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街なか探検隊 Vol.18

東京
魅力の「お台場」は大レジャーパーク

中沢信

 今回は、今東京で一番ホットなエリア「お台場」を紹介したいと思います。
 東京湾のまぶしい日差しや潮風に包まれたこのエリアは、リゾート感覚の景観に加え、レジャースポットが続々と登場し、週末は道路や駐車場も大混雑するほど若い世代の人気を呼んでいます。臨海副都心の広大な敷地に、今何が繰り広げられているのか、ぜひあなたの目で確かめてみてください。都内でも新しく生まれた空間や施設だけに、バリアフリーへの配慮も目立ちます。

まるごと快適なテーマパーク

 東京湾にぽっかり浮かんだ巨大なテーマパークを思わせるお台場。台場・青海・有明と全体で三つの地区から構成されていますが、もっとも人気の施設が集中している台場地区を紹介します。ここはもともと埋立地でしたが、都のテレポートタウン構想に沿ってそのエリアが広げられ、現在の姿になったものです。
 平成7年11月、新交通システム「ゆりかもめ」の開業以来、大勢の人々が訪れるようになりました。特に、フジテレビが本社をここに移して以来、ユニークなイベントを通じて若者のメッカとなり、周辺の多彩なレジャースポットと合わせ、大ブレーク。都内では貴重な親水空間でもあり、最近は世代を越えた人気が高まっています。昭和53年に開館した「船の科学館」をはじめ、この3月に登場した「パレットタウン」には日本最大の大観覧車が設けられるなど、アミューズメント施設も豊富なうえ、ホテルの施設も整い、今や滞在型のリゾートエリアに変身しつつあります。
 芝浦サイドからは、車も電車もループ状の弧を描いて上るレインボーブリッジを渡り終えたところ、そこがお台場です。目の前に開ける東京湾のまぶしい輝きは、理屈抜きの開放感を誘います。
 電車で出かけるなら「ゆりかもめ」。各駅ともチケット売場から改札、車いす対応のエレベーター、そして車両内の専用スペースまで、まず不安はありません。車で出かけても大丈夫です。駐車場(車いす用スペースがある)は数多く、そこから各施設へのアクセスも無理なく安全に移動できる配慮が目立ちます。
 また、それぞれの施設内にも、車いす用トイレをはじめ、段差がある場合(ごくわずか)はスロープを併設、車いす対応のエレベーターなどがあり、食事やショッピング、散歩に見学、大観覧車に至るまで自由に楽しむことができます。お台場海浜公園駅周辺と青海駅周辺の施設間を繋ぐ、快適なテレポートブリッジ(車いすで渡ることができる)が用意され、もともと台場地区自体歩いて移動できる広さなので、どこへ行くにものんびりとした散歩気分を楽しめます。
 さてここで、この地区でお薦めの施設を紹介しましょう。

■デックス東京ビーチ(東京ジョイポリス)

アクセス:ゆりかもめのお台場海浜公園駅から100m

 57のおしゃれなお店とレストラン、木のデッキと海風が快適なデックス東京ビーチ。3、4、5階で隣接する東京ジョイポリスは、全天候型アミューズメントパーク(車いすで楽しめるアトラクションも豊富。身障者手帳の提示で、本人と付添1人まで入場無料です)。フロア移動は車いす対応のエレベーターでどうぞ。
問い合わせ:03-5500-5050
(ジョイポリス03-5500-1801)

■パレットタウン

アクセス:ゆりかもめの青海駅と直結。

 地上115m、世界一の高さを誇る大観覧車が目印(64台のブースのうち2台が車いすごと乗れる)です。エンターテイメントパーク(ネオジオワールド東京ベイサイド)や巨大ライブハウス(Zepp Tokyo)、“見て、乗って、感じる”体験型の車のアミューズメントテーマパーク「メガ・ウエッブ」(最大140台のトヨタ車を展示。福祉車両も充実)のほか、7月には大型専門ゾーンで構成される「メガショップゾーン」、8月には女性のためのテーマパーク「ヴィーナスフォート」もオープンし、ますますにぎわっています。
問い合わせ:03-3529-1821

■フジテレビ本社ビル

アクセス:ゆりかもめの台場駅から約200m

 この2年間で全国から500万人が見学に訪れた人気ナンバーワンのテレビ局。実際の番組制作を見学できるほか、映像体験ができるマルチシアター、キャラクターグッズのショップ、各種レストランなどがあり、24、25階部分の球体展望室では、地上100mからベイエリアのパノラマを楽しむことができます。イベントなどもひんぱんに開催されており、話題満載の施設です。車いすでの見学も十分に配慮されていて、1日に4、50人が訪れています。
問い合わせ:03-5500-8888

■お台場海浜公園

アクセス:ゆりかもめのお台場海浜公園駅から約200m

 最近、中国から取り寄せた白砂で装いも一変、まぶしく輝くビーチが誕生しました。駅からは、デックス東京ビーチのデッキを通り、マリーンハウスのエレベーターで浜辺へ降ります。園内のほとんどにスロープがあり、障害者専用トイレも4か所あります。浜辺のボードウォーク(木製の遊歩道)で車いすのまま自由に散歩を楽しむことができます。
 駐車場には専用スペース2台分が用意され、身障者手帳を提示すると無料になります。
 このほか、お台場には二つの大きなホテルがありますが、いずれもバリアフリー仕様のハンディキャップルームがあります。しかし、ホテル全体がバリアフリーであるとは言えません。
問い合わせ:03-5531-0851

■ホテル日航東京

問い合わせ:03-5500-5500

■ホテルグランパシフィックメリディアン

問い合わせ:03-5500-6711


※本稿は、5月27日付東京新聞朝刊「勇気を出してバリアにトライ」より抜粋しました。

(なかざわまこと 日本赤十字社ボランティアグループ「みんなのたび」代表)

(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「ノーマライゼーション 障害者の福祉」
1999年12月号(第19巻 通巻221号)