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編集後記

 先日、約二十年ぶりに小学校、中学校、高校生活を過ごした富山の養護学校を訪ねました。
 久しぶりに訪ねた母校は、建て増しされたところ以外の外観はほとんど変わりなかったのですが、生徒も先生もすっかり代わっていました(あたりまえですよね)。生徒はとても重度の子どもが増えており、生徒と先生や職員の割合が一対一以上だと聞いて驚きました。
 学校の雰囲気はとても明るく、生徒の顔が輝いているように思われました。そこは肢体不自由児の養護学校ですが知的障害を併せ持っている生徒が多く、そのために授業内容などいろいろ工夫がなされているようでした。
 たとえば、体育の授業にはダンスを取り入れたり、そのダンスも障害によって自由な振り付けとなっていたり、図書室の本はビジュアル的な本が多いように見受けられました。
 なによりもうれしかったのは、先生方が自分たちの学校や教え方について誇りを持っている感じを受けたことです。実は、私は養護学校否定派でしたが、先生方が生徒の障害を個性と受け止めていることを知り、また活気ある様子を見て、自分の母校を見直しました。(0)
 各自治体でも交通アクセスに関する取り組みが徐々になされるようになってきています。その中でも注目しているのが、コミュニティバスです。今回体験ルポで深谷市内を走るコミュニティバスを紹介しました。こういった小型バスを導入している自治体が増えてきています。料金が安い(または無料)、地域密着型で通常のバスが通らない路線を通る、全車ノンステップバスなど地域住民に使いやすいバスで、評判も上々の声を聞きます。今回はバスの紹介が多くなってしまいましたが、鉄道各社でも積極的な取り組みがなされています。
 そう言えばいつも利用する最寄りの地下鉄駅にも最近車いすのまま利用できる階段昇降機が設置されました。今まではキャタピラがついた昇降機でしたが、新しく設置されたもののほうが、利用者にとって乗り心地がよさそうです。大阪ではすでに地下鉄にもエレベーターがついていますが、これはやはり、今回特集の原稿をご執筆いただいた方たちをはじめとする地道な運動の成果にほかなりません。
 今回の法律施行をきっかけに、ますます交通アクセスの取り組みが広がることを期待したいと思います。(K)

(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「ノーマライゼーション 障害者の福祉」
2000年11月号(第20巻 通巻232号)