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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2008年11月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●買う工夫と買わない工夫、他●

提案者:星加理絵 イラスト:はんだみちこ


星加理絵(ほしかりえ)さん

点字図書館パート勤務。2人の子どもの子育てが終わりに近づきつつあり、自分らしく生きる第二の人生の過ごし方を模索中。現在はまっている趣味は、ランニング。スポーツは、子どもの頃からずっと苦手としてきたはずなのに……。目標は、フルマラソンの完走。


買う工夫と買わない工夫

電化製品やちょっとした道具は、自分の使いやすいものを選んで買う。だれもがやっている当たり前のことですが、たとえば通販で買ったりしないで、実際にお店で触って使えるかどうか確認するようにしています。炊飯器や計量カップなど目盛りのあるものは、内側にはっきり浮き出ているものを選びます。

逆に買わないようにしているのは、Tシャツや靴下など、同じデザインで色違いというものです。こまめに印を付けたり、洗濯の時にピンでとめたりすればいいのでしょうが、ついそのまま洗濯機へ、ということがよくあるので、後で自分が困るようなものは、最初から買わない。歯ブラシとかお箸も、家族で色違いというような買い方はしないで、全部違う形状のものにしています。


キッチンで

調味料類は、ビンや入れ物の形状がみんな違うので、間違えることはまずありませんが、砂糖と塩だけは同じ調味料入れに移し換えて使っているので、砂糖は左、塩は右と、置き場所を決めて、使ったら必ず同じ所に戻すようにしています。

困るのは缶詰類とレトルト食品。買ってきた時は覚えていられると思っていても、いざ使う時になると「あれ?これ何だったかなぁ」ということになってしまいます。ズボラな私でも、さすがにミートソースが食べたかったのに開けたらミカン缶だった、みたいなヘマをしないように、宛名書き用のシールに点字で「スイートコーン」などと書いて貼り付けています。

冷凍食品も触るだけでは分かりにくいのですが、袋が濡れたりして点字シールが付けにくいので、冷凍庫の中で場所を決めて、肉類、おかず系、麺類などと分けて収納しています。それでも、たまに間違えて、思わぬものを解凍してしまうこともありますが……。


カード類の整理

キャッシュカードにクレジットカード、Suicaなどの乗物カード、いろんなお店のポイントカード、それに病院のカード型診察券……。いったい何枚のカードを持っていることでしょうか。それらのカードを必要な時に間違いなく取り出すのは結構大変です。

お財布にはよく行くお店のポイントカード、カード入れには銀行系、などと分けていても、何枚も重ねて持ち歩くことになってしまいます。

そこで、カードのちょっとした違いというか特徴を見分ける能力を身に付け、整理に役立てています。よく数字や氏名のカタカナが浮き出し文字になっていますが、それが2行書かれているのは○○銀行とか、1行のはどこそことか、そういうふうに覚えます。よく触ってみると、結構全部どこかが違うものです。

子どもが小さかった頃は、何か所もの病院や医院の診察券を管理しなければなりませんでした。娘が診察を受けるのに、自分の診察券を持っていってしまったこともあるので、間違えないように病院名と家族のだれのものか、ポチ袋に点字で書いて1枚ずつ入れていたものです。