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編集後記

 ゴールデン・ウイークに富山の実家に帰りました。いつもは帰ってもすることがなく、時間を持て余してしまうのが常でしたが、今回は、富山に自立生活センターを設立しようと頑張っている障害をもつリーダーたちに会う約束がありました。
 そのうちの一人は私の養護学校時代の先輩でもありますが、1970年代後半から障害者運動にかかわってきた人です。その人が障害者運動の将来を考え、「これから後輩を育て障害者の活動を続けていくには、自立生活センターがいい」と思ったそうです。15年前から続けている作業所を活性化させるためにも、若いリーダーを育てていく必要性があるとも言っていました。
 自分の故郷に自立生活センター設立の芽が育っていることはもちろんうれしいのですが、先輩の「若いリーダーを育てたい」という思いを知りとても感激しました。
 今年は障害者スポーツ大会も富山で開かれるということで、JRの駅にエレベーターが設置されたり、新しい施設がどんどん建っています。それらのアクセス・チェックをするなど、障害当事者が主導になり街を変えていってほしいものです。

(O)


 今月から「すてきなサポーターになろう」では、脳外傷を取り上げます。北海道の脳外傷友の会「コロポックル」の篠原さんのご協力を得て、そこでの取り組みをもとに事例を紹介していきます。
 「目に見えない障害なのでそれが原因でトラブルもありますよ」「障害のある人にやさしいまちづくりというけれど、脳外傷の人にはやさしくないですよ」「本当に毎日が試行錯誤の連続です」と篠原さんはおっしゃっています。この言葉はまさに現在、脳外傷の人たちが置かれている状況を表していると言えます。一人ひとりの症状が異なるので、それぞれに対応したきめこまやかなサポートが必要なようです。篠原さんたち関係者の方々は対応に苦慮されているようです。でも今まで経験と実績を積んでいる他の障害から、サポートのヒントが得られるかもしれません。この4月には日本脳外傷友の会が発足しました。また、6月には埼玉でも当事者団体が発足します。みんなの力が一つになって、大きく動き出していることを実感します。

(K)

(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「ノーマライゼーション 障害者の福祉」
2000年6月号(第20巻 通巻227号)