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山梨県における
支援費制度施行に向けての準備状況

上小沢始

 支援費制度の施行まで、残すところ後6か月程となりますが、現時点での本県の支援費制度施行に向けての準備状況を紹介します。
 支援費制度では、市町村が実施主体として位置づけられ、制度運営の中心を担っていく仕組みです。支援費制度施行に当たっての都道府県の主な役割は、市町村に対して制度が円滑に行えるよう必要な支援を行うことと事業者・施設の指定を行うことです。
 本県では、平成15年度からの支援費制度の施行と知的障害者福祉等に関する事務の市町村への移譲が円滑かつ効果的に行われること等を目的として、本年1月に県の関係機関、市町村、県市長会、県町村会を構成員とした「山梨県障害者福祉事務研究会」を設置しました。研究会には全県会議と県下5か所に地域会議を設置しています。
 全県会議においては、今まで5回開催していますが、具体的に検討した主な事項は次のとおりです。
・知的障害者台帳の整備について
・支援費制度の広報計画について
・支援費支払い事務の委託について
・市町村職員等に対する研修について
・支援費支給申請の受付開始について
・支援費支給申請の取扱いについて
・更生相談所の役割について(入所調整会議、障害程度区分に係る判定等)
 県、市町村では、研究会で検討したことを踏まえて、それぞれの役割に応じた事務を計画的に実施していきます。この中で、県が行う事務について、具体的にいくつか紹介したいと思います。
 最初に市町村職員に対する研修会の実施状況(予定)についてです。
 第1回は7月5日に県下1か所で制度の基本的な事項についての研修会を実施しています。
 第2回は9月に県下2か所、2日間の日程で事例演習方式(居宅サービスの決定、障害程度区分の決定)を取り入れた研修を実施しています。
 第3回は、10月に県下5地域ごとに前回実施した研修のフォローアップ研修を予定しています。
 第4回は、12月をめどに、県下5地域ごとに、実際に申請のあった事例を題材とした研修を予定しています。研修については、これら以外にも市町村の職員の皆様方の意見や事務研究会での意見を踏まえて、適宜実施していきたいと考えています。
 次に支援費制度に係る広報についてです。事務研究会において、支援費制度に係る広報について、年間のスケジュールを立てるとともに、県・市町村のそれぞれの役割を定め、相互に連携して、計画的・効果的に行うよう取り決めています。参考にその内容を一部お示ししますが、当初予定していたスケジュールより、大分遅れていることを申し添えておきます。

●県の主な業務
・障害者団体等への説明会
・県広報誌等への掲載
・パンフレットの作成(一般用、わかりやすく表現した版、点字版、録音カセット版)
・ホームページへの掲載

●市町村の主な業務
・市町村広報誌への掲載
・管内の障害者、障害者団体等への説明
・相談窓口の設置

 次に県の固有事務となります事業者・施設指定事務に係る準備状況について紹介します。
 本県では、7月22日(施設サービス事業者)と、7月31日(居宅サービス事業者)に事業者・施設指定説明会を開催し、8月22日から事業者指定申請とみなし指定施設の届出(県からの協力依頼に基づく任意の届出)の受付を開始していますが、申請状況は指定基準が固まっていないこともあり低調となっています。
 最後に、準備を進めていく中で見えてきました県における課題について触れてみたいと思います。
 知的障害者福祉等に関する事務の県から市町村への移譲により、市町村の事務量が増大することに加え、支援費制度の施行に伴い、市町村の担当職員にはケアマネジメントの視点や専門性など今まで以上にきめ細かいサービスの質が求められることとなります。市町村ではこれらに対応したサービス提供体制の充実を図っていく必要がありますが、そのための県としての支援体制のあり方や具体的な支援方策をどのようにしていくかが大きな課題となると思われます。
 その他、支援費制度施行に当たっての事務処理上の課題は他にもありますが、紙面の都合上省略させていただきます。
 いよいよ支援費制度の施行が近づいてまいりましたが、円滑に制度が施行されるよう国、市町村、利用者、事業者、関係機関と連携して万全を期していきたいと思います。

(かみこざわはじめ 山梨県福祉保健部障害福祉課)