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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2005年4月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編 ●特製竹トング箸で楽しい食事、他●

提案:中森みや子 イラスト:はんだみちこ

中森みや子(なかもりみやこ)さん

私は、膠原病とリウマチがあり、車いす以外で外出する時は、杖(プラットホームクラッチ)と補装靴を使用しています。尺側偏位で手は変形し痛みもありますが、手作業が好きな私は、切り絵や色えんぴつ画など手指をなだめながら楽しんでいます。できなくなったこともありますが、これからもたくさん楽しみたいと思っています。


特製竹トング箸で楽しい食事

そろそろ箸が使えなくなると感じ始めたのは5年位前で、はじめて自助具としての箸を見たのもその頃です。私の印象はあまりよいものではありませんでした。実際に箸が使えなくなる前に、私なりに楽しく食事ができる、私のお箸を作りたいと思い始めたのです。

私の趣味のひとつに和紙細工があり、私の手は小さな1枚の紙をつまむのが難しく、ピンセットが手離せません。これをヒントにトングを思いつき、見た目、色、形も優しい竹トングにたどりついたのです。早速、電話帳で竹細工店を調べ、お願いし、作っていただきました。約12センチのものは食事用、菜箸は約18センチで、うどん・ラーメン等器の深いものにも使います。魚もむしれますし、左右どちらの手でも大丈夫。バッグには木製スプーンと共に袋に入れ、いつでも持ち歩いています。軽くて持ちやすい私の竹トング箸は最高です。


背もたれがほしい!

3年前に頸椎の手術を受けるまでは、毎日頭が重く、歩く時はあごを支え、座れば、頭をどこかに預けたいと、寄りかかれるところを探しました。自宅では背もたれの高い座いすを使用していました。天井にレールでも張り巡らせ、首をつりながら移動できたらなぁ、なんて思ったりしたこともありました。

手術後は首の状態もラクになり、座いすも立ち上がりのラクな、軽い籐いすに代えました。しかし再び背もたれが必要となってきて、何とかしなければ…と。買い換える気はなかったので、百円ショップなら何とかなるのではということで、子どもに頼みました。ワイヤー板1枚に竹すだれ2枚、結束バンドの計4点、しめて400円也。ワイヤー板に竹すだれを取り付けて、首のところに丸めたタオルを入れて出来上がり。これを籐いすに取り付けると、立派ないすが出来上がりました。このいすに座り、画板(首の状態で高さや角度が思い通りになるので、以前から使用)を膝に乗せ、切り絵づくりなど私の好きな手作業を堪能しています。


使える手作り財布

財布から小銭を取り出す、これが私には大変な作業です。金額が分かっていれば、早めに出して握りしめておけばよいのですが、落とすと、また大変です。拾えない。つまめない…。何とか、安心して使える財布がないものかと探しましたが、出会えませんでした。そこで自分で作ってみました。何とかそれらしいものはできたのですが、じきにヨレヨレになり使用不可能。今度は袋作りの上手な友人に相談して作ってもらいました。

小銭入れはリュックの形で、ファスナーが2本ついていて、口が大きく開き、私の指でも小銭をしっかりつかみ取ることができます。深さもあり、周りには綿がしっかり入ったキルティング加工です。これで財布がつぶれることもありません。札入れはファスナーなしです。どちらも同じ古布で作られていて手触りも最高、すべてがやさしく、かわいく、私の大切な宝物となっています。