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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2012年2月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●私のユニフォームは着物、他●

提案者:よしだみち イラスト:はんだみちこ


よしだみちさん

4歳の時突然の高熱で、若年性突発性関節炎を発症。また13年前、事故で頚髄損傷(C5番、6番)となり、電動車いす生活が始まる。1種1級。一人娘が嫁いだ後は独り暮らしで、24時間介助者との生活をしている。現在、自立生活センター三田代表。


私のユニフォームは着物

幼い頃から私は、冷えてはダメと母の仕立ててくれた着物を着せられていました。10歳頃になって初めて洋服を着せてもらえたのですが、その洋服は足首までのロングワンピース。両親の反対を押し切って自立生活を始めた私は、ミニスカートを好んではいていましたが、なぜか夏が来ると浴衣が着たくなりました。

頚損になって車いす生活に変わると意外に着物は着心地がいいのです。着やすく暖かく、それに初対面の人にもすぐ名前を覚えてもらえるという利便性があります。この着物にはこの色が合うとか、半襟代わりに選ぶ首に巻くカラーのハンカチも買い物をする楽しみをひとつ増やしてくれました。上下に分かれた2部式のリフォームした着物は私のユニフォーム。


世界に一つだけの浴槽

どんなに障害が重度になっても入浴への思いは捨てられません。歩いていた頃は、長い柄を付けたブラシや浴槽洗いのスポンジなどを使って入浴を楽しんでいました。車いすになってからは2人の介助者と作業療法士の先生の手作りシャワーチェアと浴槽の角に取り付けた腰かけがあれば何とか浴槽に入れたのですが、4年前に浴槽で両足の骨が折れてしまう事故に遭い、入浴が難しくなりました。リクライニングのシャワーチェアをオーダーメイドで作ってもらいましたが、シャワーだけでは身体が温まりません。

ある時、入浴チームの一人が網棚の一段を外したものにアルミの断熱材をまいて「これにお湯たまりませんか?」と持ってきました。その日から入浴チームのメンバーと次々とアイデアをひらめかせ、百均などでそろえた材料でいつの間にか世界に一つだけの浴槽が誕生しました。

シャワーチェア上の三方に金網の枠を置いてそこにビニールのテーブルクロスを広げます。クロスの四方を枠に取り付け洗濯ばさみで止めて、お湯を入れればできあがり!背もたれを45度くらいに傾けると胸のあたりまでお湯につかることができます。入浴剤を入れて今日も私はサッパリ、スッキリと、シアワセ満喫。


栄養管理でお腹もスッキリ!

小さい頃の私は便秘症。大人になると、うれしいことや悲しいことがあるとすぐ下痢をしていました。頚損になるとまた便秘気味で困るようになりました。そこで私は、子育てをしていた時のようにバランスのいい食事を作ろうと考えました。

朝食はプルーンを入れたプレーンヨーグルトに果物、牛乳。昼食はご飯に納豆、野菜たっぷりの副菜。おやつは果物。夕食はご飯にお魚かお肉、根菜や豆類、海藻を使った副菜。果物や野菜は季節のものにこだわりました。薄味で化学調味料は一切使わない。砂糖は少量しか使わないで酒、みりんを使用。そして国産レモンを毎日1個は絞って飲む。3年前から寒天パパの5グラム入りのスティック半袋を、湯に溶かして飲むことが増えてからは冷蔵庫から納豆が消えました。

つい最近はお腹に牛乳が合わなくなり、豆乳を飲むようになりました。忙しい時はお総菜を買いますが、手作りっぽいものを購入しています。食べるものにこだわっているせいか、排便良好とはいきませんが、頚椎を損傷しているわりに普通。風邪も引かず、寝込みません。