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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2008年12月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●電話の自助具「らくらくホン」、他●

提案者:岡本幸子 イラスト:はんだみちこ

岡本幸子(おかもとさちこ)さん

リウマチ歴23年障害者手帳1級、両膝人工関節、両指人工関節。発症後寝たきりになりリハビリ病院に入院手術後、11年前に社会復帰をする。今の楽しみは自転車と山登り。


電話の自助具「らくらくホン」

仕事への復帰で、電話を取る回数が増えました。しかし受話器は重く、指への負担も大きく変形や脱臼が醜くなり、電話を取るのが嫌になってきました。我慢して仕事をしていましたが、思い切って指の人工置換手術をしました。その結果無理ができなくなり、インターネットで受話器を支える装具などを調べましたが、実際に使えるものはなかなかありませんでした。そんな時、日本リウマチ友の会から中伊豆温泉病院のOTの先生を紹介してもらいました。先生は私の手に合わせた軽くて簡単に受話器から外せる「らくらくホン」を考案してくださいました。受話器の取り外しもマジックテープですし、小さいので持ち運びにも便利です。いつも持ち歩くようになり、仕事の効率も上がり、我慢して電話を取っていたことが嘘のようです。


ラジオペンチでラクラク開閉

両手の変形が進んだ指は、指先に力が入らず力を入れて作業することができません。私はカルシウムを多く取る必要があるので、牛乳を1日3回は飲みます。しかし牛乳パックを簡単に開けられず、苦労していました。ある時、全身マヒで無事回復した友人から、ラジオペンチを勧められました。はじめは使うのが難しそうなのでためらっていましたが、牛乳パックをつかみ、ラジオペンチを右に動かすと少しの力で簡単に開きました。左も同じようにするとあらっ?と思うほど簡単でした。今まで一人で悩んでいたことが解決しました。

他にも利用できないか?と考え、両手にラジオペンチを持ち、針と糸を持ち針通しをしたり、また硬い箱を開けたりしています。ラジオペンチは100円ショップで販売されているので、食事用、生活用と分けています。一人では何もできないと思う気持ちが生活習慣のQOLを下げていたことを反省しました。それからは、良い情報を聞くと何でも挑戦するようになりました。


外出先でも気軽に使える携帯ウォシュレット

手指の変形で困るのがトイレ。特に困るのが外出先でのトイレです。自宅ではウォシュレットで安心なのに、外出時になると水分を減らしたり食事も少なくしたりします。

友人と外出した時でした。あいにくお腹の調子が悪くなり、急に駅のトイレに行くことになりました。その時に友人が持っていた携帯ウォシュレットを使用するように勧められました。さっそく使ってみると、使用方法は簡単で、タンクに水を入れボタンを押すだけでした。無事にトイレを済ませおしりの不快さもなく、その後も楽しく過ごせました。

自宅に戻り携帯ウォシュレットを調べてみました。それは、TOTOのトラベルウォシュレット(11,550円・税込)でした。重さ270グラムで大きさは手のひらサイズです。これで十分きれいになります。これを使用するようになってからは、外出先でトイレの心配をすることもなくなり、外に出る機会が増え楽しい生活を送れるようになりました。