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みんなが使える施設への取り組み
─JR東日本が推進するバリアフリー設備の設置─

小山剛

1 エレベーター・エスカレーターの整備

 昨年11月、交通バリアフリー法が施行されましたが、当社では、それ以前から積極的に昇降設備の導入を図っています。まず、第1期計画として、1998年度より、エスカレーターをサービス向上の基本設備と位置付け、駅の各ホームに少なくとも1基のエスカレーターを設置することとし、東京からおおむね50km圏内において整備をしてきました。その結果、2001年度末までにはおおむね80%の駅(1998年度時点では約40%)で整備される予定であり、特に東京23区内の駅では95%(1998年度時点では約60%)が整備されます(一部、使用開始はできないもの、整備が決まっている駅を含みます)。
 さらに、交通バリアフリー法の施行を受け、エスカレーターだけでなく、エレベーターも含めて整備をしていきます。具体的には、エレベーターについては、バリアフリーの基本設備と位置付け、2010年までに、原則として乗降人員5千人以上かつ高低差5m以上等の駅(約390駅)のすべてのホームに整備します。エスカレーターについては、2010年までに、原則として乗降人員1万人以上かつ高低差5m以上等の駅(約300駅)のすべてのホームを対象に整備し、ご利用人員の多い駅では、上下両方向のエスカレーターを設置します。
 第2期計画として、2005年度までの5か年では、ご利用人員の多い駅等を対象に、エレベーター・エスカレーターを重点的に整備します。これにより、エレベーターについては約190駅(整備対象駅約390駅の約50%)が、エスカレーターについては約240駅(整備対象駅約300駅の約80%)が整備される予定です。
また、東北および上越新幹線の駅では、現在エレベーターは設置されているものの、場所がホーム端部であり、その利用においても駅員の対応が必要であるなど、お客さまにとっては利用しづらいものでした。そのため、利用しやすい位置に新設あるいは改修して、お客さまが自由にご利用いただけるようにする計画です。

2 多目的トイレの整備

 昇降設備のほかにも、バリアフリー設備の整備を進めています。特に、身体障害者用トイレについては、そのご利用を体の不自由なお客さまに限定するのではなく、高齢者や妊婦の方、子ども連れの方といった層にまで広げた「多目的トイレ」として、整備を進めています。通常の身体障害者用トイレとしての設備はもちろん、ベビーベッドの設置などによって、より使いやすい設備としています。今後は、交通バリアフリー法を踏まえつつ、まだ設置されていない駅に対して、より積極的に整備を進めていきます。

3 その他の設備

 その他の設備としては、視覚に障害をおもちのお客さまのホーム上での安全を確保する誘導警告ブロックや、案内誘導のための点字プレート、運賃をお知らせする点字運賃表なども整備しています。また、聴覚に障害をおもちのお客さまとの円滑なコミュニケーションを行うため、お客さま相談室やびゅうプラザなどに簡易筆談器も導入しています。
 バリアフリー設備については、交通バリアフリー法はもちろん、「公共交通ターミナルにおける高齢者・障害者等のための施設整備ガイドライン」等も参考にしながら、今後も積極的に整備を進め、すべてのお客さまにとって使いやすい駅づくりをめざしていきたいと考えています。

(こやまつよし 東日本旅客鉄道株式会社営業部設備グループ)