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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2006年1月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●白水美江子さんと出口栄理子さんの工夫●

提案:白水美江子/出口栄理子 イラスト:はんだみちこ

白水美江子(はくすいみえこ)さん

ウェルドニッヒホフマン病で、4歳から筋ジス専門の病院に入り、養護学校卒業後は身障者施設へ。5年前に自立生活を始める。2年前に犬を飼い、長年の夢だった犬との生活を満喫中。

出口栄理子(でぐちえりこ)さん

北海道森町生まれ。脊髄性筋萎縮症の障害があり、5歳から国立療養所に入所し、養護学校卒業後は、身障者療護施設に入所。5年前から自立生活を始める。


外出時の防寒対策(白水さん1)

北海道の冬は寒く、車いすでの移動は何かと大変。私は電動車いすを使用しているので、気温が低くなるとレバーを操作する手もとても冷たくなって、動かせなくなってきます。手袋をしても操作がしにくいし…。そこで登場するのがフード付きジャンパーのフード部分です。これはフードが取り外せるものに限るのですが、使用方法は簡単です。外したフードの重みが手にかからないようにクリップで固定するだけです。冷たい風が直接あたらないので、手の冷えをかなり防ぐことができます。身近にあったものを利用したことで費用もかからず、手の冷えも解決しました!


便利な手作り引っかけ棒(白水さん2)

生活していくには介助が必要なのですが、どうしても介助者がいない時間ができてしまい、一人でいることがあります。そんな時のお役立ちグッズが、針金で作った棒です。この棒を使って、手が届かない電気のスイッチを入れたり、テーブルの上のものを引き寄せたり、床に落ちたものを拾ったりとちょっとしたことなら用が足ります。針金は市販のものを購入し、片方の先を持ちやすいように曲げて持ち手を作り、もう片方はものを引っかけることができるように曲げます。普段はいつでも自分で取れるように壁に掛けておきます。この棒は施設にいた頃によく使っていたもので、自立生活を始めてから作ったわけではないのですが、何かと重宝しています。自分で形や長さを変えられるので、使う人の工夫次第で用途が広がるかもしれませんね。


家の中の工夫(出口さん)

自立生活を始めるとき、電動車いすで生活するにはいろいろと工夫しなくては…と思って家探しをしていたところ、大きな段差や階段も無く、スロープを付けずに室内に入ることができるアパートが見つかりました。生活するうえで工夫した点は、まず、車いすのタイヤで床が汚れるので全室の床にフロアクッションを敷きました。そして、車いすがぶつかって壁にキズが付くのを少しでも防ぐために、壁の下のほうに薄手のシートを貼っています。また、私は体が小さいのでお風呂場の浴槽が深すぎて介助者が抱きかかえる時に大変なので、浴槽の中に台を入れて底を高くしました。ちょっとした工夫で生活が快適になるのは、障害者も健常者もよくあることだと思います。自立生活を始めるときに自分が生活しやすいようにあれこれ考えるのは、楽しいですよ。