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スニーカーズ

井上英子

 もう7年も前の映画だと、インターネット(わざわざ英語で検索したのですが日本語で出てきました)で調べて分かりました。ホイッスラー(盲目だが音のスペシャリスト)が点字ディスプレーでコンピュータを使いこなして暗号を解読する姿に、職能訓練担当者としてはうれしさがこみ上げてきました(映画の点字ディスプレーにやたらと注目していたのは私だけでしょうか)。彼が敵に拉致されたときには、サンフランシスコの3つの橋のどの橋かを車の音で聞き分けて(昔、サンフランシスコに少しいたけれど、橋の継ぎ目の音や農場の鶏の声、店の音なんて気にしていなかった)仲間に位置を知らせたり、車を乗り回して敵をやっつけたりしたのは痛快でした(フリーウエイではなく、どこかのビルの敷地内だと思うし、カーナビはまだなかったので傷ついた仲間の誘導でめったやたらに運転したのですが)。
 これは、ロバート・レッドフォードをはじめとするハイテクのエキスパート集団が主人公の映画なのですが、私はついつい「視覚障害者のアクション映画」だと思ってしまいます。視覚障害者のいつもの心温まる話もいいのですが、アクションって最高です。また新しい映画ができるといいですね。期待してます。

(いのうええいこ 日本盲人職能開発センター)

スニーカーズ

(1992年、アメリカ)
監督/フィル・アルデン・ロビンソン
主演/ロバート・レッドフォード
   シドニー・ポワチエ

ストーリー

サンフランシスコで、“スニーカーズ”と呼ばれる集団が活躍していた。彼らの仕事は、依頼人のビルに潜入し、警備状況の盲点を指摘すること。ある日、彼らのもとを、NSA(国家安全保障局)の男たちが訪れる。彼らは、高等数学者ジャネック博士が開発した超高性能の暗号解読器“ブラック・ボックス”を盗み出すよう依頼する。