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国際障害者年第2次京都市行動計画

ノーマライゼーションを進めるための総合的福祉施策のあり方

完全参加と平等
-No.2-

平成4年10月

京都市

(注)
☆ 継続実施
★ 充実実施
□ 新規

福祉サービス

項目 課題 事業名 事業内容 所管
福祉サービスの充実  障害のある市民に対する福祉サービスの目指す水準は,障害のない市民との「平等」であり,それは,障害のある市民の全生活領域において保障されなければならない。
 そして,これらの福祉サービスの内容や提供は,当然のことながら慈恵的であってはならず,障害のある市民の,人間としての尊厳を守る水準のものでなければならない。
 障害のある市民のニーズは,その障害の種類や程度等により多種多様であるが,障害のある市民にとって必要なことを,障害のある市民が望むかたちで援助ができるよう,きめ細かなサービスを用意する必要がある。
 また,核家族化・高齢化あるいは女性の社会参加の機会の増大等により,在宅介護者の精神的・身体的負担が増大している。
 障害のある市民の在宅生活を支援する意味においても,在宅で重度の障害のある者を抱える家族に対する福祉的サービスも用意していく必要がある。
- - -
在宅福祉の充実  ノーマライゼーションの理念を具現化するためには,障害のある市民が住みなれた地域社会の中で自立し,社会参加できる体制づくりが必要である。 ☆在宅障害児指導 主として発達遅滞のある在宅の児童とその保護者に対し,集団又は個別に心理学的指導を実施 民生局
★在宅重症児訪問指導 在宅重症心身障害児・者の世帯に医師(精神科・整形外科)及び訓練士を派遣し,助言指導又は機能訓練を実施 民生局
☆在宅重度身体障害者訪問診査 日常生活に著しい支障のある在宅の重度肢体障害者に対して医師等を派遣し,診査及び更生相談を実施 民生局
□在宅重度精神薄弱者訪問診査 日常生活に著しい支障のある在宅の重度の発達遅滞のある者に対して医師等を派遣し,診査及び更生相談を実施 民生局
★重度・重症心身障害児・者緊急一時保護
(ショートステイ)
在宅の重度・重症心身障害児・者を抱える家庭の援護施策として,保護者又は家族の疾病,事故等の際に,当核障害児・者を福祉施設に一時的に入所させ,福祉の水準を維持 民生局
★心身障害児訪問療育指導員派遣 重度の心身障害のため,日常生活に著しい支障のある障害児・者を抱える家庭に対し,訪問療育指導員を派遣し,介護・療育相談等を実施 民生局
□重症心身障害児・者地域拠点事業 在宅福祉を担当する職員を重症心身障害児施設に配置し,在宅での療育等に関する相談・各種福祉サービスの提供・援助・調整等を行い,在宅の重症心身障害児・者とその家庭の福祉の向上を図る 民生局
★家庭奉仕員の派遣 重度の身体障害のために独立して日常生活を営むことに著しく支障のある身体障害者の家庭に家庭奉仕員を派遣し,家事・介護等の日常生活を支援 民生局
★中途失明者巡回生活相談 中途失明者のいる家庭・病院等に生活指導員を派遣し,更生援護を支援 民生局
★家庭生活訓練 失明した女性に対して,家庭での日常生活上必要とされる諸能力について指導・訓練を実施 民生局
★在宅障害者デイサービス事業 外出や就労の機会が得にくい在宅の重度障害者を通所させ,日常生活訓練・創作活動・軽作業等を実施すると共に入浴・給食サービスの拡大を図る 民生局
★障害者スポーツの振興 京都市障害者スポーツセンターの運営充実及び重度障害者・障害別・競技種目別等のスポーツの振興により,社会参加の促進と体力・残存能力の維持・増強を図る 民生局
★盲青年等社会生活教室開催事業 失明した青年等に対し,社会生活に必要な知識の習得や体験交流等を実施 民生局
★ろうあ者社会生活教室開催事業 聴覚・言語に著しい障害のある者が社会生活に必要な知識の吸収を図り,また意見・情報等を交換する学習教室を開催 民生局
★難聴者自立生活訓練事業 難聴・中途失聴者に対し,手話・口話・聞え等に関する訓練指導等を行い,社会参加の促進を図る 民生局
★オストメイト社会適応訓練事業 人工肛門・人口膀胱造設者に対し,装具の使用等について正しい知識を付与し,社会生活に必要な訓練等を実施 民生局
★音声機能障害者発声訓練事業 喉頭摘出者のための食道発生訓練等を実施し,社会参加の促進を図る 民生局
☆在宅心身障害児育成事業 在宅の心身障害児の福祉の増進を目的とした親の会事業及び心身障害児を対象とした招待行事への補助を実施 民生局
★心身障害児・者グループ訓練事業 就学期の心身障害児・在宅の重度心身障害児・者を対象に,保護者等が実施するグループ訓練事業に対し経費の一部を補助 民生局
☆在宅心身障害児・者療育キャンプ事業 在宅の心身障害児を対象に,生活訓練を目的とした療育キャンプを実施 民生局
☆美術館・動物園・二条城の入場料無料化 身体障害者手帳・療育手帳の交付を受けている障害のある市民とその介助の入場料を免除 文化観光局
☆市主催特別展の観賞料の割引 市主催特別展の観賞料を割引し,レクレーションの機会を増加 文化観光局
★身体障害者事業補助 自己啓発と社会参加を促進するための事業を実施する障害者団体に対し,補助金を交付 民生局
☆難病団体補助金 京都難病団体連絡会に対する団体補助 衛生局
☆精神障害者家族会活動助成 精神障害者家族会活動に対する運営補助 衛生局
☆精神障害者関係団体補助 精神保健思想の普及啓発活動を実施する京都精神保健協会に対する運営補助 衛生局
マンパワーの確保  福祉サービスの根幹はマンパワーにあるといえる。
 様々なニーズに対応し,障害のある市民が必要としたときに必要なサービスを提供するためには,その質的・量的充実は重要な課題である。

 とりわけ,地域住民と日常的に接する機会の多い福祉事務所・更生相談所・児童福祉センター・保健所等の第一線の行政機関,あるいは民生児童委員や身体障害者・精神薄弱者・精神保健の各相談員等においては,情報提供・相談機能の充実とともに,より一層の専門性の向上を図る必要がある。

 また,福祉サービスに果たすボランティアの役割は大きいものがある。
 近年,ボランティアの十分な確保が困難な状況になってきており,ニーズに反して今後ますますその傾向が強まってくることが予測される。
 従前のボランティアとしての役割が,商業ベースに乗ってきているケースも見受けられる。

 障害のある市民の必要なニーズを満たすために,

  1.  小学校教育,中学・高等学校教育,社会教育の中でボランティアの重要性・必要性を意識づけ,その育成を図る。

  2. ボランティア活動は本来無償の活動ではあるが,単に善意あるいは精神主義のみを主張しても時流にそぐわないとの考え方も出てきている。
     ボランティアの意義等基本的認識を十分踏まえ,その精神等も尊重したうえで,活動に伴う交通費・ボランティア保険料・事務諸経費等の最小限度の必要経費は保障する。

  3. ボランティアの育成・研修・需給調整・情報提供等の機能を有するボランティアビューロー等活動の拠点を地域的に配置するとともに,これらを含めて既存のボランティア団体やグループのネットワーク化を図り,質的・量的な拡大及び確保に努める。
等の対策が必要である。
★身体障害者相談員の設置 身体障害者の相談・援助等の業務に携わる相談員の設置 民生局
★精神薄弱者相談員の設置 精神薄弱者の相談・援助等の業務に携わる相談員の設置 民生局
★ボランティアビューローの設置 ボランティア活動を市民ぐるみで展開するための拠点施設を整備 民生局
☆障害者スポーツ指導者養成研修 障害者スポーツの普及のため,指導員を養成 民生局
□重度肢体障害者在宅生活支援団体育成補助事業 重度肢体障害者の在宅生活を支援するボランティアグループを育成している公的団体等に補助金を助成し,地域福祉活動の活性化を図る 民生局
★人材の養成・確保
  1. 障害のある市民等のニーズを的確に把握し,適切なサービスが提供できるよう福祉関係職員の研修,養成事業の充実
  2. 福祉施設の職員確保対策および職員体制の充実
民生局
コミニュケーション手段の確保  重度の障害のために,自分の意思が十分伝達できない市民あるいは視覚・聴覚・音声言語の機能に障害のある市民の「平等」な日常生活を保障し,支援するためのコミニュケーション手段の確保は,これらの市民にとっては切実な問題であり,その提供システムの確立が必要である。
 既に実施している手話通訳・要約筆記者養成講座や点訳奉仕員養成講座等の拡充とともに,日常生活用具等の開発・普及についても国に対し,積極的に要望していかなければならない。
★手話奉仕員養成事業 聴覚・言語に障害者のある者のコミュニケーションを確保するため,広く市民を対象に,手話技術等の養成講座を開催 民生局
★手話通訳者設置事業 聴覚障害者とのコミュニケーションを円滑にするため行政機関に手話通訳者を設置 民生局
★手話通訳者派遣事業 聴覚障害者が行政機関や医療機関等に出向くとき,手話通訳者を派遣 民生局
★点訳奉仕員養成事業 視覚障害者のコミュニケーションを確保するため,広く市民を対象に,点訳奉仕員養成講座を開催 民生局
★朗読奉仕員養成講座 視覚障害者のコミュニケーションを確保するため,広く市民を対象に,朗読奉仕員養成講座を開催 民生局
★要約筆記者養成事業 中途失聴者のコミュニケーションを確保するため,広く市民を対象に,要約筆記技術等の養成講座を開催 民生局
★要約筆記者派遣事業 中途失聴者を対象に,公的な集会等に要約筆記者の派遣を行う 民生局
★日常生活用具の開発普及 重度障害者用意思伝達装置・携帯用会話補助装置・聴覚障害者用通信装置等コミュニケーションを確保するための日常生活用具の普及拡大
民生局
★盲人用カナタイプ講習会 盲人用カナタイプライターの講習会を開催し,技術の修得を図る 民生局
情報提供サービスの充実  高度情報化が進み,多種多様の情報が溢れる中で,重度の障害のある市民や視覚・聴覚に障害のある市民等に対して,必要とする情報をいかに早く,適切に提供するかは,これらの市民にとって切実な問題であり,そのシステムの整備は重要な課題である。

 京都ライトハウス・聴覚言語障害センター・リハビリテーションセンター・児童福祉センター等の情報提供機能の充実とともに,社会情報や一般生活情報等の,より良い入手手段の方策についても検討を進めていかなければならない。

★聴覚情報提供施設 聴覚障害者の各種相談に応じるとともに,聴能言語訓練・手話通訳の派遣及び聴覚障害者向けビデオテープの製作・貸出しを実施 民生局
★身体障害者福祉電話等設置事業 コミュニケーション及び緊急連絡の手段の確保のため,外出困難な在宅の重度身体障害者の住宅に福祉電話を設置 民生局
★生活環境情報提供事業 身体障害者の日常行動に役立つ各種の情報(車いすガイドブック等)を提供 民生局
★法律・結婚等相談事業 社会参加していくうえで生じる様々な問題について相談に応じ,適切な情報等を提供 民生局
★点字図書の給付 一般図書と点字図書の価格差を補助し,視覚障害者の点字図書による情報入手を容易にする 民生局
★点字出版施設 点字刊行物の出版制作 民生局
☆点字市民しんぶんの刊行 視覚障害者を対象に,点字による市民しんぶんを発行し,市政に関する情報を提供 市長室
☆点字版京都ガイドブックの刊行 視覚障害者が観光・史跡文化財等の探訪を行うに際してのガイドブックを刊行 文化観光局
★点字即時情報ネットワーク事業 新聞・雑誌等の最新の情報を点訳し,閲覧あるいはフロッピーディスクに複写入力して提供 民生局
★点字図書館 点字刊行物や「声の図書」の貸し出し及び閲覧 民生局
介護サービスの充実  重度の障害のある市民や難病のある市民の社会参加を促進するとともに,地域社会の中で自立した生活を送るための支援策として,マンパワーの確保・コミュニケーション手段の確保・情報提供システムの充実等とともに,ホームヘルプ・ガイドヘルプ制度等の介護サービスの充実が欠かすことのできない課題である。

 また,重度の障害や難病を有する家族を,長期にわたり在宅で介護している家族の者にも配慮した施策の検討が必要である。

*介助の状況

  • 身体障害者

    何らかの介助が必要31.8%
    介助の必要なし68.2%

     何らかの介助が必要 [内訳]

    入浴25.6%
    衣服の着脱22.1%
    家中の移動18.8%
    トイレ16.4%
    食事15.0%

    (平成3年京都市心身障害者実態調査)

  • 身体障害児
    何らかの介助が必要50.8%
    介助の必要なし49.2%

     何らかの介助が必要 [内訳]

    入浴48.3%
    衣服の着脱44.5%
    トイレ43.6%
    食事34.8%
    家中の移動29.9%
    (平成3年京都市心身障害児実態調査)

  • 精神薄弱児・者
    何らかの介助が必要36.4%
    介助の必要なし63.6%

     何らかの介助が必要 [内訳]

    入浴32.3%
    衣服の着脱23.3%
    トイレ22.4%
    食事12.4%
    家中の移動9.6%
    (平成3年京都市心身障害児実態調査)
□全身性障害者ガイドヘルパー派遣事業 脳性マヒ・頸髄損傷者・進行性筋萎縮等による重度の全身性障害者の外出の機会を保障するためにガイドヘルパーを派遣 民生局
★盲人ガイドヘルパー派遣事業 視覚障害者が単独で外出が困難な場合にガイドヘルパーを派遣 民生局
★盲人ガイドヘルパーネットワーク事業 重度の視覚障害者が都道府県を越えて外出する場合に,その目的地において必要となるガイドヘルパーを確保するためのネットワークを整備 民生局
★盲老人介護人派遣事業 一時的疾病で日常生活を営むことに支障がある盲老人の家庭に介護人を派遣 民生局
★盲導犬の育成助成 重度視覚障害者の就労等社会活動への参加を促進するため,単独歩行に必要な盲導犬の育成を助成 民生局
★在宅重度障害者入浴サービス ねたきり等の在宅重度身体障害者で入浴することが困難な者に対して入浴サービスを実施 民生局
□重度障害者介護人派遣事業 介護力が不十分な重度の障害がある市民の世帯に対し,地域社会で生活ができるよう夜間を含めて介護人を派遣 民生局
□介護者支援事業 重度の障害のある家族を,在宅で長期にわたり介護する保護者を対象に,保養と親睦,情報交換等を兼ねた一泊研修等を実施 民生局
★在宅介護支援センター 在宅介護に関する24時間体制の相談受付,訪問指導 民生局
□身体障害者自立支援事業 公営住宅・福祉ホーム等に居住している重度身体障害者に対し,ケアグループによる介助サービスを提供し,地域社会での自立生活を支援 民生局
補装具・福祉機器  補装具・福祉機器は,障害のある市民の日常生活や社会生活上のハンディキャップを軽減し,自立と社会参加を促進するために重要な役割を果たすものである。
 しかも,今日の科学技術の進歩は,障害のある市民の日常生活上の機能拡大に大きな可能性を与えている。

 これらの普及・開発については,国に対する要望も含めて,次のような取組が必要である。

  1. 補装具・福祉機器の研究・開発
  2. 常設展示場の確保と情報提供システム
  3. 補装具・日常生活用具の品目の拡大
□福祉機器総合センターの設置 福祉機器に関する情報の提供と使用上の助言相談等を行う常設展示場を設置すると共に機器の貸し出し業務を実施 民生局
★福祉機器相談事業 日常生活上の利便を図る福祉機器に関するPR・相談等を通じてその普及を図る 民生局
施設サービス *福祉施設の要望

  • 身体障害者
    老後安心できる施設41.5%
    障害者向け住宅17.7%
    介助者のいる施設14.1%
    サークル活動のための施設10.7%
    機能回復訓練のための施設8.3%
    スポーツ施設6.4%
    授産施設等仕事をする施設3.5%
    (平成3年京都市心身障害者実態調査)

    ・身体障害児

    老後安心できる施設22.9%
    サークル活動のための施設22.3%
    授産施設等仕事をする施設17.8%
    機能回復訓練のための施設17.1%
    介助者のいる施設16.0%
    障害者向け住宅15.0%
    スポーツ施設15.0%
    職業訓練のための施設13.0%
    (平成3年京都市心身障害者実態調査)

    ・精神薄弱児・者

    老後安心できる施設41.4%
    授産施設等仕事をする施設24.0%
    介助者のいる施設21.4%
    生活指導受けられる通勤寮11.4%
    障害者向け住宅9.9%
    職業訓練のための施設8.8%
    サークル活動のための施設8.4%
    (平成3年京都市心身障害者実態調査)
- - -
通所施設  平成3年9月に実施した「京都市心身障害者実態調査」の中で「今後の治療・訓練についての希望」に関する回答を見たとき,治療・訓練を必要とする市民と家族,就労施設を希望する市民とその家族のいずれもが,生活の本拠は地域つまり在宅生活を維持しながら治療・訓練あるいは就労の場へ通いたいとしている。

 通所施設に対する市民のニーズは,ノーマライゼーションの進行とともに,今後ますますその比重が高まっていくことが推測されるところである。
 引き続き,年次計画的に整備を進めていく心要があるが,設備・機能については,対象者の障害の重度化・重複化に十分対応するよう配慮しなければならない。

*今後の治療・訓練についての希望

  • 身体障害児

    家庭で治療・訓練させたい22.2%
    治療訓練施設へ通わせたい20.2%
    治療訓練病院へ通わせたい8.1%
    治療訓練施設へ入所希望4.0%
    治療訓練病院へ入院希望2.2%

  • 精神薄弱児
    治療訓練施設へ通わせたい25.5%
    家庭で治療・訓練させたい22.5%
    治療訓練施設へ入所希望9.8%
    治療訓練病院へ通わせたい2.9%
    治療訓練病院へ入院希望1.1%
★通所授産施設の整備
★デイサービス施設の整備
種別施設数定員
精神薄弱者通所更生施設155
精神薄弱者通所授産施設10376
精神薄弱者共同作業所18317
身体障害者通所授産施設485
身体障害者共同作業所446
情緒障害児短期治療施設115
精神薄弱児通園施設5160
精神薄弱児母子通園施設260
難聴幼児通園施設130
自閉症児等母子通園施設120
肢体不自由児施設通園部180
視覚障害児母子通園施設120
障害者スポーツ施設2-
身体障害者社会適応訓練施設3-
心身障害児利用施設1-
デイサービス事業5-
肢体不自由者更生施施1(通所事業)10
視覚障害者更生施設1(通所事業)15
聴覚言語障害者更生施設1(通所事業)15
身体障害者授産施設1(通所事業)15
(平成4年4月)
民生局
 心身に重症な障害のある市民(重症心身障害者)に対する福祉施設については,現行法上は明確には位置づけられておらず,また国においてモデル的に開始された通園事業についても,重症心身障害児施設の併設施設とされているため,障害のある市民のニーズに十分対応しきれていない。 □重症心身障害者通所事業 重症心身障害者の福祉の向上と共に,在宅生活を推進していくうえでも,設置規定の見直しについて国に対し積極的に要望していく
民生局
 国に対し,その整備制度の創設を求めるとともに,本市としても早急に検討すべき課題である。 ★共同作業所運営補助 22か所(平成4年4月1日現在) 民生局
 精神に障害のある市民・難病のある市民に対する福祉施設の整備についても,ノーマライゼーションを進めていくうえで極めて重要な課題であり,また家族を含めて切望しているところである。
 精神症状等に応じて選択できる社会的自立に向けての場を用意する必要がある。
★精神障害者小規模共同作業所運営補助 6か所(平成4年4月1日現在) 衛生局
中間的施設
  1. 障害のある市民あるいは精神や難病の障害のある市民が,一定の訓練または治療を終えた後,社会参加を目指すための中間的施設
  2. 障害のある市民や精神・難病の障害のある市民が,一定の生活指導のもとに共同生活を営みながら,そこから就労する生活の場としての中間的施設
  3. 就職し,または施設を退所したがトラブル等により退職または施設への再入所を余儀なくされた市民の一時的な帰来先としての中間的施設

 これらの中間的施設は,自立を願う市民の要望に応えるものであるが,障害のある市民が,施設入所か在宅かという自己の生き方を選択するための有効な選択肢でもあり,ノーマライゼーションを推進する観点からも,今後積極的に取り組んでいかなければならない課題である。

★精神薄弱者通勤寮 2か所(定員:男子20・女子15-(平成4年4月1日現在)) 民生局
★精神薄弱者グループホーム 3か所(定員:男子12・女子8-(平成4年4月1日現在)) 民生局
□精神障害者社会復帰施設の整備 家庭において日常生活を営むのに支障がある精神障害者に対し,日常生活に必要な訓練・指導を実施する社会的自立のための施設の整備について検討 衛生局
□身体障害者福祉ホーム 身体上の障害のため家庭において日常生活を営むのに支障のある身体障害者に対し,低料金で施設の利用を図り,日常生活に必要な便宜を供与し,福祉の増進を図る。 民生局
入所施設  ノーマライゼーションの進行とともに,障害のある市民や家族の声は,在宅福祉の充実を求めている。
 しかしながら一方では,先に示した,平成3年9月に実施した「京都市心身障害者実態調査」結果にもあるとおり,核家族化の進行及び障害のある市民や家族の高齢化等により「老後に安心して暮らせる施設」の整備を望む声も大きいものがある。

 また,障害の重度化・重複化とこれに対応する受入れ側の施設の体制の不十分さから,障害のある市民のニーズを十分満たしていない側面がある。
 特に,医療的ケアーを必要とする心身に重症な障害のある市民や難病のある市民に対し,実情に即した対応が必要である。
 そのため,既存施設の体制強化・機能の充実とともに,障害のある市民のニーズに対応した入所施設の整備は今後とも取り組んでいかなければならない。

 なお,施設において,施設入所者もその地域社会の一員であるとの考え方から,設備や機能を地域や在宅の障害のある市民に対し積極的に提供していくことが必要である。

★身体障害者高齢化対策
□精神薄弱者高齢化対策
□精神薄弱者福祉工場
□重症心身障害者施設
★身体障害者療護施設
□重度身体障害者更生援護施設
施設種別施設数定員
精神薄弱児施設4290
肢体不自由児施設1100
重症心身障害児施設150
情緒障害児短給治療施設135
筋萎縮症児施設180
精神薄弱者更生施設150
肢体不自由者更生施設130
視覚障害者更生施設273
聴覚言語障害者更生施設130
身体障害者療護施設150
身体障害者授産施設130
重度身体障害者授産施設150
身体障害者福祉工場1100
(平成4年4月1日現在)
民生局
センター施設の整備  平成5年4月から実施される精神薄弱者福祉法の大都市特例の適用により,指定都市においても精神薄弱者更生相談所が設置できることになる。
 精神薄弱のある市民の福祉の向上のためにも早期の設置が必要である。
 社会環境が複雑化するなか,地域住民からの精神保健に関わるニーズは多様化の傾向にある。
 保健所においては,地域住民の精神的健康の保持増進を図るため,精神保健相談,訪問指導,普及啓発等を行うほか,精神に障害のある市民の社会的自立を促進するため社会復帰相談指導事業を実施しているものの,地域住民のニーズに十分応じられていないのが現状である。
 地域精神保健対策に求められている地域住民に対する心の健康づくり対策,精神に障害のある市民の社会的自立,社会参加を促進するための生活支援対策,関係諸機関に対する技術援助やネットワークづくりなどを行う技術中核機関として精神保健総合センターが果たす役割は大きく,地域住民に密着した総合的に幅広い施策,事業を展開するためにも,精神保健総合センターの早期の設置が必要である。
□精神薄弱者更生相談所設置運営 精神薄弱者更生相談所を設置し,精神薄弱者の判定・指導を行うとともに,福祉事務所に対する専門的助言等を行うことにより,精神薄弱者福祉の向上に資する 民生局
□精神保健総合センター(仮称)の設置
  • 技術援助・指導
     保健所等の関係諸機関に対する技術援助,教育研修

  • 知識の普及
     関係諸機関をはじめ広く一般市民に対しての精神保健に関する正しい知識の普及

  • 調査研究
     精神保健に関する統計資料等の収集,相談指導及び技術方法等に関する研究

  • 特定相談
     思春期,アルコール依存,老人性痴呆等の相談

  • 協力組織の保護育成

  • 社会復帰対策
     精神科デイケア等による生活指導,作業指導等の社会適応訓練
衛生局
その他 - 老朽化施設の再設備 本市が設置する障害児・者福祉施設のうち,特に京都市聴覚言語障害センター・京都ライトハウス・京都市心身障害児福祉会館・京都市醍醐和光寮などの老朽化,狭隘化の問題が大である。
機能等の再整備と併せて建物の再整備が必要である
民生局
前行動計画より引き続き検討 盲児施設・ろうあ児施設・障害者総合生活研究所・内部障害者更生施設・精神薄弱者結婚寮・家庭寮・障害者製作品共同販売店舗 民生局

(注)
☆ 継続実施
★ 充実実施
□ 新規

生活環境

項目 課題 事業名 事業内容 所管
健康都市・京都  障害のある市民の社会への「完全参加と平等」を達成するためには,福祉のまちづくりと共に身近な生活環境の改善・整備が必要である。

 本市においては,平成3年11月に「京都市健康都市構想」を策定し,健康を尺度としたまち「健康都市・京都」の実現に向けて,あるべき姿を市民に示し,また全国に宣言したところである。

 健康都市構想の具現化は,まさしく障害のある市民や高齢者等ハンディキャップのある市民にとっても,やさしいまち京都を築き上げるものであり,積極的な取組を進めていかなければならない。

- - 全局
住宅環境の改善  住宅は社会生活の原点であり,特に障害のある市民にとって,それぞれの障害の種別や程度に応じて配慮された住宅の確保は,自立への第一歩として大きな意義を持つものである。

 障害のある市民や家族等介護する者のために配慮された住宅のあり方については,様々な障害の状態に対応するきめ細かな研究・開発が必要である。
 そのため,民間事業者との協力や情報の収集に努めるとともに,補装具や福祉機器などと整合性を保ったものとする必要がある。

*現在の住宅で住みづらいところ

  • 身体障害者
    特に問題はない41.6%
    非常時の避難が心配21.3%
    風呂が使いづらい16.7%
    家が狭い15.2%
    トイレが使いづらい14.2%

  • 身体障害児
    特に問題はない42.0%
    風呂が使いづらい26.5%
    家が狭い15.7%
    非常時の避難が心配22.3%
    トイレが使いづらい15.7%
    (平成3年京都市心身障害者実態調査)
☆住宅・住環境の技術的指針の整備 障害のある市民が安心して自立した生活が営めるよう,また介護する者にも配慮した住宅・住環境の技術的指針の整備を図る 住宅局
民生局
★住宅防火診断の実施及び住宅用防火機器等の設置促進 障害のある市民や高齢者が居住する住宅に対して重点的に住宅防火診断を実施し,障害に適応した音声,光,振動等による火災警報器等の設置を図る。 消防局
★災害通報受信体制の整備拡充 「あんしんネット119」(緊急通報システム)・「消防ファクシミリ」等による通報手段の確保のほか,聴覚・音声言語機能障害用「あんしんネット119」の開発,テレビ電話等の普及に応じて災害受信体制の整備を図る。 消防局
民生局
 障害のある市民にとって公営住宅に対する期待は大きく,これまで一定の優先入居枠の確保により対応してきているが,近年は,特に新規建設用地の確保の困難さ等から,必要な需要を満たすには至っていないのが現状である。

 また,これまで障害のある市民の専用住宅として,車いす住宅を提供してきているが,優先入居枠の拡大とともに,これらについても量的拡大が必要である。

 障害のある市民の障害の重度化や高齢化に伴って,住宅の改造を希望する市民が増加している。
 障害のある市民が必要とする住宅の取得や改造に際しては,資金の貸付や給付等に関する補助制度の新設などの援助対策が必要である。

*改造したい箇所

  • 身体障害者
    風呂50.5%
    便所38.5%
    台所23.2%
    階段17.2%
    寝室17.2%

  • 身体障害児
    風呂58.3%
    便所50.0%
    居室20.8%
    玄関18.8%
    階段16.7%
    (平成3年京都市心身障害者実態調査)
★市営住宅優先入居枠の拡大 1 用地の確保,他施設との合築,建替事業の促進等により,公営住宅の戸数の拡大を図る
2 車いす住宅の入居枠の拡大とともに「ハーフメイド方式」についても研究する
住宅局
民生局
★身体障害者住宅改造相談 在宅による自立を確保するため,居住家屋の改造を必要とするとき,その相談を受け改造のための指導・援助を行う 民生局
□住宅改造助成 在宅の重度障害者の日常生活を容易にし,また介護者の負担を軽減するための住宅改造に伴う経費の一部を助成 民生局
★重度身体障害者屋内移動設備助成 在宅での移動が困難な重度身体障害者に対し,屋内移動設備の購入・設置に要する経費の一部を助成 民生局
公的環境の整備  本市においては,昭和51年4月に「福祉のまちづくりのための建築物環境整備要綱」を策定し,多数の市民が利用する建築物について,障害のある市民や高齢者等だれでもが不自由なく利用できるようにするため,その敷地,構造,設備の整備に関する基準を定め,建築主等の協力を得ながら,今日まで,公共的建築物の整備の促進と建築物に対する福祉的配慮の必要性について市民の理解を求めてきたところである。

 その主旨については,多数の市民から一定の理解を得るなかで,平成3年9月には,障害のある市民や高齢者・妊産婦等の社会参加の促進の意味合いも含めて「福祉のまちづくりのための建築物環境整備要綱」を改正し,適用対象建築物の拡大等を図ったところである。

 しかしながら,平成3年9月に実施した「京都市心身障害者実態調査」の結果を見たとき,まだまだ障害のある市民が安心して外出できる状況にはなっていないことが伺える。

*外出時の困難

  • 身体障害者
    道路や駅に階段段差が多い39.3%
    車などに危険を感じる23.7%
    道路に障害物が多い24.4%
    経費がかかる12.0%
    利用する建物の設備が不備11.3%
    利用できる交通機関少ない9.3%
    人と話をすることが困難8.7%

  • 身体障害児
    道路や駅に階段段差が多い34.1%
    車などに危険を感じる26.8%
    道路に障害物が多い25.6%
    利用する建物の設備が不備20.7%
    人と話をすることが困難15.5%
    経費がかかる14.6%
    利用できる交通機関少ない12.4%
    (平成3年京都市心身障害者実態調査)

 いつでも,だれでも,どこへでも,出かけることの出来る環境づくりを,市民みんなで考え,取り組んでいく必要がある。

★福祉のまちづくりのための建築物環境整備要綱 福祉にかかる環境整備の必要性について,市民に対する積極的な啓発の推進 住宅局
★障害者のためのモデル街づくり推進懇談会 障害者のためのモデル街づくりのあり方について協議,検討する懇談会の運営・充実 民生局
★交通安全施設の整備 平成3年度を初年度とする第5次京都市交通安全計画により継続実施 建設局
★スポーツ・レクレーション施設の整備 文化・スポーツ施設を障害のある市民が容易に利用できるよう改善する 文化観光局
★学校体育施設改善事業 学校教育に支障のない範囲で学校体育施設で開放する 教育委員会
★占用許可の厳正審査と不法占用物件の排除対策 道路占用許可に際しては厳正に審査をし,許可物件が通行を阻害することのないように指導すると共に,不法駐輪・不法駐車等道路上の不法占用物件の排除指導の強化 建設局
警察署
★歩道の切下げ・点字ブロックの設置 歩道の段差の解消と視覚障害者誘導用点字ブロックの設置 建設局
□鉄道駅舎の整備・改善 駅舎の垂直移動対難については,障害者等の歩行困難者が最も強く要望しているところであり,その整備・改善促進について鉄道事業者に対する指導強化を国に要望 民生局
□盲人用信号・点字ブロックの全国統一化 視覚障害者の社会参加を促進するため,盲人用信号機の信号音及び点字ブロックの態様・敷設方法の全国統一基準の策定について,国に対し要望 民生局
 建築物において火災が発生した場合,必要な情報を当該建築物の関係者に伝達したり,避難するために必要な消防用設備が設置されているが,これらの消防用設備は障害のない市民には有効であるが,必ずしも障害のある市民にとっては有効であるとはいい難い。
 これらの現状を改善し,障害のある市民が安全に活動することができる社会環境づくりを推進する必要がある。
 その一方策として,障害のある市民が入所あるいは利用する社会福祉施設等はもとより,旅館・ホテル・百貨店等における火災情報や避難情報の伝達に関して,障害のある市民に配慮した消防要設備を設置していく必要がある。

 また,これらの消防用設備については,常に適正に維持管理されていることが大切であり,かつ,非常時に有効に作動できるよう定期的に訓練を実施するなど,消防用設備に習熟する必要がある。

★障害のある市民が入所する施設等の防火安全対策 障害のある市民の防火安全を確保するため,障害のある市民が入所又は利用する社会福祉施設等や旅館・ホテル・百貨店等においてバイブレータ,誘導音装置付誘導灯,非常文字表示など必要な消防要設備の設置を図るまた,障害のある市民が入所する施設等に対して定期的な立ち入り検査を実施し,消防用設備の維持管理,定期的な訓練の実施など適正な防火管理業務の強化を図る 消防局
移動手段・交通機関の整備  行動力に制限を受ける障害のある市民にとって,外出時の介助者は欠くことの出来ないものである。
 家族の介助力には限界があり,特に高齢化や核家族化が進行する傾向の中で,家族に代わって,いつでも,必要とする時に外出介助が得られるボランティアの確保やその組織化などの検討が必要である。

 障害のある市民にとっては,外出するときの交通手段等の状況により,その生活圏・活動範囲が大きく規制されることがある。
 リフト付路線バスの拡充等公共交通機関をさらに利用しやすくするとともに,駐車場などの設備の充実も必要である。

*外出時の利用交通機関

  • 身体障害者
    市バス45.7%
    タクシー31.8%
    自家用車29.7%
    私鉄15.4%
    市営地下鉄8.8%

  • 身体障害児
    自家用車56.9%
    市バス41.6%
    タクシー27.0%
    私鉄14.1%
    市営地下鉄8.3%
    (平成3年京都市心身障害者実態調査)
☆市バス・地下鉄運賃の無料・割引 京都市内に在住し,福祉乗車証の交付を受けている心身に障害のある市民については無料
上記以外の心身に障害のある市民については割引を実施
-普通券定期券
市バス5割引3割引
地下鉄5割引5割引
交通局
★重度障害者タクシー料金助成事業 外出の困難な重度の障害のある市民を対象に,1回の乗車につき小型基本料金相当額を助成 民生局
☆公共交通機関利用対策
  1. 市バス停留所に音声による行先案内装置の設置
  2. リフト付路線バスの導入拡大
  3. 路線バス内に停留所名表示器の設置
  4. 低床バスの導入拡大
  5. 高速鉄道における利用対策の拡充
交通局
  1. 民間バス運賃の割引
  2. JR・私鉄運賃の割引
  3. 航空運賃の割引
  4. 有料道路通行料金の割引
  5. タクシー料金1割引の実施
その他
☆身体障害者自動車運転免 身体障害者が自動車の運転免許を取得する場合,その教習費の2/3を助成(限度額10万円) 民生局
☆身体障害者用自動車改造助成 重度身体障害者が就労等に伴い自動車を取得する場合,その自動車の改造に要する経費を助成(限度額10万円) 民生局
☆駐車禁止規制除外標章の交付 重度身体障害者自身または家族の所有・運転する自動車の駐車禁止除外の適用 警察署
□リフトバス等運行補助事業 車いすを常用する市民や観光で入洛する車いす常用者の移動手段の確保の一つとして,営業用タクシー等の乗客輸送業者に対し設置費等を補助 民生局

(注)
☆ 継続実施
★ 充実実施
□ 新規

市民行動計画

項目 課題 事業名 事業内容 所管
市民意識の函養  ノーマライゼーションの理念は,単に障害のある市民のための福祉施策の充実のみを目的とするものではなく,それ以上に社会全体の課題として,子どもや高齢者として病気や障害のある市民が共存して福祉的な生活を営むことができる社会の実現である。

 こうした社会の実現を目指すには,決して行政努力のみで成し得るものではなく,全市民の理解と協力が必要である。

 平成3年9月実施の京都市心身障害者実態調査の結果においても,外出時の困難として「歩道上に放置自転車等の障害物が多く危険を感じる」といった声が高く,また福祉施策に関する要望についても「障害者にもっと理解と関心を持ってほしい」との意見が高い比率を占めている。

 また,障害のある市民の団体や施設等を対象に実施したアンケート調査そして平成3年度第3回市政モニター調査においても,障害のある市民に対する理解と市民ひとりひとりの意識が大事との意見が多数寄せられた。

 市民の,障害のある市民に対する関心度を高め,理解を促進し意識の向上を図るためには,学校教育・社会教育のなかで,あるいは行政広報,報道機関,市民活動等を通じて,常に効果的な方策を検討しながら取り組んでいかなければならない。

 ひとりの市民として,少しの心配りと行動を自分の出来る範囲で,障害のある市民の持つハンディを援助することは,普通のこと,当たり前のこととする意識の涵養と積み重ねが必要である。

 当然のことながらこの取組は,精神障害のある市民,難病のある市民に関しても同様である。

★障害のある市民・精神障害のある市民・難病のある市民について正しい知識と理解を得るための市民啓発 障害のある市民等に対する正しい知識と理解を得るための啓発活動の実施 市長室
民生局
□「障害者の日」の祝日化 障害のある市民の社会への「完全参加と平等」の達成を国民的課題とし,啓発するために12月9日を国民の祝日とするよう国に対して要望 民生局
□世界人権問題研究センターの設置 人権問題を国内のみならず,国際人権の視点から人権の確立をめざすため「世界人権問題研究センター」の設置を検討 企画調整局
★障害者福祉総合展の開催 障害のある市民に対する理解を深めるため,授産施設の製品販売,パネル展示等の啓発事業を実施 民生局
★福祉の風土づくり推進協議会補助及び事業委託 市民啓発事業等を推進するため福祉の風土づくり推進協議会に対し,補助及び事業委託を実施 民生局
市民活動の推進  ノーマライゼーションの社会は,行政努力のみでは実現しないこと,市民ひとりひとりの理解と協力が大切であるということは先述のとおりである。

 市民レベルでの福祉を推進する民間組織やボランティアグループの活動が積極的に展開されてはいるが,こうした活動もまだまだ単に「善意」としての受けとめの域を脱していないように伺える。

★京都市身体障害者社会参加促進センター 身体障害者の地域における自立生活と社会参加を促進することを目的に各種の事業を実施しているが,啓発・普及事業の中で市民意識の向上を推進する 民生局
 まだ一部ではあるが,市民による福祉活動の新しい担い手として企業のボランティア活動への参加があり,こうした企業労働者や従業員グループによるボランティア活動は今後ますます増加していくことが予測される。

 企業間あるいは企業内に広がりをみせる社会貢献への意識と週休2日制の普及による余暇を,ボランティア活動にどう結びつけていくかは重要な課題である。
 企業体や企業労働組合等と連携したシステムづくりについて,早急に取り組む必要がある。

□企業ボランティア推進協議会の設置 企業を対象に,企業ボランティアの募集,確保及びシステムづくり等のために企業ボランティア推進協議会の設置を検討 民生局
行政の組織的取組  地域住民による福祉活動は,「たてわり」といわれる行政組織に対して極めて複合的な要素を含んでいる。

 特に,小地域における活動においては,一人の活動家が,子ども,高齢者,障害のある市民等に関する幅広い相談や情報提供活動を担当し,また事業の実施をしていることが多い。
 こうした住民にとって,行政窓口が複数化していることは一層行政組織とのギャップを強く意識するものである。

 民生局及び区役所において部分的ではあるがその取組に着手したが,今後とも多角的な住民のニーズに即応する横断的組織体制の確立とともに,住民に対するサービスや情報を総合的に提供し得る機能の整備に努めなければならない。

- - 企画調整局

主題:
「国際障害者年第2次京都市行動計画」
ノーマライゼーションを進めるための総合的福祉施策のあり方 24頁~39頁

発行者:
京都市

発行年月:
平成4年10月

文献に関する問い合わせ先:
京都市役所
京都市中京区寺町通御池上ル
電話:075-222-3111