編集後記
先月、車いす利用者11名を含んだ総勢28名で、カナダのナイアガラの滝へ行ってきました。トロントの滞在先のホテルからリフト付きのバスを借り切って、途中の風景を楽しみながら、2時間ほどかけて出かけました。
私を含めて、ナイアガラの滝を見るのは初めての人がほとんどだったので、バスの窓から滝が見えてきたときには「わ~ぁ」という歓声があがり、大賑わいでした。カナダ側とアメリカ側に分かれた横幅約1キロにわたるその姿は圧巻でした。
エレベーターで滝の裏側に降りることができるということで、車いすの人と一緒に下まで降りてみることにしました。入口の幅は十分でしたが、下へ降りるためのエレベーターにたどり着くまでに10段ほどの階段があり困っていたら、係りの人に「勝手に行かないで、ここで待っていてください」と言われ、裏にある後で付けたと思われる小さいエレベーターに案内されて、ようやく本来のエレベーターに着きました。
日本でもそうですが、車いすの人だけ特別ではなく、他の人と同じように自由に利用できる設備にしてほしいと思いました。
とにかく、ナイアガラの滝は壮観でした。
(O)
今回特集の中で、「心に残った映画」を6人の方に7作品について紹介していただきました。最初に何人かの方々にアンケートで挙げていただいた作品の中から編集部で選ぶという方法をとりました。
今回紹介した作品以外に「カッコーの巣の上で」「ウォーターダンス」「ブラザー・フロム・アナザ・プラネット」「レインマン」「ピクニック」「マイフレンド・フォーエバー」「学校2」「愛は静けさの中に」などが挙げられました。誌面の都合で全部を紹介することはできませんでしたが、お忙しい中をアンケートに答えていただきました方々にお礼を申し上げます。
実は聴覚障害の方は、外国映画に詳しい人が多いのです。理由は簡単で、日本映画には、一部の作品を除いて字幕がついていないからです。これは当たり前といえば、そうかもしれませんが、聞こえない人にとって日本の作品を楽しむことができないのは、なんだかおかしいなあ、と感じます。実際に、こうした状況に対して情報保障をしてほしいと働きかけている団体もありますが、法律の関係で厳しい状況にあるようです。
みんなが同じ情報を共有するために何が必要か、考えてみることが大切ではないでしょうか。
(K)
(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「ノーマライゼーション 障害者の福祉」
1999年8月号(第19巻 通巻217号)