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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2015年8月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●国内を移動する:地図アプリの活用、他●

提案者:並木正 イラスト:はんだみちこ

並木正(なみきただし)さん

1965年生まれ。先天性白内障により生まれつきの弱視です。大学卒業後、公務員として勤務し、現在に至っています。2003年より弱視者問題研究会の代表となり、弱視者の抱える課題のうち、主に教育・移動・就労の問題に取り組んでいます。


国内を移動する:地図アプリの活用

一人で国内を移動するのでしたら当日でも、iPhoneでほとんどのことができてしまいます。まずは、行き先までのルートを「駅探」や「NAVITIME」などのアプリで調べます。ホテルをあらかじめ予約しないこともあります。現地に到着したら楽天トラベルのアプリで、そこから一番近くて、なるべく安いホテルを絞り込みして、予約をします。支払いは、楽天経由で支払いを済ませれば、ホテルでの支払いはなくなります。

ホテルの場所は、地図アプリで調べます。地図アプリは、自分が現在どの辺りにいるのかが分かり、それが追尾してくれるので、自分がホテルに向かっているのか、離れてしまっているのかが分かるので助かります。地図アプリは、Apple、Google、Bingといろいろ試してみましたが、Yahooの地図アプリが便利だと思っています。


飛行機に乗る:チケット購入から搭乗までスムーズに

目的地が決まったら、国内線.comのサイトで搭乗できる便を探して、その場でチケットを購入します。もちろん、事前予約の方が安いですが、直前でも結構割引切符は残っています。ANAの場合は、搭乗手続きもでき、搭乗券が発行されます。それをPassbookというアプリに保存しておきます。

空港に到着したら、そのまま手荷物検査場に向かいます。手荷物検査場の手荷物検査台の手前にあるQRコード読取機にかざします。もう一度、搭乗口でQRコード読取機に読み取らせて、実際に搭乗となります。

機内では、「機内モード」に切り替えて、ボイス オブ デイジーというアプリで、デイジー図書を聞いたり、囲碁のアプリで遊んだりします。

ここまでiPhoneを使用してくると、気になってくるのは、電池の残量です。20%を切ってくるとかなり心配になってきます。私の場合、予備の充電池を2個持っています。それに加えて、iPhoneそのものと充電池をコンセント経由の電源から充電できるセットを持つようにしています。


外食をする:カメラ機能やルーペアプリを使って文字を拡大

外食する場合、「ぐるなび」等のグルメ系アプリで近くのお店を探します。

居酒屋では、実は、メニューに書いてあるもの以外に、壁に掲げられているものの方がおいしそうなものが多かったりします。壁のメニューが見えないときには、iPhoneのデジカメで壁のメニューを撮影します。その画像を開いて、ピンチアウト(親指と人差し指で輪を作りをそれを広げるようにする動作)で拡大して、メニューを確認します。手元のメニューはルーペのアプリを立ち上げてみることもあります。

最近、ファーストフード店やカフェ等では、カウンターに手持ちメニューを置いていないことが多く、ほとんどの場合、カウンターに貼り付けているか、カウンターの上部の壁に表示しています。後ろに他のお客さんが待っていると気になって、ゆっくりメニューを見ることができません。お店がチェーン店の場合、あらかじめそのお店のホームページを開いて、今発売されている商品を確認するようにしています。