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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2009年10月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●「らくらくマウス」でらくらくパソコン、他●

提案者:馬渡健二 イラスト:はんだみちこ

馬渡健二(まわたりけんじ)さん

1968年2月27日生、41歳。先天性脳性マヒ。29年間施設で生活をし、自立生活夢宙センターと出会い、6年前から大阪市住之江区で自立生活をし、夢宙センターのスタッフとして活動しています。趣味は料理で、人に振る舞うのが大好きです。


「らくらくマウス」でらくらくパソコン

私の障害は、脳性マヒです。脳性マヒにもいろいろなタイプがあって、私の場合は、上肢が自分の思うように動かないので、電動車いすの操作もパソコンも足で行います。

私がパソコンをやり始めて15~16年になります。最初の頃は、普通のマウスやトラックボールを足で使ってパソコンをやっていましたが、なかなか上手くいかなくて、苦労をしていました。ちょうどその頃、施設に入っていて、施設の職員が「らくらくマウス」があることを教えてくれました。その施設の職員のアドバイスを聞き入れ、パソコンをする時には「らくらくマウス」(らくらくマウスは利用するすべての人が使いやすいようにオーダーメイドとなっています)をさらに一工夫し、私に合った使いやすいマウスを使っています。そのマウスは、ポインターを移動させるのも、4点6点8点のボタン式か、ジョイスティックか、選択ができます。クリックやドラッグもボタン式で、自由自在です。


牛乳パックの活用

「らくらくマウス」のほかに工夫していることは、キーボードの高さを調節するために、牛乳パックを何個かくっつけて台にしています。思ったより頑丈で簡単には壊れません。その上にキーボードを置いたり、モニターも同じようにして高さの調節をしています。「らくらくマウス」自体はどこでも使えるのですが、高さの面では、マウスだけあっても使えないのが難点です。

「らくらくマウス」を使ったり、前述のようにキーボードを置く高さを調節したりして、自分によりよく使えるように工夫したりしています。おかげで、以前より楽にパソコンのゲームや文章が打てるようになり、時間も短縮できて、快適なパソコンライフを楽しんでいます。


リモコンを足で操作

私は脳性マヒで手が思うように動かないので、家のテレビやエアコン、DVDのリモコンも足で操作します。足で操作する時、リモコンを床に置いたままだと、なかなか上手くいきません。私はヘルパーを使って生活をしているのですが、いろいろな事情があってヘルパーを24時間は入れることができません。ヘルパーがいない時間にテレビやDVDを見ようと思ってもリモコンが上手く操作することができませんでした。

そこで考えました。リモコンが固定できて、ある程度の角度をつけることができたら足でも操作が簡単にできるはずだと。それで家の家電のリモコンを近くの店で買った板にマジックテープで固定して、その板の角度が大体45度になるようにして釘を使い組み立てました。なぜ、マジックテープで固定したかというと、それは取り外しができて電池交換ができるからです。

今、私の家には5つぐらいのリモコンがありますが、それら全部を同じように固定していろいろな操作を行い生活しています。ヘルパーがいるいないに関係なく、テレビを見たり映画を見たりエアコンの操作をしたりして生活を楽しんでいます。