音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

  

「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2010年9月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●電動立ち上がり補助椅子でキッチンの使い勝手がUP!、他●

提案者:奥山葉月 イラスト:はんだみちこ

奥山葉月(おくやまはづき)さん

NPO法人自立生活センター・立川理事長。骨形成不全症。身長110センチ。地球上にはあなたの結婚相手がいないと周りから言われ続けていたが、35歳で結婚。夫は若年性リウマチと障害者夫婦。結婚を機に生活しやすくするためにマンションを購入。ライフスタイルが変わるたびに福祉機器マニアの夫から情報をもらい、さまざまな福祉機器を検討し、導入している。昨年9月、39歳で長男を出産。現在、育児休業中。


電動立ち上がり補助椅子でキッチンの使い勝手がUP!

身長の低い私に合わせてキッチンを改造すると夫が使えなくなるし、水回りの改修工事は費用が高額になるため、ちょうどいい高さの椅子を検討しました。固定椅子だと移動が困ってしまいます。キャスター付きでは安定しないためバランスを崩して転倒、骨折の危険があります。探したところ、「ベラ」という、キャスター付きでブレーキがかかり、電動で上下昇降する椅子を見つけました。デモ機をお借りして使い勝手を試した後、購入しました。購入後、業者に私の身体に合わせて座面をカットしてもらい、足台も付けてもらいました。

もともと、この椅子はリウマチなど立ち上がりが困難な方が使用する補助椅子ですが、私の場合は乗り降りする時は低くし、調理する時は足台に立ち、高いところの物を取る時は高くしてと、大変重宝しています。


育児補助ベビー用品「コンビ ロアンジュ」

私は低身長、夫はリウマチのため、かがんだ姿勢や中腰ができないので、日々の生活では動作が限られてきます。妊娠して育児を考えた時、やはり高さに工夫が必要でした。

赤ちゃん用品のお店を見てまわり、「コンビ ロアンジュ」を購入することにしました。ロアンジュは電動スウィング「スリーピングオートスウィング」やオルゴール機能が付いており、赤ちゃんを寝かせるのにいいとのことでした。

その機能はわが家にとっても魅力的ですが、5段階の高さ調節があるので、私や夫がオムツ替えや離乳食を食べさせる時など、それぞれが育児ができる高さにすることができます。また、両脇に杖をついて生活している私は赤ちゃんを抱いて移動ができないのですが、ロアンジュはキャスターが付いているので、赤ちゃんを乗せたまま家の中を移動させることもできるため、とても助かっています。

そのほか,赤ちゃんを固定するベルトが付いているので、脱衣場まで連れていき、お風呂の前に待たせておく時も安全です。


ベビーベッドは衣装ケースで高さを工夫

ベビーベッドは一番小さいタイプでキャスター付き、ベッドの高さが2段階に変えられるものを選びました。

夜は赤ちゃんの世話がすぐできるように、私たちのベッドの脇にくっつけて寝ています。また、昼間はリビングダイニングの真ん中や窓のそばなどに置いて、家事をしながら、赤ちゃんの様子を見られるようにしたり、外気浴ができるようにしています。そのため、移動可能で小回りが利くものとなりました。

かがむことのできない夫が赤ちゃんのおむつを替えたりするには、ある程度の高さが必要なため、ベビーベッドの設定できる2段階では足りず、ベッドの天板の上に透明プラスティック製の衣装ケースを置いて、調節することにしました。

はじめは、2段階の上の設定で乗せていたので、とても高く、ベビーベッドの柵の高さが5センチほどになってしまいました。赤ちゃんが寝返りをするようになり、この高さでは危ないため、今は2段階の下に設定を変えました。夫にとってはやや低いのですが、赤ちゃんの安全のために我慢してもらっています。