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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2009年8月号

自分の信念は曲げない

小沼一弥

僕がスポーツクラブに通うようになってもう11年位になります。筋力トレーニングを始めるきっかけは、12年前にサッカーの練習中、左足の靭帯と半月板をけがしました。靭帯は2度けがして、半月板は割れそうになり大きな手術でした。手術が終了してその日の夜、物凄い激痛が走りました。手術した足が痛くて3日3晩眠れませんでした。2度の手術を終えて、数日して少しだけ歩けるようになったが、まだ歩く気持ちになれませんでした。先生から「普段の生活には影響はないが、サッカーを続けていくのは無理。辞めなさい」と宣告され、ショックで立ち直れませんでした。サッカーしかやりたいことがなかった僕は、人生の中で一番悩みました。そして出した決断は「サッカーを続けたい」と先生に話しました。もちろん反対はされたが、何回も言い続け、先生に「サッカーを続けたいならリハビリをしっかりやりなさい」とアドバイスをもらいました。

それから毎日のようにリハビリをやりました。足を曲げるのは痛くて大変だったが、「手術してそんなに経ってないので痛みさえ我慢すれば時期に痛みは消える」と先生が話してくれました。ようやく普通に歩けるようになって先生からスポーツクラブを紹介してもらいました。インストラクターから「下半身が弱いので下半身を強化しましょう」と言われてスクワットや歩いたり、温水プールで徐々に良くなってきました。

今は、筋力トレーニングを中心に、上半身と下半身を交互に分けて、上半身の日は1時間位ベンチプレスから始まって、下半身の日は1時間40分位スクワットから始めます。ベンチプレス50キロ、スクワット95キロの重さになります。今の足の状態ならランニングマシーンで5~10キロ、自転車で20~30キロは耐えられます。

気持ちの上では強い精神力を身に付けました。リハビリや痛みに耐え諦めませんでした。心に決めた言葉があります。「絶対に諦めない・自分の信念は曲げない」です。もし途中で諦めたら僕は、サッカーは続けていません。諦めなかったから手術して1年で復帰、大会で最優秀賞を頂きました。

僕は、ポジションがフォワードで僕の最強の武器は走ることです。スペースを見つけて走り、チャンスを作る。筋力トレーニングのおかげでこのスピードを手に入れたんです。今まで辛いことがたくさんあったけど後悔はありません。まだサッカーをやめる気もないし、自分が正しいと思うことを続け、曲げない信念、諦めない気持ちでこれからもさらなる高みへ目指します。

(おぬまかずや 本人活動「湘南にじ」)