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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2006年8月号

編集後記

7月31日、鶴見和子さんがお亡くなりになられた。6月号に寄稿して頂いたばかりだった。ゲラの確認でお電話も頂いていた。心からご冥福をお祈りすることしかできない。

高校の図書室は校舎2階のほぼ中央にあった。司書のいる部屋からは時々ギターを弾く音がしたりして自由なサロン的な雰囲気もあった。腰痛のため部活を1年でやめざるをえなかった私の放課後の居場所、バス時間までの時間の過ごし方は図書室だった。定位置に座り、こうして本に囲まれて暮らしていけたらどんなによいかと思っていた。山海先生の「好きなことをみつける、そして続ける」のお話に、私の好きなことはと改めて考えた。就きたかった職業は別にあるけれど、「私は活字が好き」。(S)


石陶房では、お昼ご飯は利用者も職員も一緒に食べる。ご飯とみそ汁は作業所で作り、おかずは配達してもらっているという。みんなが使っているご飯茶碗は各自初めてつくった記念の作品。そのお茶碗を見せていただいた。それぞれ大きさや色、形が違っていて、個性的。少し厚みがあるのは、粘土をひも状にして輪積みしてつくったのだろうか。形は均一ではないけれど、温かみを感じる。みんなこのお茶碗をとても大切にしているという。一つ一つを見ながら、このお茶碗はだれのものかな、と想像していた。ご飯茶碗のエピソードを聞いたせいか、見慣れた食事風景も違って見えるから不思議だ。(K)