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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2009年8月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●インターネットの活用、他●

提案者:竹下八千代 イラスト:はんだみちこ

竹下八千代(たけしたやちよ)さん

私は夫、青年期の息子たち、そして夫の高齢の両親の6人家族です。目の見えない私が、妻、主婦、嫁として生活を送れるのは、点字とパソコンで情報を扱えることが大きいと思っています。特に最近、生活協同組合(以下コープ)のネット購入を始めてから、買い物が飛躍的に自由、かつ便利になったので、これに関わる3点の工夫をご紹介します。


インターネットの活用

コープのネット購入には「簡単注文サイト」があり、目の見えない私たちもスクリーンリーダー(パソコンの音声化ソフト)で使いこなせるように配慮されています。値段、量、形態、商品説明、アレルギー源、カロリー、1個当たりの金額、次回商品企画など、詳細情報が分かるので、商品を選ぶのも楽しみとなりました。

以前は、夫や息子に商品カタログを読んでもらい、注文のマークシートを書いてもらっていましたが、今では、食品や日常品のほとんどを自分一人で購入できるようになりました。


点字シールを貼って見分ける

ネット購入で安心なのは、注文後、すぐに確認メールが届くことです。この購入一覧を元に、手で触っただけでは見分けにくい物、見分けられない物には、受け取る前に商品名の点字シールを作っておきます。B5判の点字シートを使い、冷凍、冷蔵、ビン物、箱物、缶詰などのグループごとに、商品名を点字シールにします。1行書くたびにはさみで切り込みを入れ、ただし、切り落とさないで次の行と繋げておきます。こうすると、商品に貼る時に探しやすく、効率的です。

コープの配達の方はとても親切です。私に一つずつ手渡しながら、その商品名を教えてくれます。商品はいくつにも小分けされ、チェックしやすくなっています。私はその一つ一つを触って商品を確認し、玄関先で自分に分かるように並べながら受け取ります。形が同じで区別しにくい物は、その場で輪ゴムをどちらかにはめ、その商品名を覚えます。受け取りが終了すると、覚えているうちに点字シールをそれぞれに貼り、収納します。


冷蔵庫内の収納をシステム化

わが家には、メインの冷蔵庫の他に、その週に来た食品だけを入れる受け取り専用冷凍庫があります。冷凍食品はまずそこに入れ、1週間のうちに、キッチンにある冷蔵庫のストックが減るにつれて移していきます。冷蔵庫の中は百均で買ったトレイで区切り、決まった場所に決まった物を収納するようにしています。ただし、残り物が出たりすると、収納場所からはみ出して、区分けが乱れるため、予定外のスペースを吸収するゆとりを持たせて、冷蔵庫内の収納をシステム化していくのが今後の課題です。

このように、私の工夫は、1.買い物にインターネットを活用すること、2.触っただけでは見分けのつかない商品に点字シールを効率的に貼り、見分けやすくすること、3.決まった場所に決まった物を入れることを習慣化し、システム化すること、と言えるでしょう。