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アール・アイ(RI)

上野 悦子

 1922年にアメリカで国際肢体不自由児協会として設立された、障害者問題に取り組む国際団体のことで英語の頭文字を取ってこのように呼ばれる。正式には、国際リハビリテーション協会(Rehabilitation International)という。名称は障害者の概念の変遷とともに変わり、現在の名称が採用されたのは1972年からである。

 現在90か国165団体および8国際団体が加盟しており、本部はニューヨークにある。あらゆる障害者を対象とした全国組織であることが加盟条件の1つであり、各国の実情に応じて民間団体あるいは公的機関、また政府機関が加盟している。日本では当協会が1953年から、日本障害者雇用促進協会が1981年から加わっている。

 RIの目的と活動は、障害原因の予防とリハビリテーションの推進、国際的および各国の関連団体の支援、各国におけるリハビリテーションサービスを確保し、障害のある人の権利を守る法律の制定の推進、研究調査の実施、国際的情報交換などである。

 また国連における障害者問題に関する諮問団体の1つとして、今年3月の国連社会発展サミットや9月の国連女性会議においても積極的に参加し提言した。他に国連の依頼や国連機関であるユニセフとの協力による国際調査の実施もある。

 よく知られている活動として「国際シンボルマーク」の普及がある。これはRIが1969年にそのデザインを採択し、普及に努めてきた、障害のある人にも使用できるよう、建物、施設が改善されていることを示す世界共通のマークで、国内外で普及してきている。RIには7つの専門委員会が設置され各分野での活動をしている。

 設立以来RIが力を注いできたのが各種国際会議の開催である。日本では1965年に汎太平洋リハビリテーション会議、さらに1988年には第16回リハビリテーション世界会議を東京で開催し、それ以後海外との交流・協力事業は拡大した。今後は1996年9月にニュージーランドのオークランドで第18回世界会議、1998年には香港で第11回アジア太平洋地域会議の開催がそれぞれ決定している。

*医学、教育、職業、社会、住宅・交通・機器、組織運営、レジャー・レクレーションの7つ。

(うえのえつこ 日本障害者リハビリテーション協会国際部)


(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「ノーマライゼーション 障害者の福祉」
1996年1月号(第16巻 通巻174号) 25頁