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鳥取
「障害者フォーラムPRキャラバン隊」日記
8月23日(月)雨

藤原義雄

 9時、境港市役所前を全員元気に鳥取市に向けて出発しました。この日は、8月とはいえ涼しくて、雨で全身ずぶぬれになってしまいました。途中、雨が再び降り出し、びしょぬれで宿泊地の日吉津福祉センターに着きました。日吉津村社会福祉協議会のみなさん、大変お世話になりました。

8月24日(火)くもり

 キャラバン隊長由木のかけ声で、9時半に日吉津村を出発。今日の宿泊先で高田の柿木村(知的障害者の作業所)のみなさんと一緒に日吉津福祉センターから名和町役場まで歩きました。柿木村は、小高い山の上にあり、のんびりと自給自足の生活をしており、ヤギ、ニワトリ、イヌを飼っていました。家も手作りで温かい雰囲気に包まれていました。私は、自然に恵まれたところで、のんびりと自給自足の生活をするのが夢だったので憧れてしまいました。

8月25日(水)晴れ

 9時、名和町の役場の人たちと、お世話になった柿木村の人たちに見送られて、出発しました。この日は暑く、目的地の東伯町に着いた時は、みんな真っ黒に日焼けし、やっとキャラバン隊らしくなりました。また、初日は50人の参加者があったのに、今日は5人になり、だんだん淋しくなりました。

8月26日(木)くもり

 私たちが歩いていると、道すがらおじさんから「ご苦労さん、頑張ってや」とミネラルウォーターをいただきました。また、途中の酒屋さんに市民フォーラムのことを話し、チラシを置いてもらうようにお願いしたら、店の人からみんなにアイスクリームをいただきました。本当に、みんないい人ばかりで、人の温かみを感じました。
 この日の宿泊地は、北条町の北条キャンプ場です。テントを立てるのは、初めてだったので、何度も組み立ててはくずしの繰り返しで、まるでパズルのようで、これだけで疲れてしまいました。

8月27日(金)くもりのち晴れ

 北条町を抜けて、ついに羽合町から海岸沿いの国道に出ました。海岸沿いの国道は歩道がなかったり、あってもとても狭く、非常に歩きづらい道でした。歩道のない道をダンプがビュンビュン走り、その横を団子のようにつながりながら私たちが歩みを進めている……。ふと海岸線を眺めると、とても素晴らしい景色が気持ちを落ち着かせてくれました。なんだかジーンとしてしまいました。
 今日から一緒に参加していた、電動ストレッチャーの滝本さんが、5日目のゴール地点に到着した瞬間、100万ドルの笑顔で「やったー! 生まれて初めて、目的に向かって、それをやり遂げた。施設ではこんな体験は絶対にできない」と言いました。私もゴール(宿泊地)に着いた瞬間、とってもすがすがしく、心地よい疲れに浸っていました。宿泊地の泊村地域福祉センターつわぶき荘を提供していただいた泊村のみなさん、本当にありがとうございました。

8月28日(土)晴れ

 今朝は泊村のみなさんのご厚意により、グランドゴルフを出発前にしました。泊村は、グランドゴルフ発祥の地ということで、きれいな芝生のグランドゴルフ場が完備してありました。
 この日の宿泊は、野宿でした。パーキングでテントを張って寝ました。野宿は、ぜひ一度体験してみたかったので、良い経験になりました。

8月29日(日)晴れ

 8時半、いよいよゴールの鳥取駅に向かって出発しました。約18キロの道をひたすら歩きました。鳥取市に入って、ゴールまで3キロというところで急に足が痛くなり、最後は本当に辛かったです。
 午後4時45分、鳥取駅に到着。本当に疲れ果ててしまいました。境港市役所から鳥取駅まで約120キロ、ついにゴールに到着です。本来の目的である、8日間車いすで完走する、由木さん、牧岡くんを鳥取まで無事送り届けるという任務を遂行できて肩の荷がおりました。

8月30日(月)晴れのち雨

 今日は最終日。鳥取駅から鳥取県庁までなのでゆっくりゴールしました。途中、またしても初日同様に雨が降り、ビショビショになりながら全員無事ゴール。自分にとって、このキャラバン隊を完歩したことで何かが大きく変わる訳ではないけれど、やりとげたという自信にはなりました。それから、海岸線のどこまでも続く空と青くうねる海とのコントラストを眺めていると、気持ちが“スー”と落ち着く感じがして、日常が何かちっぽけな気がしました。少しだけど、大きな自分を見つけたような気がしました。
 最後に、このキャラバン隊にかかわっていただいたすべてのみなさんのおかげで、無事成功することができました。本当にありがとうございました。

(ふじわらよしお 全国障害者市民フォーラムinとっとり実行委員会)