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アジア太平洋障害フォーラム(APDF)
設立会議2003 決議
シンガポール宣言(仮訳)

◆序文

1.2003年11月26日から28日までシンガポールにて開催された、アジア太平洋障害フォーラム(APDF)設立会議2003の参加者一同は、以下のことを宣言する。
 a)われわれは、新たな地域レベルの民間団体(NGO)のネットワーク組織である「アジア太平洋障害フォーラム(APDF)」を設立し、第2次アジア太平洋障害者の十年(2003~2012)の目標の実現に向けた歩みをはじめる。
 b)この地域における障害をもつ人のエンパワメントに向けた取り組みの中で、これまで達成したことや課題を考慮に入れ、また「アジア太平洋障害者のための、インクルーシブで、バリアフリーな、かつ権利に基づく社会に向けた行動のためのびわこミレニアム・フレームワーク(BMF)」に掲げられた目標に焦点を当てつつ、以下のことを決議する。

◆決議

2.障害をもつ人のエンパワメントに向けて、次の新しいアプローチを採る。
 a)当事者団体(selfhelp organization)(の活動)を推進する。
 b)慈善に基づいたアプローチから、権利に基づいたアプローチへの、パラダイム転換を確実にする。
 c)障害をもつ人の権利と福祉(wellbeing)を守り、推進する。

3.BMFの目標の実現を推進し、これに携わり、実行するとともに、地域レベルおよび各国レベルにおいて、BMFの7つの優先目標を達成するため、連携して取り組む。

4.国際連合とその関連機関、各国政府、民間団体ならびにその他の域内関係機関と協働し、次のことを行う。
 a)「障害者の権利および尊厳の保護および促進に関する包括的かつ総合的な国際条約」の実現を推進する。
 b)障害をもつ人に関わる諸問題について啓発・権利擁護活動を展開する。

5.障害をもつ人が、統合された社会環境の中で、よりよく生きることができるよう、独立・自足した、かつ自尊心がもてるネットワークづくりに向け、活動する。

6.域内各国政府からつぎの事項について支援と協力を求める。
 a)当事者団体が、BMFの実施およびAPDFの目標達成に携われるよう支援する。このために、域内各国政府にBMFおよびAPDFの目標を、すべての障害をもつ人が利用できる形で、提供するよう要請する。
 b)各国政府ならびに障害当事者団体および支援団体間のパートナーシップを通じた協議関係を樹立する。
 c)乳児・児童の早期介入プログラムおよび、インクルーシブな教育と雇用の実現をめざす支援技術を適切に用いることにより、障害をもつ人の(完全参加の)ための基盤を整備する。
 d)アクセシビリティ、教育および雇用といった基本的な問題について、適切な対応がなされることを確保することにより、障害をもつ人を地域に統合する。
 e)21世紀には、各国政府および民間団体とも、より大きな課題に直面することになるので、(その解決に向け、協働するため)障害をもつ人ともたない人の隔たりをなくしていく。

7.域内のすべての障害当事者団体および支援団体が、APDFに参加し、すべての人の完全参加と平等の推進に参画するよう、奨励する。