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列島縦断ネットワーキング

神奈川・来て、見て、ふれて「新横浜ふれあいフェスタ」

山田清司

 平成9年11月16日(日)、横浜市総合リハビリテーションセンター、障害者スポーツ文化センター横浜ラポール、横浜市総合保健医療センターの3施設は、5000人の市民で賑わいました。「来て、見て、ふれて」をキャッチフレーズに、3施設を会場とした画期的な催し「新横浜ふれあいフェスタ」の開幕です。

1 福祉・保健・医療ゾーンを市民に開放

 新横浜は横浜市の北部に位置し、横浜の「副都心」として発展しています。
 サッカーファンだけでなく日本中の話題を集めたW杯フランス大会アジア予選で、日本はアジアの第3代表となりましたが、この新横浜には、2002年W杯大会の会場となる「横浜国際総合競技場」が建設されています。
 今年(平成10年11月)は、この競技場で横浜市では初めての第34回全国身体障害者スポーツ大会が開催されます。この競技場に隣接し、横浜市の福祉・保健の中核施設である「横浜市総合リハビリテーションセンター」「障害者スポーツ文化センター横浜ラポール」「横浜市総合保健医療センター」が設置され、近接の横浜労災病院とともに福祉・保健・医療ゾーンを形づくっています。
 今回のイベントは、このゾーンを開放して、日ごろ福祉・保健や障害者スポーツに馴染みのない市民に「楽しみながら学んで」もらおうと、体験を中心としたイベントとして開催されました。

2 開催の経緯

 このイベントは、「横浜市総合リハビリテーションセンター開設10年」「横浜ラポール・横浜市総合保健医療センター開設5年」とこの両施設を運営する「横浜市リハビリテーション事業団設立10年」を記念するとともに、横浜国際総合競技場をメイン会場として開催する「第34回全国身体障害者スポーツ大会の1年前記念イベント」としても位置付けられました。
 開催にあたっては、リハビリテーション事業団が中心となり、各施設に呼び掛けるとともに、第34回全国身体障害者スポーツ大会の事務局(かながわ・ゆめ国体実行委員会事務局)、市社会福祉協議会、地元の港北区役所などの参加も得て、「新横浜ふれあいフェスタ実行委員会」を組織しました。
 イベントは、この実行委員会に参加した各施設や団体がそれぞれの専門分野やアピールしたいことを生かして企画立案したものを持ち寄って構成されています。

3 イベント紹介

1 体験コーナー

 今回のイベントで企画した事業は30余り、このうち体験型は18に及びました。
 主なものとしては、
 横浜ラポールの「全国身体障害者スポーツ大会の正式競技(車椅子スラローム、アーチェリー、グランドソフトボール、盲人卓球など)を中心とした障害者スポーツ体験コーナー」。リハビリテーションセンターの「福祉機器体験コーナー」「視覚障害体験コーナー」。リハビリテーションセンター駐車場の「福祉車両(ノンステップバスも登場)体験・展示コーナー」。総合保健医療センターの「痴呆鑑別診断デモンストレーション」「シニア体験コーナー」などがありました。
 このうち、いくつかの体験を選定してスタンプラリーを実施し、達成者には「かなべえバッチ」(身体障害者スポーツ大会マスコットバッチ)をプレゼントするという特典も設けられました。

かなべえバッチ

2 トークライブ

 横浜ラポールのシアターでは、テレビ朝日の宮嶋アナウンサーと障害者スポーツ写真の第一人者清水さんによる、アトランタパラリンピックを中心としたスライドを紹介しながらのトークライブが行われました。

3 車いすバスケットボール交流試合

 横浜ラポールのメインアリーナでは、身体障害者スポーツ大会に向けて強化練習に励んでいる、横浜市・川崎市の代表チームによる交流試合も行われました。

4 模擬店、バザー、フリーマーケット

 横浜ラポール前のオープンスペースには、港北区のボランティア団体や障害者団体の模擬店やバザー、公募により出店したフリーマーケットが軒を連ねました。その隣では、見る人を飽きさせない「大道芸」が行われました。

5 その他のイベント

 カヌー体験、福祉ポスター展、障害者スポーツ写真展、ふれあいコンサート、はしご車展示・体験、消防局音楽隊の演奏、ミニ四駆レースなどが行われました。

4 イベントを終えて

 今回のイベントは、企画から実施まで中心となったリハビリテーション事業団の皆さんの苦労は大変だったと思われますが、専門施設のイベントにこれだけ多くの市民が参加したことは、今までなかったことだと思います。今後も、障害のある人もない人もだれもが気軽に参加できるこのようなイベントが実施できれば素晴らしいと思います。

(やまだきよし 横浜市福祉局全国身体障害者スポーツ大会室)


(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「ノーマライゼーション 障害者の福祉」
1998年2月号(第18巻 通巻199号)66頁~68頁