音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2008年6月号

フォーラム2008

平成18年身体障害児・者実態調査結果の概要

厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課

厚生労働省は、平成18年に在宅の身体障害児・者の実態調査を実施した。この調査は、在宅身体障害児・者の生活の実情とニーズを把握し、今後における身体障害児・者福祉行政の企画・推進のための基礎資料を得ることを目的としている。

1 身体障害児・者の状況

全国の18歳以上の在宅の身体障害者数は、3,483,000人と推計され、前回調査(平成13年6月)の3,245,000人と比較すると、238,000人(7.3%)増加している。障害の種類別にみると、視覚障害が310,000人、聴覚・言語障害が343,000人、肢体不自由が1,760,000人、内部障害が1,070,000人であり、肢体不自由が全体の50.5%を占めている。

図1 障害の種類別にみた身体障害者数(総数:3,483,000人)
円グラフ 障害の種類別にみた身体障害者数拡大図・テキスト

全国の18歳未満の在宅の身体障害児数は、93,100人と推計される。前回調査(平成13年6月)と比較すると、11,200人(13.7%)増加している。障害の種類別にみると、視覚障害が4,900人、聴覚・言語障害が17,300人、肢体不自由が50,100人、内部障害が20,700人であり、肢体不自由児が身体障害児総数の約6割を占めている。

図2 障害の種類別にみた身体障害児数(総数:93,100人)
円グラフ 障害の種類別にみた身体障害児数拡大図・テキスト

2 身体障害児・者の年齢階級

年齢階級別に身体障害者数をみると、70歳以上が51.0%(1,775,000人)を占めており、階級別に最も多い。また、60歳以上の増加が顕著であり、前回調査に比較して238,000人(10.1%)増加している。

障害の種類別にみると、いずれの障害も70歳以上の割合が多い。

身体障害児を年齢階級別にみると、10~14歳の階級が最も多く、34.3%(31,900人)を占めており、年齢の上昇に従って、年齢ごとの身体障害児数が増加する傾向が見られる。

表1 障害の種類・年齢階級別にみた身体障害者数(単位:千人)

  総数 年齢階級(歳)
18・19 20~29 30~39 40~49 50~59 60~64 65~69 70~ 不詳
平成18年 3,483
(100.0)
12
(0.3)
65
(1.9)
114
(3.3)
182
(5.2)
470
(13.5)
394
(11.3)
436
(12.5)
1,775
(51.0)
35
(1.0)
平成13年 3,245
(100.0)
11
(0.3)
70
(2.2)
93
(2.9)
213
(6.6)
468
(14.4)
363
(11.2)
522
(16.1)
1,482
(45.7)
22
(0.7)
対前回比(%) 107.3 109.1 92.9 122.6 85.4 100.4 108.5 83.5 119.8 159.1
平成18年内訳
視覚障害 310
(100.0)

(0.3)

(1.6)
12
(3.9)
21
(6.8)
46
(14.8)
33
(10.6)
33
(10.6)
153
(49.4)

(1.9)
聴覚・言語障害 343
(100.0)

(0.6)

(2.0)
18
(5.2)
20
(5.8)
24
(7.0)
33
(9.6)
34
(9.9)
198
(57.7)

(2.0)
肢体不自由 1,760
(100.0)

(0.4)
44
(2.5)
63
(3.6)
101
(5.7)
256
(14.5)
197
(11.2)
220
(12.5)
857
(48.7)
16
(0.9)
内部障害 1,070
(100.0)

(0.3)

(0.7)
20
(1.9)
40
(3.7)
145
(13.6)
130
(12.1)
150
(14.0)
568
(53.1)

(0.7)
(再掲)重複障害 310
(100.0)

(1.6)

(2.9)

(2.6)
14
(4.5)
31
(10.0)
36
(11.6)
36
(11.6)
167
(53.9)

(1.0)

( )内は構成比(%)

表2 障害の種類・年齢階級別にみた身体障害児数)(単位:人)

  総数 年齢階級別(歳)
0~4 5~9 10~14 15~17 不詳
平成18年 93,100
(100.0)
17,000
(18.3)
23,800
(25.6)
31,900
(34.3)
20,400
(21.9)

(―)
平成13年 81,900
(100.0)
13,500
(16.5)
23,100
(28.2)
28,900
(35.3)
15,400
(18.8)
1,000
(1.2)
対前回比(%) 113.7 125.9 103.0 110.4 132.5
平成18年内訳
視覚障害 4,900
(100.0)
300
(6.1)
1,500
(30.6)
2,200
(44.9)
900
(18.4)

(―)
聴覚・言語障害 17,300
(100.0)
2,800
(16.2)
5,300
(30.6)
5,300
(30.6)
4,000
(23.1)

(―)
肢体不自由 50,100
(100.0)
9,900
(19.8)
11,800
(23.6)
16,100
(32.1)
12,400
(24.8)

(―)
内部障害 20,700
(100.0)
4,000
(19.3)
5,300
(25.6)
8,400
(40.6)
3,100
(15.0)

(―)
(再掲)
重複障害
15,200
(100.0)
3,100
(20.4)
4,300
(28.3)
4,900
(32.2)
2,800
(18.4)

(―)

( )内は構成比(%)

3 身体障害の程度

身体障害者について身体障害の程度についてみると、1・2級の重い障害を有する身体障害者は、1,675,000人で、身体障害者総数の48.1%を占め、前回調査の45.1%に比べてその割合が増加している。障害の種類別に1・2級をみると、視覚障害では192,000人(62.0%)、聴覚・言語障害では112,000人(32.7%)、肢体不自由では761,000人(43.2%)、内部障害では610,000人(57.0%)となっている。

身体障害児について身体障害の程度についてみると、1・2級の重度の障害を有する身体障害児は、61,300人で、身体障害児総数の65.8%を占めている。障害の種類別に1・2級をみると、視覚障害では3,700人(75.5%)、聴覚・言語障害では7,100人(41.0%)、肢体不自由では39,900人(79.7%)、内部障害では10,500人(50.7%)となっている。

表3 障害の種類別にみた身体障害の程度(身体障害者)(単位:千人)

  総数 1級 2級 3級 4級 5級 6級 不明
平成18年 3,483
(100.0)
1,171
(33.6)
504
(14.5)
580
(16.7)
713
(20.5)
225
(6.5)
175
(5.0)
115
(3.3)
平成13年 3,245
(100.0)
850
(26.2)
614
(18.9)
602
(18.6)
660
(20.3)
260
(8.0)
216
(6.7)
45
(1.4)
対前回比(%) 107.3 137.8 82.1 96.3 108.0 86.5 81.0 257.8
平成18年内訳
視覚障害 310
(100.0)
110
(35.5)
82
(26.5)
19
(6.1)
29
(9.4)
32
(10.3)
26
(8.4)
12
(3.9)
聴覚・言語障害 343
(100.0)
15
(4.4)
97
(28.3)
73
(21.3)
50
(14.5)

(0.9)
77
(22.4)
29
(8.5)
肢体不自由 1,760
(100.0)
449
(25.5)
312
(17.7)
293
(16.6)
392
(22.3)
190
(10.8)
72
(4.1)
52
(3.0)
内部障害 1,070
(100.0)
597
(55.8)
13
(1.2)
195
(18.2)
243
(22.7)

(―)

(―)
22
(2.1)
(再掲)
重複障害
310
(100.0)
151
(48.7)
72
(23.2)
32
(10.3)
21
(6.8)

(1.9)

(2.3)
21
(6.8)

( )内は構成比(%)

表4 障害の種類別にみた身体障害の程度(身体障害児)(単位:人)

  総数 1級 2級 3級 4級 5級 6級 不明
平成18年 93,100
(100.0)
46,100
(49.5)
15,200
(16.3)
15,200
(16.3)
7,700
(8.3)
1,500
(1.6)
2,200
(2.4)
5,300
(5.7)
平成13年 81,900
(100.0)
31,100
(38.0)
21,200
(25.9)
11,800
(14.4)
7,700
(9.4)
2,400
(2.9)
4,600
(5.6)
3,100
(3.8)
対前回比(%) 113.7 148.2 71.7 128.8 100.0 62.5 47.8 171.0
平成18年内訳
視覚障害 4,900
(100.0)
3,700
(75.5)

(―)
300
(6.1)
600
(12.4)

(―)

(―)
300
(6.1)
聴覚・言語障害 17,300
(100.0)
1,200
(6.9)
5,900
(34.1)
4,300
(24.9)
2,800
(16.2)

(―)
1,500
(8.7)
1,500
(8.7)
肢体不自由 50,100
(100.0)
30,900
(61.7)
9,000
(18.0)
4,300
(8.6)
1,900
(3.8)
1,500
(3.0)
600
(1.2)
1,900
(3.8)
内部障害 20,700
(100.0)
10,200
(49.3)
300
(1.4)
6,200
(30.0)
2,500
(12.1)

(―)

(―)
1,500
(7.2)
(再掲)
重複障害
15,200
(100.0)
9,600
(63.2)
2,500
(16.4)
900
(5.9)
600
(3.9)
300
(2.0)
300
(2.0)
900
(5.9)

( )内は構成比(%)

4 身体障害の原因

身体障害者の身体障害の原因についてみると、疾患によるものが722,000人(20.7%)、事故によるものが341,000人(9.8%)、加齢によるものが166,000人(4.8%)、出生時の損傷によるものが79,000人(2.3%)となっている。

身体障害児の身体障害の原因についてみると、出生時の損傷によるものが17,900人(19.2%)、疾患によるものが9,200人(9.9%)、事故によるものが2,700人(2.9%)となっている。

表5 障害の種類別にみた身体障害の原因(身体障害者)(単位:千人)

  総数 事故 疾患 出生時の損傷 加齢 その他 不明 不詳
交通事故 労働災害 その他の事故 戦傷病・戦災 小計 感染症 中毒性疾患 その他の疾患 小計
平成18年 3,483
(100.0)
106
(3.0)
113
(3.2)
100
(2.9)
21
(0.6)
341
(9.8)
58
(1.7)

(0.2)
656
(18.8)
722
(20.7)
79
(2.3)
166
(4.8)
356
(10.2)
446
(12.8)
1,372
(39.4)
平成13年 3,245
(100.0)
144
(4.4)
204
(6.3)
150
(4.6)
55
(1.7)
553
(17.0)
76
(2.3)
13
(0.4)
760
(23.4)
849
(26.2)
145
(4.5)
154
(4.7)
349
(10.8)
461
(14.2)
734
(22.6)
対前回比(%) 107.3 73.6 55.4 66.7 38.2 61.7 76.3 61.5 86.3 85.0 54.5 107.8 102.0 96.7 186.9
平成18年内訳
視覚障害 310
(100.0)
11
(3.5)

(0.6)

(2.6)

(1.0)
25
(8.1)

(1.3)

(0.3)
56
(18.1)
61
(19.7)
14〈4.5)
(2.0)
41
(13.2)
58
(18.7)
105
(33.9)
聴覚・言語障害 343
(100.0)

(1.7)

(0.9)

(1.7)

(0.6)
17
(5.0)

(0.9)

(―)
47
(13.7)
51
(14.9)

(2.0)
29
(8.5)
29
(8.5)
51
(15.0)
160
(46.7)
肢体不自由 1,760
(100.0)
89
(5.1)
96
(5.5)
86
(4.9)
14
(0.8)
284
(16.1)
36
(2.0)

(0.1)
356
(20.2)
394
(22.4)
53
(3.0)
70
(4.0)
145
(8.2)
163
(9.3)
651
(37.0)
内部障害 1,070
(100.0)

(0.1)
11
(1.0)

(0.1)

(0.2)
15
(1.4)
15
(1.4)

(0.6)
196
(18.3)
216
(20.2)

(0.6)
60
(5.6)
142
(13.3)
174
(16.3)
457
(42.7)

( )内は構成比(%)

表6 障害の種類別にみた身体障害の原因(身体障害児)(単位:人)

  総数 事故 疾患 出生時の損傷 その他 不明 不詳
交通事故 その他の事故 小計 感染症 中毒性疾患 その他の疾患 小計
平成18年 93,100
(100.0)
1,200
(1.3)
1,500
(1.6)
2,700
(2.9)
1,500
(1.6)
300
(0.3)
7,400
(7.9)
9,200
(9.9)
17,900
(19.2)
16,700
(17.9)
32,200
(34.6)
14,200
(15.3)
平成13年 81,900
(100.0)
1,000
(1.2)
1,000
(1.2)
2,000
(2.4)
2,400
(2.9)
500
(0.6)
9,200
(11.2)
12,100
(14.8)
14,200
(17.3)
13,700
(16.7)
30,800
(37.6)
9,200
(11.2)
対前回比(%) 113.7 120.0 150.0 135.0 62.5 60.0 80.4 76.0 126.1 121.9 104.5 154.3
平成18年内訳
視覚障害 4,900
(100.0)

(―)

(―)

(―)
300
(6.1)

(―)
300
(6.1)
600
(12.2)
600
(12.2)
1,200
(24.5)
1,500
(30.6)
900
(18.4)
聴覚・言語障害 17,300
(100.0)

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)
600
(3.5)
600
(3.5)
1,500
(8.7)
900
(5.2)
9,600
(55.5)
4,600
(26.6)
肢体不自由 50,100
(100.0)
1,200
(2.4)
1,500
(3.0)
2,700
(5.4)
900
(1.8)

(―)
4,900
(9.8)
5,800
(11.6)
14,200
(28.3)
10,200
(20.4)
11,800
(23.6)
5,300
(10.6)
内部障害 20,700
(100.0)

(―)

(―)

(―)
300
(1.4)
300
(1.4)
1,500
(7.2)
2,100
(10.1)
1,500
(7.2)
4,300
(20.8)
9,300
(44.9)
3,400
(16.4)

( )内は構成比(%)

5 身体障害の原因となった疾患

身体障害者の原因を疾患別にみると、心臓疾患(10.1%)、脳血管障害(7.8%)の割合が高い。

身体障害児の原因を疾患別にみると、脳性まひ(25.9%)、心臓疾患(13.3%)の割合が高い。

表7 身体障害者の原因疾患(単位:千人)

  総数
総数 3,483
(100.0)
脳性まひ 54(1.6)
脊髄性小児まひ 43(1.2)
脊髄損傷1(対まひ) 33(1.0)
脊髄損傷2(四肢まひ) 24(0.7)
進行性筋萎縮性疾患 21(0.8)
脳血管障害 273(7.8)
脳挫傷 11(0.3)
その他の脳神経疾患 73(2.1)
骨関節疾患 238(6.8)
リウマチ性疾患 97(2.8)
中耳性疾患 32(0.9)
内耳性疾患 45(1.3)
角膜疾患 19(0.5)
水晶体疾患 11(0.3)
網脈絡膜・視神経系疾患 84(2.4)
じん臓疾患 163(4.7)
心臓疾患 350(10.0)
呼吸器疾患 56(1.6)
ぼうこう疾患 20(0.6)
大腸疾患 51(1.5)
小腸疾患 4(0.1)
後天性免疫不全症候群 2(0.1)
その他 286(8.2)
不明 78(2.2)
不詳 1,414(40.6)

( )内は構成比(%)

表8 身体障害児の原因疾患(単位:人)

  総数
総数 93,100
(100.0)
脳性まひ 24,100(25.9)
脊髄性小児まひ 300(0.3)
脊髄損傷1(対まひ) 900(1.0)
脊髄損傷2(四肢まひ) 600(0.6)
進行性筋萎縮性疾患 1,500(1.6)
脳血管障害 900(1.0)
脳挫傷 300(0.3)
その他の脳神経疾患 3,700(4.0)
骨関節疾患 600(0.6)
中耳性疾患 300(0.3)
内耳性疾患 3,700(4.0)
角膜疾患 300(0.3)
水晶体疾患 ―(―)
網脈絡膜・視神経系疾患 1,900(2.0)
じん臓疾患 1,200(1.3)
心臓疾患 12,400(13.3)
呼吸器疾患 300(0.3)
ぼうこう疾患 ―(―)
大腸疾患 300(0.3)
小腸疾患 300(0.3)
後天性免疫不全症候群 ―(―)
その他 16,400(17.6)
不明 4,600(5.0)
不詳 18,200(19.5)

( )内は構成比(%)