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街なか探検隊 Vol.28

沖縄 チャンプルー文化の沖縄へようこそ

長位鈴子

 今回は、日差しが強く天気のいい日は青い空と青い海がより美しく、麦わら帽子をかぶって歩きたくなる、そんな沖縄県をご紹介します。
 沖縄県は同じ九州地域の鹿児島県よりも二か月も早く夏が訪れ、一年間のほとんどが夏のような感じです(五月~十一月中旬)。その中でも今、沖縄で一番人のにぎわう楽しいスポットをご紹介します。

美浜地区―アメリカを思わせる街

 那覇空港から車で四十分くらい北上したところに北谷町(ちゃたんちょう)美浜地区があります。戦後、基地として使用されていたのですが、返還後、見違えるようにアメリカの街を思わせる雰囲気になりました。私たちの住んでいる宜野湾市には、街の中心部に広い面積を占めている基地があり、車いすで街を歩くのも大変です。また、車いすで出かけても不便で、楽しめるところが少ないので、隣町の北谷町にはよく出かけます。
 宜野湾市から北谷町へ向かって海沿いを車いすで散歩すると、ハンビータウン(スーパー)、公園、サンセットビーチがあります。そこにはいろいろな人たちが集まってきます。ある時、私たちが買い物をしていると、「エクスキューズミー、ハウマッチ?」と車いすの私たちに外国人が話しかけてきました。うれしいやら、変な感じでの返事でしたが、日本人同士だとそういうフレンドリーな雰囲気ってないですよね!
 お年寄りや子どもたち、お父さんやお母さん、とにかく公園を歩いているだけで、いろんな人たちとあいさつをしたり、買い物をしたり、子どもたちを連れて遊ぶところにとても楽しい場所です。
 また、金曜日から日曜日にはフリーマーケットが盛んになり、夜になっても人が溢れる街です。そこで販売されているものには掘り出し物がたくさんあります。

映画館とライブハウス

 次は、映画館の案内です。ミハマ7プレックスは、八種類の映画を楽しむことができるお薦めの場所です。電動車いすでも人の手を借りずに自由に出入りでき、受付や館内を案内してくれる人たちもとても対応がよく親切です(障害者割引や介助者割引もあります)。
 その近くに、ライブハウス「カラハーイ」があります。県外でも有名なりんけんバンドや、ティンクティンクのステージを聞くことができます。入り口に階段がありますが、お店の人に声をかけるとやさしいお兄さま方が助けてくれます(近々、スロープを設置するそうです)。りんけんバンドのライブは、事前に電話(0九八-九八ニ-七〇七七)で確認したほうがよいでしよう。
 そのまた近くにとても雰囲気のいい、地球食堂「にらいくいずん」があります。料理もとてもおいしく、店員の応対もとてもいいです。店内からの眺めも最高です。お店は二階にあるのですが、エレベーターがあり、身障者用の駐車スペースやトイレもあるので安心して利用できます。同じ建物の一階には、「地球雑貨」というアジア系のユニークな商品を販売しているお店があります。みなさんぜひ、行ってみてください。そして、お店の人たちとの会話を楽しんでください。

バリアフリーの宿

 お泊まりは「サンセット美浜」がお薦めです。国民年金健康センターであるため、料金も手ごろで国民年金加入者は宿泊料金が安くなるとありますので、電話で確認してください。建物自体が新しく、各部屋から海が一望でき、沖縄を感じることができる素敵な場所にあります。
 大浴場はまたまた感激で海が一望できます。段差もなく、車いすでも利用しやすいつくりになっています。シャワーや手すりなどにも障害者に対する配慮が感じられ、沖縄で初めてそういう感じのお風呂場に出会いました。近くには、楽しめる場所もたくさんあるので、観光で来られる方にはお薦めの宿泊施設です。
 またこの近くには、美浜地区で一番目立つ観覧車がある建物があります。そこにはいろいろなお店があります。洋服や食べ物、特に私が気に入っているお店、それは二階にあるアイスクリーム店です。いろんな味が楽しめ、抹茶やウベなど変わった種類のアイスクリームもあり、とてもおいしいです。

「チャンプルー」の文化

 今回は、私たちがよく行く店のごく一部を紹介しましたが、イメージできましたでしようか。沖縄という所は、日本文化とアジア文化がチャンプルー(ごちゃ混ぜ)になり、沖縄独自のチャンプルー文化ができました。また、そこに住んでいる人たちも大らかで、細かいことを気にしない県民性です。
 沖縄の人は訪問客には食べ物をたくさん食べるように勧めます。それを私たちは「カメーカメー攻撃」と呼んでいます。「カメー」とは方言で、「食べなさい」という意味です。おばー(おばあさん)の家に行くと、だいたいこの攻撃を受けます。
 そんな風習、文化の違いはこんなところにもでています。
 たとえば、お盆は旧暦で行っています。その三日間、夜に各市町村の区域の青年会が、エイサーを各家々や道路などで踊りながらその地区を廻ります。これは先祖の供養と地区の安全を祈願すると言われています。
 エイサーはサンシン(三味線)を弾きながら唄をうたう人、太鼓・パーランクーを叩きながら手や足で力強く踊る人、指笛をならしながら踊り人を支え、見物客を楽しませているへんてこなスンダー役、手踊りで清楚に踊る女性、このようなメンバーで構成されています。踊りや衣装はその区域によって特徴があります。お盆の時だけではなく、夏には全島エイサー大会なども行われ、県外の人たちにも大人気です。
 ぜひ、多くの方が沖縄に遊びに来られるのを楽しみにしています。車いすでの旅行者には沖縄は交通手段が少ないので、その時は沖縄県自立生活センターイルカ(〇九八-八九〇-四八九〇)の移送サービスをご利用ください。皆さんの日程に合わせたサービスを提供させていただきます。

(ながいれいこ 沖縄県自立生活センターイルカ代表)