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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2015年6月号

報告

第18回冬季デフリンピック競技大会
Win Winter Medals Five!

太田陽介

第18回冬季デフリンピック競技大会は、2015年3月28日から4月5日までの9日間、ロシアのハンティマンシークス及びマグニトスクで行われました。冬季大会としては過去最多の27か国から692人が役員及び選手として参加し、5競技(アルペンスキー・クロスカントリー・スノーボード・カーリング・アイスホッケー)が最高峰を目指し熱戦が繰り広げられました。日本からは、4競技(アルペンスキー・クロスカントリー・スノーボード・カーリング)に全日本ろうあ連盟にて定めた基準を満たした22人の選手を選出し派遣しました。

今回の目標は、過去冬季大会で獲得した最高数のメダル4個を超え5個以上のメダルを獲得することとしました。各国チームの成長が著しい中、これは大変に厳しい目標でしたが、選手が新たな挑戦に挑む姿を見せることで青少年に冬季デフリンピックへの夢を与え、日本の私たち聴覚障害者や聴覚障害を取り巻く皆様に希望と感動を残せるよう大会に臨みました。

選手一同最後まで奮闘し、金3個、銀1個、銅1個、総メダル5個を得て、念願の目標達成ができました。絶えない笑顔とともに選手が表彰台に立ち、日の丸国旗が天高く揚げられた姿は、今なお私自身の脳裏にくっきりと焼きついております。

今大会にて私たちの取り組みが終わるわけではありません。この大会をきっかけに、新たな若手の選手が大会を目標にするよう道を築いていかなければなりません。4年後の大会に向け、選手強化事業として各競技における選手の技量向上のために、世界選手権などの国際的競技大会に積極的に派遣し経験を積ませることが課題であると考えます。また、聴覚障害者及び手話に対する社会からの理解を広げるためにも、聴覚障害者の選手やスタッフが一般大会にも参加して周りと交流を深めながら競技レベルを高めていくことが重要な課題であると考えております。

今大会の派遣にあたっては、文部科学省をはじめロシア在日本大使館、日本パラリンピック委員会、現地スタッフなど多方面にわたってのご支援をいただき、心から深く感謝申し上げます。

(おおたようすけ 一般財団法人全日本ろうあ連盟スポーツ委員会委員長、第18回冬季デフリンピック競技大会日本代表選手団団長)