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列島縦断ネットワーキング

北海道
使える、役立つ障害者とパソコン!!
 -「みらいザウルス2000」に参加して-

香西和則

 情報・マルチメディア関連機器の展示会である「みらいザウルス2000」が2月19日、20日の2日間、釧路市観光国際交流センターにて開催され、私たち「釧路在宅障害者の会」も関連企業の皆さんと一緒に参加しました。
 私たち「釧路在宅障害者の会」は地域で暮らす障害者、家族とその支援者の集まりです。現在約20人の会員で講演会、学習会の企画、カヌー講習会への参加などを続けてきましたが、これらは障害者自身が中心となっているイベントが主でした。
 そこで今度は、「一般の人たちといっしょにやろう!」というメンバーの発案で「みらいザウルス2000」への参加が決まりました。表題の「使える、役立つ障害者とパソコン!!」は、今回の展示テーマです。私たち障害者にとってパソコンは、使える・役立つ魔法の箱であり、強い味方です。また障害者である私たちは、これまで役に立たない存在として軽蔑と差別の中で生きてきた歴史があり、それを情報化社会という新たな社会の変化の中で、「使える!役立つ!存在なのだ」とアピールしようとみんなで考えました。

1 展示内容

(1)弥生ちゃんのSOHO体験

 パソコンを使って在宅で仕事をしているメンバーの1人である弥生ちゃんのSOHO体験を紹介するコーナーです。データの入力、ホームページなどの作成の様子をパネル展示しました。1人でも多くの障害者の仲間が自宅でパソコンを使って仕事ができる日を願って、企画しました。

(2)広がる、つながるネットの輪!

 全国の障害者本人、家族がインターネットを使って自分の生活や考えなどを情報交換している様子を紹介しました。全国に、全世界に情報を発信し、また情報を受け取ることができるインターネットは、私たち障害者の強い味方であり最大の武器になります。

(3)ホームページ(HP)体験クイズ

 メンバーの1人(障害をもつ子どものお母さん)がつくったホームページを巡りながらクイズに解答していく体験コーナーです。全問正解者には、絵葉書をプレゼントしました。日頃、目に触れにくい障害者の生活に接してもらうこと、ホームページを使うことで遠く離れたたくさんの人に接してもらい、理解してもらうことを目的としました。

(4)タッチパネルによる入力

 マウスによる入力が難しい人のために、タッチパネルによる入力を実施しました。直接指で入力できる装置です。入力機器の改良は視力障害者やマウス操作の困難な重度障害者の社会参加にとって緊急の課題です。タッチパネルによる文字入力、音声による入力などは障害者の就労を援助する大きな武器になりそうです。

2 夢が実現するパソコン

 今回「みらいザウルス2000」へ参加し、多くのことを学びました。障害者も一般の人々と一緒にイベントへ参加することは重要なことです。障害者のもつ困難を解決するには多くの人々の協力が必要です。特に就労に関しては、企業の方の理解と協力が必要です。障害者もパソコンを使うことで健常者と競争できるのです。自宅でも仕事ができます。勉強ができます。趣味の世界が広がります。友達がたくさんできます。夢が実現します。自分の考え、意見を発表する機会が増えます。
 でも、まだ多くの障害をもつ仲間は、この魔法の箱であるパソコンを使うことができません。今後は障害者に対するパソコン教育が必要です。「養護学校・特殊学級にパソコンを!!」がスローガンになり、パソコン購入費用への助成なども検討する必要があります。
 私たち「釧路在宅障害者の会」は、障害者、健常者という垣根を越えて協力しながら、私たち自身の社会参加をめざした活動をしていきたいと思っています。

(こうざいかずのり 釧路在宅障害者の会代表)