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IPWHと新世紀

ジョン・デュラン
国際社会就労組織(IPWH)会長

 新世紀を迎え、IPWHは、職業的に障害をもつ人のための、仕事に対する期待と機会の変革に焦点を当てた国際的活動団体であり続けたいと思っています。
 IPWHでは、これらの機会を提供する責任のある国内外の団体への働きかけに努めます。これらの団体が持つ概念を変化させることができれば、職業的に障害をもつ人の就労機会はこれまで以上に拡大されていくでしょう。

 既存概念変革のためにIPWHでは、次の活動に特に力を入れています。
1 インクルージョンを進める語彙の使用を発展させ、採用し、そして奨励していく。
2 発展途上国においては、文化的に適切な職業選択の開発を援助する。
3 職業的に障害をもつ人の興味や不安を共有する消費者団体との関係づくりの促進。
4 職業的に障害をもつ人に対する過少評価を正し、価値を高め、インクルーシヴな方向へのイメージの転換。
5 商業や産業分野のメインストリームにいる人々と同程度であり、かつ尊厳のある職業選択の創造。
6 尊厳あるモデルの促進と開発や機能、財政やマネージメントに関する情報共有の継続。 

 職業的に障害をもつ人の就労の可能性に対する世界中の団体のヴィジョンを、我々の努力によってどう変革できるかが、新世紀への成功の鍵となります。IPWHはこれらの人々の失業問題を、言明されるべき社会問題として捉えるのではなく、経済的機会として捉え始めることによって、変化が起こってくるでしょう。前世紀中(20世紀)は、我々はこれを社会問題として捉えてきましたが、景気好調の米国内においてさえ、職業的に障害をもつ人たちの失業率は一般の人々と比較して10倍も高いのです。
 私たちは人々の考えを変えることによって世界を変えることができると考えています。しかしIPWHの行動は、現在の状況に対する自身の概念によって制限されてしまっています。
 世界に向けて新しいヴィジョンを創り出す必要があります。すなわち、隔離よりも包括に焦点をあてる、単一経済力として、IPWHを結束させることです。職業的に障害をもつ人たちに仕事を提供していくことにより、我々すべてが経済的に強化されてくるのです。新世紀の焦点は世界経済にあり、それぞれの経済的成功に相互依存しているのです。