音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2004年5月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編 ●おしゃれのポイントあれこれ●

提案:伊藤貴子 イラスト:はんだみちこ

伊藤貴子(いとうたかこ)さん

私は頚髄を手術してから車いすユーザーとなり、普段の生活では手動車いすを使用しています。車いすの生活になってからも海外旅行に行くことが何よりの楽しみで、それを目標に日々の健康管理にも気をつけています。


美容院選びのポイント

いくつになっても女性だったら綺麗でいたいですよね。洋服だけでなく、髪型ひとつに対してもやっぱりこだわりたい。でも、車いすだとなかなか入れる美容室ってないなぁ~って思ったことがありませんか? そこで、私が見つけた美容室で最近お気に入りなのがデパートに入っている美容室です。デパートの入り口は段差がなくてドアも広い、もちろんお店の中もとても広いので移動もラクラク。カットの際は車いすに乗ったままでもOK。シャンプーをする時の移動はお店の人がお手伝いしてくれます。大きな美容室なのでスタッフの人数もそろっていますし、その中には男性もいますので、力仕事などのときにはサポートをしてくれるのでとても安心です。私は、カットとカラーリングをいつもお願いしているのでとても時間が掛かります。万が一トイレに行きたくなったとしても、デパートの中は車いす用トイレもありますので、トイレのことを気にせずにゆったりとリラックスした気持ちで綺麗にしていただいています。


バッグ選びのポイント

私は中途障害なので健常者の時に使っていたバッグがほとんど使えなくなってしまいました。大きさや作りも車いすだと合わなくなったり、頚髄を損傷したので両手の指先の力が弱く、ファスナーが開けにくかったり等の問題点が出てきてしまいました。そこで、いろいろなタイプのバッグを試行錯誤しながら、最近ようやく自分に合ったバッグを見つけ出すことができました。まず、使いやすいのが、私は車いすに乗っている時は膝の上にバッグをちょこんと乗せて移動しているので、最低でも10センチ以上まちのあるタイプの物です。まちのないバッグだと安定感がなく膝からすぐに落ちてしまうからです。それからバッグの外や中にポケットがあったり、中には仕切りがあるものを選ぶようにしています。これで、どこに何が入っているのか分かりやすく整理できます。それと大事なのが、バッグの口のつまみです。開閉する際にファスナー等のつまみの部分が小さいと自分一人ではつまんで開閉することができないので、購入する時は何度も自分でつまんでトライしてから使いやすい物を選んでいます。普段持ち歩く物なので何よりもまず、機能性が大事ですね。


アクセサリー選びのポイント

健常者の頃は身だしなみの最後の仕上げとしてアクセサリーで何かひとつポイントを付けていました。その気持ちは障害をもってからも変わらず、いつも何かひとつはアクセサリーを身に付けています。ただ、今は車いすを使用しているのと両手の指先の力が弱いので、やはり以前とは違って邪魔にならず自分で付けやすいものを選んでいます。特にリングは大好きなので普段から身に付けているのですが、選ぶポイントとしては、付けやすいようにピッタリ目のサイズよりもちょっとゆるめの物を選び、細めのリングよりも少し太めのリングを選んでいます。そのほうが指で摘みやすく指にリングを通しやすいからです。デザインは、リングの真ん中だけに石が入っていたりポイントが付いていたりすると車いすをこいでいるうちに、ゆるめのサイズを選んでいるため、くるくる指の周りを指輪が回ってしまい、せっかくのおしゃれなデザインが指の内側になってしまい、見えなくなってしまいます。そうならないように、私はリング全体に同じデザインが施してある物を選ぶようにしています。そうすればいつでもおしゃれにデザインリングを身に付けることができます。