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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2008年1月号

県知事

大分県知事
広瀬勝貞(ひろせかつさだ)

新年あけましておめでとうございます。

近年、我が国では、少子高齢化に加え、過疎化や核家族化の進行により、家庭や地域での支え合い機能が低下しています。

このような状況の下で、障がいのある方が、それぞれの地域で自立し、安心して暮らせる社会を実現することは、行政はもとより社会全体の責務であると考えています。中でも、その適性と意欲に応じて就労できる環境をつくることは、大変重要です。

このため、大分県では障がい者の雇用促進と福祉的就労の充実に取り組んできました。

本県の障害者雇用率は2.16%と全国でもトップクラスにあります。これは、身体障がい者雇用に先駆的に取り組んできた「太陽の家」など先達のご尽力のおかげですが、県としても、引き続き、雇用の拡大に努めているところです。ただ、雇用率の内訳を見ますと知的障がい者と精神障がい者の雇用率が依然として低い状況にあります。このため、企業等へのPRなど、現在、その雇用促進に積極的に取り組んでいるところです。特に、昨年には、一般就労への移行支援を目的に2か月間、知的障がいのある方3人を県本庁及び地方機関に受け入れ職場実習を行いました。適性を検討した上で、4月から県の非常勤職員として採用したいと考えています。

さらに、福祉的就労を支援するため、商品開発・販路拡大のアドバイザーの派遣等により、工賃の着実な増加を図っています。また、現在、県庁内の食堂の1つを知的障がい者の就労の場に提供することも検討しています。

このように、県としても率先して取り組むとともに、企業等との連携を一層強化し、民間と行政が一体となり効果的に推進する体制の構築に努めてまいります。

また本県では、昭和56年から始めた世界トップレベルの「大分国際車いすマラソン大会」等、障がい者スポーツの振興に取り組んでおり、昨年は、2000人に上るボランティアに支えられ、27回目の大会を開催しました。この大会では、多くの皆さんに夢や希望を感じていただき、社会参加が促進されるとともに、県民やボランティアの皆さんに深い感動をもたらし、共生社会の実現に寄与しています。

今後とも、障がいのある方が就労やスポーツを通じて、能力を発揮し、生きがいを感じながら地域で安心して暮らせる社会づくりに取り組んでまいります。

終わりに、今年の秋には、第63回国民体育大会と第8回全国障害者スポーツ大会が本県で開催されます。車いすマラソン大会等で培ったノウハウやボランティア活動等を活かし、「おもてなしの心」のこもった大会にしたいと考えています。また、この大会を通じて、大分県の障がい者スポーツの歴史や取組を知っていただければ幸いです。全国各地からの多数の皆様のご来県をお待ちしております。