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編集後記

 夏はあちらこちらで研修会やら講習会、研究大会といったものが開催されています。暑いさなか、自前で受講料を支払って来ている方の真剣さは言うまでもありませんが、朝から夕方までびっしり缶詰になり勉強されている姿は想像しただけでも頭が下がります。以前、本誌の1000字提言で北海道教育大学の北沢一利氏が教員の医療行為を認めよと提言されていましたが、それほどに養護学校の子どもの重度・重複化は指導の難しさと対応の困難さを極めているようです。先日、機会があって摂食指導講習会をのぞかせていただきました。子どもの障害が重くなればなるほど「食べる」「食べさせる」といった摂食の問題は、学校という時間制約のある中で、一歩間違えれば生命の危険をも脅かす重要なことで、しかも毎日のこと、なれば、当然医療面とのかかわりが深くならざるを得ないのも納得がいきます。現場の深刻で切実な状況を反映してか、今年で19回目となるこの講習会は毎年すぐ定員がいっぱいになってしまうそうです。実技中心の講義に参加されていた先生方の熱気伝わる3日間でした。

(S)


 今月号のグラビアで紹介した石内ゆかりさんにお会いして、人間って何かのきっかけでこんなに変わるんだなぁと思いました。石内さんの場合は、海外旅行。仕事をはじめ、旅行やアウトドアスポーツを楽しんでいる石内さんを見ていると、障害が分かる前は、「インドア派」だったという石内さんの姿は想像できません。
 今では素敵なパープルの手動車いすと電動車いすを使い分けて、仕事に趣味に大忙しです。興味のあることに自分から積極的にアプローチする石内さんを見ていると、人生自分から切り拓いていくんだなと実感します。
 取材の帰り道、駅まで車で送っていただきました。その途中、「あそこにできた新しいお店、ウエディングブーケの押し花を扱うかどうか聞いてみようと思うんだけど・・・」と、まち中のチェックも忘れません(営業活動も大切ですからね)。
 一つひとつ出会いをつなげて、石内さんの行動範囲はますます広がります。

(K)

(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「ノーマライゼーション 障害者の福祉」
2002年8月号(第22巻 通巻253号)