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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2005年9月号

提言

米子市の現状と課題

山根宏

私が住んでいる鳥取県米子市の現状と課題について述べたいと思います。

まず一つ目は、JRについてですが、JR米子駅は、エレベーターやエスカレーターの設備がなく、天候の悪い日であってもホームの端まで行ってスロープを降りて、線路を渡らなければなりません。現在もその状態は改善されていません。

二つ目はバスについてですが、米子市では、二つの事業者がノンステップバスを運行しています。主立った病院やデパートには、ある程度運行されてきましたが、市内から少し外れてしまうと運行されていない路線もあります。今年6月、新たに運行された路線は、要望から5年を費やしました。この路線は車いす住宅もあり、私たちにとっては重要な移動手段でもあるため運行してもらうよう、強く要望してきました。しかし、車道の幅も狭く、乗降する際にも危険等の理由で後回しにされていました。このことは、私たちが常にノンステップバス等を活用しながら、調査・提言をしてきた成果の一つだと思います。

昨年の夏、ノンステップバスが時刻表通りに運行されているかを数週間にわたって調査をしました。すると、一つの事業者が時刻表に表示してあるもののうち、実際には50%しか運行していませんでした。このことについては、事業者に対して抗議し、現在では適切に運行されています。

さらに、バス停についても調査をしました。バス停が平坦でなかったり、狭くてスロープの角度が急になってしまう箇所もありました。運行路線が増えることも大事ですが、バス停の整備も必要だと思います。

最後にタクシーについてですが、市内のタクシー会社のうち、8社が福祉(スロープ、リフト付き)タクシーを所有しています。ほとんどの会社が時間に制限を設けず、通常のタクシー料金で運行されています。

米子市の場合、バス・タクシーが特に大切な移動手段です。移動手段の充実が、私たちの生活の一助となります。

課題はまだまだたくさんありますが、これからも、だれもが暮らしやすい街になるように調査・提言をしていきたいと思います。

(やまねひろし 自立生活センター・米子)