音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

編集後記

 昨年はお彼岸頃に咲いてしまった桜、北風がまだ冷たい今の陽気なら今年は例年並みでしょうか。この時期は卒業、入学、入社とつい満開の桜の光景とだぶらせて新しい旅立ちを応援したくなる季節でもあります。年度単位で仕事をされているところも多いと思いますが、本誌も4月から福祉の総合情報誌としてさらなる充実をめざし、態勢を整備中です。ひとつはこれまで編集委員会と企画委員会という2本立ての進行であったものを編集委員会として一本化することになりました。二つめは同人案。専門家や学者、当事者の方など福祉の最前線に触れておられる方々に、同人として本誌企画に参加していただくもので、現在30人くらいの方に依頼中です。お引き受けいただいて決定いたしましたらご紹介させていただきます。これで強力かつ充実した態勢で新年度から臨みますが、みなさんにはこれまでどおり忌憚のないご意見をぜひお寄せいただきたいと思っております。新しいコーナーも企画中です。ノーマライゼーションならではの切り口で面白くはないかもしれないけれど(?)ためになる情報、いいお話、最新の情報など読みごたえのある内容をお楽しみにしてください。

(S)

 先日、明治学院大学において精神障害をもつ人が支援を受けながら大学で学ぶキャンパス・サポートプログラムについて、アメリカからプログラム利用者と支援者の方を招いてセミナーが開かれました。
 学生は、この支援プログラムを利用して大学に入学し、卒業の後、大学院に進む予定であるエロディアさん。周囲の人たちからは心ない言葉をあびせられたこともあったといいますが、話をする彼女の表情は明るく自信に満ちていました。
 体調管理については無理のない履修をして「目標をもっていたから優先順位をもっていて、必要ないものはやらなかったわ」とストレスをためない生活をしていたことがうかがえました。このプログラムにかかわっている教授の「学生が何ができないかではなく、何ができるかが大切だ」という言葉が印象的でした。
 こういったテーマは、話題にのぼることが少ないですが、本人の方や関係者の方がもっと声をあげ、日本での支援のあり方について議論が展開される必要性を感じます。

(K)

(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「ノーマライゼーション 障害者の福祉」
2003年3月号(第23巻 通巻260号)