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知り隊おしえ隊

行ってきたよ!!
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンTM!

神山陽子

 行ってきましたよ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン!!
 いつでも行ける距離に住んでいるので、オープンしてからも友達と「行かなきゃね」とは言いつつ、実現できてませんでした。今回、この取材のお話をいただいて「え? タダ? 行きましょう!!」と二つ返事でお受けしたのは言うまでもありません。
 さて当日、交通手段は何を使おうと考えたのですが、最寄りの駅(JR西ノ宮)から直通バスが出ているとの情報を得て、私はそれで行くことにしました。
 その他のアクセスについて説明しておくと、電車の場合はJR大阪駅から環状線内回りの直通電車に乗って約10分でJRユニバーサルシティ駅に着きます。するとユニバーサル・スタジオ・ジャパンはもうすぐ目の前。車の場合だと約3,900台収容(うち障害者用120台)の駐車場もあるので車で行くのもいいですが、日曜などの休みの日は周辺道路の混雑が予想されるので、電車で行かれることをオススメします。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンはバリアフリー

 バスを降り、いよいよあの巨大なゲートが見えてきました。「やっぱりユニバーサル・スタジオ・ジャパンに来たからにはこのゲートをバックに写真を撮っとかんとあかんでしょ」ってことで、カメラマンとしてついてきた私の友人と私の介助者と交代で、お互いにうれしそうに撮り合うおバカ三人組。次にゲートをくぐると、かの有名なくるくる回るUNIVERSALの文字の地球が…。「いやあちょっと地球やで、地球!!」と、ここでもうれしそうに写真を撮り合いました。
 写真を撮っているとどこかのアトラクションから「ドオオーーーン!!」という爆発音! びびる三人ですが、こういうのがますます気分を盛り上げます。この音の正体はあとで明かすとして、ここで今日1日取材にお付き合いいただくマーケティング部広報担当の森令子さん(きりりとした美しい方です)とおちあい、メインゲートをくぐります。すぐファーストエイドとゲストサービスがあり、車いすや電動三輪などのレンタルもここでできるとのこと。車いすが1日500円、電動三輪が3,000円。ゲストサービスで申し出れば、バリアフリー・ガイドというのももらえます。これはいろいろな障害をもった人のための各アトラクションの案内が書かれています。
 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは、聴覚障害の方のためにすべてのストアおよびレストランにコミュニケーションカードが用意されているほか、視覚障害の方のためにはパーク内の6か所のポイントに音声誘導装置が設置されていて、受信機はゲストサービスで無料で借りられます。これでアトラクションの方向がわかるようになっています。盲導犬・介助犬・聴導犬の同行はレストランやストアはすべてOKですが、アトラクションはいくつかを除いては規制があるようです。詳しくはゲストサービスでお尋ねください。
 車いすトイレはパーク内のほとんどすべてのトイレにあります。レストランなどのトイレにはない所もあるようですが、ごく一部でほとんど心配ないといってもよいでしょう。1か所オムツ交換用のベッドのある車いすトイレもあります(ハリウッド・エリアのメルズ ドライブインというバーガーショップの近辺)。
 チケット料金は通常のスタジオパスは一般が5,500円。障害者手帳を提示すると本人と介助者1名がそれぞれ半額になります。

古き良き時代のハリウッド・エリア

 さていよいよパークの中に! パーク内のまず最初のエリアはハリウッド・エリア。ここは古き良き時代のハリウッドの街並みが再現されています。レストランやストアが並び、それを見て歩くだけでも十分楽しいのですが、ここではなんと映画の登場人物に会えてしまうのです。私が会ったのはマリリン・モンローとバック・トゥ・ザ・フューチャーのドク博士。そばへ行くとお話をしてくれて(もちろん英語で)、一緒に記念撮影してくれるし、映画の中に入り込んだような楽しい錯覚に陥ります。ほかにウッディー・ウッドペッカーやスヌーピーなどアニメーションのキャラクターも歩いていました。こちらもばっちり記念撮影してきました。

もう一度行きたい「E.T.アドベンチャー」

 いよいよアトラクションの体験です。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのクルーは、車いすからの移動などの補助はしないので、介助が必要な人は、自分で介助者を連れていかなければいけないので、この点は注意してください。
 最初は『E.T.アドベンチャー』。これは映画の中に登場した自転車をかたどった乗り物に乗って、E.T.の世界を旅して、E.T.の故郷の星を助けに行くというアトラクションです。ここでは入場するとまずファーストネームを聞かれます。なぜかを種明ししてしまうと面白くないので、実際に体験してみてください。ここは乗り物に車いすごと乗り込めるようになっているのですが、ただし、座席が1台分しかないので、先客がいる場合は待たなければいけません。最初、乗り込みに多少不安があったけれど、実にスムーズでした。乗り物と床の間には段差も溝もほとんどなく、スッと車いすスペースへ。あとは係の方がてきぱきと車いすを固定していきます。体もちゃんとベルトで固定されます。
 そしていよいよ出発。動き出してみると、思ったよりけっこう揺れます。座位をちゃんと保てないとちょっときついかもしれませんが、ベルトで固定されているので落ちたりすることはありません。それよりも映画のように月を横切ったり、星を飛び超えたり、恐さなど一瞬で忘れてしまいます。E.T.にももちろん会えますし、まさにファンタジーの世界です。個人的にはここがかなり好きですね。このアトラクションのためにもう1回来たいくらいです。
 E.T.アドベンチャーは、ハリウッド・エリアでしたが、NYエリアではホントのNYの街並みのような巨大なビルの絵があったり(3Dに見えるんです!)、ウエストサイドストーリーのようなダウンタウンの街並みも再現されています。またパーク中央にあるラグーンでは、夜になると『ハリウッド・マジック』というショーがあるそうです。私が行った日は雨だったので残念ながらショーはなしでしたが、ハリウッド映画の音楽にのせて花火やダンス、特殊効果を駆使したイリュージョンが見られるそうです。不定期なので確実に見たい方は前もって問い合わせてくださいとのことでした。

熱さにビックリ!!「バックドラフト」

 さて、次のアトラクションは『バックドラフト』。これは命がけで大火災に挑む消防士の物語のアトラクションです。これは乗り物に乗るわけではなく、実際にこの映画を撮影した監督や、俳優がスクリーンに登場して、大火災を撮影する際の特殊効果や撮影秘話を語るのを聞き、実際に炎の恐さを体験するのですが、これが、熱い!! かなり間近まで炎が迫ってくるし(火傷は絶対しませんよ)、最後にビックリすることが起こります!! フフフ、これは体験してのお楽しみですね。

絶妙のやりとりが楽しい「アニメ・セレブレーション」

 次は前とうって変わってのんびりとかわいいアトラクションです。『アニメ・セレブレーション』というもので、アニメーションの製作過程をアニメ製作の仕事をしているお兄さんとウッディー・ウッドペッカーが漫才のように絶妙のやりとりをしながら説明してくれます。時々お兄さんがアニメの中に入ってしまったり、代わりにウッディーがアニメの中から出てきたりと「どうなってるの?」という不思議な演出があり、大人でも楽しめます。お兄さんとウッディーはどうやって入れ替わっているんですか?と広報の森さんに尋ねましたが、「内緒です」と教えてくれませんでした。当たり前か…。座席は車いすスペースが2台分くらいありましたが、車いす席の前はある程度間隔は取ってあるのですが、前に人が座ってしまうとちょっと見づらいかなという印象があります。

巨大ジョーズも登場!!

 次は『バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライド』。これはかなり激しい乗り物なので身長制限があり、妊婦さんや心臓の悪い方はダメなどの制限があります。しかし、頑張ってトライしてきました。内容はデロリアンに乗って時空を超える旅をするというもので、これは車いすからデロリアンに乗り移って、座位で安全バーを握っていられる方ならだれでも乗れます。始まってみると確かに揺れる揺れる!!(笑)でも、恐竜に飲み込まれたり、グランドキャニオンをまっ逆さまに落ちたりと、恐いけどかなり楽しいです。勇気をもって皆さん、ぜひ試してくださいね!!
 一息入れてお茶を飲んだあと、『ジョーズ』を体験してきました。これは車いすごと船に乗って、ジョーズが「がばーっ」(ホントに「がばーっっ」て感じで出てきます)と現れる海を探検します。このアトラクションの楽しみ(?)は、ジョーズが現れる時にすごい水しぶきが飛んでくるので濡れてしまうことです。船の中で座る位置にもよりますが、ポンチョを用意して乗ったほうがいいでしょう。ホントに濡れますよ。私ももちろん「びしゃっ」とやられました。しかし楽しかったです。

絶対にオススメ!!「ウォーターワールド」

 そして、いよいよ最後のアトラクション『ウォーターワールド』。最初にゲートをくぐったときに聞こえてきた爆発音はここからだったのです。これは大アクションあり、爆発ありの冒険ショーです。設定としては地球の温暖化により、南極や北極の氷が溶け、世界が水浸しになってしまい、幻のドライランドを探す主人公たちと、先にドライランドを乗っ取ってしまおうと企む海賊(?)との闘いの物語です。
 このショーは一番後ろの高い所に車いす席があるのですが、車いすを降りることができる方はぜひ前の方で観られることをオススメします。いや、介助者に抱っこしてもらってでもぜひ下に降りて観てください。なぜなら、前のほうに座るとさっきのジョーズとは比べ物にならないくらいこのショーも濡れるからです(笑)。そして、びしゃっとやられて「キャーーーッ!!」とか言うのが楽しいからです(笑)。あ、もちろんポンチョは着といてくださいね。でないと、本当にずぶ濡れになりますから。
 ショーの中身もかなり見応えがあります。水上バイクで見事なジャンプをしたり、高い所から水の中に落ちたりなどアクションもすごいし、爆発などの特殊効果もすごいです。絶対に見る価値あり!! 大きい音がダメな人はちょっと恐いかなあ…。でも、観てください。
 というふうに、1日ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを満喫したわけですが、行く前は正直言ってあまり期待していなかったのですが、予想を裏切ってかなり楽しかったし、また行きたいなと思いました。バリアフリーの面に関しても車いすで行けない所はないし、ほぼ合格といってもいいのではないでしょうか。みなさんも大阪に来られる機会があれば、ぜひユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行ってみてくださいね!

(かみやまようこ メインストリーム協会)


★Universal Studio JapanTM, Universal elementsTM & (C) Universal Studios. All right reserved.

(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「ノーマライゼーション 障害者の福祉」
2001年8月号(第21巻 通巻241号)