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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2009年1月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●雨ガッパで雪も雨もなんのその、他●

提案者:岡本雅樹 イラスト:はんだみちこ

岡本雅樹(おかもとまさき)さん

1977年3月12日生まれ。進行性筋ジストロフィー。養護学校卒業後、実家で在宅生活。自立生活プログラムを受講後、一人暮らしを始めた。現在は、自立生活センターさっぽろ事務局長。


雨ガッパで雪も雨もなんのその

私が外出する時に欠かせないのが“車いすごとかぶることができる「雨ガッパ」”です。

外出している時、急に雨や雪が降ってくると大変困ります。電動車いすは電化製品なので水分に非常に弱いのです。コントローラーに水が入ってしまうと故障の原因になってしまいます。

私もちょうど仕事で東京に行った時、まったく雨具を用意せず、ずぶ濡れになって大変な思いをしたことがあります。実はこの「雨ガッパ」は東京で購入したものです。カッパは、いくつか種類がありますが、私が購入したのは、「“電動車いす用”雨ガッパ」です。

電動車いす用は、手元の部分が透明な窓になっているので、コントローラーの様子を見ながら操作することができる優れものです。もちろん、体と車いす全体を覆うので雨や雪に当たらず、さらに自分の体を暖めてくれるし、車いすが壊れる心配もありません。風で飛ぶことがないよう、カッパに洗濯バサミも付いています(笑)。

「雨ガッパ」があると外出が楽しくなりますよ。


インターネットバンキングで楽々振り込み

私は、手足が不自由で生活のあらゆる面において介助者の手を借ります。時には、通帳やお金の取り扱いについても介助者に頼まなければなりません。もちろん、介助者は仕事で来ているので、通帳の残高や買い物の中身まで秘密にしてくれます。でも、頼む側も気を遣います。「この人これだけお金があるんだ」「あっ、こんな買い物したんだ」なんて思われるんじゃないかと思いながら頼むのも結構いやなものです。

また、仕事の休憩時間に振り込みを済ませようと思っていたら結構時間がかかり、結局、昼食はお預けになった。とか、なかなか振り込みに行けなくて支払いを滞納してしまった。など、いろいろ困ることがあります。

そこで私は、2年前から「インターネットバンキング」を使っています。「インターネットバンキング」は、自宅のパソコンや携帯電話を使って、通帳の残高照会や振り込みができるというものです。これを使い始めてからは、介助の人に気を遣うこともなくなり、スムーズにお金のやりとりができます。残業して帰る時間が遅くなっても振り込みができるし、銀行によっては特典がついてきます(私の場合は、土日の手数料が無料になりました)。詳しい手続きの仕方や情報は、最寄りの銀行に直接聞いてみてください。


ビーズクッションで褥瘡知らず

車いすの座布団選びは、ものすごく苦労します。普通の座布団は、しばらく座っているとすぐにおしりが痛くなります。座布団の上にやわらかいタオルを引いても同じ結果。ちょっと奮発して低反発クッションを購入して使ってみたけどやっぱり痛い。

座布団がうまくなじまないと褥瘡になりやすいし、座ること自体がストレスになります。車いすは、長時間・長期間使用するものなので、ずっと座っていても楽なものを選びたいものです。

そんな時、知人の紹介で「ビーズクッション」に出会いました。「ビーズクッション」というと、ベッドで寝る時に使うものを想像される方が多いのではないかなと思います。クッションの中身は、プラスチック製の小さなストロー状のビーズが多数。表面上のカバーは、伸び縮みするオーガニックコットン。これを座布団に使用するとおしりの重さが分散され、痛みもまったく感じなくなりました。長時間座っていても疲れません。

「ビーズクッション」は、車いすに敷いてもベッドに敷いても褥瘡を防止してくれる優れものです。今では、私の最高のパートナーです。