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編集後記

 先月号のグラビアで橋本和典さんが神奈川県のSELP・杜を紹介してくれた。「街の中にうどん屋をつくる」と題して、施設長の師康晴さんには1000字提言にも原稿を書いていただいた。障害をもつ人が街の中で働いて生活をしていくというその当たり前のことが自然に溶け込んでいく様子を紹介していただいた。うどん作りも陶芸もその道の専門家に指導を仰ぎ、鍛錬を積み、仕事に励む姿は真剣そのもの。グラビアで、障害をもつ人が同じ敷地にあるデイサービスセンターに通う高齢者に自分たちでコーヒーを入れている写真を見て、岩手の知人を思いだした。痴呆高齢者のグループホームの2棟目が11月にオープンするが、知人は障害がある人もない人も高齢者もみんながその中で自然にふれあい、助け合って生活できる場の創造をめざし、法人の基本事業に農業を据えたいのだと実践している。来年は知的障害の人たちの施設建設に取り組むという。お二人には根っこに似たようなおもいを感じている。

(S)


 今月号の特集の中で光増さんが紹介してくださった、全日本手をつなぐ育成会作成の『これであなたも支援費つう』。私も拝見しましたが、契約の主体として本人の方が制度を理解するためにわかりやすく工夫されています。現在、各障害団体でも勉強会などを開催している最中だと思いますが、この冊子は参考になる1冊です。
 「これからの時代は、職員は施設(職場)にいて人を待っているのではなくて、職員がどんどん地域に出て行って、自分たちのやっていることを地域の人たちに伝えていく時代に変わっていくんだよ。施設は、サービスを提供する機関だからね…」というやり取りを耳にしました。
 制度が変わるのは、考え方ややり方も変わること。変化はチャンスのときです。中身のある支援費制度にするために、一人ひとりできることをはじめることの大切さを感じます。

(K)

(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「ノーマライゼーション 障害者の福祉」
2002年10月号(第22巻 通巻255号)