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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2013年12月号

参加者の報告

国連における障害者に対するアクセシビリティの配慮

野村美佐子

2013年9月23日に開催された障害と開発に関するハイレベル会合では、障害者団体からの参加者も多く、障害をもつ当事者の参加も多かった。当事者の観点から、国連のハイレベル会合における障害に配慮したアクセシビリティについて述べてみたい。

前日の会議登録においては、車いす利用者と一緒であったが、国連本部の入口がアクセシブルでなかったが、警備員が登録受付場所へのアクセシブルなルートに誘導してくれた。

会合においては、障害者に対する情報保障として、磁気ループ、そして以前になかった手話通訳と要約筆記が提供された。

手話通訳者は、世界ろうあ連盟が国際会議において推奨する国際手話を使用した。このような配慮について、同ろうあ連盟の会長コリン・アレン氏は、「国連における会合、会議、そしてイベントのすべてにおけるろう者と難聴者のインクルージョンのベンチマークとなる」とコメントしていた。インクルージョンの進展を感じた。

会議場のスクリーンには、発表者の言葉に合わせて手話と要約筆記が映し出された。同時にウェブキャストも行われて、インターネットを通して見ることも可能であった。

また、ハイレベル会合の成果文書は、初めての試みとしてアクセシブルなマルチメディア形式で、USBに同梱されて参加者に配布され、好評であった。

今後も、今回のような障害者に対するアクセシビリティの配慮がなされることを期待したい。

(のむらみさこ 日本障害者リハビリテーション協会情報センター)