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札幌フォーラム/大阪フォーラム 参加者の声

札幌と大阪で開催されたフォーラムについて、会議に参加された方に印象をお聞きしました。その内容は、右の3項目です。

参加者アンケート

  1. 印象に残ったプログラム (全体会、分科会、ポスター発表、見学、交流会など)
  2. 会議の企画・運営面などで印象に残ったこと
  3. 2003年からはじまる「新アジア太平洋障害者の十年」に期待すること

※なお、参加された会議を最初に明記しました。


札幌フォーラム

今田雅子

全国ポリオ会連絡会・北のポリオの会

1 分科会は印象に残りました。国による違いをたくさん聞くことができ、出席できなかった分科会の内容も聞いてみたかったと思いました。また、アクセス・ユニバーサルデザインのテーマのところでは、日本の航空機に関して「一機あたりの障害者の搭乗人数制限を緩和するだけでは、緊急時に安全に脱出できるのかという問題が残る。機内の構造や乗務員の対応など考慮すべきことはたくさんある。当事者として関係当局に働きかけてほしい。力をあわせていきましょう」というジャンボの機長さんのお話がありました。スピーカーとしてではなく、参加者としてこのような話をするために出席し、ともに考えようという姿がうれしい驚きでした。

2 大会前日の会場準備の皆さんのご苦労をかいま見る機会がありました。分科会のブースは2日目に表れ、4日目にはまた、初日と同じ広いスペースに戻りましたが、スムーズに運営するためには、目に見えないたくさんの努力があったであろうと、印象に残りました。ボランティアの皆さんのまじめな一生懸命さも、すばらしかったと思います。

3 新議長に決まったビーナス・イラガンさん(フィリピン)は「言ったことは実行しなければならない」と語っていました。DPI札幌宣言の言うように、すべての国が差別禁止法を採択し、実施すること、および障害者への機会均等を保障する政策が実施されることを期待します。


札幌フォーラム

平井誠一

自立生活支援センター 富山

1 私の出た分科会は、障害児の統合教育でした。各国のスピーカの人からは、インクルーシブ教育に対する教育的プログラムが紹介されていました。しかし、発表に対して日本の制度や法体系、世論といったものがどのような現状なのか、この短い時間では聞くことができなかった。私としては、インクルーシブ教育に至るまでの経過とどのような取り組みが行われてきたのか知りたかった。

2 全日程に参加したわけではありませんので、詳しくはわかりません。ただ、難しいなと感じたのは、通訳のことです。聞きたいことと返ってくるものが違い、「いや、そんなことを聞きたいんじゃないのに」と思ってしまったこともありました。

3 近年、日本の障害者運動もアメリカ型の自立運動の影響を受け、各地に自立センターが作られてきましたが、アジアの地にまだまだ関心がもたれていないように感じます。私たちのセンターでもアジアの障害者の研修生の送迎の受け入れを行ったことがありますが、まだまだ知らないことが多すぎます。
 研修生の受け入れも大切なことですが、もっといろいろな国の障害者が参加して、たとえば交通バリアフリープロジェクトや、地域社会と障害者プロジェクトといったような各国の現状と法的施策や取り組みを検討し、どのような交通網や地域社会をめざしていけばよいのかなど、多面的に調査や研究を行い、各国に実現可能な提言や取り組みをともに行えるようなものを考えていけたらよいのではないだろうか。


札幌フォーラム

浅川解子

障害者の生活と権利を守る北海道連絡協議会

1 17日午前の分科会3「人権」(サブテーマ「モニタリング」)です。「すみれ会―精神障害者の当事者活動―」の報告が特に興味深かったです。とりわけ、会場からの質問に答えて聴覚障害のある精神障害者が入院すると、病院スタッフも入院患者も手話を理解できないことも多く、コミュニケーションがうまくいっていないことが、日本の障害者、とりわけ精神障害者の置かれている厳しい実態を感じました。

2 会場が「きたえーる」という体育施設で、当然、障害者の大会も開かれる可能性もあると思いますが、とにかく洋式トイレが少ないと思います。下肢に障害がある方や車いすの方は洋式トイレしか使えないのですから、もっとたくさんあっていいはずだと思います。札幌市にこれ以上の施設がないことも残念でなりません。

3 具体的な話になりますが、地下鉄、JRをはじめ私鉄に、可動柵をつけてほしいと思います。本当は、地下鉄や電車が止まったとき、ホームのドアが開く形がベストです。そうでないと、視覚障害者のホーム転落事故はなくならないと思います。


札幌フォーラム

中村宏子

自立生活センター・松江

1 「自立生活分科会」です。特に、佐藤きみよさんが発言された部分は、とても重要だと思いました。医療的ケアが必要な重度障害者はいまだに「医療モデル」として位置付けられています。どれほどの自分の意思(自己決定)よりも医療者・専門家の意見が是とされるなかで、その渦中の当事者である彼女自身が自らの経験による事実を淡々と語り、「病院・施設から解放されて、自由をつかんだ!」というメッセージはとても印象的でした。社会の(医療の)常識?を完全に超えたこの行動から「自立生活運動は社会変革である」と確信します。私自身も寝たきりの状態で日常生活を送っており、分科会の後に佐藤さんに会ったとき「座位がとれない障害者も、こうやってベッド式の車イスに乗って街を謳歌していけば、やり続ければ、こういう私たちの存在もノーマルになるよね」と話しました。強い連帯感を感じました。

2 印象的なことはいくつもありましたが、今後のために「気になった部分」を。
●短時間の分科会で、討議される内容が広範囲にわたり、そのために焦点がボヤけてきて…結局「深い議論」ができないのが、なんとも残念。
●会場ボランティアの教育は? という場面が多々あり困った…

3 どこに住んでいても、どのような貧困等の状況であっても、そこに生き続ける障害当事者を支える権利擁護・生活保障を確立する(普遍的な理念)。その最も具体的なこととして「障害者の自立生活」について、さらにノウハウを蓄積し、広域にサポートできるよう、柔軟な体制をつくる。


大阪フォーラム

立岡晄

きょうされん(旧称:共同作業所全国連絡会)

1 全体会でアジア太平洋障害者の十年の総括(評価)では、各国間でのキャンペーン会議など、交流する中で大きく前進させることができたことは共通の確信につながった。また、さらなる十年については貧困や疾病の克服などとともに、アジア諸国約4億人といわれる障害者すべてを視野に入れた取り組みを進めること、そして制度の拡充と現実とのギャップを埋めるため大きな期待をもって運動を進めていくことで一致し、アジアの国々の熱い思いを知ることができ、感動した。

2 運営面では受付対応に歓迎の姿勢があまり見られず残念だった。レセプションでの食事が少なく、その反面、移動の大型バスに乗客が7人のみで、経費の使い方に大きな課題。ボランティアは配置されていたが、指揮系統が不備で、移動バスではすべて乗っているにもかかわらず出発できず、ブーイングが起こっていた。しかし、会議など企画内容が良かったことで帳尻はあったと思う。

3 大阪宣言で提案されたように、1.障害者権利条約の早期実現、2.新アジア太平洋障害者の十年を推進していくこと、などに大きく期待するとともに、国内では1.自立にふさわしい所得の保障制度の確立、2.扶養義務の社会化、3.精神障害者の社会的入院の解消などを挙げておきたい。なお、日本政府はそのため新十年の先頭に立つ責任がある。


大阪フォーラム

飛田壽人

全国手話通訳問題研究会茨城支部

1 分科会は「障害者を締め出さない社会・・・欠格条項について」に参加。ろう者以外の方々の実体験、たとえば運転免許証の条件などを聴いたのは初めてだったので、とても参考になりました。
 展示会場にあった持田昭俊さんのSLの写真は迫力がありました。

2 国際会議は今回始めて参加させていただきました。TVのニュースなどで見たことはありましたが、すべてが新鮮な印象でした。

3 日本ということであれば、「障害者差別禁止法の制定」です。法律が変わればすべてOKではなく、実際に社会の差別がなくなることが大切です。教育に関して言えば、特にろう教育については、手話も含めて個人個人がより学習内容を理解できるように保障すべきです。


札幌/大阪フォーラム

小川喜道

神奈川工科大学 福祉システム工学科

1 札幌のDPI世界会議に出席し、障害者自身の声が社会の意識を変え、政策を進展させていくパワーを肌で感じました。その興奮をもちつつ大阪フォーラムに参加したのですが、国を背負ったオブラート包みの報告に、全体会でも分科会でも接したように思います。問題、課題をオープンにしていくことで、互いに他国の事情を理解し、協力し合うことこそ必要なのではないでしょうか。
 分科会「自助組織と障害者権利運動」に参加し、私は障害者と専門家との関係のあり方を報告させていただきました。座長の到着がかなり遅れ、参加者同士で自主的に討議を展開するというハプニングもありました。最も印象に残ったのは、香港から知的障害のある参加者のパフォーマンスでした。自らの権利を自信に満ちた声で高らかに主張していました。

2 私は、これまで3回ほどアジア各国で行われたキャンペーン会議に出席してきました。十分オーガナイズされていないとしても、対応は一生懸命で気持ちのよいものでした。日本は、組織化され運営に抜かりはないのかもしれません、そして、評判もよかったことでしょう。しかし、スタッフの気遣いや相手の気持ちを読む対応と点では、少し残念な場面も2、3件垣間見ました。ある分科会で、休憩時間に「外にいる参加者に中に入るよう言ってもらえますか」と車椅子利用の座長。会場係「私は音響の担当なので、もう一人に言ってください」。

3 バリアフリー、権利などがキーワードとなることでしょう。障害のある人自身がしっかりと諸場面に中核として参画し、これらが具体化すべく地に足をつけた実践をしていくことが、なによりも大切です。専門家はパートナーシップの関係性を保ち、側面的援助に位置づけられるべきでしょう。


大阪フォーラム

中込義昌

日本オストミー協会、川崎市オストミー協会課会長

1 全体会で各国の取組みについて聞いたが、先進国と途上国とでかなりの格差があるのを実感した。

2 ボランティアの方がたくさんいたが、何をするのか質問してもわからない人がいた。
(1)初日の受付が狭すぎた。
(2)22日のRNNの交流分科会4に参加したが、参加者が3人だけでコーディネーターもいなかった。

3 権利条約制定、障害者基本法の見直し。


札幌/大阪フォーラム

赤星福子

社会福祉法人日本キリスト教奉仕団アガペセンター、アガペ交換研修プログラム担当

1 札幌:開会式:政府関係者がほとんどメッセージ代読に失望。北海道・札幌の関係者の熱意は感じられた。交流会は和やかでよくミックスしていたと思う。
大阪:情報不足。同伴者にはプログラムもなく、適切なアナウンスもないため、分科会突然のキャンセルなど、戸惑うことが多かった。分科会では、発展途上国政府関係者の建前的発言が目立ち、内容のないものが多かったように思う。どのような基準で発言者を選んだのか。

2 札幌:まとまっていて大変好印象。ボランティアの活動がよく統率され、世界の人たちへのホスピタリティが行き届いていた。運営面での苦情無し。
大阪:札幌に比べ、大変に不満足(バリア:ノンフリー)。
●例A:アクセス…視覚障害者にガイドがなく、雨なのにバスは道の反対側に停車。毎日のバスの運行(午後)は少なくとも2便必要。具合いが悪く帰りたくても最後までホテルに帰る手段がない。特に障害をもつ方へのきめ細かい配慮に欠けていた。
●例B:開会日のレセプション…まず、テーブルを取り囲み壁となり、我先へと食物をとったのは残念ながらほとんど日本人の健常者。そのため各国の車いすの参加者は近づけず(札幌では、司会者のまず車いすの方からの一言が)。 食事:量の少なさ質の低さ。第1日目昼サンドイッチ。大柄のアフリカの方曰く「エッ、これがランチ?僕もう1個ください」。2日目以降:昼食にカップラーメン、おにぎり、ロールパンのみは、海外の方への配慮(ラーメンのスープにはある宗教には禁止の素材が)があったとは思えない。日本がホスト国であることを認識されていたのか?
●例C:登録…初日の登録の混雑に気分の悪くなる障害者。
 札幌のように、空港での登録やせめて前日の登録を考えるべきであった。2000人以上が一挙に狭い登録カウンターに押し寄せ、混雑をきわめた。札幌では、3000人以上の参加者であるのに、登録はスムーズであった。
●例D:進行…命令指揮系統の不備、インフォメーション不足、進行の不手際など、運営上の課題は数多く、今後はプロの業者に委託することも検討してはいかがであろうか。


大阪フォーラム

大橋鉦蔵

岐阜県身体障害者福祉協会養老郡支部

1 このような会に始めて参加させていただき非常に勉強になりました。

2 このような会を、お世話していただいた方々は大変だと思いました。

3 何と申しましても政治の方々に力を入れていただきますようにもよろしく各先生方、お願いいたします。


大阪フォーラム

春田圭治

岐阜県身体障害者福祉協会副会長

1 基調講演。施設見学先では重度障害者が希望を持って仕事をしていた。(障害者の支援と啓発)

3 障害者差別法の制定、障害者の人権条例の制定


大阪フォーラム

杉山強一

岐阜県身体障害者福祉協会可児市支部長

1 初めて参加して自分たちはまだ勉強不足と感じた。

2 今後、障害者本人も前向きに進んでいくことを心に誓った。


大阪フォーラム

新垣悦子

社会福祉法人 沖縄コロニー

1 印象に残ったのは全体会。各国はこの十年を評価し、さらなる取り組みの継続、必要性を強調していた。障害者問題の重要性を認知してきていると感じた。平和こそ障害者問題の前提であることを今回も会議やシンポジストの発言から強く感じた。

2 盛りだくさんの総合企画だった。各国の生の声(現状、努力、改善の結果、展望が聞けたこと)が最も印象に残っている。特に「障害者権利条約」についての意識、発言が印象的でした。全体会と分科会とのシンポジストがバッティングして開始が遅れた状況があった。そのためスピーカーの時間不足で十分に発言できなかった状態も感じた。
 昼食がインスタントラーメンやおにぎりやパンだったことは、初めての体験でびっくりもしたがむしろ新鮮だった。共通の嗜好によく気がついたと感心した。

3 障害をもつ人が「完全参加と平等」の理念の下に人間尊重を堅持し、平和で明るい社会構築が成され、一人でも多くの障害者の社会的自立が達成されることを期待します。また、新障害者の十年に引き継がれたことの意義は大きく、今後の日本のリーダーとしての実践・行動支援が期待されます。さらにこれまでの十年会議を各国持ちまわり式の開催手法で啓蒙啓発してきたが、開催国でそれらによる効果が確認できれば、これからの十年も同様な手法を継続することは意義あると考えます。


※ 大阪フォーラムの昼食については、ご指摘がありましたが、参加費に昼食代は含まれておりせんでした。ただ、お昼休みの時間が短く、時間内で食事をとることが難しいこと、移動面などを考慮して、大阪事務局のご好意で昼食が提供されることになりました。しかし、参加者への説明、昼食の内容面など事前に配慮されてしかるべきこともあり、今後の課題のためにも参加者の声として掲載いたしました。(編集部)