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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2004年1月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編 ●洋服は軽くて着心地がいいものを、他●

提案:高橋秀子 イラスト:はんだみちこ

高橋秀子(たかはしひでこ)さん

私は、リウマチで電動車いすを使用しています。自宅での電動車いすは、座面が上下に動くものです。仕事は(株)INAXのショールームで、新築・リフォーム問わず福祉住環境に関するアドバイザーをしています。病気の症状はいつも全身がだるく痛み、動きもよくありません。かなりの時間をかければ身の回りのことはできるのですが、1日の時間は限られています。自分でスムーズにできるように動作を補う工夫をしたり、毎朝ヘルパーさんに入浴・食事・身支度と出勤までのことをお願いし、他の部分にエネルギーが使えるようにしています。


洋服を選ぶ基準:軽く着心地がよく、着脱が容易なもの

リウマチは、いつも体全体がだるい感じで動きもスムーズではありません。洋服を選ぶ時はあらかじめすべりのいい洋服を選ぶようにしています。上着とインナーの組み合わせも綿や毛製品同士ですと、すべりが悪くスムーズに動きにくいため、ゴワゴワ感や引っ張られたままの感じがあり疲れます。

ポイントは「すべりのいいもの」「軽くて、暖かいもの」です。たとえば、上着など裏地がついていない場合は洋服直し店ですべりやすい裏地をつけてもらいます。インナーや下着もすべりがよくて保温性があって発汗性のあるものがいいですね。

すべりやすい素材のものであれば、べんり棒を使い、着替えも疲れずにできますし、介助に慣れていない人にお願いする時もスムーズです。


日常での三種の神器

私がいつも肌身はなさず(?)持ち歩いているものは、ニッパとはさみとべんり棒。握力や指でつまむ力が弱く、腕が伸びない、上がらないため、それらを補うには、これらが大活躍です。

ニッパは、ヨーグルトの蓋を開けるときに、ニッパで挟んでくるくると巻き込むようにするとはがれます。お豆腐の蓋や煮豆などパックに入っているものを開けるときにも使います。また、私は目が乾きやすいので使い切りの目薬を使っていますが、目薬のつまみを開けるときにも重宝しています。使い切りの目薬は、小さくて容器が硬いので、ニッパでつまんで点眼しています。

はさみは、お菓子やお弁当についてくる醤油やソースの口を開けるときに手では開けることができないので、車いすのコントローラ部分やバッグに下げておいて、いつでもすぐ取り出して使えるようになっています。

べんり棒は(株)フセ企画という会社をインターネットでみつけ注文しました。携帯用なので柄の長さは30センチくらいです(家ではもっと長いものを使っています)。これで物を引き寄せたり、エレベーターのボタンを押したり、洋服の着脱や、または髪の毛をかきあげたりします。これは軽くて便利です。


靴のファスナー部分にリングをつける

靴選びの工夫としては、柔らかい素材のもの、伸縮性のあるものを選びます。足幅もゆったりして締めつけ感がない履きやすいものを選んでいます。ただ履きやすさだけを求めると洋服に合わないデザインだったりするのでその辺は注意したいものです。

気に入ったものは、お店の人にお願いして履かせてもらいますが、そのときに履きにくいものは靴が硬い証拠で、十分試し履きをしてから決めます。履きやすい靴に出合うと色違い等、つい買いだめをしてしまいます。

ちょっとおしゃれな雰囲気の服の場合は、つま先のとがったデザインでも幅広の靴を購入しておき、TPOに合わせて靴を選んでいます。後ろファスナーの靴ははきやすく、ファスナーの先にちょっとおしゃれなリングをつけると、べんり棒でファスナーの上げ下げができます。