,音楽ホール,商業・業務ビルなどにぎわいのある施設づくりを通じて,人びとがつどい憩える港湾空間を創出し,広域文化交流機能の集積をはかる。また,日比地区において,海洋性レクリエーション需要の増大に対処するための大型マリーナ等を整備する。
  •  県南都市間の連携を緊密化し,IC30構想をすすめるため,国道430号,主要地方道倉敷玉野線,同玉野福田線,同倉敷飽浦線など,主要幹線道路網の整備を推進する。
  •  中心市街地の土地区画整理事業,都市計画道路事業,市街地再開発事業などを促進して魅力ある市街地の再生をはかるとともに,人口増加の著しい八浜・荘内地区において,良質な住宅地開発と商業集積を促進する。
  •  造船を中心として蓄積した高度な工業技術を生かしながら,時代の流れにそった事業分野の多角化,高付加価値化をはかるとともに,瓶割工業団地の造成,新たな企業立地等を促進し,安定した雇用の場の確保と活力ある地域づくりを推進する。
  •  港湾機能や美しい海岸線など豊かな自然を生かしながら,スペイン村計画をすすめるとともに,渋川海岸,玉野海洋博物館など優れた観光資源を有し,海洋性レクリエーション拠点として発展を続ける和田・日比・渋川地区において,大型マリーナ,スカイスポーツ施設など施設整備や機能拡充をすすめ,全国スケールの滞在型多機能リゾート地区の形成をはかる。
    また,東児・山田地区において,観光農業・文化交流施設や野外レクリエーション施設など人びとが憩い,交流する場の整備を促進する。
  •  高齢化の進展に対応し,高齢者,障害者,幼児などが総合的な保健福祉サービスを受けることのできる拠点として,保健・福祉を一体化した総合福祉施設の整備を促進する。
    また,瀬戸内海の海水を利用したタラソテラピー(海洋療法)を行うアクアヘルス推進事業による健康増進施設を設置する。
  •  生涯学習,地域活動など住民の主体的かつ多様な活動の拠点として生涯学習センター,市民センター,文化施設等の体系的な整備を促進する。生涯学習センターには国際交流センターを併設し,国際交流の促進をはかる。
  •  児島湖流域下水道事業については,3号幹線管渠の早期完成と,流域関連公共下水道の整備状況に対応した処理施設の増設をすすめる。また,児島湖のしゅんせつ事業の促進や生活雑排水対策の推進をはかるなど,児島湖やその流域の総合的な環境保全対策をすすめる。
  •  干拓地などの優良農地については,海岸保全施設整備事業,農道整備事業及びかんがい排水事業などによりその保全と生産基盤の整備を促進する。
    米麦栽培の低コスト化や生産量県下一のナスの一層の産地化をはかるとともに,外国産との競合で厳しさを増しているれんこんについては,順次,レタス,花きなどへの転換をはかり,より生産性の高い農業経営をめざす。
  •  都市と農村,生産者と消費者が直接にふれあい,理解と交流を深めるためおかやまファーマーズ・マーケット(仮称)を整備し,これを核として,農業の振興と活力あふれる地域づくりをめざす。
  •  漁場の造成,整備及び栽培漁業を推進し,瀬戸内海の豊かな幸を将来にわたって確保するよう努める。

〔恵まれた自然や都市圏との近接性を生かした北部地域の振興〕

御津郡3町からなる北部地域については,県南都市や岡山空港等に近接しており,付加価値の高いフライト農業など地域の特性を生かした農業振興や先端産業などの企業の誘致など多角的な産業振興施策を展開し,地域の振興をはかる。

  •  岡山市,岡山空港,さらには,高速自動車道等へのアクセス性を高めるため国道53号,同 429号,同 484号,主要地方道高梁御津線,同建部大井線,同仁堀中御津線等の整備をすすめるとともに,地域内を結ぶ生活関連道路の整備促進をはかる。
  •  吉備高原都市においては,前期計画に引き続き住区,研究産業区などの整備をすすめ,都市機能が集積した人間性,文化性豊かな21世紀を志向するにふさわしい魅力あるまちづくりを推進する。
  •  中山間地域がほとんどを占める当地域においては,地域特性を生かした付加価値の高い農業の振興をはかるとともに,地形条件にあわせたほ場,かんがい排水施設等生産基盤の整備を促進する。
    アイガモを利用した有機無農薬米や棚田天然米など個性的な米づくりを行うとともに,やまのいも,みつば等の野菜及びぶどうやキウイフルーツ等の果樹など,地域の特性を生かした多彩な品目の生産振興と有機無農薬栽培の促進をはかる。また,岡山空港や高速道路網の利点を生かしたフライト園芸等高速流通型園芸生産団地の形成をめざし,吉備高原地帯でのバラ,カーネーション,トルコギキョウや,バイオテクノロジーを利用した洋ランなどの花き生産の振興を促進する。
  •  しいたけ,まいたけなどの特用林産物の生産振興をはかる。また,公共育成牧場の整備をすすめ,酪農,肉用牛肥育を中心とした畜産の振興をはかるとともに,ヨーグルト,チーズ等の畜産加工品製造技術の向上や販路の拡大に努め,地域特産品としての定着をすすめる。
  •  工業については,岡山空港や岡山リサーチパークに近接している地理的条件を生かし,御津工業団地をはじめとする工業団地へライフサイエンス・バイオ関連産業などの高付加価値型産業の企業誘致を積極的に推進するとともに,地域の自然や環境と調和した工業振興をはかる。また,津山線の駅前周辺整備や駅周辺の商店街の活性化をはかるとともに,吉備高原都市内の商業集積をすすめる。
  •  豊かなゆう出量とラジウム含有量を誇る八幡温泉郷や四季折々の農山村のたたずまいをみせる円城ふるさと村をはじめ,大自然を舞台にスポーツなどが楽しめる吉備高原建部家族旅行村,清流や紅葉で名高い宇甘渓等の県立自然公園の利用施設などの設備の充実をはかるとともに,これらのネットワーク化をすすめ,家族やグループが楽しめる観光・レクリエーションゾーンの形成をはかる。
  •  また,高齢化率が県平均を大きく上回っているこの地域では,在宅福祉対策や老人福祉施設等の整備を促進するとともに,長寿社会の到来に対応したボランティア活動を促進し,地域ぐるみで高齢者を支えあい,高齢者の社会参加をはかるシステムづくりに努める。さらに,若者の定住化をはかるため,町営住宅の整備充実や若者向け分譲宅地の造成などを促進する。
    また,河平ダムの建設をすすめるなど水道未給水地域の解消に取り組むとともに,建部町,加茂川町の常備消防体制への移行,救急医療体制,地域医療の充実をすすめ,さらに下水道やごみ最終処分場の整備等をはかるなど,快適な生活環境の創出に向けた基盤整備を引き続き促進する。
  •  動物愛護思想の普及啓発や動物由来の人畜共通感染症対策と従来の動物行政との一元的な行政運営をはかるため,動物愛護センターを整備する。

〔都市近郊にある立地条件や臨海性・地域文化を生かした東部地域の振興〕

邑久郡3町からなる東部地域は,人口,産業等が集積する岡山市の近郊地域である立地条件や温暖な気象などの自然条件を生かし,豊かな食料生産基地として一層の農林水産業の振興をすすめるとともに,田園工業地帯の形成や住宅地の整備を促進していく。
瀬戸内海の景観と豊かな歴史文化資源を有効に活用し,多面的な観光・リゾートゾーンとしての整備,拡充をはかっていく。

  •  平野部での農業については,基幹作物である米,麦の低コスト化を促進し,丘陵部,臨海部では,はくさい,キャベツ,かぼちゃ,ぶどう,みかん,カーネーションなどの野菜,果樹,花きの生産振興をはかる。また,産地間競争に対応できるよう,ほ場整備事業,かんがい排水事業や丘陵部の畑地帯総合土地改良事業等を一層推進し,生産基盤の整備をすすめるとともに,出荷体制の整備をはかる。
    畜産については,牛群の能力向上をはかるとともに,既存の飼料畑等の有効利用,耕種農家へのたい肥供給をすすめ,生産性の高い酪農経営と肉用牛経営を推進する。また,飼養管理技術の向上や環境改善,防疫対策の推進に努める。
  •  漁業については,とる漁業からつくり育てる漁業への転換を一層推進し,カキ,ノリなどの水産物も含め,養殖漁業を基盤とした安定的な漁業経営の確立をめざすとともに,漁港改修,水産加工施設の整備,充実などにより,生産力の向上をはかり,後継者の確保に努める。
  •  吉井川東岸や赤穂線沿線を中心に新たに立地した出版・印刷,高度情報化関連企業などを核として,さらに高付加価値型企業の誘致をすすめ,環境や農業への影響の少ない工業の振興と雇用の場の確保をはかる。
  •  主要地方道備前牛窓線,一般県道福里八日市線,同大平山坂田線,同牛窓邑久西大寺線などの整備をはじめ,工業団地へのアクセス道路や生活道路など地域の活性化に不可欠な道路網の整備を促進するとともに,干田川,千町川等の河川改修を推進する。
  • 牛窓港前島地区のフェリー乗場の移設をすすめるとともに,一文字防波堤の改修や海岸保全事業の推進をはかる。
  •  良好な住宅地の開発や下水道,ごみ処理施設の整備など生活環境の充実を促進し,若者を中心とした定住人口の増加をはかる。
  •  産業廃棄物について,将来にわたって適正な処理体制を構築するため,公共関与によるモデル的な産業廃棄物最終処分場を牛窓町鹿忍地区に建設することで関係者及び住民と意見調整しながら早期着工に努める。
  •  家族連れやグループなどが日帰りで気軽に森林づくりに参画し,楽しむことのできる都市近郊型のモデルとなる美しい森林を整備する。
  •  牛窓町に設置している青少年の島「黒島」について,青少年が利用しやすいよう整備をすすめるとともに,青少年が主体的,自主的に交流できる場として一層の活用をはかる。
  •  日本のエーゲ海といわれる牛窓の海や古きよきたたずまいを残す港町,大正ロマンの竹久夢二や世界的に著名な人形師竹田喜之助を生んだ情緒ある農村風景,刀剣のふるさとである備前長船の里や京の都を手本としてつくられた福岡の町並みなど,優れた景観や文化財等の有効な活用と連携をはかりながら,質の高い,海洋性レジャー基地を中心とした観光・リゾートゾーンの形成に向け港湾改修や道路整備を行う。また,岡山ブルーライン沿線の整備を促進するとともに,当地域を経由して県南の沿岸部を東西に連絡する瀬戸内沿岸道路計画について,モデル区間の整備をすすめるなど,その具体化をはかる。

主題:
快適で活力あふれる岡山づくり
第5次岡山県総合福祉計画 No.5
303頁~363頁

発行者:
岡山県

発行年月:
平成8年4月

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